ようこそ、破滅の瀬戸際の時代へ
親亀コケて、子亀の西側（自民）政治は終わる
ペペ・エスコバルの「シン・レッド・ライン：NATOはカブールとキエフを失うわけにはいかない」の翻訳記事です。
メディアによると、今もウクライナが優勢なのだそうで。笑ってしまいまいます。確かに、ノルドストリーム、クリミア橋爆破などを見ると派手だし宣伝効果は抜群です。その点は、さすがメディアの嘘報道の伝統はたいしたものです。いつまで騙し続けられるのか？
世界の動きを見ていると、これまで通りアメリカに追従するのか、そこから離れるのかが問われているようです。日本はアメリカ追従組の優等生でしたが、アメリカがこけると、言い換えれば、親亀コケると子亀の西側（自民）政治は終わります。これまで世界は米英に従ってきましたが、どちらも経済破綻寸前です。ペペ・エスコバルが言うように「破滅の瀬戸際」です。ですが間違ってはいけないのは、それは支配層にとってのです。私たちも影響を受けざるを得ませんが、時代の変化を読み、生き方を変えれば面白い時代になったと言えそうです。
シン・レッド・ライン：NATOはカブールとキエフを失うわけにはいかない
The Thin Red Line: NATO Can’t Afford to Lose Kabul and Kiev
Pepe Escobar October 12, 2022
ロシアは何としても帝国のウクライナ支配を許さない。それは、大ユーラシア・パートナーシップの将来と本質的につながっている。
まず、パイプラインPipelineistanの話から始めよう。７年近く前に、私はシリアが究極のパイプライン戦争であることを示した。
※ペペ・エスコバルはたびたび「stan」という単語を使っています。トルクメニスタン、ウズベキスタン、カザフスタンなど、名前が「-スタン」で終わる旧ソ連諸国とその隣国のことですから、衛星国というような意味合いだと思います。
ダマスカスは、イラン・イラク・シリア（覚書が交わされた）を利するカタール・トルコ間のガスパイプラインというアメリカの計画を拒否していた。
その後「アサドを追い出せ」という悪質で協調的なキャンペーン、つまり政権交代への道として代理戦争が行われた。ISISの道具立てで有毒ダイヤルが指数関数的に上がった。──テロとの戦いのもう一つの章である。ロシアはISISを阻止し、ダマスカスでの政権交代を阻止した。混沌の帝国の寵愛を受けたパイプラインは塵と化した。
帝国の経済的競争相手であるEUにロシアのガスを運ぶ、あるいは運ぼうとしている既存のパイプライン、ノルドストリーム（NS）とノルドストリーム2（NS2）を爆破し報復がついに行われた。
NS2のＢ線が爆破されていないことは、もう皆が知っている。破裂もしてないし、準備万端だ。破裂した他の３本のラインの修理は問題ないだろう。海軍の技術者によれば、２ヶ月で修理できるそうだ。ノルド・ストリームの鋼鉄は、現代の船舶よりも厚い。ガスプロム社は、ヨーロッパ諸国が大人の対応をして、厳しい安全保障条件を受け入れる限り、修理することを申し出ている。
しかし、そんなことはあり得ない。NATO NATOsan のメディアでは、上記のようなことは一切語られていない。つまり、いつもの顔触れによるプランＡがそのまま残っているのだ。天然ガス不足を捏造し、ヨーロッパの脱工業化につなげるというもので、すべては”偉大なる物語 Great Narrative”と名前を変えた”グレートリセット”の一部なのだ。
一方、EUのマペット・ショーでは、ロシアに対する９つ目の制裁措置が議論されている。スウェーデンは、誰がノルドストリームを爆破したかについての、NATO内のいかがわしい”調査”の結果をロシアと共有することを拒否している。
ロシア・エネルギー・ウィークで、プーチン大統領は厳然たる事実を要約した。
ヨーロッパは、固定契約に基づいて購入した全量を受け取っていたにもかかわらず、エネルギー供給の信頼性に関してロシアを非難している。
「ノルドストリーム・テロ事件の首謀者は、それによって利益を得ている者たちである」
ノルドストリームを修理することは「運転を継続し、安全を確保する場合にのみ意味がある」。
スポット市場でガスを買うと、欧州に3000億ユーロの損失が発生する。
エネルギー価格の上昇は、特別軍事作戦（SMO）のせいではなく、西側諸国の独自の政策のせいである。
しかし、デッド・カン・ダンス（死の舞踏）のショーは続けなければならない。EUがロシアのエネルギーを買うことを禁じているため、ブリュッセルのユーロクラシー（欧州共同市場）は金融カジノへの負債を急増させる。帝国の支配者たちは、このような集産主義（国家または私的な集団が生産分配の経済活動を集団的に統制する制度）によって、もうかり過ぎて笑いが止まらない。──金融市場を利用して、国家全体を略奪することで利益を上げ続けているのだから。
このことは、我々に決定的なことをもたらす。ワシントンの外交政策を支配するシュトラウス派とネオコン※の精神異常者は、最終的にキエフの武器化を止め、ヨーロッパの主要な産業競争相手が破産した後にのみ、モスクワと交渉を始めるかもしれない──そして”かもしれない”という表現が的を得ているということだ。
しかし、それさえも十分ではないだろう。なぜなら、NATOの重要な”見えない”任務のひとつは、どんな手段を使ってでも、ポントス・カスピ海草原（中央ユーラシア西北部から東ヨーロッパ南部までのステップ地帯）の食糧資源を利用することだからである。（我々は）ブルガリアからロシアまで、100万km2の食糧生産について話している。
ハリコフの柔道
SMOは、公式発表がないにもかかわらず、”ソフト”なCTO（テロ対策作戦）に早々と移行している。クレムリンから全権委任を受けた新総司令官、"ハルマゲドン"ことスロヴィキン将軍の現実的なやり方がそれを物語っている。
全長1,000キロを超える前線のどこにも、ロシアの敗北を示す指標はまったくない。ハリコフからの大わらわの撤退は、クリミアの橋であるクリムスキー・モスト（クリミア橋）への正当性に覆い隠された爆弾テロ以降に本格化した柔道の技の第一段階として、見事な腕前（神技）であったかもしれない。
ハリコフからの撤退を、モスクワが”弱さ”を見せつけるための罠と見てみよう。そのため、キエフ軍──実際にはNATOの手先──はロシアが”逃げる”とあざ笑い、すべての警戒心を捨て、無鉄砲になり、ダリヤ・ドゥギナの暗殺からクリムスキーモストの破壊未遂まで、テロスパイラルに乗り出した。
グローバル・サウスの世論の観点から見れば、ハルマゲドン将軍のデイリーモーニングミサイルショーがテロ国家への合法的対応であることは既に確立している。プーチンは、ハリコフというチェス盤の駒を一時的に犠牲にしたかもしれない。結局のところ、特別軍事作戦の任務は地形を保持することではなく、ウクライナを非軍事化することなのである。
モスクワはハリコフ後にも勝利を収めた。この地域に蓄積されたウクライナの軍事装備はすべて攻撃に投入された。ロシア軍は、ノンストップの射撃訓練に興じることができた。
そして、これが決定的なことだ。ハリコフは、プーチンがミサイルを多用した”ソフト”テロ対策作戦によって最終的にチェックメイトを狙うための一連の動きを引き起こし、西側諸国を頭のない鶏の集団に貶めることになった。
これと並行して、いつもの顔触れ（札付き）は、新たな核の”物語”を執拗に紡ぎ出している。ラブロフ外相は、ロシアの核ドクトリンによれば、攻撃は「ロシア連邦の存立を脅かす」攻撃に対応する場合にのみ行われると、何度も繰り返すことを余儀なくされた。
ワシントンDCのサイコキラーの目的は──彼らの荒唐無稽な夢物語では──モスクワを刺激して戦場で戦術核を使わせることである。クリミア橋テロ事件のタイミングを急がせたもうひとつのベクトルは、やはり英国の諜報プランが数カ月前から渦巻いていたことだった。それがすべて無に帰した。
ヒステリックなシュトラウス派とネオコンのプロパガンダマシンは、必死になって、先手を打って、プーチンを責めている。彼は「追い詰められた」、「負けている」、「絶望的になった」、だから彼は核攻撃をするのだ、と。
1947年に原子力科学者会報が設置した”終末時計”が、今では真夜中からわずか100秒の位置にあるのも不思議ではない。まさに”破滅の瀬戸際”である。
これは、アメリカのサイコ集団が私たちを導いている場所なのだ。
破滅の瀬戸際の時代（生活）
カオスと嘘と略奪の帝国が、大規模な経済・軍事攻撃という驚くべき二重の失敗に茫然自失となる中、モスクワは次の軍事攻撃のために組織的に準備を進めている。現状では、英米枢軸が交渉しないことは明らかである。過去８年間、交渉しようともしなかったし、イーロン・マスクからフランシスコ法王に至るまで、天使のようなコーラスに扇動されても、軌道修正する気はないようだ。
ウクライナの頭蓋骨をピラミッド状に積み上げていくティムール（虐殺）方式ではなく、プーチンは道教の忍耐力を呼び覚まして、軍事的な解決を避けようとしている。クリミア橋のテロは、その流れを変えることになったかもしれない。しかし、ベルベットの手袋が完全に外れたわけではない。ハルマゲドン将軍の毎日の空襲ルーチンは、まだ──比較的丁寧な──警告と見なされるかもしれない。西側諸国を厳しく非難した最新の画期的な演説でも、プーチンはいつでも交渉に応じることを明らかにした。
しかし、今となっては、プーチンと安保理は、なぜアメリカが交渉に応じないのか、もうわかっているはずだ。ウクライナは彼らのゲームの駒に過ぎないが、それでもユーラシアの地政学的な要衝のひとつであり、ここを支配する者は戦略的な深みを享受することができるのだ。
ロシア側は、中国のBRI（一帯一路）をはじめとするユーラシア統合の複雑なプロセスを台無しにすることに、いつもの顔触れが執着していることを非常によく理解している。北京の重要な権力者が戦争に”不安”を抱くのも無理はない。なぜなら、それはいくつかのユーラシア横断回廊を介した中国とヨーロッパ間のビジネスにとって非常に悪いことだからだ。
プーチンとロシアの安全保障理事会は、NATOがアフガニスタンを放棄し（これはまったく悲惨な失敗であった）、ウクライナに全力を注いでいることも知っている。つまり、カブールとキエフの両方を失うことは、致命的な打撃となる。それは、21世紀ユーラシアをロシア、中国、イランの戦略的パートナーシップに明け渡すことを意味するのである。
ノルドストリームからクリムスキーモストまでの妨害工作は、自暴自棄のゲームであることを物語っている。NATOの兵器庫は事実上空っぽだ。残っているのは、シリア化、実際には戦場のISIS化というテロ戦争である。頭の悪いNATOが管理し、少なくとも34カ国からの傭兵を散らした大砲の餌食がこの地域で行動している。
そのため、モスクワはあらゆる手段を講じざるを得ないかもしれない。”すっかり堰を切って流れ出した”ドミトリー・メドヴェージェフが明らかにしたように、これはテロリスト政権を排除し、その政治・治安組織を完全に解体して、別の組織の出現を促すものである。そして、もしNATOがまだそれを阻止するならば、直接の衝突は避けられないだろう。
NATOのシン・レッド・ライン（越えてはならない一線）は、カブールとキエフの両方を失うわけにはいかないということだ。しかし、もっと鮮明な、燃えるようなレッドラインを刻印するために、２つのテロ行為が必要だった。ロシアは、それが何であれ、帝国がウクライナを支配することを許さないだろう。それは、大ユーラシア・パートナーシップの将来と本質的に結びついている。
ようこそ、破滅の瀬戸際の時代へ
ナチズムとシカゴ大学のシュトラウス派ネオコン
Nazism and the University of Chicago’s Straussian Neo-Cons
By Prof. Francis Boyle
※「ナチズムとシカゴ大学のシュトラウス派ネオコン」
フランシス・ボイル教授 著
2001年９月11日の恐ろしい悲劇の直後、ドナルド・ラムズフェルド陸軍長官と親イスラエル・ネオコン派のポール・ウォルフォウィッツ副官は、イラク侵略戦争の口実を与えるために、９月11日の悲劇的出来事を操作して、そのための陰謀、計画、策謀を始めたことは、もはや公然の事実である。もちろん、イラクは９月11日やアルカイダ支援とはまったく関係がない。しかし、ラムズフェルド、ウォルフォウィッツ、ダグラス・フィース陸軍次官、そしてブッシュ・ジュニア政権にいる多数の親イスラエルのネオコンにとっては、そのことに違いはないのだ。
これらの親イスラエル派ネオコンは、シカゴ大学政治学部で長年政治哲学を教えていたレオ・ストロース教授のマキャベリ主義、ホビスト（絶対君主制を提唱）、ニーチェ主義の理論を学んでいたのである。法、政治、政府、エリート主義、民主主義に対するシュトラウスの悪質な理論の最良の暴露は、カナダの政治哲学教授シャディア・B・ドリーによる二つの学術書（『レオ・シュトラウスの政治思想』（1988年）；『レオ・シュトラウスとアメリカ右翼』（1999年））に見出すことができる。私がシカゴ大学に入学したのは、シュトラウスが引退して間もない1968年9月のことだった。しかし、私はシカゴの政治学部で、シュトラウスの一番の弟子であり、共著者であり、後に文筆家として活躍するジョセフ・クロプシーに師事した。
シカゴ政治学部の卒業生（1971年政治学士取得）としての個人的な経験に基づいて、私はドーリー教授のストラウスに対する壊滅的な批判に完全に同意するものである。また、シカゴのネオコンの陰謀によって引き起こされたアメリカの政治プロセスの劣化に対する、彼女の鋭い分析にも同意する。シュトラウスは、ナチスの法学者カール・シュミットの弟子で、ヒトラーとナチスがユダヤ人を含む誰に対しても行ったあらゆる恐ろしい残虐行為を正当化した。シカゴのネオコンはネオナチである。
シカゴ大学では、私や他の無数の学生が、冷酷で無節操なマキャベリストになるよう、日常的に訓練されていた。それこそが、多くの初心者のネオコンの学生が、シカゴ大学や他の大学のシカゴ同窓生に引き寄せられた理由なのだ。数年後、シカゴ大学はブッシュ・ジュニア帝国とアシュクロフト警察国家を支える”頭脳”となった。ジョン・アシュクロフト司法長官は、1967年にネオコンのシカゴ大学法科大学院で法学博士号を取得した。ブッシュ・ジュニア司法省の彼の弁護士の多くは、右翼、人種差別主義者、偏屈者、反動的、エリート主義者、戦争屋、全体主義者の連邦主義協会（別名「フェディーズ Feddies」）のメンバーで、その一部はネオ・コン大学シカゴ校のロー・スクールから発生したものであった。バラク・オバマはそこで憲法を教えることになる。フェディーズが書いた米国愛国者法（USAPA）IとUSAPA IIの草案は、アメリカの警察国家を確立するための青写真を構成している。一方、司法省のFBIは、2001年９月11日のワシントンDCでの炭疽菌攻撃の米国政府起源をまだ隠蔽している。それは、アシュクロフトと彼のフェディーズが米国議会を煽り、USAPA Iを法制化させることを可能にした。
フェディーズと密接に関連し、重なり合っているのが、シカゴ大学法学部の”法と蹴りの経済学”運動メンバーである。この運動は、今は亡きミルトン・フリードマン（シカゴ大学経済学部教授）の市場原理主義を基盤としている。フリードマンと彼の”シカゴ・ボーイズ”は、発展途上国中、特に有色人種の人々、そして今やここアメリカでも、経済とそれぞれの人々を強姦し、奪い、略奪し、略奪してきたのである。このシカゴの詐欺師と詐欺師の一団は、ニュルンベルク判決（1946年）で非難されたナチスの”無駄飯食い”のドクトリンの推進者である。フリードマンの市場原理主義の哲学に従って、イラクとその石油産業の”民営化”は、ブッシュ・ジュニア政権とブッシュ・ファミリーそのもの、エンロンに既に浸透していた米国のエネルギー企業（例えば、ブッシュ・ジュニアの副大統領ディック・チェイニーにかつて属していたハリバートン）の主たる利益のために既に進行中である。
エール大学とハーバード・ビジネス・スクールで学んだが、ブッシュ・ジュニアと彼のキリスト教原理主義者の支持者にとっては、”アイビー”はリベラルすぎることが判明し、ブッシュ・ジュニア政権での指南役と槍玉は原理主義者であるアシュクロフトであった。ネオコンと基軸派は、ブッシュ・ジュニアを支持するために”不浄の同盟”を結んだ。両者は、それぞれ異なる理由から、国際的に戦争犯罪人と認められているイスラエルの大量虐殺首相アリエル・シャロンも支持して、手を携えて動いたのである。
2003年２月26日のアメリカン・エンタープライズ研究所（これもシュトラウス派ネオコンのフロント組織）での演説での彼自身の推定と自慢によれば、ブッシュ・ジュニア大統領は約20人のシュトラウス派を雇って政権の重要ポストに就かせ、意図的にアメリカの外交政策をイスラエルに有利に、イラク、イラン、シリア、レバノン、パレスチナといった敵に対抗できる場所に配置したのだそうだ。ブッシュJr.政権やその他の場所にいたストラウス系ネオコンのほとんどは、昔も今もイスラエル第一主義者である。イスラエルにとって”良い”ことは、米国にとっても”良い”ことであると定義する。まさに二重の忠誠心だ。この原則は、オバマ政権のあまり親しくないネオコンにも当てはまる。例えば、ラーム・エマニュエル、ラリー・サマーズ、エレナ・ケーガン、デニス・ロス、キャス・サンスタイン（サマンサ・パワーと結婚）、ビクトリア・ヌーランドなどである。
さらに、親イスラエルのネオ・コンであるシカゴ・ストロース主義の陰謀団は、ペンタゴン内に特別な”情報”ユニットを設置した。このユニットは、イスラエルの利益のため、イラクの石油を盗むためのイラクへの侵略戦争に対する国民の支持を生み出すために、ブッシュ・ジュニア政権がその後愛玩用の米ニュースメディアに流した、真っ赤な嘘、偽り、半真実、全くのプロパガンダを数多く作る役割を担っているのだ。かつてマキアヴェッリが『プリンス』の第18章に寄せた忠告を言い換えれば、こうだ。欺こうとする者は、必ず欺かれようとする者を見出す。シカゴ大学政治学部の卒業生としての個人的な経験から証明できるように、シカゴのネオコンストロシアンの陰謀の聖書はマキアヴェッリの『王子』である。シカゴ大学では、私たち学生はマキアヴェッリを暗記し、暗唱しなければならなかった。
シカゴ大学全体としては、その新約聖書はアラン・ブルームの『アメリカン・マインドの閉塞 The Closing of the American Mind』（1987年）である。もちろんブルームもシュトラウスの弟子（つまりナチス法学者カール・シュミットの知的孫弟子）であり、ウォルフォウィッツの師である。ブルームの伝記的小説『ラヴェルシュタイン Ravelstein』（2000年）の中で、長年シカゴ大学の教員を務めていたソール・ベローは、自称友人のブルームが快楽主義者で（少年を対象とする）男色者、そして最も乱れた同性愛者で、エイズで死亡したと暴露している。このようなことは、ブルームが台座の上で崇拝され、アメリカの民主主義教育に対する彼のエリート主義の悲鳴が福音の真実としていまだに崇められているシカゴ大学では常識であった。
『ラヴェルシュタイン』では、ウォルフォウィッツがブルームの弟子フィリップ・ゴーマンとして登場し、ブッシュ・シニアのイラク戦争中に国家機密を恩師にリークしている。シュトラウスはブルームの師であり教祖であるダヴァール教授として小説の周辺をうろついていた。シュトラウス／ダヴァールは、まさにラヴェルシュタインの黒幕（腹心の手先）である。ベローのような友人がいれば、ブルームには敵は必要ない。『ラヴェルシュタイン』だけで、ウォルフォウィッツは F.B.I.の犯罪捜査の対象となった。
ブッシュ・ジュニア政権のイラクに対する無謀な侵略の直後、シカゴ大学は、そのストラウス系ネオコンの陰謀を公式に祝う機会を選んだ。したがって、ウォルフォウィッツ博士（72）、アーマッド・チャラビ博士（69）（CIAのイラク傀儡）、アブラム・シュルスキー（A． M. ’68, Ph.D. ’72（ペンタゴンの特殊「情報」部隊の長）、ザルマイ・ハリルザド Ph.D. ’79（ブッシュ・ジュニアのアフガニスタン、そしてイラクの巡回親領事）、そして教員のベロー、X ’39, ブルーム A.B. ’49, A.M. ’53, Ph.D. ’55, とシュトラウスも一緒である。2003年６月の『シカゴ大学マガジン』によれば、ブルームの暴言は “シュトラウス的な民主主義の理想を大衆化するのに役立った"という。ブルームの著書がシュトラウス派の”思想”の普及に貢献したと断言するのは正しいが、そもそも彼らはあからさまな反民主主義、マキャベリ主義、ホビスト、ニーチェ主義、エリート主義だったのである。シカゴ大学だけが、シュトラウスとブルームが民主主義に関心を持ち、ましてや”民主主義の理想”を理解していると公言する、まぎれもないオーウェル的胆力をもっているのである。
ウォルフォウィッツのような親イスラエルのシカゴ／ストラウス／ブルーム出身者が、イラクはおろかアメリカの民主主義にも関心を示せると、誰か本気で信じているのだろうか？ あるいは、ブッシュJr.政権の誰であろうと？ 彼らは2000年の大統領選挙をフロリダでアメリカ国民から盗み、共和党が支配する連邦最高裁判所の前で、そのうちの何人かはフェディーズだった／フェディーズである、と言ったのに？ クラレンス・トーマス判事もシュトラウス派である。ブッシュ・ジュニア政権のネオコン、狂信者、フェディーズ、詐欺師は８年間、アメリカの警察国家を建設するために人知れずあらゆることを行ってきた。これまでのところ、シカゴ大学憲法学教授のバラク・オバマ大統領は、彼らの全体主義的な手仕事を分解し、解体することを拒否し、失敗している。それどころか、オバマ政権は、ブッシュ・ジュニア政権が国際法、人権、市民権、市民的自由、合衆国憲法、権利章典に対して行ったほとんどすべての恐ろしい残虐行為を法廷で擁護し、正当化してきたのである。
シカゴ大学では1979年、そのシュトラウス派ネオコン政治学部の要請で、わざわざ「第１回アルバート・ピック・ジュニア国際理解賞」を、300万のベトナム人と私の世代の男性58000人を絶滅させた張本人、ロバート・マクナマラ氏に授与している。つまり、シカゴ大学自身が、第二次世界大戦後の最大の国際戦争犯罪者の一人を、悪意を持って更生させようとしたのである。歴史は常に、シカゴ大学がボブ・ハーフ・アン・アイクマン・マクナマラ氏を無償で称えたと記録することだろう。
あなたの子供たちをシカゴ大学に行かせてはならない。そこで彼らはウォルフォウィッツのような戦争屋、アシュクロフトのような全体主義者、オバマのような政治家に育つのだ！ シカゴ大学は知的・道徳的な掃き溜めである。シカゴ大学の資金提供者であり、元祖強盗男爵であるJ.D.ロックフェラーは、かつて自分の子孫についてこう言った。「私がこれまでにした最高の投資だ」。今でもそうだ。
フランシス・A・ボイル教授は、国際法の専門家。パレスチナ解放機構（Palestine Liberation Organization）の法律顧問を務め、1988年のパレスチナ独立宣言では、ヤセル・アラファトの法律顧問を務めた。1988年のパレスチナ独立宣言では、パレスチナ解放機構とヤーセル・アラファトの法律顧問を務めた。また、1991年から1993年まで中東和平交渉のパレスチナ代表団を務め、現在は廃案となっているオスロ協定に対するパレスチナ側のカウンターオファーを起草した。著書に『パレスチナ、パレスチナ人と国際法』（2003年）、『国際法におけるパレスチナ人の帰還権』（2010年）などがある。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
@kiyo18383090