電磁力の驚異的な力が天地を動かしている

”真実”という名の情報に追い回されている

前回はジェラルド・ポラック博士の「第4の水の相」を見つけるまでの経緯を語られた動画を紹介しました。今回は「水を超えて──何が天地を動かしているのか?」です。ポラック博士は「何が天地を動かしているのか?」と問いかけます。地球は慣性でずっと回り続けているのか? また、なぜ大気は吹き飛ばされないのか?

電磁力は重力の10の38乗倍強いと言います。しかし10の38乗倍といっても、あまりにも桁が多すぎて具体的にイメージすることは難しいです。ポラック博士は動画の中で分かりやすい例をあげて、その驚異的な力を説明してくれています。
例えば、(要約です)あなたが横になっていて、誰かがあなたの1メートル上に吊るされているとします。上にいる人の電子の1%と下にいる人の電子の1%を取り除きます。2人は1メートル離れていて、どちらも正電荷を帯びているので、実際には離れてしまいます。浮遊を防ぐためには、上の人の上にどのくらいの重さのものを置く必要がありますか?
答えは、5,000台の満タンのジャンボジェット機!

そして、この力が地球を自転させ、風を起こしていると言います。主流の宇宙論はこの電磁力を無視して、取るに足らない重力で説明しようとします。不思議です。

ジェラルド・ポラック(Gerald Pollack)

ポラック博士は様々な質問や疑問を自ら問いかけ、自ら現象を観察し研究し考え解き明かしていくという姿勢を持った人だということが分かります。たとえそれが仮説だとしても。しかし、ビッグバンやブラックホールが仮説にもかかわらず教育やメディアを使って吹聴され、事実であるかのように信じ込まされ、信じ込んでしまう姿勢とは対極にあります。

自問自答とでもいうのか、教育で暗記学習が強いられてきたせいもあって、コロナに対する反応を見ていると、自ら問い考える人は、とても少ないように思います。絶えず陰気な事件やニュースがコマーシャルのように流され、情報が氾濫しています。一方、真実を求めようとしている人たちが増えてきているようですが、状況はさほど変わらない気がします。”真実”という名の情報に追い回されているように思います。結果の世界です。いったい、何をしているのか? 何を強いられているのか? 

だから私はいったんそこから、情報を追い続けることから離れることにしました。求めることを止め、立ち止まり、結果の世界ではなく原因の世界を追求したいと思います。
尚、文中の見出しはこちらで付けました。

ジェラルド・H・ポラック(著), 根本 泰行(監修), 東川 恭子(翻訳)

要約
ジェリー・ポラック博士は、EU2012年の第1回大会から、水には負の電荷を帯びた第四の相が存在することを明らかにしてきた。水が蒸発すると、第四の相は負の電荷を帯びたエアロゾルの形で上昇し、正の電荷はヒドロニウムイオンの形で上昇する。この負と正の組み合わせが凝縮して雲になることもある。蒸発したヒドロニウムイオンは、太陽光の下では大気中に多く蓄積されるが、夜になるとほとんど蓄積されない。そのため、昼と夜の境界には水平方向の電荷勾配が形成される。
ジェリーは、この電荷勾配が風の流れを動かし、さらには地球の風の原因になっているのではないかと考えている。また、永続的な風を生み出すのと同じ力が、地球の自転を維持するのに役立っているのではないかとも考えている。
ジェラルド・ポラック博士は、ワシントン大学シアトル校の生物工学部門の教授および研究室の責任者である。
10年以上にわたり、生体組織における水の役割を研究している。人気の高い書籍「第4の水の相」(www.ebnerandsons.com)の著者でもある。

水を超えて──何が天地を動かしているのか?
Gerald Pollack: Beyond Water — What Makes the World Go Round?

このタイトルを考案したとき、何が天と地を動かしているのかはなんとなくわかったけれど、天と地ってなんでしょう?

私が言いたかったのは、”地球”です。地球を回転させている原動力については、あまり考えたことがありませんが、実はこれらはすべて、デヴィッド(タルボット)が言及した『第4の水の相』という本から来ています。皆さんの中には、第四の水の相に関するプレゼンテーションを聞いたことがある方もいらっしゃると思います。私たちは皆、水の三つの相、つまり固体、液体、蒸気を知っています。この本では、水には実際に第四の相があるという証拠が示されました。そして、その相にはいくつかの特性があり、今日お話ししたいことは、実はこの時に生まれました。

まず、その特性をいくつか挙げてみましょう。ひとつ目は、水、水ですが、そこには、えーと……

水の中の充電された電池

ここ(水色の場所)に見えるのが水で、水の隣(灰色のところ)には、ある種の親水性の表面があります。私たちが発見したのは、水が親水性の表面に出会うと、この巨大なゾーン(マイナスのある場所)が形成されるということです。これはひとつやふたつの分子層ではなく、何百万もの水の分子層で、実際に水の特性を驚くほど変化させるのです。このように特性が大きく変わることから、私たちはこれを”水の第四の相”と呼んでいます。

その特徴のひとつは、マイナスの電荷を持ち、その先の領域はプラスの電荷を持っていることです。これを第四の相と呼んでいますが、氷と同じように、この領域が実質的にすべてのものを排除していることがわかったので、排除ゾーンと呼ぶこともあります。それは、通常のバルク水の領域に移動するからです。この領域(左の水色部分)はマイナスに帯電し、この領域(右側)はプラスに帯電しているので、実際にここに電極を置いたりして電流を取り出すことができます。これが、この領域の面白い特徴です。

もうひとつの興味深い特徴は、この水のゾーンを作り、電荷を分離するためのエネルギーはどこから来るのかということです。

それは、光です。

エネルギーはイラスト。どこから来るのか。光です

これは私たちにとってかなり意外なことでしたが、水に光を当てると、この排除ゾーン、EZイー・ジー、排除ゾーン、第四の水の相が構築され、電荷が分離することがわかりました。したがって、光、例えば太陽光が、この水の相の構築を促進するエネルギーであるというのは非常に興味深いことです。

第四の水の相と地球の自転

さて、考えてみると、このことがどのような結果をもたらすかについて多くのことを考えさせられます。これからお話しするその結果とは、地球の自転です。

先ほどお見せしたものと地球の自転との間に何か関連性があると考えるのは不可能だと思いますが、ここにいる多くの人は、何が地球を回転させるのかについてあまり考えたことがないのではないでしょうか。

もしかしたら、考えているかもしれませんね。私の同僚(仲間)のほとんどは、地球の回転について考えていません。そうです。ただ回っているだけ、回転しているだけ、です。最初の日から回っていて、今も回り続けています。でも、よく考えてみると、回転していたものはほとんどがダウンしてしまいます。

エネルギーの損失があり、永遠に回り続けることはできません。地球のことを考えると、50億年前に何かが地球を回転させたのかもしれません。数回、数年、数百年は回転していると想像できますが、しかし、1000年、100万年、10億年……その初期エネルギーで本当に回り続けられるのでしょうか?

慣性だけで回り続けることができるのか?

そこで、私たちはそのことについて考え始めました。あるいは、私もそのことについて考え始めました。そこで、この講演の最後にたどり着きたいのは、オチがありますが、地球の上を吹く風が、実際には、少なくとも仮説としての推測ですが、地球の回転を維持する役割を担っているのではないか、ということです。

卓越風が吹けば地球は回るのか?

そうすると当然、風に原因があると言っていますが、何が風を起こすのか?という疑問が出てきます。
これもあまり多くの人が考えたことのないテーマだと思いますが、私が提案するのは、風は実際には大気中の電荷勾配、つまり電荷の横方向の勾配、特に正電荷の勾配から生じるということです。それが私の目指すところです。

風は電荷勾配から来るのか?

そして、その方法ですが、一連の質問に答えていきます。そのリストはこちらです。

回答する質問

回答する質問
帯電した力はどのくらい強いのか?
・電荷は地球上のどこにたまっているのか?
・かなりの電荷勾配があるのか?
・電荷勾配は卓越風を引き起こすのか?
・卓越風は地球を回転させるのか?

まず、電荷について考えるとき、電荷は反発や吸引などの力を発揮しますが、ここにいる皆さんを除いて、ほとんどの人は電荷が本当に強力な力を持っているとは考えていないのではないでしょうか。何かに触れてショックを受けたりすることはあっても、本当に強い力があるとは考えないでしょう。そこで最初の質問ですが、もしプラスとプラスが近くにある場合、電荷の力はどのくらい強いのでしょうか? 弱いでしょうか、強いでしょうか?

次の質問です。
いったい地球上のどこで充電するのか、電荷は地球上のどこに出入りしているのか?

地球自体と大気、そしてそこで見られる電荷について話したいと思います。次の質問は、電荷の勾配は本当にあるのか、それは識別できるのか、そして、電荷の勾配は本当に卓越風を動かすことができるのか、もしそうなら、卓越風は地球を回転させることができるのか、ということです。

さて、最初の質問ですが、帯電した力はどのくらい強力なのでしょうか?
私が取り掛かった現象の一つに、私の前の講演者であるドン・スコット氏が著書の中で示したものがあります。それは、陽子を電子の隣に置き、両者の間の距離をdとすると、実際には2つの力が存在するというものです。最初の力は明らかに引力、つまり静電力ですが、2つには質量があるので引力もあります。そして問題は、どちらが強いか、どれくらい強いかです。

皆さんの多くは、もちろん静電気力の方が重力よりも大きいと思うでしょうが、それはどのくらいでしょうか?
そこで質問をしてみました。答えは10の38乗でした。

2つの引力: 電荷と質量 どちらが大きい? 大きさは?

些細なことではなく、非常に大きな量ですが、ほとんどの人は10の38乗の本当の意味を理解していないと思います。10倍、100倍、100万倍は理解できても、10の38乗は……10の38乗とは、ここに示した概略図のようなものです。

プロトンから銀河、概略図

左上の陽子を取って、陽子の直径を考えてみましょう。そして、別の距離を考えてみましょう。最後のパネルの隣には太陽系がありますが、太陽から太陽系の端までの距離を取って、その距離と陽子の直径の比を取ると、それはたったの10の19乗にしかなりません。10の38乗が必要なのです。つまり、陽子の大きさと、我々と遠い銀河の間の距離との比を話しているのです。それは10の38乗です。

重力と比較した場合の静電力の強さを考えてみましょう。別の例を挙げましょう。2つの銅球を重ねて置き、それぞれの銅球から電子を取り除き始めます。

浮遊するためには、何個の電子を取り除けばよいのでしょうか?

するともちろん、2つの銅球は正の電荷を帯びます。

そこで質問ですが、上の1個が浮くようにするには、どれだけの電子を取り除けばいいのでしょうか?
OK、もしかしたらあなたはその答えを知っているかもしれません。その答えは、10の7乗分の1だということがわかりました。言い換えれば、このボールが反発して浮き上がるためには、およそ1000万個に1個の電子が取り除かれる必要があります。本当に小さな力です。

別の例を挙げましょう。昔ながらの120ワットの電球を使ってみましょう。

120ワットの電球

電流はフィラメントを通っていますよね。もし、電子を捕まえることができたとしたら、フィラメントを流れる1秒分の電子を捕まえることができたとします。それを正電荷の核のようなものに圧縮して点にし、その点をひとつは地面に置いて下に置き、もうひとつは1メートル上に置いたとしましょう。

そこで質問ですが、浮遊を防いで位置を維持するためには、どれくらいの重さのものを載せればいいのでしょうか?
誰か想像してみてくださいませんか?
たくさんいますね。OK、ありがとうございます。答えは、満載のゴミ収集車50,000台!

満載のゴミ収集車50,000台

本当はジャンボジェットを紹介したかったのですが、実際には5,000台の満タンの747があるのですが、絵描きの息子がそれを描けませんでした。

さて、ここで最後に、要点を長々と論じるわけではありませんが、重要な点を考えてみましょう。例えば、あなたが横になっていて、誰かがあなたの1メートル上に吊るされているとしましょう。

電子の1%を取り除く

あなたは彼女の電子の1%を取り除きます。彼女はたくさんの電子と陽子を持っています。彼女の電子の1%と下にいる人の電子の1%を取り除きます。2人は1メートル離れていて、もちろんどちらも正電荷を帯びているので、一緒になるのではなく、実際には離れてしまうのです。

同じ質問ですが、浮遊を防ぐためには、上の人の上にどのくらいの重さのものを置く必要があるでしょうか?
当てずっぽうで、
たくさん! 
OK、たくさんとはどれくらい?
そう、地球です。地球の重さです。

答えは地球、電子の1%を取り除く

これは私の計算ではありません。ファインマンの講義で見ることができます。彼が計算したのです。彼は計算の仕方を知っているのでしょう。

電荷力は驚異的なものになる charge forces can be astonishing

つまり、この少々繰り返しの多いスライドの要点は、電荷の力 charge forces は驚くべきものであり、もしそれらの電荷が及ぼす力を考慮に入れなければ、私たちは何かを見失っており、おそらく本当に重要な何かを見失っているということです。ひとつ目の質問は、まあいいでしょう。電荷の力は驚くべきものです。しかし、そのためには電荷を分離する必要があります。物質は本当に正味の電荷を持つことができるのでしょうか?

答えは”イエス”です。しかし、化学者は一般的に”いいえ”と言うでしょう。化学者は一般的に、すべてのものは中性に傾くので、正味荷電 net charge(実効電荷)を持つことはできないと言います。しかし、これは先週の実験です。

ここに電解槽があります。この電解槽をご存知の方もいらっしゃると思いますが、いわゆる健康促進水を生成します。飲むと、水はマイナスに帯電したものとプラスに帯電したものに分離しますが、マイナスかプラスかは教えてくれません。pHが高いのか低いのか、低いpH(酸性)の水を飲んだら、細菌を殺してしまうので、ひどい味がするので吐き出してしまうでしょう。しかし、pH10.5、11.5といった高いpH(アルカリ性)の水を飲めば、美味しく飲めますし、実際に健康に良いという証拠もたくさんあります。
例えば日本では、胃腸に何らかの問題がある場合、クリニックに行くと、まず最初にこのアルカリ水を飲ませてくれて、その費用は政府が負担してくれると、日本の同僚が言っていました。

つまり、何かがあるということです。とにかく、これはこの水の健康効果とは関係ありませんが、この水をくんで、左(下)の図のように、2つのビーカーに水を入れて、簡単な電圧計を使って、ひとつのプローブ(探針)をpHの高いところに、もうひとつのプローブをpHの低いところに置いてみました。ほら出来上がり。

電解槽
電解槽 左は pH10.5 と pH3.5 、右は500mV(0.5ボルト)

両者の間には0.5ボルトの差があり、その0.5ボルトで1時間は簡単に維持できました。そこまではいいんですけどね。そう、何かの容器に入っていても、持続的な充電ができます。これは水なんです。

別の例を紹介しましょう。

持続的な正味荷電のさらなる証拠 正味荷電(実効電荷)が持続することを示すさらなる証拠  ポタポタ落とす

これは見たことがある人にはクールなものですが、これは……まず、水の入ったビーカーを上に置いて、これを……水から始めて、何が起こるかというと、水が入って、2つの列に分かれて、水が両方に滴り落ちて、このリングを通過して、このリングを通過して、ちなみにこれはケルビン卿が行ったケルビン水滴実験と呼ばれています。水滴はこのリングを通り、これらはこの容器に集められ、これらはこの容器に集められ、何が起こるかというと、まあ、ご存知の通り、水滴はそこに落ち、しばらくすると電荷が何らかの形で蓄積されるようです。そして、ZAP(電撃)を受けて、2つの電極の間で放電が起こります。音がして、目に見えて、本当に驚くべきことです。

見てみると、つまり、ZAPの前にも、流れを止めれば、この2つの容器は電荷を維持し、一方はマイナス、もう一方はプラスになります。これらの電荷は驚くべきもので、大量の水が入った後にビーカーに落ちる滴を見ると、放電するほどではありませんが、かなりの量が入っていて、このようになります。底にはカップがあり、これらの痕跡を見ることができます。

電荷力は重力に逆らうことができる。

これらの痕跡は実際に落ちてくる水滴で、カップに落ちるはずなのですが、カップには非常に多くの電荷があり、後続の水滴も同じ電荷を持っているため、反発されてしまい、上に向かって痕跡が残っているのがわかります。つまり、電荷の力は重力に簡単に逆らうことができるということです。つまり、本当に強い力があるということです。つまり、物質は電荷を帯びることができ、電荷の力は巨大なものになるということです。

物質は電荷を持つことができる Substances can bear charge
電荷力は巨大になる Charge forces can be huge

ですから、最初の質問に答えました。帯電した力はどのくらい強いのか?

その答えは、私たちが考えているよりもはるかに大きい、極端なものです。次の質問はOKです。電荷は地球上のどこに溜まっている(出入りする)のか? 

これは既知のことです。電界があることはよく知られています。電界があると言われた時のことを覚えています。私は異なる分野から来たので、皆さんが子供の頃から知っていることを知らないのです。

電界:地表で100ボルト/メートル

ある日、私の研究室で働いていたロシア人の同僚が、たまたま私に、地球の電場について何か知っているかと聞いてきたので、私はこう答えました。何を言っているんだ、磁界のことか? 彼は、いや、電場だよ、知らないのか?と言われました。

それはちょっとした驚きでした。彼は現代のロシアで育ったそうですが、中学生なら誰でも地球の電場や地球の表面にある負の電荷について知っていると言いました。この国ではそのようなことは学ばないか、少なくとも学ばなかったのではないかと思います。しかし、いずれにしても、教科書、特に50年から100年前の教科書ではよく知られていることです。地表の電界は1メートルあたり約100ボルト ※1であり、したがって、地球上には負の電荷があり、その上のどこかには正の電荷があるはずです

つまり本来、地球は何らかの形でマイナスの電荷を帯びているということです。また、健康問題に話を戻すと、皆さんの中には、代替医療やあらゆる種類の健康法を実践している人々の間で、ビーチを裸足で歩くことが推奨されていることをご存知の方もいらっしゃるでしょう。

電荷の陰性  負の電極の性質

裸足でビーチを歩けば、基本的に地球からの電荷、マイナス電荷を吸収することになります。体が成長するためには、マイナスの電気が必要なのです。それは別の問題なので、私は言及したくありません。それで、アーシングやグラウンディングと呼ばれています。日本をはじめとするアジア諸国では、泥風呂が割と一般的で、泥風呂には治癒効果があると言われています。

マイナスの地球に接続すると…
地球のマイナスの電荷の源… Source of earth’s negative charge…

さて、問題はこのマイナスの電荷はどこから来るのかということです。標準的な解釈は、ファインマンの講義、第2巻第9章(9–6)の”稲妻” ※1を読むとわかります。これが地球上の負の電荷を生むと一般的に考えられています。

※1:第9章の抜粋を訳出しました

少なくともシアトルではそれほど多くの雷は発生しませんし、フェニックスではもっと多いかもしれませんが、地球周辺では膨大な数の放電が発生していますので、地球に落ちた雷の櫛(くしのような形をしたもの)が負の電荷をもたらし、地球はその負の電荷を迅速に取り除くことができずに、負の、正味の負の電荷を蓄積している可能性があります。これがひとつの考えです。

もうひとつの考えは、地球の水が原因ではないかというものです。ご覧のように、これは私が紹介した本を作るために行った作業から生まれたものです。

地球の負電荷の発生源… 稲妻? 地球の水? EZ - マイナス電荷を帯びる;太陽のエネルギーがEZを作る

もしEZウォーターがあれば、地球はもちろん水で満たされていて、その多くが第四の相やEZウォーターであれば、負の電荷を帯びていることになります。これが負電荷のもう一つの発生源かもしれません。面白いことに、太陽がこのEZとマイナス電荷を作っているので、私たちは太陽とある種の関係を持っていることになります。

電子が分散する

基本的には、太陽が地球を叩いて(攪拌して)います。もし、多くの研究者が考えているように、地球が高い導電性を持っているとしたら、これらの電荷は至る所に存在し、地球の地下を正味の負電荷で満たしているはずです。

では、負の電荷があるのだから、それに対応する正の電荷はどこにあるのかと言うかもしれません。

対応するプラスの電荷はどこにたまる?

最初は水と一緒になっていますが、プロトンの多くは空気中に蒸発してしまうので、マイナスとプラスがあります。プラスは、実際に雲を形成するマイナスとともに、空気中に上昇していき、空気中に上昇していくと、次のような状況になります。

プロトンは大気中に蓄積される # 〈ものを〉組み入れる, 不可欠の一要素とする
プロトンは大気を組み入れる

地球はマイナスですが、プラスの電荷がこのように上昇し始めます。地球の近くには正電荷が集中していますが、これは正電荷が地球の負の部分に引き寄せられているからです。しかし、上に行くほどプロトン(ヒドロニウムイオン)はお互いに反発し合う傾向があり、垂直に上昇して広がり始めます。大気中には正の電荷が、地球上には負の電荷が存在しています。プラスとマイナスを考えると、このような状況になります。

プラスがマイナスにくっつき、大気が地球にくっつく プラスはマイナスにくっつく、大気は地球にくっつく。これで”大気圧”の説明がつく?

基本的な静電気学では、プラスの電荷はマイナスの電荷にくっついているので、大気は地球にくっついていることになります。疑問が湧いてきます。大気が地球にまとわりつくと、地球に圧力をかけることになりますが、これで大気圧を説明できますか?

支配的な圧力のメカニズムにはいくつかのパラドックスがあります。

支配的な気圧のメカニズム:パラドキシカル(矛盾する)……
矛盾する

圧力は空気の重さから発生すると考えられています。つまり、空気の重さが私たちを圧迫し、エベレストの頂上にいると空気が少なくなり、圧迫感が減る……ということです。しかし、考えてみると、上には気体があり、問題は、気体を定義すると、分子があり、それらは互いにくっつかず、実際には跳ね回り、ほとんど相互作用しない、ということです。もし、ごく稀にしか相互作用しないのであれば、地球上でどのように圧力をかけているのかを簡単に想像できるでしょうか。あるいは、なぜ高い位置にあると圧力が低くなるのでしょうか?

可能性はありますが、考えてみると、孤立した空気の分子が、私が提案したように地球にしがみつかず、ただそこにぶら下がっているだけなので、上にはたくさんの風が吹いているのに、なぜ大気は吹き飛ばされないのか?という光景が生まれます。そのようなことを考えたことがあるかどうかはわかりませんが。

また、なぜ大気は吹き飛ばされないのか?

さて、ここに大気に関するもう一つのパラドックスがあります。私たちが大気について考える方法は、先ほどお話した正電荷を無視したものです。

もう一つのパラドックス 重いガスは底に沈むのでは?
もう一つのパラドックス another paradox…

大気は、窒素と酸素だけではなく、他のガスがたくさん含まれている混合気体です。その中でもアルゴンは約1%で、実際には空気中にかなりの量のアルゴンが含まれています。CO₂ はもちろんのこと、明らかに、あるいはあなたの信念体系に応じて、多くの問題を引き起こしています。しかし、アルゴンは最も密度の高い物質です。もしアルゴンが最も密度が高いならば、今までの経験からこのような状況になるかもしれないと考えました。

アルゴン 酸素 窒素

つまり、密度が本当に重要であるならば、私たちは深刻な問題に直面しているということです。大気中には正の電荷があり、地球上には負の電荷がありますから、正の電荷が負の地球に引き寄せられて押し付けられることで大気圧が発生する可能性があると思うのです。非常にシンプルです。

大気の圧力は、正の電荷が負の地球を圧迫することで生じるのではないか

さて、これらの電荷は地球や大気のどこにぶら下がっているのでしょうか。次の質問ですが、私たちが想像するような実質的な電荷勾配、つまり電荷の違いはあるのでしょうか?

私が提案する答えは”イエス”です。垂直方向の勾配(グラジエント)と横方向の勾配の両方があり、今注目しているのは横方向の勾配です。最初の質問は、ご存知の通り、プロトンは高度が上がると減少すると述べました。

プロトンは高度が上がると減少する。電界強度は高度が高くなると小さくなる

今、2枚のパネルに示されているように、テスト用の赤い電荷を地表近くに置く(上図、左)と、そこにはたくさんの正電荷があります。そして、高い電界を検出します。試験用の電荷をもっと上に置く(右)と、そこにある正電荷は少なくなり、電界は弱まります。つまり、高度が上がると電界強度が弱くなることはよく知られています。よく知られていることなので、議論の余地はありません。また、日照時間が長くなると、電界強度も高くなります。

日照時間が長くなると電界強度が大きくなる

ここが面白いところで、もしかしたら知らない人もいるかもしれませんが、これには十分な証拠があります。もし正電荷が地球の水からの蒸発によって引き起こされるのであれば、夜間はあまり蒸発しないことになります。
電荷はかなり低い高度にあるはずで、日中に十分な太陽の光を浴びて蒸発が起こると、正電荷は大きく上昇するはずです。つまり、昼間と夜間では大きな違いがあり、電荷に依存する電界は時間帯によって変化するはずです。

電界は時間帯によって変化する。電気を消したのは誰?

例えば、日中に地球のかなり上の方で測定しているときには多くの電界が見られ、夜になると電界は弱まり、満ちたり引いたりします。その証拠がここにあります。

電界の強さ 

これはプロット(グラフ)で、少し複雑ですが、横軸には時間があります。真ん中の12時を見ると正午のGMT、つまりイギリスのグリニッジ標準時で、空中で測定された電界があります。

サイクルを見てみましょう。まず、真ん中のアフリカとヨーロッパを見てください。ヨーロッパでは午後2~3時頃にピークを迎えることが分かります。ちょうど太陽が空高くにあって、蒸発が最大になり、正電荷が高くなっているので、電界が非常に高くなっているのがわかります。

右側を見ると、アメリカでは6時間ほど後の午後に発生しているので、その間の様子がわかります。どこにいても、夜間は電界が低く、昼間は高いことがわかります。その違いを見てみましょう。アメリカ大陸を見てみましょう、青い方です。昼間の電界は夜の10倍、10倍も高いことがわかります。これは多くの人が知らない大きな違いです。

勾配

つまり、昼と夜の間には大きな違いがあり、夜と昼の間には勾配があることがわかります。そしてもう一方、図の右上にも勾配があり、朝の勾配と夕方の勾配があります。正電荷の大きな巨大な横方向の勾配です。

では、実質的な電荷の勾配は存在するのでしょうか? 垂直方向にも水平方向にもです。

さて、これらの電荷勾配が卓越風を動かすことができるでしょうか? 考えてみてください。

卓越風(たくえつふう)とは、ある一地方で、ある特定の期間(季節・年)に吹く、最も頻度が多い風向の風。貿易風、偏西風、極東風がある。

昼と夜の境界では何が起こる?

左側のシアトルでは、私たちはいびきをかいて居眠りをしていますが、ニューヨークでは太陽の光を浴び始め、太陽の光を浴びると正電荷が大気中に上昇します。しかし、夜になると正電荷は非常に少なくなり、横方向の勾配が生じます。電荷は互いに反発し合い、お互いに離れようとしますが、どこに行くのでしょうか?

ここでは、左に向かっています。もし電荷が動いているなら、電荷は少なくとも空気を引きずっています。これらの電荷はプロトンか、よりありそうなヒドロニウムイオンであり、空気を引きずっているか、あるいは空気にくっついているかもしれません、例えば電気陰性の酸素や窒素に結合しています。そのため、空気も動くことになり、空気が動けば基本的には風になります。

ですから私は、電荷の勾配が風を生み出すと信じています。特に、今回話しているような強力な力を持つ大きな勾配の場合はなおさらです。

朝の境界 vs. 夕方の境界 morning boundary vs. evening boundary

従って、朝の境界線と夕方の境界線があり、これらが面白くて独特の何かを生み出すと思います。これは朝の境界線で、ニューヨークは太陽の光を受けていますが、宇宙が近いシアトルはまだ暗いです。

朝の境界

この電荷勾配は、朝の電荷を表しています。朝の電荷は上昇し始めていて、この電荷勾配を横切ってシアトルに向かう風が吹いていることになります。さて、次のスライドでもご紹介します。申し訳ありませんが、これも少し複雑なので説明させてください。

これは地球の表面を広げたもので、中央に夜があり、右側に朝、左側に夜があります。さて、右側から始めましょう

経度の位置 strong(左上) weak(右下)

私が言ったことを思い出してください。朝の風は東から西に向かって吹いていて、右側の電荷がちょうど上がり始めているので、強い風ではありません。それほど多くはありません。それが風の原因となります。朝の風と言ってもいいかもしれません。その風は東から西に向かって吹き、それが貿易風として知られています。貿易風は穏やかに吹くので、コロンブスが新世界に行ったのもこの風のおかげです。

さて、反対側を見てみましょう。左側は夕方ですが、夕方、昼過ぎ、午後遅くになると、電荷はかなり高くなり、勾配は逆方向になります。昼過ぎから夕方に向かって吹くので、西から東に向かって吹くことになります。飛行機に乗ったことのある人なら誰でも知っていると思いますが、上空には西から東に向かって継続的に吹く風があります。それはジェットストリームと呼ばれ、時速100マイルから200マイルのかなり強い風で、ニューヨークに飛ぶ場合は、ニューヨークからシアトルやロサンゼルスに飛ぶよりも早いのです。

ですから、この強風がより強くなることは理解できると思います。この強風は、より強くなります。低い東風よりも高い西風の方が強いのです。なぜなら、午後遅く、午後半ばから午後遅くまでに、より多くの充電が行われるからです。ですから、貿易風やジェットストリームが存在する理由は、朝の勾配と夕方の勾配という2つの勾配で十分に説明できると思います。

問題は、電荷勾配が卓越風(地域[季節]的に最も優勢な風)を動かすことができるのかということで、その可能性を示唆するいくつかの証拠をお見せしました。

では、卓越風は地球を回転させることができるのでしょうか?

摩擦の影響か? #おそらく摩擦が仕事をしているのだろう

考えてみれば、時速100~200マイルで吹いている風があれば、それほど大きな力は必要ありません。実際、地球は自転しています。ごめんなさい、だいたい何マイルくらいですか?
宇宙の基準枠と比較すると、時速1,200マイル(1931km)だと思いますが、風は、ジェット気流は、時速100マイルから200マイル速く吹いています。つまり、ジェットストリームが吹いていて、それが地球にも吹いていて、地球はそれに追いつけずに少し遅くなっている、という感じです。そのため、地球に対してジェット気流が1時間あたり100〜200マイル(160~320km)も速くなっているのです。

ですから、このような高い部分は必要なく、これは明らかに理解を助ける(説明に役立つ)に過ぎませんが、必要なのは勾配と、何かが地球をこするか、何かの突起物をこすることだけです。このような風のメカニズムの利点は、地球の回転がもはや慣性に依存しないということです。

先ほど申し上げたように、もしかしたらあなたは違う考えをお持ちかもしれませんが、私には、慣性が50億年も私たちを維持できるとは考えにくいのです。それは、とても長い時間です。

風のメカニズムの”利点”
・地球の慣性力に頼らなくても回転する
・太陽のエネルギーが究極の原動力
・自転速度の既知の変動を説明できる

また、太陽のエネルギーが究極の原動力です。水の中の電荷を分割して正電荷を発生させるのは太陽のエネルギーですから、すべては太陽のエネルギーに帰結します。このことから得られる結論は、太陽が、地球が自転し続ける理由は、太陽からエネルギーをもらって自転しているからです。ただ、それをしないだけなのです。地球の自転速度は一定ではないことが知られています。一日の中でも変動しています。慣性で回っているのであれば、変動はないはずです。揺らぎがあるので、これで説明がつきます。

そこで質問ですが、卓越風は地球を回転させることができるのでしょうか。その答えは、おそらく、いや、おそらく、可能性があると思います。

電荷の流れ、風、磁界

最後に、おまけのような形で最後の数枚のスライドを紹介します。私は、地球の周りには電荷の流れがあると考えています。

電荷(風)は絶えず地球の周りを流れている
電流は地球の周りを流れている

電荷の流れ、風、そして磁場にも触れたいと思います。なぜなら、電荷の流れ、電流、磁場、これらは結びついているからです。そして、電荷が絶えず、ジェットストリームのように、地球の周りを流れていると、基本的には、おっと失礼、基本的には、地球の周りを流れている電流があるのです。

地球の周りを西から東に流れている電流を考えてみましょう。そして、基本的な静電学と動力学からわかることを考えてみましょう。電流がこのように流れている場合、右手の法則を使って磁場ができます。

右手の法則 磁界の方向 電流

この法則を地球に適用してみましょう。水平方向の矢印は風であり、地球の周りを常に吹いているジェット気流です。

磁界、電流

これは電流で、電流が地球の周りを流れていて、そのように電流が流れていれば、その太い線が磁場を示しています。つまり、地球の周りを流れる電流を作る電荷勾配だけで、実際に磁場が発生している可能性があるのです。可能性はあります。つまり、私たちは地球の磁場が地球のコアのどこかから来ていると考えたいのですが、ご存知のように、誰もその測定をするためにそこに行ったことはありませんし、ちょっと奇妙なことに、そこに座っている磁石を手に入れても、磁石の角度は変わり続けていて、それはそうなのですが、時には反転もします…… そうではありません。

本当なの?  本当にそうでしょうか?
地球の磁場は、内部ではなく外部で発生している可能性がある

つまり、磁場が地球のコアから発生しているかどうかは本当にわからないのです。私は、地球の磁場が内部ではなく外部から発生している可能性を示唆しているのです。ですから、私はいくつかの結論を出していますが、それは結論という意味ではなく、推測の域を出ません。私はほとんど証拠を示していません。主に私が制作した本とそこに盛り込まれたアイデアに由来するいくつかのアイデアと、少しの証拠をお見せしただけです。しかし、ほとんどは論理的な順序(筋道)だけです。

ひとつ目は、よく知られていることではありませんが、私たちはみな電荷が巨大な力を発揮することは知っているはずです。私たちは、現象を重力のせいだと考えることがあります。

例えば、水の入ったビーカーにいくつかの粒子が沈んでいると、私たちは重力を思い浮かべます。しかし、水の入ったビーカーには膨大な数の電荷が含まれています。電荷の力は重力よりも非常に大きく、10の38乗を思い出してください。地球は負の電荷を帯びています。繰り返しになりますが、その証拠はたくさんあり、証拠は100年以上前に始まり、今も続いていますが、実際にはあまり知られていません。

大気科学者たちは、大気が正の電荷に満ちていることを知っています。奇妙なことに、プラスがマイナスを引き寄せ、大気が地球を引き寄せるという提案をしている人を私は見たことがありません

それはほとんど当然のことのように思えますが、どれほどの力があるかを計算しなければなりません。しかし、大気が地球にしがみついているのはプラスとマイナスが引き合っているからだというのは、大気圧の解釈としては実にシンプルで簡単なことのように思えます。

太陽のエネルギーが、蒸発によって大気中の陽電荷を形成するのです。夜間は蒸発が少なく、大気中の陽電荷も少なくなります。太陽の光と暗闇の間の領域では、水平方向の電荷勾配が生じます。これらの電荷の力がどれほど強いかを覚えておいてください。したがって、必然的に風が起こり、風は摩擦を生み出します。問題は、その摩擦が地球を作り、回転させ続け、私たちに昼と夜をもたらすのに十分かどうかです。そして、電荷が実際に地球の磁場を作り出している可能性もあります。

結論:宇宙は実に電気的だ The universe is indeed electric

最後になりましたが、ここにいらっしゃる多くの方々がお考えになっているように、宇宙、少なくとも私たちを取り巻く地球は本当に電気的であるということです。

そしてもう一つのポイントは、代替理論が意味をなすこともあるということです。私は代替理論の一例として、これは地球温暖化と海面上昇の代替理論で、代替メカニズムを示唆しています。

海面上昇ー代替理論 (別の説)

お聴きいただきありがとうございました。

宇宙はまさに電気的

──おわり 

メモ

Questions to Answer
・How powerful are charged forces?
・Where on the earth do charges hang out?
・Do substantial charge gradients exist?
・Can charge gradients drive the prevailing winds?
・Can the prevailing winds spins the earth?
・Coda: charge flow, wind, and magnetic fields
回答する質問
・帯電した力はどのくらい強いのか?
・電荷は地球上のどこにたまっているのか?
・かなりの電荷勾配があるのか?
・電荷勾配は卓越風を引き起こすのか?
・卓越風は地球を回転させるのか?
・コーダ:電荷の流れ、風、磁界

Conclusions
・Charges can exert enormous forces
・Earth bears negative charge; atmosphere positive
・Attraction could create atmospheric pressure
・The sun’s energy builds atmospheric positivity
・Nighttime regions have less atmospheric positivity
・Lateral charge gradients drive winds
・Winds create friction, which may drive the earth’s spin
・Lateral charge flow may create Earth’s magnetic field
結論
・電荷は巨大な力を発揮する
・地球はマイナス、大気はプラスの電荷を帯びている。
・地球は負電荷、大気は正電荷 ・引力で大気圧ができる
・太陽のエネルギーが大気の正電荷を作る。
・夜間は大気の正電荷が少ない。
・電荷の横方向の勾配が風を引き起こす
・風が摩擦を生み、地球の自転を促す可能性がある。
・横方向の電荷の流れが地球の磁場を作っている可能性がある。


※1:ファインマン物理学講義、第2巻第9章「大気中の電気」

動画の中で出てくる、ファインマンの物理学講義、第2巻第9章 Feynman’s lectures, volume 2 chapter 9 の抜粋です。ファインマンという名前は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。ウィキによると「1965年、量子電磁力学の発展に大きく寄与したことにより、ジュリアン・S・シュウィンガーや朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を共同受賞した」人です。かなりユニークで、逸話がいっぱい残っている人だったようです。ウィキの記事はまとまっていて、人物像もよく分かるので一読をお勧めします。

9-1 大気中の電位勾配

平坦な砂漠や海の上の日常生活では、地表から上に向かうにつれて、電位は1mあたり約100ボルト上昇する。したがって、空気中には100ボルト/mの垂直電界 E が存在する。この電界の符号は、地表の負の電荷に対応している。つまり、屋外では、鼻の高さの電位が足元の電位よりも200ボルト高いということになる。「1メートル離れた空中に2つの電極を刺して、100ボルトの電圧で電灯を動かすことができないだろうか?」と思うかもしれない。「鼻と足の間に本当に200ボルトの電位差があるなら、なぜ道に出てもショックを受けないの?」と疑問に思うかもしれない。

まず、2番目の質問にお答えする。人の体は比較的良い導体です。地面に接していれば、自分と地面は一つの等電位面になる傾向がある。通常は、図9-1(a)のように、等電位は表面に平行だが、あなたがそこにいると、等電位は歪んで、図9-1(b)のような場になる。つまり、頭と足の間の電位差はほぼゼロのままなのだ。地面から頭に向かってくる電荷があり、電界を変化させている。そのうちのいくつかは、空気中から集められたイオンによって放電されるかもしれないが、空気は貧弱な導体なので、その電流は非常に小さい。

図9-1.(a)地球上の電位分布。 (b) 平らな場所にいる人の近くの電位分布。
図9-1. (a)地球上の電位分布 (b) 平らな場所にいる人の近くの電位分布
9-2 大気中の電流

地球はマイナス、空気中の電位はプラスだ。高いところに行くと、導電性が非常に大きく、水平方向には電圧変動のチャンスがなくなる。空気は、私たちが話している時間のスケールでは、事実上、導体になる。この現象は、50km程度の高さで起きている。これは、太陽からの光電で大量のイオンが発生している”電離層”と呼ばれる高さには及ばない。しかし、今回の大気電気の議論では、50km付近で空気が十分に導電性を持つようになるので、この高さには実質的に完全な導電面があり、そこから電流が降りてくると考えられる。これを図9-4に示す。
問題は、正の電荷がどのようにして維持されているかということだ。どのようにして電荷を戻すのか? なぜなら、地球に降りてきた電荷は、どうにかして送り返さなければならないからだ。これは、しばらくの間、大気電気の最大の謎のひとつだった。

図9-4.晴れた大気中の典型的な電気的条件。
図9-4. 晴れた大気中の典型的な電気的条件

そのためには、一つ一つの情報がヒントになるか、少なくとも何かが分かる必要がある。ここに面白い現象がある。例えば、海の上や慎重な条件で電流(電位差よりも安定している)を測定し、不規則性を取り除くために非常に注意深く平均化すると、まだ日内変動があることがわかる。海の上での多くの測定値の平均は、おおよそ図9-5のような時間変化を示す。電流は約±15%の変動があり、ロンドンの午後7時に最も大きくなる。不思議なのは、大西洋でも、太平洋でも、北極海でも、どこで電流を測っても、ロンドンの時計が午後7時になると最大値になることだ。世界中の電流は、ロンドン時間の午後7時に最大値を示し、午前4時に最小値を示す。つまり、観測地のローカルタイムではなく、地球上の絶対的な時間に依存しているのである。
これはある意味では不思議ではない。頂上では横方向に非常に高い伝導性があるという私たちの考えと一致している。なぜなら、それによって地上から頂上までの電圧差が局所的に変化することは不可能だからだ。地面から頂上までの電圧差が局所的に変化することはあり得ないからだ。潜在的な変化は世界中で起こるはずだ。したがって、現在わかっているのは、”最上部”の電圧は、地球上の絶対的な時間の経過とともに、15%ずつ下がったり上がったりしているということだ。

図9-5.晴れた日の海洋上における大気電位勾配の平均的な日変化(グリニッジ時間を基準とする)。
図9-5.
晴れた日の海洋上における大気電位勾配の平均的な日変化
(グリニッジ時間を基準とする)
9-6 雷

稲妻の中で何が起こっているのか、最初の証拠となったのは、手で持ったカメラを、雷の予想される場所に向けて、シャッターを開けたまま前後に動かして撮影した写真で、稲妻の発生を初めて証明した。このようにして撮影された最初の写真では、稲妻は通常、同じ経路で複数回放電していることがはっきりと示された。その後、高速で回転する円盤の上に180°離れた位置に2つのレンズを取り付けた”ボーイズ”カメラ ※2が開発された。それぞれのレンズで作られた像は、フィルム上を移動し、時間的に広がっていく。例えば、ストローク(一撃)が繰り返されると、2つの画像が並んでいることになる。2つのレンズの画像を比較することで、フラッシュの時間的な順序の詳細を把握することができる。図9-14は、”ボーイズ”カメラで撮影した写真。

図9-14. ボーイズカメラで撮影した稲妻の写真。[Schonland, Malan, and Collens, Proc. Roy. Soc. London, Vol.152 (1935)より〕。]
図9-14. ボーイズカメラで撮影した稲妻の写真

次に、雷について説明する。ここでも、その仕組みはよくわかっていない。見た目は定性的(質的な、性質上の)に説明するが、なぜそのように見えるのかについては詳しく説明しない。ここでは、平坦な土地の上に負の底(雲の下がマイナスに帯電している)を持つ雲があるという、普通のケースについてのみ説明する。雲の電位は、下にある地球よりもはるかにマイナスなので、マイナスの電子は地球に向かって加速される。どうなるかというと、次のようになる。始まりは”ステップリーダー step leader”と呼ばれるもので、これは稲妻のように明るくはない。写真を見ると、最初に小さな明るい点があり、それが雲から始まり、光速の6分の1の速さで下に向かって移動するのがわかる。50mくらいしか進まずに止まってしまう。約50メートル進んで停止している。約50マイクロ秒の間、一時停止してから、また一歩進む。また、一時停止してから、さらに一歩進む、というように。図9-15のような経路で、地面に向かって連続したステップを踏んでいる。

図9-15. "ステップリーダーstep leader"の形成
図9-15.
“ステップリーダー"の形成

リーダー(引出し線、枝)には雲からのマイナス電荷があり、コラム(縦列)全体がマイナス電荷で満たされている。また、リーダーを生成する高速移動する電荷によって空気がイオン化されているので、空気はトレースされた経路に沿って導体になる。リーダーが地面に触れた瞬間、雲の上まで導電性の”ワイヤー”が伸びて、マイナスの電荷でいっぱいになる。これでようやく、雲のマイナス電荷が逃げ出すことができる。リーダーの底にいる電子は、このことに最初に気付く。プラスの電荷を残して外に飛び出し、リーダーの上の方からさらにマイナスの電荷を引き寄せ、今度はそのマイナスの電荷が外に飛び出す、といった具合だ。最終的には、雲の一部に含まれるすべての負電荷が、急速かつエネルギッシュにコラムに沿って流れ出す。このようにして、図9-16のように、地上から上に向かって稲妻が走る。実は、この一番明るいメインストロークをリターンストロークと呼んでいる。これが、非常に明るい光と、空気の急激な膨張による熱を生み出し、雷を鳴らす。

図9-16. 戻り雷は、リーダーが作った道をさかのぼって走ります。
図9-16
戻り雷は、リーダーが作った道をさかのぼって走る

稲妻の電流はピーク時で約1万アンペアで、約20クーロンを流す。

しかし、まだ終わりではない。100分の数秒という時間を経て、リターンストロークが消えると、また別のリーダーが降りてくる。しかし、今度は間髪入れずに。今度は”ダートリーダー(矢形前駆放電)”と呼ばれるもので、上から下まで一気に降りてくる。それは、昔のコースにはデブリ(破片、粉)がたくさんあって、一番楽なルートだからだそうだ。新しいリーダーは、またしてもマイナスの電荷でいっぱいだ。それが地面に触れた瞬間、驚くべきことに、その経路に沿ってまっすぐ上に向かうリターンストロークが発生する。このようにして、稲妻は何度も何度も落ちる。1~2回の場合もあれば、5~10回の場合もあり、同じ軌道上で42回もの回数が見られたこともあるが、常に連続している。さらに複雑なこともある。例えば、図9-15のように、ある休止時間の後、リーダーは、2つのステップを地面に向けて送り出すことで、枝(状のもの)を伸ばすことがあるが、その方向は多少異なる。その後の展開は、片方の枝が確実に先に地上に到達するかどうかで決まる。もしそうなれば、(マイナス電荷が地面に捨てられる)明るいリターンストロークは、地面に触れている枝に沿って上昇し、雲に向かって上昇する途中で分岐点に到達して通過するときに、明るいストロークがもう一方の枝を下るように見える。なぜか?
負の電荷が捨てられ、それが稲妻を照らしているからだ。この電荷は、二次的な枝の先端で動き始め、枝の連続した長い部分を空にするので、明るい稲妻は、雲に向かって上昇するのと同時に、その枝を下っていくように見える。しかし、これらの余分なリーダーブランチのひとつが、元のリーダーとほぼ同時に地上に到達した場合、2回目のストロークのダートリーダーが2番目の枝を取ることもある。そうすると、1本目のメインフラッシュがある場所で、2本目のフラッシュが別の場所で見られる。これは、元のアイデアの変形だ。

また、ここでの説明は、地面に近い部分については単純化しすぎている。ステップリーダーが地上から100m程度の距離になると、それに合わせて地上から放電が起きている証拠がある。おそらく、ブラシ状の放電が発生するほどフィールドが広くなるのだろう。例えば、ビルの上に尖ったものがあると、リーダーが近くに降りてくると、フィールドが大きくなり、その尖った部分から放電が始まり、リーダーまで届く。そのような場所に雷が落ちやすい。

高いところにあるものに雷が落ちることは昔から知られていたようだ。クセルクセスが全世界をペルシャの支配下に置こうとしていた頃、クセルクセスの顧問であったアルタバノスが、ギリシャへの攻撃を考えていた主人に助言を与えたという記述がある。アルタバノスは言った。
「神はその稲妻で常に大きな動物を叩き、彼らが横柄になるのを許さないが、体格の劣る動物は神を痛めつけないのを見よ」
そして、その理由を説明している。
「だから、わかりやすいように、彼は自分をほめそやす、すべてのものを倒すのが好きなのだ」

あなたは、雷が高い木に落ちるという実話を知った今、2400年前のアルタバノスよりも、王に軍事的な助言をする知恵があると思いますか?
自分を誇張(ほめそやす)してはいけません。
あなたはそれをより抑えて、詩的に行うことができるだけです。

※2:“Boys” cameraとは?

稲妻を撮影するために使った”ボーイズ”カメラとは、何だろうと調べてみたら、”少年”カメラではなくて、”Boys”という人の名前がついたカメラでした。

THE BOYS CAMERA仕組み


THE BOYS CAMERA
1900年になって、私はできれば稲妻の進行について実験的な証拠を得たいと思った。下方に向かっているという印象は非常に一般的であるが、ときには上方に向かっていると思っている観測者もいる。
……計画は、一対の同一のカメラレンズ(立体写真用に特別に選択されたもの)を使用し、これらをギアを介して任意の速度で手で回転させることができる装置に取り付けることであった。


C. V.Boys : progressive Lightning, Nature, 118 : 749-750(1926).
プログレッシブ・ライトニング

1926年11月20日、『ネイチャー』誌に上記のタイトルで私の記事が掲載された。その中で私は、1900年に私が製作した、稲妻の進行を調査するための装置について説明し、昨年9月1日の号では、この装置を使って初めて成功した写真の説明をした。これは昨年8月にルーミス研究所で得たものである。この後の出版物で私は、2枚のフィルムを2枚の固定レンズに同じ速度で反対方向に通過させることで、閃光の2つの像に反対の収差を生じさせるようにした改良型の装置を示した。このようにして得られた画像の歪みから、フラッシュの進行速度とモードを決定することができる

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 ……

Posted by kiyo.I