新たな戦い──スコット・リッター インタビュー

時代は変わった。プーチン大統領の演説(在日ロシア連邦大使館の日本語翻訳)

ロシア、ウクライナ問題で優れた記事を書かれているデボラ・L・アームストロングさんの「新たな戦い」の翻訳記事です。その前にちょっと脱線。

ファイル写真。©  Global Look Press / our-planet.berlin

妻を避けるためにウクライナでの戦闘に志願する男性もいる──ロシア市長
これは、ロシアのメディア、RTの10月2日の記事です。いまでも、ロシアと言えば、旧ソ連を連想して北朝鮮のような国だと思っている人が多いかもしれません。先日、プーチンが部分的動員を発表して動員と訓練が始まったばかりですから、こうした記事は当局からすれば都合が悪いと見なされるかもしれません。しかし、ロシアの報道というのは当局の発表であろうと「~によると、そう主張している」という形で客観的に報道しています。ロシアの報道をチェックしている方は少ないでしょうから、日本のメディアの印象報道をそのまま真に受けて、ロシアは報道管制されていると勘違いしている人が多いです。ちなみに記事はこんな感じです。

新兵の約10%は、配偶者の絶え間ない「口うるさい」言動によって軍隊に駆り出されているとのことです。
ロシアでウクライナとの紛争に志願する男性の10分の1は、妻から逃れるためだと、炭鉱の町ヴォークタのヤロスラフ・シャポシニコフ市長は主張している。
……(略)しかし、シャポシニコフ氏は、この10%という数字が何を根拠にしているのか、詳しくは述べなかった。

私は幸いなことに、フライパンで殴られるような目には合っていませんが、画像の男性は一極支配の象徴に見えてきました。

もし、日本や欧米の報道が客観的に公平に報道していたら

日本や欧米の報道を見ていつも思うんです。
もし、
バイデンのボケぶりが茶の間に届いていたら
こんな人が一国の代表?
ワクチンの被害、副作用を報道していたら
危険すぎる。なぜ、こんなものを勧めてるの?
欧米はマスクをしている人はほとんどいない
え~、なぜ報道しない? いつまでさせるの? 
ウクライナ側の民間人を狙った砲撃で毎日のように死者が出ている
ロシアの「悪行」しか聞かされてないけど。
ウクライナでユダヤ人を殺しているネオナチ政権をイスラエルが支援
なんで?
自民党とカルト宗教との深~いつながり
メディアも知ってて報道しなかった。メディアも同じ穴のむじな
ノルドストリームを建造したロシアが破壊?
あり得ない
そう、あり得ないことを信じ込ませるのが今日の報道の主流(はやり)です。歴史的には、それは戦前の大本営発表、ナチスのやり方でした。

日本や欧米の報道が客観的に公平に報道するだけで、風通しが良くなって、統一教会汚染のような、おかしなことが蔓延ったりしないのにと思うのです。以前にも書いたことがありますが、メディアが問題にしなければ「問題」にならないのです。どんな嘘だろうとイカサマだろうとメディアが「正しい」事実として「既成事実」にしてしまいます。反対意見は、同じ騙している勢力が設定した「ファクトチェック」によって検閲されます。

こうした現実を鮮やかに描き出し、新たな希望を示したのが先日のプーチンの演説でした。

※在日ロシア連邦大使館による「ドネツク人民共和国、ルガンスク両人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州のロシア編入に関する条約調印式におけるプーチン大統領の演説 (全文)」収録しました。

安倍政権の頃にはほとんど動かなかった検察がやっと動き始め、五輪汚職を追求し始めました。検察を動かしてきたのはアメリカの情報機関ですから、指示内容が180度変わったことは事実のようです。アメリカはベトナムやアフガニスタンのように突然、手を引いて行っているようです。残されたカルト汚染の政治家は、実力があって選ばれたわけではありませんから、自滅しかありません。自民党は終わりでしょう。また、日本では報道されませんが、ロシア制裁を意固地に進める西側の政治家、支配層は、カラクリに気付いた大衆に追いつめられています。時代は大きく変わってロシア制裁を支持する国は少数派に転落しました。

日本はアメリカがバックについていた統一教会(他)というカルトに汚染され、世界はナチスというカルト、悪魔に汚染されていたのです。これから、とんでもない事実が暴露されていきます。いいことです。

Scott Ritter Raw Interview Sept. 27, 2022

新たな戦い

装甲車に乗ったロシア兵

デボラ・L・アームストロング

投票の様子

スコット・リッター インタビュー:ドンバスがロシアに加わることで、ウクライナに逆転の発想が生まれた理由

この8年間、ウクライナの民族主義者たちは、ドンバスの人々に明確なメッセージを残酷なまでに叩き込んできた。

「ロシアに帰れ! お前たちはいらない!」

ドネツクやルガンスクに落とされた爆弾はすべて「ロシアに帰るか、死ぬか」と叫んでいた。

強姦された女性、ドネツクの市場で吹き飛ばされた人の骨や肉、粉々になった病院、破壊された教会、瓦礫の山は「ロシアへ帰れ、薄汚いモスカーリ人」と叫んでいるのである。

※モスカーリ人:モスクワ人、中世後期以来、ウクライナ人・ベラルーシ人・リトアニア人・ポーランド人の間で用いられるロシア人の外名である。

ウクライナのネオナチによる8年にわたる迫害の末、ドンバスの人々はついにロシアに戻ることに合意した。

そして、彼らは自分たちの土地を持っていくのだ。

ロシアへの加盟を問う住民投票が行われた4つの領土。写真:フェイスブック
ロシアへの加盟を問う住民投票が行われた4つの領土。写真:Facebook

何だかんだ言っても、ドンバス地方には、ウクライナが国であった時代よりも長い間、多くの家族が暮らしてきた。ソ連があえぎながら息を引き取った1991年に、ウクライナが独立するずっと前から、彼らは何世代にもわたって畑を耕し、石炭を採掘してきたのだ。

かつて東ウクライナにあった4つの広大な領土で行われた住民投票は、5日間の投票期間を経て、最終的な数字が出た。有権者に投げかけられた問いはシンプルだった。ドネツクの投票用紙の見本はこうだ。
「ドネツク人民共和国がロシア連邦の従属的な共和国となることに賛成ですか?」
□ はい/いいえ

ドネツク人民共和国の投票用紙のサンプル。写真:RIAノーボスチ
ドネツク人民共和国の投票用紙のサンプル。写真:RIAノーボスチ

4つの領土すべてで、国民は圧倒的に「はい」に投票した。

ドネツク人民共和国 ── 99.23%
ルガンスク人民共和国 ── 98.42%
ザポロージェ(ザポリーゼともいう)── 93.11%
ヘルソン── 87.05%

ドンバスの人々が、ロシアと一緒になってウクライナに永遠にドゥスヴェーダニア(さようなら”duh svee-dah-nee-ye”と発音)と言うことについてどう感じているか、このビデオでお分かりいただけると思う。この女性は、ロシアへの加盟に投票した後、ウクライナのパスポートを粉々に破り、燃やしている。

元米海兵隊情報将校のスコット・リッター氏によれば、変化しているのは国境だけでなく、ウクライナの紛争も、しかも非常に根本的な部分で変化しているのだという。

「ロシアはゲーム全体を変えてしまった。ウクライナ国内でのNATO対ロシアから、母なるロシアでのNATO対ロシアへとゲームを変えたのだ」と、リッターは昨日のインタビューで語っている。

軍事アナリストでありながら、ウクライナ紛争を独自の視点で捉えているのは、それだけが理由ではない。リッターは、ゴルバチョフ首相とレーガン大統領が中距離核戦力全廃条約を交渉していた頃、ソ連の核兵器解体を監督した元国連核兵器査察官でもある。

この条約は、NATOがロシアの国境まで拡張していなければ、新しく永続的な平和の基礎になり得たとリッターは信じている。ソ連がまだフレッシュ・コープス(新鮮な死体)だった頃、NATOは「『1インチも東進しない』という口約束を反故にし、それ以来、NATOの政策はロシアを封じ込め、転覆させる目的で拡大してきた」とリッターは説明する。

そして、プーチンが登場した。

「西側諸国では、ウラジミール・プーチンを持つことはできない。なぜなら、プーチンは、我々が二度と起こってほしくなかったこと、つまり、国際社会におけるロシアの正当な地位を回復することをやっているからだ」とリッターは言った。
「それは我々が望んだことではない、我々はロシアを抑え込みたかったのだ。プーチンはロシアを成長させ、その結果、今日のような20年にわたる進展があった。戦争は必然だった」

実際、リッターはまさにこのテーマで新しい本を出している。平和に戻るためのロードマップのようなものだと彼は言う。これからリーダーになる人たちに読んでもらいたい一冊だ。この本はクラリティ・プレスから発売されている。タイトルは「DISARMAMENT IN THE TIME OF PERESTROIKA : Arms Control and the End of the Soviet Union ペレストロイカ時代の武装解除(軍備縮小):軍備管理(軍縮)とソ連の終焉」である。

「ペレストロイカ時代の軍縮、軍備管理とソ連の終焉」スコット・リッター スコット・リッターの最新刊の表紙。写真:クラリティ・プレス

「ペレストロイカ時代の軍縮、軍備管理とソ連の終焉」スコット・リッター
スコット・リッターの最新刊の表紙。写真:クラリティ・プレス

しかし、この戦争は、必然であったかもしれないが、ウクライナとロシアの国境がそうであるように、確実に変化しているのである。

「ロシアの地になる、それがすべてを変える」とリッターは説明する。
「そして、ロシアもまた……一旦そうなれば、これまで非常に制約の多かった法的枠組みを変更することができるようになります。ロシアが運用していた特別作戦の法的枠組みでは、他の軍隊ではできることもできないのです」

リッターは、紛争が特別軍事作戦とその目標であるウクライナの非軍事化と非ナチ化から、一種の対テロ戦争に移行していると考えている。

「今までのロシアは、彼らの教義に従って戦っていない」と彼は言う。
「私はこれを、左足を前に出して戦うように訓練しているボクサーに例えます。左足を前に出し、構えをとります」。彼は拳を突き上げて実演する。
「そして、すべての行動は、それを軸に、試合の瞬間に組み立てられます。試合の瞬間にトレーナーが右足を前に出して戦わせたら、もう完全に……バランスも何もかも狂ってしまう。それで、今起きていることは、ロシアが特別軍事作戦から脱却でき、左足を前に出すようになったということです。彼らは、自分たちが組織され、戦うために訓練された方法で戦うつもりです」

プーチン大統領が1週間前に命じた部分的な動員は、夏の間ドンバスで新たな最前線を築いた戦いに疲れた兵士を補充するために、新しい軍隊を送り込むことになる。ロシアの国防大臣セルゲイ・ショイグによれば、まず30万人の予備役が召集される予定である。

しかし、実際に戦うことになる人数は、リッター氏によるとかなり少なくなる。
「それを分析すると、6万人の願ってやまない若者がいて、戦いに挑んでいることになります。残りは支援活動です」

その多くは、原子力発電所の警備、道路の警備、事務作業、トラックの運転、メンテナンスなどに従事することになるとリッター氏は見ている。戦う人を支える、目に見えない手。

「NATOと戦うには、6万から8万人の肉食系男子の戦力が必要です。他のことをやらせておくわけにはいきません。予備役、つまり動員された軍隊がそれを可能にします。ロシアがロシアらしく戦えるようにするためのものです。そして、特別軍事作戦の制約を取り払い、反テロ作戦に従うことで、彼らはフルスロットルで臨むことができるようになります」

フルスロットルとは具体的に何を指すのか、世界はまだ知らない。

「今、起きていることは前代未聞です」とリッターは言う。
「ロシアは、第二次世界大戦以来、この規模の動員、部分的な動員をしたことがありません」

しかし、彼は、少なくとも今のところ、ロシアが核兵器を発射することはないだろうと確信している。ロシアの法律では、ロシアへの存亡の危機は核報復の根拠となり、ウクライナから得た領土にもまもなく適用される。リッターは、ロシアはパンドラの箱を開ける前に他のすべての軍事的オプションを使い尽くすだろうと考えている。

「ロシアが自動的に核兵器を返すとは思わない」と彼は言い、
「ロシアは核兵器を除いた選択肢をたくさん持っている。総動員もある。核兵器をばら撒く前にできることはいくらでもある。しかし、実際のところ、NATOはその無責任な行動のために、核兵器がテーブルの上にあるようなシナリオを展開することを許してしまった。このようなことは決してあってはならない」と付け加えた。

新たに動員されたロシア軍。写真:Ryazan.Life
新たに動員されたロシア軍。写真:Ryazan.Life

もうひとつの最近の進展は、すでにロシアの戦闘員、特にドンバスの戦闘員の士気に影響を与えている。先週、サウジアラビアが交渉した囚人交換は、戦争開始以来最大のものである。

ウクライナで禁止されている野党のリーダーで反逆罪に問われていたヴィクトル・メドヴェチュクを含む55人のロシア人捕虜が、215人のウクライナ人捕虜と10人の外国人傭兵と交換された。解放された者の中には、今年初めにマリウポリでロシア軍に降伏したアゾフの指導者4人も含まれていた。

彼らはアゾフスタル製鉄所に立てこもり、民間人を人質として拘束し、”盾”として使い、逃げようとする者を処刑したとされ、捕らえられていた。特に恐ろしい発見は、皮膚に鉤十字が刻まれた女性の死体だった。ドンバスの人々は、ネオナチが戦争犯罪で死刑になる可能性のある法廷を待ち望んでいた。

※「アゾフスタルの悪夢は続く、ロシア軍はブービートラップを解除した
多くの戦闘員がシャツを脱ぐように言われ、胸、腕、背中に様々なナチスのシンボルの刺青を見せられた。卍、”黒い太陽” SSのシンボル、髑髏と十字架、ファシストの三叉路のシンボルなどである。ウクライナは今週、”ロシアの宣伝屋”によるさらなる”搾取”を防ぐためと称して、三叉のシンボルのブランドを変更したが、この動きは見る目のある人なら誰も欺くことはできないだろう。
(ナチスの入れ墨をしたネオナチウクライナの捕虜の画像、多数あります)

「この件に腹を立てている人がいるのはわかる。 分かります」とリッターは共感する。
「しかし、このように言ってみましょう。帰ってきた兵士の母親に、息子が帰ってきたことをどう感じているか聞いてみてください。妻は、夫が帰ってきたことをどう思うか。母なるロシアは、兵士たちに借りがある。そして、そこにある保証のひとつは、彼らを決して置き去りにしないことです。部下を帰還させる機会があれば、帰還させることです。それがロシアだ」

ロシアが自国民の帰還に感謝しているのは間違いない。それでも、すでに「もう捕虜はとらない」という声(不満、うわさ)が兵卒の間で上がっている。しかし、リッターは、ロシア軍の指導者は、部隊が紛争を通じてストイックに保持してきたプロフェッショナリズムのレベルを維持することを保証してくれると信じている。

「復讐を支持(宣伝、推薦)するのは誰か」といえば「アゾフは復讐を支持する。ドネツクの人々は、自分たちを鏡のように見て『自分たちが憎んでいるものに本当になりたいのか、それとも、それよりも優れているのか』と言わなければならない。多くの悪いことが起こったとき、それよりも良くなることは難しい。しかし、ロシアの一部になりたいのであれば、ロシア人として振る舞わなければならないのです」と彼は言う

サウジアラビアのリヤドに到着した10人の捕虜(英国籍5人、モロッコ人1人、スウェーデン人1人、クロアチア人1人、米国人2人)。写真:ロイター
サウジアラビアのリヤドに到着した10人の捕虜(英国籍5人、モロッコ人1人、スウェーデン人1人、クロアチア人1人、米国人2人)
写真:ロイター

一方、リッターは「私がこのアゾフの4人だったら、安眠できないだろう」と言う。

「ロシアは長い腕(遠くまで及ぶ影響力)を持っている」と付け加える。
「そして、ロシアは長期の記憶力を持っている。そして、私は何も予言しないが、米国では、彼らはおそらくいつの間にか消えてしまうだろうと言うだろう」

ウクライナのナチス協力者であり大量殺人者であるステパン・バンデラを待ち受けていた運命を読めば、ロシアの腕がどこまで届くのかがわかるだろう。

ナイチンゲールの血のねぐら
*バンデラとシュケビッチの残虐な行為
*恋するKGBスパイによるバンデラの暗殺
第一部では、ユダヤ人、ロマ人、ポーランド人、ロシア人をウクライナの土地から排除しようとしたナチスの協力者、ステパン・バンデラとその信奉者たちが行った残虐行為のいくつかを紹介した。

ステパン・バンデラの死体。写真:ツイッター
ステパン・バンデラの死体
写真:ツイッター
(1959年10月15日、ステパン・バンデラは清算された)

果たして、平和に戻る道はあるのだろうか?
NATOとロシアが世紀の一戦を交えるかもしれないこの時期に、リッターは平和の雛形は存在し、それは自分の著書の中にあると主張する。

「この本にはキャメロットが描かれている」と彼は言う。しかし、このようなロシアとの平和は、米国がロシアを対等なパートナーとして受け入れて初めて実現できるものだとリッターは感じている。
「これは、平和的共存という共通の目標に向けた相互協力であり、尊敬に基づき、信頼に基づくものです」

そして、我々は過去に一度、そこに到達しかけたのだ。レーガンとゴルバチョフは非常に親しかったと、リッターは振り返る。しかし、ジョージ・H・W・ブッシュが大統領に就任し、交渉をスローダウンさせると、キャメロットは崩れ落ちた。

「西側諸国の政策は、自分たちの利益のためにロシアのエネルギーを経済的に搾取し、政治的にロシアを無力化するために、ロシアをつぶすことだった。それがボリス・エリツィンであり、彼は文字通り民主主義の名の下にロシアを去勢した」とリッターは言う。

私たちは、キャメロットを再び築くためのチャンスをもう一度得られるかもしれない。

キャメロットとは、伝説のアーサー王にまつわる城と宮廷のことである。初期のアーサー王物語には登場しないが、12世紀のフランスのロマンスに登場し、ランスロットとグレイルの物語以降、アーサー王国の幻の都、アーサー王世界の象徴として語られるようになった。
 アメリカでは、キャメロットとはジョン・F・ケネディの大統領時代のことを指す。1963年の『ライフ』誌のインタビューで、ケネディ未亡人のジャクリーンは、ケネディ時代のホワイトハウスについて、ラーナー&ローエのミュージカルの一節を引用して説明している。"Don’t let it be forgot, that once there was a spot, for one brief shining moment, that was known as Camelot."(かつて、ほんの一瞬、キャメロットと呼ばれた場所があったことを忘れてはいけないわ)。この歌詞はケネディのお気に入りの一つであったことを示し「偉大な大統領はまた現れるだろうが、キャメロットはもう二度と現れないだろう」と付け加えた。

デボラ・アームストロングは現在、ロシアを中心とした地政学について執筆している。以前は米国の地方テレビ局でニュースを担当し、エミー賞2部門を受賞した。1990年代前半、ソビエト連邦の末期に滞在し、レニングラードテレビでテレビコンサルタントとして働く。

▼デボラ・アームストロングさんの他の記事

●「ロシアと一体になるのか、ならないのか
https://libya360.wordpress.com/2022/09/23/to-be-or-not-to-be-one-with-russia/

軍事訓練を受ける子どもたち。写真提供:Rodina moya
軍事訓練を受ける子どもたち。写真提供:Rodina moya

●「保育所からナチスへ。ウクライナのテロリストによる子供たちの過激化
https://libya360.wordpress.com/2022/08/26/from-nurseries-to-nazis-ukraines-terrorist-radicalization-of-children/

条約調印式におけるプーチン大統領の演説 (全文)

リンクが上手く貼れないので、Facebookに投稿された在日ロシア連邦大使館の日本語翻訳をそのままコピーしました。

The Embassy of the Russian Federation in Japan 

🇷🇺🎙ドネツク人民共和国、ルガンスク両人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州のロシア編入に関する条約調印式におけるプーチン大統領の演説 (全文)

💬プーチン大統領:

ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州で住民投票が実施され、投票の集計結果があきらかになりました。人々は、自ら最終的な選択を行ったのです。

今日我々は、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州のロシア編入に関する条約の調印を行おうとしています。新たな4つの地域のロシアへの受け入れと新たな4つのロシア連邦構成主体の形成に関する憲法法規を、連邦議会は支持するものと確信しています。なぜなら、これは数百万の人々の意思だからです。

そしてもちろん、これは国連憲章第1条が定める不可侵の権利でもあります。 国連憲章第1条には、人民の権利平等と民族自決の原則が明確に謳われています。

繰り返しますが、これは人々の不可侵の権利です。歴史的統一に基づく権利なのです。古代ロシアの時代からロシアを建国し守ってきた我々の祖先は、歴史的統一の名の下に、幾世代にもわたり勝利を収めてきたのです。

ここ、ノヴォロシアではルミャンツェフ、スヴォロフ、ウシャコフが戦い、エカテリーナ2世とポチョムキンが新たな都市を建設しました。また大祖国戦争の時代には、我々の祖父や曾祖父がここで死闘を繰り広げました。

『ロシアの春』の英雄たちを、我々は決して忘れはしません。2014年、ウクライナで起きたネオナチによるクーデターに屈しなかった人々、母国語で話し自分たちの文化、伝統、信仰を維持する権利や生きる権利を守るために亡くなった人々すべてを、我々はいつまでも覚えていることでしょう。この人々は、ドンバスの戦士であり、『オデッサ・ハティニア(虐殺)』の殉教者であり、ウクライナ政権が組織した非人間的テロ行為の犠牲者です。また、志願兵や民兵、一般市民、子供、女性、老人、ロシア人、ウクライナ人、実にさまざまな民族の人々なのです。

ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州の数百万の人々が行った選択の背景には、我々共通の運命と千年に及ぶ歴史があります。この精神的な絆を人々は子供へ、孫へと伝えてきました。いかなる試練にもめげず、ロシアへの愛を貫いてきたのです。我々のこの思いを壊すことは、決して誰にもできません。年長者も、またソ連崩壊の悲劇後に生まれた若い世代も、統一と我々と共に歩む未来に投票した理由は、まさにこの点にこそあるのです。

1991年、ベラヴェシュスカヤの森で、当時の党エリートは国民の意思を問うことなくソ連解体の決定を行い、人々は一夜にして祖国から切り離されました。国家としての同一性が生木を裂くように引きちぎられ、分割され、大きな国難となりました。革命後、連邦共和国の国境が秘密裡に切り刻まれたように、ソビエト連邦の最後の首脳部は、1991年の国民投票で大多数の国民が明確に示した意思に反して我々の偉大な国を崩壊させ、国民にはただその事実だけを突きつけたのです。

彼らは自分たちが何をやっているのか、また最終的にそれがどんな結果を否応なくもたらすのか、最後まで理解できなかったのかもしれません。しかし、それももう重要なことではありません。ソビエト連邦はすでになく、過去を取り戻すことはできないのです。また、今日のロシアにとってはもはや必要でもないし、我々が目指すところでもありません。しかし、文化、信仰、伝統、言語において自分をロシアの一部と考え、その祖先が何世紀にもわたり一つの国家で暮らしてきた数百万もの人々の決意は、何ものよりも強いのです。真実の歴史的祖国に帰ろうというこの人々の決意より強いものはありません。

8年の長きにわたり、ドンバスの人々はジェノサイドや砲撃、封鎖に曝されてきました。またヘルソン州とザポロジエ州では、ロシアとロシア的なものすべてに対する憎悪を植え付けようとする犯罪的な行為が行われました。そして今、住民投票が行われる中、ウクライナ政府は学校教師や選挙委員会で働く女性たちを制裁や死を以て脅し、意思表明をしようと投票所に訪れた数百万の人々を迫害を以て威嚇したのです。 しかし決して挫けることのないドンバス、ザポロジエ、ヘルソンの人々は、その真意を表明しました。

ウクライナ政権とその真の支配者である西側には、私の言うことに耳を傾け、ルガンスク、ドネツク、ヘルソン、ザポロジエに住む人々は永遠に我々の市民となったことを記憶に留めてもらいたいと思います。

我々はウクライナ政権に対して、武器を置き、あらゆる戦闘行為を停止し、彼らがすでに2014年には始めていた戦争を止めて交渉のテーブルに戻るよう、要請します。我々にはその用意ができていますし、これについては何度となく言ってきました。しかしドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの人々の選択について議論はしません。選択は為されたのです。ロシアがそれを裏切ることはありません。 ウクライナ現政府は、人々の自由な意思表明には敬意を以てあたらなければならず、それ以外は認められません。これだけが平和への道となり得るのです。

我々は 、持てるすべての力と手段を用いて我らの土地を守り、国民が安全に生活できるよう全力を尽くします。この点にこそ、解放という我が国民の偉大なる使命はあるのです。破壊された都市や市町村、住宅、学校、病院、劇場や博物館は必ず再建し、企業、工場、インフラ、公共システム、年金支給や医療・教育制度を復旧し、さらに発展させていきます。

もちろん、安全レベルの向上にも努めます。新たな地域の市民が、ロシア国民すべて、国全体、すべての共和国、広大な祖国のあらゆるの地方や州から支持されていることを実感できるように、共に取り組んでいきます。

尊敬する友人、同僚の皆さん、

今日は、何のために我が国民は戦っているのか、どんな敵が我々に立ちはだかっているのか、世界を新たな戦争と危機に投じてこの凄惨な悲劇から利益を得ようとしているのは誰なのか、お話ししたいと思います。

我々と共にひとつの国民の一部を成すウクライナの同胞、兄弟姉妹たちは、西側の支配層が全人類に対して準備しているものを、自分の目で見てきました。西側は仮面を捨て、その本質を表わしていたのです。

ソビエト連邦崩壊後、西側は、世界を、そして我々すべてを永遠に彼らの命令に従わせることを決意しました。1991年当時の西側は、ロシアが激動から二度と立ち上がれず、やがて自滅していくことを期待していました。しかしロシアは倒れることなく復活し、強くなり、世界の中で再びふさわしい地位を占めるようになったのです。

その間西側は、いつも夢見ていたようにロシアを攻撃して弱体化、崩壊させる機会を、また国を細分化して国民を互いに反目させ貧困と絶滅においやる機会を虎視眈々とうかがってきました。豊かな領土と自然や資源を有し、決して他人の命令に従い生きようとはしない国民がいる偉大で広大な国が世界にはあるということが、西側にはただどうしても納得できないのでしょう。

西側は新植民地主義体制を維持するためであれば、どんなことでもするつもりです。この体制の下で西側は、ドルの力と技術による専横で世界に寄生、つまり世界を強奪し、人類から貢ぎ物をかき集め、覇権への地代という不労所得を獲得してきました。この地代を維持することが、彼らの重要かつ真実の、そしてひとえに打算的な動機なのです。主権の完全なる喪失が西側の利益に適うのは、まさにこれが理由です。西側による独立国家への侵略や伝統的価値観と独自の文化への攻撃も、彼らの支配が及ばない国際的統合プロセスや新たな世界通貨、技術開発の中心を損ねる動きも、すべてここから始まっています。あらゆる国が米国のためにその主権を放棄することこそが、西側にとってはきわめて重要なのです。

一部の国々の支配層トップは、自主的にそうすることに同意し、自主的に臣下となることに同意しています。そうでない国は買収されたり脅迫を受けたりしますが、それがうまく行かない場合には国家全体が破壊され、後に残るのは人道的災害と大惨事、廃墟、何百万という人の運命の破滅、テロリストの跋扈、社会的災害地帯、保護領、植民地、半植民地です。彼らにとっては自分たちが利益を確保できさえすれば、すべてはどうでもいいことなのです。

改めて言っておきたいのは、西側集団がロシアに対して行うハイブリッド戦争の本当の理由は、彼らの欲望と、何にも制限されない権力を保持しようとする意図にあるということです。彼らが望んでいるのは我々の自由ではなく、我々を植民地としてみなすことです。対等な協力ではなく強奪をすることを、我々が自由な社会に暮らすことではなく魂のない奴隷となることを望んでいるのです。ロシアの思想や哲学は、彼らにとっては直接の脅威です。だからこそ、我々の哲学者を抹殺しようとするのです。彼らにとって、ロシアの文化や芸術は危険なのです。我々の発展と繁栄もまた、競争が増すので、彼らにとっては脅威です。彼らにとって、ロシアはまったく不要のものです。ロシアを必要とするのは我々なのです。

彼らの世界支配への欲求は、これまでに何度も我が国民の勇気と粘り強さによって打ち砕かれてきました。ロシアは常にロシアであり続けます。そしてこれからも我々の価値観、我々の祖国を守っていきます。西側は、すべて目こぼしされて罰せられることはないと期待しています。実際、これまでは一切咎められることはありませんでした。

戦略的安全保障に関する協定はゴミ箱行きとなり、政府首脳レベルの合意は絵空事と宣言されました。NATOを東方拡大することはないという固い約束も、かつての我が国の首脳部が術にはまるや否や、薄汚れた欺瞞に変わりました。また弾道弾迎撃ミサイル制限条約と中距離核戦力全廃条約は、でっち上げの口実を付けて一方的に破棄されました。

各方面からは、西側がルールに基づく秩序を主張しているということばかりが聞こえてきます。そもそもこれは一体何から始まったのでしょうか。このルールとやらを見た者はいるのでしょうか。またこの件を話し合った者はいるのでしょうか。これは完全なる欺瞞であり、二重基準、いや三重基準にほかなりません!

ロシアは千年の歴史を持つ偉大な大国であり、文明国です。このようなでたらめで不正なルールの下で、生きることはありません。

国境不可侵の原則を踏みにじったのは西側です。今や彼らは、誰が自決権を持ち誰が持たないのか、誰が自決に値するのかを、自分の裁量で決定しているのです。なぜ彼らはそんな決定をできるのか、誰にその権利を与えられたのかは、全くもってわかりません。自分で自分に与えでもしたのでしょう。

だからこそ西側は、クリミア、セバストーポリ、ドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの人々の選択に激しい怒りを抱くのです。西側に、彼らの選択を評価する道徳的権利はなく、民主主義の自由について語る権利すらありません。今も、そしてこれからも決してありえないのです!

西側のエリートは、国家の主権のみならず国際法をも否定しています。その覇権は、明らかな全体主義的、専制的、アパルトヘイト的性質を有しています。彼らは厚かましくも世界を自分たちの臣下である所謂文明国と、今日の西側の人種差別主義者によれば野蛮人や未開人のリストに加えるべきその他の国々とに二分しています。そして『ならず者国家』や『独裁政権』という偽りのレッテルを用意して、国民や国家全体にその焼き印を押すのです。西側のエリートは、以前同様、今も変わらず植民地主義者のままです。差別をし、世界の国民を1級国民とその他の等級とに分別しているのです。

我々はこれまでも、そしてこれからも、このような政治的民族主義と人種差別を決して認めはしません。今日世界中に広がるルソフォビアが人種差別でないとしたら、一体何だというのでしょうか。西側の文明、すなわち新自由主義的文化を世界全体にとっての否定しようのないモデルであると西側自身が確信していることは、人種差別以外の何ものだというのでしょうか。『我々と共にない者は、我々の敵だ』というのが西側です。

欧米のエリートは、自分たちが為した歴史的犯罪の懺悔さえも他者に押し付けようとしています。自国や他の国々の国民に対して、例えば植民地時代の搾取等彼らがまったく関与しないことについて、非を認め詫びを入れるよう求めるのです。

そもそも欧米が植民地政策を開始したのは、中世に遡ります。その後は、奴隷貿易、アメリカでのインディアン虐殺、インド、アフリカの搾取、英国、フランスの対中国戦争へと展開していきました。この戦争の結果、中国はアヘン貿易のための開港を強いられています。欧米は、一国の民衆全体を麻薬中毒にし、土地と資源のために民族全体を殲滅し、獣を狩るように本物の人間狩りをしたのです。これは人間の本質そのものに反し、真実、自由、正義に反する行為です。

20世紀に反植民地運動を率いたのが我が国であったことは、我々の誇りです。これによって世界の多くの国民は発展の機会を得、貧困や不平等を削減して飢えや病気に打ち勝つことが可能になりました。

ここで強調しておきたいのは、欧米のエリートによる幾世紀にもわたるルソフォビアやロシアに対するあからさまな悪意の原因のひとつは、植民地支配の時代にもロシアが搾取されることをよしとせず、ヨーロッパ人に互恵的貿易を行わせたことにある点です。 これを成し遂げることができたのは、ロシアが強力な中央集権国家を形成し、ロシア正教、イスラム教、ユダヤ教、仏教という偉大な道徳的価値観や誰にも開かれたロシアの文化、ロシアの言語の上に発展、強化していったからです。

ロシアへの干渉がたびたび計画されたことは、よく知られています。たしかに20世紀末、欧米は国家崩壊に瀕したロシアの富を剥奪することに成功しました。当時、我々を友人とかパートナーと呼びながら実際には植民地として扱い、さまざまな計画を通して数兆ドルというお金が国外に吸い上げられていったのです。我々はこのことを全部よく覚えています。決して何も忘れることはありません。

そして最近、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポロジエの人々が我々の歴史的一体性を回復するため、声を上げました。欧米諸国は何世紀にもわたり、自分たちは他の国々に自由と民主主義をもたらすと言い続けてきました。しかし実際はその正反対でした。民主主義の代わりに抑圧と搾取が、自由の変わりに奴隷化と暴力とがもたらされたのです。一極集中の世界秩序そのものが本質的に民主主義と自由に反しており、徹頭徹尾うそと偽善に満ちているのです。

米国は、世界で唯一二度にわたって核兵器を使用し、広島と長崎を壊滅させた国です。

また第二次世界大戦中、米国が英国とともにドレスデン、ハンブルグ、ケルン等、数々のドイツの都市をさしたる軍事的必要性もなく廃墟へと変えたことも忘れてはなりません。繰り返しますが、そこに軍事的な必要性はなく、ただ見せしめのために行われたのです。目的はただ一つ、我が国を、そして世界を威嚇することにありました。日本での原爆投下もまた同様です。

米国はまた、ナパーム弾と化学兵器を使用して残虐な『絨毯爆撃』を行い、朝鮮半島とベトナムの人々の記憶にも恐ろしい傷跡を残しました。

ドイツ、日本、大韓民国、その他さまざまな国を今日まで事実上占領し、その上で皮肉にもこうした国々を対等な同盟国と呼んでいます。こうした国々の幹部が監視され、そのトップは官邸のみならずプライベートな住居にまで盗聴器を仕掛けられていることは、全世界の知るところです。これこそ恥辱と言えます。仕掛けた側にとっても、またこの厚顔無恥を黙って従順に奴隷のように飲み込む側にとっても、恥辱以外の何ものでもありません。

彼らは、臣下に対する命令や乱暴で侮辱的な脅しを『欧州大西洋の団結』の名で呼び、(ウクライナ等で行われる)生物兵器の開発や人体実験を高尚な医学研究と呼んでいます。

今日見られる大量の移民の流れは、まさしく彼らが行う破壊的政策や戦争、強奪がもたらしたものです。何百万人もの人々が、窮乏や虐待に堪えながら、また多数の死亡者を出しながらも、同じヨーロッパ内の国を目指しているのです。

そして今、ウクライナから穀物が輸出されています。『世界の最貧国の食糧安全保障の確保』という口実の下に、この穀物はいったいどこに向かっているのでしょうか。実はすべてヨーロッパの国々へと運ばれているのです。世界の貧困国に向かったのは、わずか5%のみでした。ここでもいつものペテンとあからさまな欺瞞が行われたのです。

要するに、米国のエリートは、競争相手を弱体化させ国々を破壊するために 、こうした人々を利用しているのです。これはヨーロッパにも関わることですし、フランス、イタリア、スペイン、その他の幾世紀にも及ぶ歴史を有する国々のアイデンティティーに関わることです。

米国は次々と新しい対ロ制裁を求め、ヨーロッパの政治家の大多数はこれに従順に従っています。米国はEUに対してロシア産エネルギーやその他の資源を拒絶するよう圧力を掛けていますが、これがヨーロッパの空洞化につながり、米国がヨーロッパの市場を手中に収めるようになることは、ヨーロッパの政治家自身も十分理解しています。これこそ、自国の国民に対する直接の裏切りにほかなりません。

しかしアングロサクソンは制裁だけでは飽き足らず、バルト海の海底を通る国際ガスパイプライン『ノルドストリーム』の爆破という破壊工作へと踏みだしました。事実上、ヨーロッパ全体のエネルギーインフラの破壊に着手したことになります。これにより利益を得るのはどの国か、誰の目にもあきらかです。そして利益を得る国が実行したと考えるのは、当然のことでしょう。

米国の専横は、武力の上に成り立っています。それゆえに世界中で数百という軍事基地を展開、維持し、NATOを拡大し、AUKUSをはじめとする新たな軍事同盟を形成しようとしているのです。ワシントン、ソウル、東京を繋ぐ軍事政治的結びつきの形成に向けた動きも活発です。一方で、真の戦略的主権を有する国、あるいはそれを目指す国や、西側の覇権に挑戦することができる国は、自動的に敵と見なされるのです。

まさしくこの原則の上に、完全支配を求める米国とNATOの軍事ドクトリンは成立しています。西側のエリートはその新植民地主義的計画を、封じ込めを語ることにより偽善的に提示しているのです。

すでに、ロシア、中国、イランの封じ込めについては語られていますが、アジア、ラテンアメリカ、アフリカ、中東の他の国々も今にその対象となるでしょう。現時点では米国のパートナーであり同盟国である国々も例外ではありません。我々の隣国である独立国家共同体諸国をはじめ、どの国もその対象となり得るのです。

また西側は、かなり以前から希望的観測を行い続けています。ロシアに対する制裁を電撃的に導入することで、全世界を再び支配下におけると考えたのもそのためです。しかしこの虹色の展望を聞いてその気になった者は、手に負えないほどの政治的マゾヒストか型破りの国際関係の信奉者を除いては、ほとんどいませんでした。大多数の国々はこれに敬意を払うことを拒み、ロシアとの協力という合理的な道を選んでいます。

西側は、このような反発をあきらかに予想していませんでした。

こうした西側の自信は、自分たちだけは例外だと考える悪名高い彼らの思考が発現しているだけでなく、西側が情報の飢餓状態にあることを直接示唆しています。法外に攻撃的なプロパガンダを使って、神話と幻想、フェイクの海に真実を沈めてしまったのです。嘘が信じがたいものであるほど、人はそれを簡単に信じてしまう。彼らの行動は、この原則に従っています。

しかしドルやユーロが印刷された紙幣を人々に食べさせることはできません。また西側SNSの膨張したバーチャル資本で家を温めることもできません。

そのためヨーロッパの政治家は、国民に対して食べる量や風呂に入る回数を減らし、家の中では暖かい服を着るように説得せざるを得なくなりました。一方、「ところで、なぜそんなことをしなければならないのか」とごく当然の疑問を問いかけた者は、ただちに敵、過激派、急進主義者と断定されてしまうのです。

世界の食料危機とエネルギー危機は、ウクライナ・ドンバスでロシアの特別軍事作戦が始まるはるか以前から西側が長年行ってきた政策の結果として、西側の責任で生じました。しかし西側のエリートには、こうした危機の建設的解決策を探すつもりはどうやらなさそうです。我々にはそう考えざるを得ない根拠が十分あります。そもそも西側には、不公平や不平等という問題を解決する意思がないのです。

ここで思い出すべきは、西側が20世紀初頭の苦境を第一次世界大戦によって脱したという事実です。また米国は、第二次世界大戦で得た利益で大恐慌の影響を最終的に克服し、世界最大の経済大国となって基軸通貨としてのドルの力を世界中に広めることができました。1980年代の危機においては、西側は崩壊したソビエト連邦の遺産と資源を流用することで多くの危機を切り抜けることができたのです。

今、矛盾が錯綜する昨今の状態から彼らが抜け出すためには、主権的発展の道を選ぶロシアやその他の国々を解体し、他国の富をさらに掠奪することが必要です。

現在の新植民地主義モデルが最終的に破滅することはあきらかです。その真実の主人は最後までこのモデルにしがみつくことでしょう。彼らはただ、この掠奪と強請のシステムを維持する以外、何も世界に提供することができないのです。

要するに、何十億という人々、人類のほとんどが持つ自由と正義、自分の未来は自分で決めるという自然権を、彼らはまったく意に介していないということです。彼らはすでに、道義規範、宗教、家族の根本的否定へと踏み出してしまいました。

繰り返しますが、欧米エリートの専横は、西側諸国の国民を含むすべての社会に向けられています。これは、すべての人に対する挑戦です。こうした完全な人間否定、信仰や伝統的価値観の転覆、自由の抑圧は、『逆さの宗教』、すなわちあきらかな悪魔主義の特徴を帯びています。イエス・キリストは山上の垂訓で偽予言者を暴露し、「あなた方は、その実によって彼らを見分けるであろう」と言われました。この毒の実は、人々の目にはすでにあきらかです。それも我が国でだけではありません。西側を含めすべての国の多くの人々の目には、あきらかになっているのです。

世界は、革命的変容の時代へと踏み出しました。 これは抜本的な性質を有しています。新たに形成された開発の中心は、国際社会の大多数を代表し、自分たちの利益を主張するだけでなくそれを守っていく覚悟もあります。また、多極化には自国の主権を強化するチャンスがあると見ていますが、それが意味するのは本当の自由と歴史的展望を得て、自立的で創造的な独自性のある発展や調和の取れたプロセスを遂げる権利を獲得することです。

我々と志を同じくする人々は、ヨーロッパや米国を含め、世界中にいます。彼らの支持を我々は感じ、見ています。一極集中の覇権主義に対する解放や反植民地主義の動きは、さまざまな国や社会において、それぞれの形ですでに進展しています。こうした力こそが、将来の地政学的現実を決定していくのです。

今日、我々は公正で自由な道を歩むために戦っています。それはまず何よりも我々自身のため、ロシアのためです。誰かの例外主義や他の文化、国民の抑圧の上に築かれた政策は本質的に犯罪であり、我々はこの恥ずべきページをめくらなければなりません。このことは、他の国々や国民も理解していると信じています。すでに始まった西側覇権の崩壊が元に戻ることはないのです。

運命と歴史によって我々は戦場へと導かれました。この戦場は、我が国民、大いなる歴史的ロシアのための戦場です。

大いなる歴史的ロシアのため、未来の世代のため、 我々の子、孫、曾孫のための戦場なのです。隷属や、心と魂の自由を奪う恐ろしい実験から、我々は彼らを守らなければなりません。

ロシアやロシアの文化、ロシアの言語を奪い、歴史から抹消しようなどと考える者を決して出現させないために、今、我々は戦っています。今日我々に必要なのは、社会全体の統合です。団結は、主権、自由、創造、正義の基礎があって初めて成立します。博愛、慈悲、思いやりこそが、我々の価値観です。

今日、我々はこの選択を行います。ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の市民、ザポロジエ州とヘルソン州の住民は、選択を為したのです。彼らは国民と共に、祖国と共に生き、その運命を共有し、祖国と共に勝利することを選んだのです。

真実は我々と共に、我々の背後にはロシアがあるのです!

全文:
(🇬🇧English) http://en.kremlin.ru/events/president/news/69465
(🇷🇺Русский) http://www.kremlin.ru/events/president/news/69465

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
@kiyo18383090

Posted by kiyo.I