惑星の電気的傷跡─電気的宇宙論お勉強シリーズ⑧

月のクレーターは電気放電で出来た

私たちにとって身近な月は無数のクレーターに覆われていることは誰もが知っています。火山活動や隕石や彗星が衝突した跡だということになっていますが、クレータの形状は衝突が作り出す形状とは大きく違っています。さらに隕石が衝突したのであれば、他の惑星や惑星を周回する月でも似たようなクレーターが発見されているはずです。しかしそうではありません。現在の天文学はそれぞれの惑星、月ごとに別々の解釈をしなければ説明できません。

この動画で初めて知りましたが、1960年代にブライアン・J・フォードという人が、月のクレーターは宇宙の稲妻によって刻まれたとする実験結果を発表しています。月の複雑に重なり合ったクレーターの形状が電気放電で簡単に再現できることを証明しました。

また、電気宇宙論ではたびたび登場するラルフ・ジョーガンズは1974年に「特に火星と月の表面に、かなりの割合の電気的傷跡が確かに証拠にあることを示唆する」記事(記事の最後に、最初の部分のみ訳出)を書いています。その中で、
「例えば、イギリスのアマチュア天文家ブライアン・J・フォードは数年前に論文を発表し、月のクレーターのほとんどは宇宙規模の放電が残した痕跡であるという考えを強く主張した。その根拠として、彼は実験室で放電加工装置を用いて、中央に峰のあるクレーター、大きなクレーターの縁の高いところにある小さなクレーター、長い鎖状に連なったクレーターなど、他では見られない月の不思議な特徴をミニチュアで再現していることを報告した」と書いています。

私には、いまだに火山と衝突と重力にしがみついて宇宙の現象を説明しようとする天文学というものが信じられません。日本で発行されている科学雑誌にしても、しつこく繰り返される、相も変らぬ相対性理論と量子論の過去の記事の焼き直しのような、難解で何が言いたいのかよく分からないような記事ばかりです。

それで、この動画でも紹介されている現代の天文学、物理学の混迷が痛いほどよく分かる記事を資料として追加しました。それらの記事には ”髪をかきむしる”ような天文学の現実が透けて見えてきます。

「新しい惑星が見つかれば見つかるほど、惑星系がどのように生まれるのかがわからなくなってくる」
「惑星がどのように形成されるかについての既存のモデルに反している」
「理論は空振りに終わった」
「理論家たちに、髪をかきむしる理由をさらに与えるだろう」
「我々が確実に言えることは、これらのモデルは機能しないということだ」
「惑星がどのように形成されるかという考え方が覆された」
「標準理論を永久に覆すのに十分であった」
「天文学者は古い理論の何が欠けているのかを解明するのに苦労している」
「研究者たちは、彼らが説明しようとする惑星と同じくらいエキゾチックで豊富なモデルを育て続けている。もし、現在の理論がバラバラで、その場しのぎで、もはや美しくないものであったとしても、科学はしばしばそうやって進んでいくのだ……人生とはそういうものだ」

しかし、このような現状を天文学者やメディアは次のように表現します。
「プラネットハンターは発見の黄金時代に向かっている」

要旨
私たちは、この特別なトップ10シリーズを作成し、宇宙全体のあらゆるスケールで電磁気の支配的な役割を果たす最も説得力のある証拠に焦点を当てました。高エネルギー放電がクレーターやその他の無数の惑星の特徴を作り出すことが実験的に証明されており、惑星科学と太陽系の歴史に全く新しい視点を提供しています。このエピソードでは太陽系にある高エネルギーの電気的傷跡は、宇宙が電気的である10の理由のうち、なぜ8番目なのかを探ります。

惑星の電気的傷跡
Electrical Planetary Scarring

サンダーボルト・プロジェクトがお届けする「電気宇宙からの宇宙ニュース」へようこそ。
私たちは、この特別なトップ10シリーズを作成し、宇宙全体のあらゆるスケールで電磁気の支配的な役割を果たす最も説得力のある証拠に焦点を当てました。より微細な技術データのおかげで、宇宙を流れる電流の存在は否定できなくなり、天文学者や宇宙物理学者の間でも、より日常的に認識されるようになりました。

宇宙を流れる電流の存在
宇宙で最も高い電流が発見される
宇宙で最も高い電流が発見される

それにもかかわらず、この発見が科学的なコンセンサスに影響を与えるには時間がかかります。

スケールのジェットの電流を測定
Kpc(キロパーセク)スケールのジェットの電流を測定
(銀河3C303の電波ジェットの電波放射、偏波、ファラデー回転マップ)

大きな障害となっているのは、天体に正味の電荷が分離することはありえないという科学的発見と矛盾する、なかなか消えない思い込みです。

宇宙を流れる電流の存在

彗星の不思議な平行ジェットから、我々の惑星の大気圏上層部に見られる壮大なスプライトやエルフ、超新星爆発を起こす星に集中する破滅的な放電、100万光年以上にわたってほぼ光速で移動する銀河系外ジェットまで、宇宙空間の物体が荷電体のように振る舞うのは偶然ではありません。

大気圏上層部に見られる壮大なスプライトやエルフ

今日は、宇宙が電気的である10の理由のうち、なぜ太陽系内の高エネルギーの電気的傷跡が8番目なのかを探ってみます。

惑星と衛星の電気的傷跡

45億年前に誕生したとされる太陽系の神話は、いまや崩れ去りました。近年、多くのエピソードでお伝えしてきたように、重力崩壊と降着によって星雲の中で惑星や星が形成されるという標準的な理論は、これまでに発見された何千もの太陽系外惑星系では裏付けがありません。

天文学者のグレゴリー・ラウリンが2014年にネイチャー誌に語ったように、我々の太陽系をモデルとして使うことは「……我々の惑星族をモデルとして使っても、外の世界を推定することは成功しなかった」のです。

私たちの太陽系はとても異なっているように見えるので、天文学者は現在、惑星の移動という概念をますます受け入れています。最近のphys.orgのレポートにあるように、
「……我々の太陽系では、内惑星は驚くほど大きな間隔と多様なサイズを持っている。太陽系内の豊富な証拠は、木星と土星が太陽系初期の構造を破壊し、その結果、現在のように間隔の広い4つの地球型惑星が誕生したことを示唆している」

今日、一部の天文学者は、これらのガス巨星は、太陽系内に向かって移動するいわゆる破壊球 wrecking ball(建物解体用の鉄球)として働き、初期の世代の惑星を破壊し、惑星火星から軽元素を奪っていったと示唆しています。

ガス惑星は、機械的な衝突や潮汐力ではなく、異なる電位を持つ物体が電気的に放電することで、”破壊球”として作用していたのかもしれません。

”破壊球”として作用していたのかも

これから述べるように、高エネルギー放電がクレーターやその他の無数の惑星の特徴を作り出すことは実験的に証明されており、惑星科学と太陽系の歴史に全く新しい視点を提供しています。

高エネルギー放電がクレーターやその他の無数の惑星の特徴を作り出す

太陽系で地球以外の岩石質の天体で最も研究が進んでいるのは、もちろん月です。最初の宇宙探査機が月の画像を持ち帰ったとき、月の表面にはクレーターが点在しており、”リル”と呼ばれる長く曲がりくねった溝が広がっていることがわかりました。

月の表面にはクレーター

このような地形を解釈しようとする科学者は、従来の地質学のツールキットに制約されていました。月のクレーターをめぐる"論争"は、火山と衝突のふたつの原因からなるものでした。

月のクレーター

最終的に、隕石衝突が月のクレーターの主な原因であるという見解で一致しました。月や太陽系内のいくつかの天体は、非常に激しいクレーター状になっています。そのため、天文学者は”後期重爆撃期”と呼ばれる激しい時代、つまり、不釣り合いな数の小惑星が太陽系の内側にある惑星に衝突したとされる仮想の時代を作り出しました。

”後期重爆撃期”

この仮説が生まれた理由のひとつは、月の岩石の同位体年代測定から、岩石を溶かすような衝撃が比較的短い期間に起こったことが示唆されているためです。

月の岩石

しかし、他の無数の発見と同様に、多くの月のクレーターが同時に出現していることは、放電仮説と矛盾しません。

月のクレーター

一般にはあまり知られていませんが、人類が初めて月を歩くよりもずっと以前に、アマチュア天文学者のブライアン・J・フォード Brian J. Ford が、月のクレーターは宇宙の稲妻によって刻まれたとする実験結果を発表しています。

ブライアン・J・フォード
ブライアン・J・フォード

※「月のクレーターの起源 Origin of the Lunar Craters

この実験では、フォードが放電加工装置を用いて、中央に峰のあるクレーター、大きなクレーターの縁の高いところにある小さなクレーター、長い鎖状に連なっているクレーターなど、月の最も不可解な特徴をミニチュアで再現してみせました。

フォードが放電加工装置を用いて
大きなクレーターの縁の高いところにある小さなクレーター
長い鎖状に連なっているクレーター
長い鎖状に連なっているクレーター
クレーター

また、フォードは、月面の大きなクレーターと小さなクレーターの比率が、電気アーク放電で見られる比率と一致することを確認しました。月で観測されるクレーターは、惑星科学における根本的な新しい理論的道筋の必要性を強調しています。

衝突説では説明のつかない謎として、月のクレーターの大部分が極端に円形であることが挙げられます。円形のクレーターを作るには、物体が真上から衝突する必要があることが、長年にわたる衝突実験の結果わかっています。

前述のブライアン・フォードは、月の円形クレーターの90%以上は横からの衝突では生じないと指摘しています。他の岩石質の天体でもそうですが、クレーターの底に噴出物がなく、きれいに削られたクレーターが無数に見られます。

きれいに削られたクレーター

電気工学者のラルフ・ジョーガンズは、電気的惑星瘢痕化の初期の提唱者ですが、この現象について次のように書いています。
「一度溶けた岩石がむき出しになったクレーターの底を、従来の衝突説の観点から説明するのは少し難しい。おそらく、想定される衝突爆発の衝撃によって、ある深さでかなりの量の岩石が溶かされ、爆発後にこの物質が湧き出してクレーターの底を飲み込み、そこで遭遇した障害物の周りを流れたという、その場しのぎの理論に頼らざるを得ない。さもなければ、爆発そのものによる破片がクレーターの底に散乱すると予想される。
しかし、衝突説には、このような一連の出来事を予想する理由はなく、また、地球上のクレーター生成爆発に関する経験からも、この考えを裏付けるものは何もない。放電は非常に短い時間で起こると考えられるかもしれないが、惑星間放電は衝突爆発よりも長い時間続くはずだ。長距離の電流の流れは、最初のタッチダウン爆発の瞬間を超えて持続し、こうしてできたクレーターに偶然落ちてきた放出物は、流されるか、その場で溶かされるかもしれない」

また、ジョーガンズは月面にある曲がりくねったリル sinuous rill(溝)についての画期的な分析も発表しています。曲がりくねったリルは、通常、急な壁を持ち、しばしばクレーターから出てくるもので、月では様々なスケールで見つけることができます。

月面にある曲がりくねったリル

アポロ計画以前は、天文学者の初期仮説として、このリルは月面の”亀裂”であると考えられていました。その後、科学者たちが溶岩の流れに着目するまでは、水の流れが原因であると推測されていました。現在では、月面の曲がりくねったリルは、溶岩が地表または地下を流れて”溶岩チューブ”を形成し、その一部が最終的に崩壊してできたという説が有力です。

月面の曲がりくねったリル

ジョーガンズは、様々な競合する理論のそれぞれのポイントごとの要件と、実際に観察されたリルの特性を比較しました。

惑星科学者とは異なり、ジョーガンズは高エネルギー放電を可能性のある作用因子として考えていました。

高エネルギー放電、イラスト

あらゆる証拠から、放電仮説は許容でき、または予測可能であり、あらゆる競合仮説と異なり、放電がリルの原因であることを否定する証拠は一例もありません。

ジョーガンズの検証以前から、何人かの科学者は、水であれ溶岩であれ、流れる液体が月のリルの特徴(リルの底に沿った一連のクレーターなど)を引き起こすことはあり得ないと指摘してきました。

月のリル

これらの点は、月の有名なハドリーリルを調べると、劇的に際立ちます。#http://lroc.sese.asu.edu/posts/362

ハドリーリル

今日、惑星科学者たちは、このリルが”崩壊した溶岩チューブ”であることに同意しています。

ハドリーリル

しかしながら、このリルは、溶岩洞窟に要求される特徴に多くの点で合致していません。最も重要なことは、溶岩洞窟の崩壊した部分は瓦礫で埋まった窪地になることです。リルの高解像度画像からは、瓦礫も崩壊チューブ collapse tubes も見つかりませんでした。

リルの高解像度画像
リルの高解像度画像

それは単に空いている鋭く切り立ったチャネル(溝、堀、畝)であり、”電気的破壊チャネル”の予想される特性に一致します。

雷が原因のリル
雷が原因のリル

※「火星とグランドキャニオン」1949年、フロリダ州ベーカーでの強力な落雷の例。野球の試合中、内野を40フィート(約3.5m)ほど削り、選手3人が死亡、50人が負傷した。落雷の経路は、溝の底にある小さな溝として見ることができる。ナショナルジオグラフィック』1950年6月号、p.827

月のリルの火山仮説にとって最大の問題は、おそらくその途方もない長さです。

溶岩洞窟

私たちの惑星では、溶岩洞窟は最長でも65キロメートルしかありません。これは、ハドレーリルの130キロメートルの約半分の長さです。

ハドレーリル、130キロ

しかし、本来はその逆です。
地球では大気が断熱材となり、溶岩が熱を保つことができます。しかし、”真空の宇宙”では、溶岩の熱はどんどん逃げていきます。私たちの住む地球では、溶岩が数十キロメートルの距離を流れると、表面が冷却されて”屋根”ができます。

地球では、溶岩が数十キロメートルの距離を流れると、表面が冷却されて”屋根”ができる

その後、溶岩は地表の下を管状に流れ続けることがあります。これが、溶岩洞窟の長さを確保する唯一の方法です。

シュローターズバレーと呼ばれる最も目立つ月のリルを考えてみましょう。 長さ185キロメートル、幅10キロメートル、深さ1,300メートルにも達します。

シュローターズバレーと呼ばれる最も目立つ月のリル

溶岩が流れ、地表の物質を侵食し深い溝を作るには、どこかで溶岩が現れる必要があります。深い壁が壊れるか、大量に流出した痕跡があるはずです。それどころか、溝が消滅するまで、ただ先細りしていきます。不思議なことに、月や他の星でのリルの流れは、地球での溶岩や水が刻んだ水路のように下り坂に限定されていません。

シュローターズバレーの流体侵食説はすべて、”流れ”の見かけ上の河口が高地にあり、水路の最も狭い部分が低地にあることを無視しています。また、シュローターズバレーの中には、もっと狭い二次的なリルがあり、小さなクレーターが連なっているのも特徴的です。

月から太陽系内惑星に目を向けると、惑星表面の最も劇的な特徴を説明する標準的な地質学の理論が破綻していることがはっきりとわかります。

金星

ソビエトの金星探査機、ベネラ13号が撮影した金星表面のパノラマ写真の一部
ソビエトの金星探査機、ベネラ13号が撮影した
金星表面のパノラマ写真の一部

20世紀の偉大な科学的な異端者イマニュエル・ヴェリコフスキーは、金星の表面画像を初めて探査機が撮影する何年も前に、金星についていくつかのとんでもない主張をしています。ヴェリコフスキーは、ほんの数千年前に金星は恐ろしい彗星として地球の空に現れたと主張しました。

イマニュエル・ヴェリコフスキー
イマニュエル・ヴェリコフスキー
彗星のダーティ・スノーボール説を提唱したウィップル
彗星のダーティ・スノーボール説を提唱したウィップル

全く対照的に、彗星のダーティ・スノーボール説を提唱したウィップルなど多くの天文学者は、金星の表面はほとんど、あるいは全体が海で覆われているかもしれないと提唱していました。ですから、金星の平均表面温度が華氏863度(461.67℃)という超高温であることの発見は、初期の宇宙時代の大きな驚きのひとつでした。

金星

もうひとつの驚きは、金星の表面が驚くほど”若い姿”をしていることです。

金星の表面

金星には、いわゆる衝突クレーターと呼ばれるものが驚くほど少ないのです。これはクレーターを取り除く”再表面加工プロセス”によるもので、おそらく最近の火山活動によって金星の地殻全体がひっくり返ったのだろうと、現在のほとんどの惑星科学者は考えています。

金星の最も顕著な特徴は、放電の実験家が”リヒテンベルグ・パターン”と呼ぶ、広大な糸状の傷跡のネットワークです。

金星の表面、広大な糸状の傷跡のネットワーク
放電の実験、リヒテンベルグ・パターン

電気宇宙論では、岩石質の惑星は、分子雲の中でネックレスのビーズのように連なっている星と同じように、光り輝く電気フィラメントの中で生まれているとされます。

岩石質の惑星は、分子雲の中でネックレスのビーズのように連なっている星と同じように、光り輝く電気フィラメントの中で生まれている

また、突然変化する電気的環境に適応する過程で、より大きな天体が電気的に分裂することによって生まれるものもあります。

世界中の古代の証言が普遍的に主張するように、金星がかつて地球を脅かす彗星であったとすれば、それは地球に接近する偏心軌道をとっていたに違いありません。

彗星
(火の彗星)征服の10年前、空には火の粉を滴らせるように動く星、彗星が観測された。(サハグンの情報提供者による前触れ)
ある日、西から火の玉が現れ、火花を散らしながら落ちてきた。
まるで鐘を鳴らすかのような大騒動

放電は地殻を熱し、地表に広がるフィラメント状の傷跡を作り出したでしょう。

金星のフィラメント状の傷跡

もちろん、高圧ガス中で発生した雷が、このような”リヒテンベルグ・パターン”を引き起こすことは、以前から実験的に示されていました。

リヒテンベルグ・パターン

低い大気圧下では、月や水星で見られるように、クレーターの発生はより一般的です。興味深いことに、2013年の科学報告では、金星の電離層と太陽風の相互作用は、惑星というよりも彗星のような典型的なものであると説明されています。金星には数百万kmに及ぶ広大な尾部があり、時には地球の磁気圏に触れることもあります。

金星の超高温、謎の超回転、超強力な雷などは、金星の最近の彗星起源の電気宇宙的再構成で予想されることです。ここから先、太陽系内の惑星を襲った激変「神々の雷鳴」の圧倒的な証拠を目の当たりにすることになります。

火星

宇宙時代以前は、ほとんどの天文学者が、火星は長い間地質学的に死んだ宇宙の不毛の岩であると予想していました。しかし、最初の探査機が到着して以来、赤い惑星の地表の特徴は、惑星科学者に限りない驚きを与えてきました。

赤い惑星の地表の特徴

現在の火星は、時に惑星全体を巻き込むようなすさまじい風や塵の嵐など、壮大な気象現象が起こる世界です。しかし、私たちが現在観測しているものは、火星の驚くべき、そしてしばしば奇妙な地質学的特徴を説明することはできません。その中には、私たちの惑星で起こったどんな出来事よりも激しい出来事を物語るものがあります。

ヴァレス・マリネリス
マリネリス渓谷 (ヴァレス・マリネリス)

火星の最も劇的な地形は、これらの出来事へのあらゆる手がかりを与えてくれます。

長さ4,000キロメートル、深さ7キロメートルに及ぶ巨大な裂け目、ヴァレス・マリネリス。

ヴァレス・マリネリス

ちなみに、火星は地球の約半分の大きさですが、マリネリス渓谷はグランドキャニオン約5つ分の長さがあります。

マリネリス渓谷はグランドキャニオン約5つ分の長さ

マリネリス渓谷は、惑星間の稲妻が刻んだ広大な傷跡であると1970年代に提唱したのは、前述のラルフ・ジョーガンズでした。実際に、2015年の宇宙ニュースでもお伝えしたように、バレス・マリネリスの電気的起源という仮説は、実験的に検証されています。

マリネリス渓谷の電気的起源仮説の実験
マリネリス渓谷の電気的起源仮説の実験

故マイケル・スタインバッハ Michael Steinbacher とエンジニアのビリー・イェルバートン Billy Yelverton の共同研究で、スクリーンにあるような放電台の上のリザーバ(タンク、貯蔵器)からダストを落として、溝が形成されたときの状況をシミュレートする実験が試みられました。
その結果、一貫してマリネリス渓谷に酷似した地形が現れたのです。

溝が形成されたときの状況をシミュレートする実験
溝が形成されたときの状況をシミュレートする実験
マリネリス渓谷に酷似した地形が現れた
マリネリス渓谷に酷似した地形が現れた
マリネリス渓谷
マリネリス渓谷

さらに2人は、物理学者ウォル・ソーンヒルが2003年に発表した論文「渦巻き銀河とグランドキャニオン」で指摘したあるパターンに気づきました。放電実験で再現されたマリネリス渓谷のS字形状は、棒渦巻き銀河の形状に酷似しています。ソーンヒルは2003年にこう書いています。
「銀河は宇宙で最も大きな、目に見える放電現象であるという事実に関係がある」

もちろん、何度も詳述しているように、この考え方は、画面に表示されているアンソニー・ペラット博士とウィンストン・ボスティック博士によるプラズマ実験の画像にそれぞれ示されているように、実験的に極めて高い裏付けを持っています。

2つのプラズモイドが相互作用する実験 by W. Bostik
2つのプラズモイドが相互作用する実験 by W. Bostik

また、長編ドキュメンタリー映画『稲妻で傷ついた火星』では、火星の無数の特徴を詳細に分析し、放電に理想的な類似性を見出しています。その一例が、高さ約22kmのいわゆる盾状火山で、太陽系惑星の中で最も高い山であるオリンパス・モンス(オリンポス山)です。

オリンパス・モンス

映画の中で述べたように、オリンパス・モンスの盾状火山の解釈は、答えよりもはるかに多くの謎を提示します。楯状火山の特徴は、流体または低粘性の溶岩が緩やかに押し出されることです。地球上の楯状火山には崖がありませんが、オリンパス・モンスの崖は4マイル(約6437m)近くまでそびえ立っています。

NASAの報告書では、この問題を次のように認めています。
「崖の起源は不明……」「オリンパス・モンス周辺の険しい崖は、陸上の楯状火山にはない特異なものである」
しかし、おそらく最も重要なのは、オリンパス・モンスの地形の中にある信じられないほど細かいフィラメント状の尾根や渓谷のブランケットです。

細かいフィラメント状の尾根や渓谷のブランケット

実際、火星で不可解な樹枝状パターンが発見され続けていることは、電気的傷跡仮説の重要な予測です。

火星の "クモ"
火星の “クモ"

2017年に火星の10kmのズニル・クレーター内の地形を撮影した画像が公開され、原始的な(初期の)例が発見されました。

惑星科学者は、このクレーターは衝突によって生じたと主張しています。クレーター内の二次クレーターに伴う樹枝状の盛り上がりについては、まともな説明がありません。

NASAはこの画像を説明するために次のような試みを行っています。
「二次クレーターは、一次クレーターから高速で放出された岩石が、十分に高速で地面に衝突し、広い範囲に非常に多くの小さなクレーターを形成することによって形成される……しかし、このシーンでは、二次クレーターの噴出物が、浅浮き彫りの彫刻のような珍しい隆起したレリーフ状になっている」

NASAが提供できる最良の推測は、いわゆる衝突クレーターが無限に長い年月をかけて不思議な風化を遂げたということです。しかし、EU(エレクトリックユニバース)のコミュニティにおける実験的研究は、より有望な可能性を提供しています。

前述のビリー・イェルバートンが行った実験では、土壌に強い振動を与えるだけで樹枝状の隆起を作り出しました。

ビリー・イェルバートンが行った実験
ビリー・イェルバートンが行った実験

また、ユーチューバーの diveflyfish によるアルミホイルに放電させる実験THUNDERBOLTS PROJECT RAISED DENDRITIC ELECTRIC EFFECTや、

アルミホイルに放電させる実験
アルミホイルに放電させる実験。結果
アルミホイルに放電させる実験

謎の多い火星の”クモ”とゼイン・パーカー Zane Parker の放電実験の比較もご覧ください。

火星の"クモ" 放電実験 クレジット:ゼイン・パーカー
(左)火星の"クモ" 。(右)放電実験、クレジット:ゼイン・パーカー

以前から申し上げているように、火星の環境は、”電気宇宙地質学”の概念を検証するための”宇宙の実験室”です。これまで何度も紹介してきたように、10年以上前にC.J.ランサム博士は、火星の土壌に何兆個も存在する小さな球体、火星のブルーベリーを再現した、これまでに唯一の実験を行い、同じ球状のものがクレーター内の謎の巨大ドームに見られるという、惑星科学者を悩ませ続けている謎を解明しました。

放電実験 クレジット:C.J.ランサム
放電実験。クレジット:C.J.ランサム
火星の"ブルーベリー"
火星の"ブルーベリー"
同じ球状のものがクレーター内の巨大ドームに見られる
同じ球状のものがクレーター内の巨大ドームに見られる

火星を襲った電気的大災害の大きな証拠は、火星の北半球から不可解(謎めいた・原因不明)に取り除かれた6マイル(9656m)以上の地殻の深さです。

火星を襲った電気的大災害、イラスト
火星の地形 (MOLA_04)
火星の地形(青い部分がえぐれた所)

この物質はどこに行ったのでしょうか?

その手がかりは、地球上で全く予期しなかった火星隕石の発見にあります。

火星隕石
火星隕石
火星隕石
火星隕石

当初、惑星科学者たちはこの発見をおおいに懐疑的に受け止めました。というのも、火星の隕石(脱出物質)が地球に到達するのに必要な速度に達するとは思わなかったからです。火星の大規模な電気的掘削は、火星のトロヤ群と呼ばれる火星の軌道を共有する謎の小惑星の発生源でもあったかもしれません。実際、2017年に発表された科学論文では、小惑星がカンラン石などの惑星特有の鉱物で構成されていることから、ミニ惑星が壊滅した跡であるとの説が提唱されています。

また、惑星科学者は、火星の衛星フォボスやデイモスの起源と思われるものとして激しい衝突を想像しています。

フォボス デイモス
フォボスとデイモス

Space.comのレポートに書かれているように、
「赤い惑星に大きな衝撃や破壊があると、破片が空中に飛び出し、重力で引き寄せられた可能性がある。既存の月も破壊され、後にフォボスとデイモスを形成する瓦礫を作ったかもしれない」

火星のフォボスの衝突と重力降着について詳しく見ていくと、惑星科学者が利用できる唯一の理論的メカニズムは、我々が実際に目にするものを説明するには、全く不十分であることがわかります。

フォボス表面

他の無数の岩石質の天体と同様に、機械的な衝突では全く予想されない劇的な平行溝やクレーターの連鎖の特徴を見ることができます。しかし、これまで何十回となく説明してきたように、放電の実験ではこのような現象が日常的に起こっています。

放電実験 クレジット:D. Z. パーカー
放電実験。クレジット:D. Z. パーカー
放電実験 クレジット:Billy Yelverton 月のクレーターの連鎖
(左)放電実験 クレジット:Billy Yelverton (右)月のクレーターの連鎖

フォボスの最も劇的な特徴である、驚くべきスティックニークレーターは、太陽系の無数の天体で繰り返されているパズルを浮き彫りにします。

このクレーターの大きさは9キロメートルで、フォボスの直径のほぼ半分に相当します。

クレーターの大きさは9キロメートルで、フォボスの直径のほぼ半分

このような巨大なクレーターを作れる衝突が、どうして月を粉々にすることができなかったのか?

同じようにありえないほど巨大なクレーターが、土星の月、テティスにあります。

土星の月、テチス(テティス)

この月は直径わずか1,000キロメートルですが、巨大な六角形のクレーターは450キロメートルもの大きさです。Universetoday.comが報じたように、
「……遠い過去にテティスを襲ったものは、おそらくそれを粉々に砕くべきだった……しかしそうしなかった……」
有名な小惑星ベスタでは、最大のいわゆる衝突クレーターは、驚くべきことに、475キロメートルの大きさです。小惑星の直径は525キロメートルしかありません。

レアシルビア盆地 直径500km ベネネイア盆地 直径400km
レアシルビア盆地:直径500km、ベネネイア盆地:直径400km

機械的な衝突でできたにしては巨大すぎるクレーターは、電気的傷跡仮説によって解決された多くの謎の一つに過ぎません。このビデオの姉妹編「クレーターは電気的 The Craters are Electric」では あらゆる種類の固体に見られる数多くの種類のクレーターの概要を説明しました。

サハラ砂漠にあるリシャットクレーター(アフリカの目、サハラの目) 放電クレーター
(左)サハラ砂漠にあるリシャットクレーター(アフリカの目)
(右)放電クレーター
金星のマイトナークレーター イオンビームでできたクレーター
(左)金星のマイトナークレーター
(右)イオンビームでできたクレーター

六角形や四角形の奇妙なクレーター、いわゆるブルズアイ・クレーター、床が平らで縁がつまったクレーター、クレーターの極端な円形、大きなクレーターの縁に小さなクレーターが現れるという完全な例外など、実験室では放電によって日常的に作り出されています。

私たちの月、水星、準惑星ケレス、太陽系外縁部のガス惑星の衛星に見られるような、空気のない世界の巨大なクレーターの表面にこれらの説明を適用すると、衝突仮説では決して説明できない果てしないミステリーに対するシンプルな解決法が見えてきます。

クレーター

電気宇宙地質学のコミュニティが必然的に成長し続けるにつれて、人類は我々の歴史の重要な章の再構築に近づいています。科学の教科書には書かれていないけれども、人類のあらゆる文化圏に深く刻み込まれたドラマの一章。記憶に残るドラマが待っています。

惑星間の放電イラスト

──おわり

資料

現代の天文学の混迷が分かるのではないかと思い、以下の記事を記事全体ではありませんが訳しました。それと、ラルフ・ジョーガンズの「月と火星について」の論文の最初の部分です。
科学者たちは、惑星がどのように形成されるのか全く知らない
惑星形成の3つの説は破綻していると専門家が指摘
天文学:混沌の中の惑星(※混沌としているのは”惑星”ですか?)
木星は太陽系を壊し、私たち独自の配置を作り出し、生命を誕生させた
月の曲がりくねったリルの起源」ラルフ・ジョーガンズ


科学者たちは、惑星がどのように形成されるのか全く知らない。何百もの新世界の発見に専門家は困惑している
科学者たちは、惑星がどのように形成されるのか全く知らない

何百もの新世界の発見に専門家は困惑している

・天文学者は惑星形成に関する理論の書き換えを迫られている
・ワシントンDCに拠点を置くNASAなどが説明に苦慮している
・これまで、私たちの太陽系は他の太陽系のモデルであると考えられていた
・しかし、奇妙な軌道を描く惑星が発見されたことで、理論が覆されることになった
・現在の惑星の法則を無視した狭い軌道を描く巨大惑星も存在する
・他の星系にもスーパーアースはたくさんあるが、私たちの星系にはない。
・新しい惑星の発見で、天文学者は方向転換を迫られている

数十年前、天文学者は惑星がどのように形成されるかについて、かなり自信を持っていた。私たちの太陽系を例にとると、小さな岩石質の惑星は主星の近くで形成され、大きなガス状や氷の惑星はさらに外側で形成されると考えられていた。ところが、どの説にも当てはまらない惑星が見つかり始めたとき、天文学者は混乱した

この20年間で、私たちが想像もしなかった世界が発見されたとNature誌は報じている。例えば、数日で公転するほど恒星の近くにある惑星が見つかっているが、密度調査の結果、これらの惑星はどういうわけか氷でできていることが分かっている。また、あまりにも大きな岩石質の惑星が見つかったため、天文学者は惑星がどのように形成されるのかに疑問を抱いた。

現在の惑星形成のモデルは、惑星系の核となる星を作る塵やガスからも惑星が生まれるというもので、”核生成過程”と呼ばれている。中心星が回転することで周囲の物質が回転し加熱される。このとき、鉄や岩石のような融点の高い物質が太陽の近くで形成され、この物質が塊になることもある。さらに太陽系から離れると寒冷化し、氷が形成される。また、惑星は周辺にガスを蓄積し、木星や土星のような”ガス惑星”となる。

では、なぜ私たちの太陽系の水星の10分の1の距離の軌道にガス惑星がある星系(「ホットジュピター」と呼ばれる)が見つかったのだろうか 
また、ガス状の外層を持たない巨大な岩石質の惑星である”スーパーアース”が極限状態で周回している惑星系があるのはなぜだろうか 
また、太陽系のように平坦な”平面”ではなく、荒々しい楕円形の軌道を描く惑星があるのはなぜだろうか
答えは、「わからない


惑星形成の3つの説は破綻していると専門家が指摘
惑星形成の3つの説は破綻していると専門家が指摘

奇妙な新世界の爆発は"理論が空振りした"ことを示している

※ちなみに、このサブタイトルの原文は「Explosion of strange new worlds shows “theory has struck out."」で、"theory has struck out."はグーグル翻訳だと「理論が打ち出された」と訳されています。これでは何のことかわかりませんね。

新しい惑星が見つかれば見つかるほど、惑星系がどのように生まれるのかがわからなくなってくるというのが、プラネットハンターの第一人者の見解だ。

カリフォルニア大学バークレー校のジェフリー・マーシー教授は、他の星を周回する惑星が500個以上確認されていることから、プラネットハンターは発見の黄金時代に向かっている、と語った。(既知の惑星をインタラクティブに探索することができる)

なぜなら、新しく発見された星系の多くは、惑星がどのように形成されるかについての既存のモデルに反しているからである、と彼は言う。
(関連記事:「新しい惑星を発見、星の第4の世界は天文学者を困らせる」)

現在の理論では、惑星は星が誕生した後に残ったガスや塵の円盤から作られると考えられている
太陽系では、木星や土星などの大型のガス状惑星は、最初は遠方で形成され、その後、残されたガスや塵の重力抵抗によって軌道が形成され、内側に移動したと考えられてきた

そして、ガスやダストが天体の形になったところで移動が止まり、現在のような惑星になったと考えられている

理論的には、惑星を持つ他の星も同じようなスタートを切ったはずだ。しかし、マーシーによれば、理論には現実にはない言外の意味があるのだという。
推論:すべての惑星の軌道はほぼ円形でなければならない。

一部の惑星は、生まれつき軌道が偏心していて、星の周りを細長い楕円形で回っている可能性がある。しかし、惑星が渦を巻いて恒星に近づくと、重力抗力(力学的摩擦)によって、排水溝を回る物体のように軌道が滑らかになるはずだとマーシー氏は言う。
(関連記事:「エキセントリックな太陽系外惑星が熱い閃光を放つ」)

太陽系の8つの惑星はすべてほぼ円形の軌道を描いており、惑星形成円盤のモデルは、他のほとんどの星系が同じであることを示唆している。しかし、実際には、円形または円形に近い軌道を持つ太陽系外惑星は、3個に1個程度しかない。
推論: 小さな例外を除いて、星系内のすべてのものは同じ平面上を同じ方向に公転しているはずである。

太陽系の8つの惑星は、黄道と呼ばれる太陽の赤道とほぼ一直線に並ぶ平らな面に沿って同じ方向に公転している。これは、生まれたばかりの星の周りを回る平らな円盤状の物質の中で惑星が形作られているとすれば、理にかなったことである。

この円盤の重力抵抗が、惑星が移動する際に与える主な影響であるという考え方に基づいたモデルだ。この理論に基づけば、惑星は黄道上にとどまり、星の自転に従い続けるはずだ
しかし、太陽系外惑星の約3分の1の軌道は “ズレ"がある。あるものは星の自転と反対方向に公転し、またあるものは気象衛星が赤道ではなく地球の極の上を横切るように、黄道から傾いているのだ。
「軌道の傾きは、すべて地図上にあるのだ」と、マーシーは言った。
(「新しい惑星を発見、軌道が逆向き」参照)
推論:海王星サイズの惑星は宇宙では珍しいはずだ

ガス抵抗の理論では、地球の質量の3倍から木星の質量の間の惑星は、比較的まれであるべきだとも言われている。これは、移動速度が惑星の質量に比例することを示唆するモデルだからだ、とフランス・ニースのカシオペー研究所の天文学者アレッサンドロ・モルビデッリは言う。

地球より小さな惑星は、移動速度が遅いので、円盤の中で簡単に生き残ることができる。地球質量から天王星質量の間の惑星は、非常に速く移動するため、中心星に飲み込まれるはずだ。ガス惑星になるほど速く成長した惑星は、周りのガスをすべて食べ尽くしてしまうので、移動速度が遅くなり、生き残るチャンスがあるのだ。

しかし、カリフォルニア大学バークレー校のマーシー教授は、惑星探査機が発見しているものから、海王星サイズの惑星が多すぎて、この理論が正しいとは言えないと主張している。
(「6つの新しい惑星:太陽に似た星のまわりに見つかったミニ海王星」参照)

最も少ないはずの地球の3倍から15倍の大きさの惑星が、実は最も多く存在しているのだ。これよりかなり小さい惑星は、正確な統計を取るにはまだ発見が難しい。

マーシーは先月ワシントン州シアトルで開かれたアメリカ天文学会で「理論は空振りに終わった」と語った。

新たな発見が、理論を混乱させ続けるだろう

マーシーは、理論家がガスや塵との相互作用に注意を払いすぎて、惑星間の相互作用に十分な注意を払わなかったことが問題の一因だと考えている。
「この相互作用が、惑星を偏心軌道や高傾斜軌道に移動させる主な原因かもしれない」と彼は言った。

一方、次世代の惑星探査機は、おそらく奇妙な新しい太陽系外惑星を大量に追加し「理論家たちに、髪をかきむしる理由をさらに与えるだろう」と彼は言った。
(関連:「惑星形成の鍵は乱流、新しい研究が示唆」)

理論的には問題ないが、モデルには改良が必要
しかし、専門家の中には、現在の理論にまだ見切りをつけていない人もいる。コロラド州ボルダーにあるサウスウエスト研究所の惑星形成理論家、ハル・レヴィソン氏は「私は、モデルが作り出す惑星の統計的分布が、我々が見ている集団とは異なっていることに心から同意する」と語った。

問題は、この理論が非常に計算量が多く、一つの詳細なシミュレーションに何ヶ月もかかるということだ、と彼は言う。割り当てられた時間内では「わずかな数のシミュレーションしかできない」とレヴィソン氏は言う。
可能な限り意味のある結果を得るために十分なシミュレーションを行うには、これらのモデルの縮小版を使う必要がある、と彼は言う。しかし、”より速い”モデルには代償があり、太陽系外惑星の現実と一致しないからといって、必ずしも理論が間違っているとは限らない。
我々が確実に言えることは、これらのモデルは機能しないということだ」とレヴィソン氏は言う。
「それらは、くだらないモデルだ」
惑星形成の基本的な概念については、まだ何も語っていないようだ
(以下、略)


天文学:混沌の中の惑星
天文学:混沌の中の惑星

私たちの星とは全く異なる何千もの星系が発見されたことで、惑星がどのように形成されるかという考え方が覆された。天文学者たちは、まったく新しい理論を模索している。

少し前、1990年代半ばには、要するに、天文学者がこれは正しいに違いないと思うほど美しい理論があった。その理論は、”コア降着理論”という、ちょっと平凡な名前だった。しかし、その美しさは、物理学と化学のわずかな基本原理を使って、太陽系のあらゆる主要な特徴を説明できることにあった。

なぜ、すべての惑星が太陽の周りを同じ方向に回っているのか。

また、4つの内惑星(水星、金星、地球、火星)は比較的小さく、ほとんどが岩石と鉄でできており、4つの外惑星(木星、土星、天王星、海王星)は巨大で、ほとんどが水素とヘリウムでできたガス状の球体である理由も、この説で説明できる。また、物理学と天文学の同じ原理が宇宙全体に適用されるはずなので、他の星の周りにある”系外惑星”はどれもほとんど同じように見えると予測したのだ。

しかし、1990年代半ばになると、天文学者は実際に太陽系外惑星を発見し始めた。木星ほどの大きさのガス惑星が小さな軌道で星の周りを回っており、コア降着ではガス惑星はあり得ないとされていた。他の太陽系外惑星は、荒々しい楕円の軌道を描いていた。中には、星の極の周りをぐるぐると回るものもある。惑星系は、物理法則に反しない限り、どのような形にもなり得るようだった。

2009年にNASAの惑星探査衛星ケプラーが打ち上げられると、太陽系外惑星の可能性は一気に数千個に膨れ上がった。これは、天文学者が他の惑星系について初めて意味のある統計を取り、標準理論を永久に覆すのに十分であった。私たちの惑星とは似ても似つかない系がたくさんあっただけでなく、最もよく観測されるタイプの惑星、つまり私たちの世界とその4倍の大きさの海王星の間にある”スーパーアース”は、太陽系に存在さえしないのである。カリフォルニア大学サンタクルーズ校の天文学者グレゴリー・ラウリンは「我々の惑星族をモデルとして使っても、外の世界を推定することは成功しなかった」と言う。

この発見は論争と混乱を引き起こし、天文学者は古い理論の何が欠けているのかを解明するのに苦労している
彼らはアイデアを試しているが、どのようにピースが組み合わされるのか、まだ確信には至っていない。トロントにあるカナダ理論天文物理学研究所のノーム・マレーは、現状のこの分野は「あまり意味をなさない」と言う。ケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学(MIT)の宇宙物理学者、ケビン・シュラフマンも「今のところすべてを説明するのは不可能だ」と同意する。研究者たちが新しいコンセンサスを得るまでは、我々の太陽系が物事の壮大な計画の中でどのように位置づけられるかを理解することはできないし、ましてや、他に何が存在するかを予測することもできないだろう

(略)……研究者たちは、彼らが説明しようとする惑星と同じくらいエキゾチックで豊富なモデルを育て続けている。もし、現在の理論がバラバラで、その場しのぎで、もはや美しくないものであったとしても、科学はしばしばそうやって進んでいくのだとマレーは指摘する。
「人生とはそういうものだ」と彼は言う。


木星は太陽系を壊し、私たち独自の配置を作り出し、生命を誕生させた
木星は太陽系を壊し、私たち独自の配置を作り出し、生命を誕生させた

・カリフォルニア大学、太陽系の新理論を発表
・木星はその初期に内惑星の間を揺れ動いたという。
・水星と太陽の間に惑星が存在しない理由も、これで説明できる。
・しかし、それは我々の星系が銀河系の中で「変わり種」であることを示しているのかもしれない。
・また、地球上に生命が存在する条件が極めて稀であったことを意味しているのかもしれない。

銀河系の他の場所でより多くの惑星系が見つかるにつれて、天文学者を混乱させるものが出てきた。他の多くの太陽系には”スーパーアース”と呼ばれる、恒星のすぐ近くを回る惑星があるが、私たちの太陽系にはない。その理由は、木星が初期の太陽系で”破壊球”のような役割を果たし、惑星を太陽系から叩き出したり、所定の位置に移動させたりしたからだという。
(以下、略)


月の曲がりくねったリルの起源──ラルフ・E・ジョーガンズ

月と火星について その1
月の曲がりくねったリルの起源
ラルフ・E・ジョーガンズ
PENSEE Journal II, 1974より

ヴェリコフスキーの古代史の照合によれば、太陽系における最も最近の混乱期は2700年も前に終わっている。1世紀近く続いたテリトリー抗争は、金星、火星、地球、そして月に度重なる紛争をもたらし、程度の差こそあれ、すべてに傷を負わせた。地質学的にもごく最近の出来事であるから、これらの戦いの傷跡のほとんどは、まだ鮮明に残っているはずである。

では、惑星同士の接近遭遇によって、どのような痕跡が残るのだろうか。

惑星の神々の戦いを描いた宗教的、歴史的、文学的テキストには、宇宙の稲妻や雷鳴への言及が多く見られる。ヴェリコフスキーが多くの著作で強調しているように、惑星が接近する際に惑星間の放電が起こったということである。しかも、その放電は、地球上で終息していなくても、地球から見えるほどの大きさであったことが明らかである。したがって、この放電は膨大なエネルギーの交換を伴い、それに見合った傷跡をもたらしたに違いない。

今回と次回の記事では、特に火星と月の表面には、膨大な量の電気的傷跡が実際に存在することを指摘するつもりである。これらの天体の最も新しい特徴を構成しているのは、まさにそのような痕跡であることを強調したい。(以下、略)
※この記事はいずれ全部翻訳したいと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by kiyo.I