クリミア橋爆破がもたらすもの

ネオナチウクライナは風前のともしびか?

『クレイドル』に掲載されたペペ・エスコバルの「クリミア橋のテロでロシアは衝撃と畏怖を放つことを余儀なくされた」の翻訳記事です。

クリミア橋のテロ攻撃は、ペペ・エスコバルによると「トラックではなく、クリミア橋の橋桁の内側に取り付けられていた」と言っています。詳細はともかく英国 MI6による計画だった疑いが濃厚です。

10月10日の『グレーゾーン』の記事「暴露:ウクライナがケルチ橋を爆破する前に、イギリスのスパイがそれを計画していた」には、計画の詳細が記されています。最初の部分を引用します。

暴露:ウクライナがケルチ橋を爆破する前に、イギリスのスパイがそれを計画していた

クリミアのケルチ橋を爆破するという英国諜報機関の秘密計画が、グレーゾーンが独占入手した内部文書と通信の中で明らかにされた。グレーゾーンは、特別な訓練を受けたウクライナ人兵士を巻き込んでクリミアのケルチ橋を爆破するという精巧な計画を練った英国情報機関の上級士官向けに作成された2022年4月のプレゼンを入手した。この計画が流布されてから約半年後、ケルチ橋は10月8日の自爆テロで攻撃され、ウクライナの情報機関SBUが監督したことが明らかになった。

キエフの”海上襲撃作戦”を”大胆に”支援するための詳細な提案は、英国陸軍の上級諜報員でベテランNATO高位顧問のクリス・ドネリーの要請で作成された。その計画の核心は”ケルチ海峡の橋の破壊”であった。

この作戦を企図した文書や通信は、匿名の情報源からグレーゾーンに提供されたものである。

ケルチ橋のトラック爆撃は、その中に描かれていた計画とは作戦上異なるものであった。しかし、このような攻撃計画に対する英国の明白な関心は、ウクライナの代理戦争にNATO諸国が深く関与していることを強調している。今年4月、ロンドンがキエフとモスクワの和平交渉を妨害したと報じられたほぼ同時期に、英軍情報部の工作員は1日に何千人もの市民が渡るロシアの主要な橋を破壊するための青写真を描いていたのだ。

ロードマップを作成したのは、英国軍の退役軍人ヒュー・ウォードだ。黒海でウクライナが”ロシアの海軍力に脅威を与える”ための戦略がいくつも示されている。キエフを封鎖するロシアの能力を”低下”させ、モスクワの”戦闘能力”を”侵食”し”ケルチ橋経由の海上および陸上の補給を拒否する”ことによってクリミアのロシア陸海軍を孤立させることを目指すと、最優先事項として記載されている。

(略)
しかし、ドネリーとその周辺は、クリミアをめぐって第三次世界大戦が勃発しても構わないと思っているようだ。実際「グレーゾーン」が入手したリーク文書が示すように、西側とロシアの対立を引き起こすことが、彼の究極の目的のひとつとなっているのである。

ノルドストリーム破壊といい、今回のクリミア橋(ケルチ橋)破壊といい、メディアは相変わらず嘘の報道を臆面もなく続けています。ムカつくのはさておいて、アメリカ NATOは第三次(大惨事)世界大戦をしたくてたまらないようです。ウクライナでの戦争は西側諸国にはびこっているネオナチイデオロギーやカルトに対する戦いであり、日本での統一教会がらみの歴史的汚染も実は根は一緒です。また、戦争屋の横暴な支配に加え、私たち庶民を苦しめてきた金融支配に対するロシアの国家として歴史上初の反撃です。であるがゆえに支配層とその宣伝部隊=メディアはロシアを目の敵にします。ですから、私たちは「ロシアが悪い」の報道しか耳にしません。はっきり言って、ウクライナを支援する方々は、あなた達を単なる労働力=富を搾り取れる対象として扱ってきたご主人様の味方をしているようなものです。そのことを理解して、その態度を続けたいのなら、ご自由にというしかありません。

ノルドストリーム破壊とクリミア橋破壊を受けてロシアは直ちに反撃を開始しました。といっても警告程度ですが。戦争で、ウクライナのように制空権が無い方が負けるのは戦争の常識です。テレビなどに出てくる「専門家」はうっかり忘れているようです。しかも、電源をはじめとしたインフラが高精度のミサイルで破壊されれば、手も足も出なくなります。勝負はついていたのです。

ネオナチウクライナの虐殺を止めるためにも、ウクライナの無理矢理動員される兵隊の犠牲を終わらせるためにも、西側の「最後のウクライナ人まで戦え」という手前勝手な人道を都合よく無視した政策は終わりにしてもらいたいものです。

クリミア橋のテロでロシアは衝撃と畏怖を放つことを余儀なくされた

Terror on Crimea Bridge forces Russia to unleash Shock’n Awe
By Pepe Escobar October 10 2022

西側の”負けるロシア”というシナリオは、モスクワのウクライナに対する電撃戦と外国に支援されたテロ活動によって崩壊した

クリミア橋のテロでロシアは衝撃と畏怖を放つことを余儀なくされた
Photo Credit : The Cradle

※Krymskiy Most:クリミア橋(ロシア語: Крымский мост , tr. Krymskiy most , IPA: [ˈkrɨmskʲij most] ) は、 Kerch Strait BridgeまたはKerch Bridgeとも呼ばれ、ひとつは 4 車線道路用、もうひとつは二重道路用の一対の平行な橋です。ロシアのクラスノダール地方のタマン半島とクリミアのケルチ半島の間のケルチ海峡にまたがる軌道鉄道(ウィキ)

クリミア橋(Krymskiy Most)へのテロ攻撃は、ユーラシア大陸のラクダの背を折る諺のようなものだった。

※ It is the last straw that breaks the camel’s back.「最後の藁(ワラ)一本が駱駝(ラクダ)の背を折る」(背中に荷物を積んで、最後のワラ1本がラクダの背骨を折る)

ロシアのプーチン大統領は「これはロシア連邦の重要な民間インフラを破壊することを目的としたテロ攻撃である」と言い切っている ※1

ロシア調査委員会のアレクサンダー・バストリキン委員長は、プーチンと対面して、橋の上のテロはSBU(ウクライナの特殊部隊)によって実行されたことを確認した。

バストリキンはプーチンに「我々はすでに、爆発が起こったトラックのルートを確定している。ブルガリア、グルジア、アルメニア、北オセチア、クラスノダール …… 輸送車も特定されている。FSB の職員の協力により、容疑者を特定することができた」と言った。

ロシア情報部は、軍事特派員アレクサンダー・コッツに重要な情報をリークした。その貨物は、ウクライナ人が注文したもので、22個のパレットに詰められた爆薬が、ロール状のフィルムに包まれて、ブルガリアからグルジアのポティ港に輸送されたものである。その後、貨物は外国ナンバーのトラックに積み込まれ、陸路でアルメニアに運ばれた。

アルメニアとロシアの国境での通関は、ユーラシア関税同盟(ロシアとアルメニアは共にユーラシア経済同盟[EAEU]に加盟)の規則に従い、スムーズに行われた。この貨物はX線検査で発見されることはなかった。このルートは、ロシアに向かうトラック運転手の定番コースだ。

その後、トラックはグルジアに再入国し、再びロシアに国境を越えたが、今度はアッパーラース検問所を通過した。それは、部分動員から逃れる何千人ものロシア人が利用するのと同じ所だ。トラックはアルマヴィールに到着し、そこで貨物をマヒル・ユスボフの責任の下、ロシア本土からクリミア橋に入った別のトラックに積み替えた。

重要なのは、アルマヴィールからシンフェロポリの配送先への輸送は、10月6日から7日にかけて行われるはずだったということだ。つまり、7日の金曜日のプーチン大統領の誕生日に合わせて行われた。それが、不可解な理由で1日延期された。

最初のトラックの運転手は、すでに証言している。橋の上で爆発した2台目のトラックの運転手ユスボフは、何を積んでいるのかわからない”偽装”であり、死亡している。

現段階では、二つの結論が最も重要である。

第一に、これは標準的なISISスタイルのトラック自爆テロではない──テロ攻撃後の好ましい解釈である。

第二に、梱包はブルガリアで行われたことは間違いない。このことは、ロシアの情報機関が謎めかして暗示しているように”外国の特殊部隊”の関与を示すものである。

”因果応報の蜃気楼”

ロシア情報機関が公の場で明らかにしたのは、物語の一部分にすぎない。『クレイドル』が別のロシア情報筋から受け取った白熱した評価は、もっと興味をそそるものだ。

爆発には少なくとも450kgの爆薬が使用された。トラックではなく、クリミア橋の橋桁の内側に取り付けられていた。白いトラックはテロリストによる囮で”原因と結果の蜃気楼を作り出すため”だった。トラックが橋の爆薬が取り付けられている地点に到達したとき、爆発が起こった。

鉄道会社の従業員が捜査当局に語ったところによると、電子的なハイジャックの一形態で、テロリストが鉄道をコントロールし、前方の道路が混雑しているという誤った信号により、燃料を運ぶ列車に停止命令が出されたという。

橋脚に爆弾を取り付けるというのは、週末にロシアの軍事チャンネルで大きく議論された作業仮説であり、水中ドローンの使用も同様だった。

しかし、高度に練られた計画も、必然的にタイミングが合わなくなる。搭載された爆薬と通過するトラック、そして燃料列車がミリ単位で揃うことはなかった。被害は限定的で、簡単に収まった。爆薬とトラックの組み合わせは、道路の右外側の車線で爆発した。被害は外側の車線の2カ所だけで、鉄橋にはあまり被害がなかった。

結局、橋の上の恐怖は短期間でピュロスのような広報の勝利(犠牲が多くて引き合わない勝利)を収め、西側諸国は大喜びだったが、実際の成功はごくわずかで、鉄道によるロシア軍の貨物輸送はおよそ14時間後に再開された。

そして、ロシア情報筋の評価における重要な情報、つまり推理小説(ミステリー)に行き着く。

この情報源は、英国MI6による計画であったと述べているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。ロシア情報部は様々な理由から”外国特務機関”として影で操っている、と彼は詳しく説明している。

アメリカ人がもっともらしい否認(組織の中での上層部から下層部への責任転嫁)を確立するために急いだことは、非常によくわかる。ウクライナ政府関係者はCIAの口利きでワシントンポスト紙にSBU(ウクライナ保安庁)がやったと言った。これはウクライナ・プラウダの”未確認の法執行機関関係者”の報告に 基づくものである。

完璧なレッドライン・トリプルイベント

すでに週末には、究極のレッドラインを超えたことは明らかだった。ロシアの世論とメディアは激怒した。クリミア橋は、工学的に素晴らしい橋であることは言うまでもなく、重要なインフラであるだけでなくクリミアのロシアへの返還の視覚的なシンボルでもある。

つまり、ウクライナのテロリストがモスクワ郊外でダリヤ・ドゥギナの車を爆破したこと(彼らはそれを認めた)、アメリカとイギリスの特殊部隊が(部分的に)ノルドストリームとノルドストリーム2を爆破したこと(彼らは認め、その後撤回した)、クリミア橋でのテロ攻撃(再び、認め、撤回した)が次々に起こったのである。

ベルゴロドのロシア人村落への砲撃、NATOによるキエフへの長距離兵器の供給、ロシア人兵士の日常的な処刑は言うまでもない。

ダリヤ・ドゥギナ、ノルド・ストリーム、クリミア橋は、戦争行為のトリプルイベントである。10月10日午後に予定されていた2月以来のロシア安全保障理事会の会合を待つまでもなく、今回の対応は不可避だったわけだ。

モスクワは、特別軍事作戦 Special Military Operation(SMO)を対テロ作戦 Counter-Terrorist Operation(CTO)に変更することなく、軍事的・法的にも重大な意味を持つロシアの”衝撃と畏怖 Shock’n Awe”の第一波を開始したのである。

結局のところ、国連安全保障理事会の会議の前でさえ、ロシアの世論は手袋を脱ぐことを大々的に支持していたのである。プーチンは、どのメンバーとも二国間会談の予定さえなかった。外交筋は、鉄槌を下すという決定が週末にすでになされていたことをほのめかしている。

ウクライナへの最後通牒(数日後に来るかもしれない)、公式な宣戦布告(その必要はない)、ウクライナのどの”意思決定センター”が攻撃されるかの発表さえも待たずに、衝撃と畏怖は起こったのである。

SMO(特別軍事作戦)からCTO(対テロ作戦)への電撃的な空爆の事実上の転化は、キエフの政権とそれを支持する人々が、シリアの対テロ作戦 Anti-Terror Operation(ATO)におけるISISやジャバト・アルヌスラのように、正当な標的とみなされるようになったことを意味する。

そして、この状況の変化 ──今やこれは本当のテロとの戦いである── は、物理的、文化的、思想的なあらゆるテロリズムの根絶が絶対的な優先事項であり、ウクライナの市民の安全ではないことを意味しているのである。SMO期間中は、市民の安全が最優先された。国連でさえ、7ヶ月以上にわたるSMOで、ウクライナの民間人の犠牲者が比較的少なかったことを認めざるを得なかった。

”ハルマゲドン司令官”の登場

ロシア航空宇宙軍司令官セルゲイ・スロヴィキン陸軍大将

ロシアの衝撃と畏怖の顔は、ロシア航空宇宙軍司令官セルゲイ・スロヴィキン陸軍大将、今や完全に中央集権化した SMO / CTO の新司令官である。

疑問は尽きない。なぜ、モスクワは2月の時点でこの決断をしなかったのだろうか? まあ、遅れてもやらないよりはましだ。キエフは今、自分たちが間違った相手に手を出したことを学んでいる。スロヴィキンは広く尊敬され、恐れられている。彼のニックネームは”ハルマゲドン将軍”だ。"カニバル"とも呼ばれている。
伝説のチェチェン大統領ラムザン・カディロフ(ロシア軍の大佐)も、スロヴィキンを「本物の将軍であり戦士、経験豊富で意志の強い、先見の明のある司令官」と惜しみなく賞賛している。

スロヴィキンは2017年からロシア航空宇宙軍司令官を務めており、シリアでの軍事作戦を実際的に(むだのない、効率のよい)指揮したことでロシアの英雄の称号を授与され、1990年代にはチェチェンで実戦経験を積んでいる。

スロヴィキンは全権委任された”ドクター・衝撃と畏怖”なのだ。それは、ワグナーグループのテレグラムチャンネル「グレーゾーン」が推測したように、国防相のセルゲイ・ショイグと参謀総長のヴァレリー・ゲラシモフが解任されたか辞任を余儀なくされたという無駄な憶測さえ生んだ。

最近のロシアの軍事的後退について広く批判されているショイグ氏の後任には、トゥーラ州知事のアレクセイ・デューミン氏が、ゲラシモフ氏の後任には、地上軍副司令官のアレクサンドル・マトブニコフ中将が就任する可能性はまだある。

スロヴィキンに注目が集まっている。

MI6 はモスクワに信頼できるスパイをもっている、相対的に言えばだが。英国は、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と参謀本部に、ロシアが今週月曜日に”警告攻撃”を開始すると警告していた。

起こったのは”警告攻撃”ではなく、プーチンが指摘したように、ウクライナの「エネルギー、軍事指揮、通信施設」に対して「空、海、陸から」100発以上の巡航ミサイルを発射する大規模な攻撃だった。

MI6 も”次のステップ”はウクライナのエネルギーインフラの完全破壊であると指摘している。それは”次のステップ”ではなく、すでに起こっている。リヴィウやハリコフなど5つの地域で電力供給が完全に失われ、キエフを含む他の5つの地域でも深刻な停電が起きている。

ウクライナの送電網の60%以上がすでに停止している。インターネットトラフィックの75%以上が失われている。イーロン・マスクのスターリンク Starlink netcentric warfare は国防省によって”切断”された。

”衝撃と畏怖”は、おそらく3つの段階で進行する。

第1段階:ウクライナの防空システムをオーバーロード(過負荷)させる(すでにオンになっている)

第2段階:ウクライナを暗黒時代に突入させる(すでに進行中)

第3段階:主要軍事施設の破壊(次の段階)

ウクライナは今後数日で、ほぼ完全な暗闇を受け入れようとしている。政治的には、これは全く新しいゲームの幕開けである。モスクワのトレードマークである”戦略的曖昧さ”を考慮すると、これは一種の砂漠の嵐作戦(地上攻撃を準備する大規模な空爆)の再ミックスかもしれない。あるいは、より可能性の高い、NATOに交渉を迫るための”インセンティブ”、あるいは電子戦 Electronic Warfare(EW)を混ぜた執拗で組織的なミサイル攻撃で、キエフの戦争遂行能力を永久に粉砕するのかもしれない。

あるいは、上記のすべてである可能性もある。

屈辱を受けた西側帝国が、核兵器を使用せずに、どのように戦況を好転させる(希望を膨らませる)ことができるかは、依然として重要な問題である。モスクワはあまりにも長い間、称賛に値する自制心を示してきた。多極化する世界をどう調整するかという真のグレート・ゲームにおいて、ウクライナは単なる余興(副次的な事柄)に過ぎないことを誰も忘れてはならない。しかし今、ハルマゲドン将軍が放たれた。余興をする使い走りは逃げたほうがいい。

本稿に掲載された見解は、必ずしも『クレイドル』の見解を反映したものではありません。

※1 プーチン大統領、クリミア橋での爆発についてコメント

プーチン

💬ロシアのプーチン大統領は、ロシア調査委員会のトップとの会談で、#CrimeanBridgeでの爆発についてコメントした。
ロシアの重要な民間インフラを破壊することを目的としたテロ行為に対処していることは間違いない。
ウクライナの特殊部隊がこの #テロ攻撃 を命じ、仕組み、実行したのだ ❗️
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Jano66ロシア情報
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@kiyo18383090

Posted by kiyo.I