癒やされる演奏。リヒテルの平均律
心までとろけるリヒテルのバッハ
リヒテルが演奏したバッハの平均律クラヴィーア曲集。
落ち着きたい時、自分に戻りたい時、ぐっすり眠りたい時、自分の枠を超えて、なにか大きなものに浸りたい時などに聴きたくなる演奏です。とても有名な曲なので最初の出だしの曲は誰でも一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。平均律クラヴィーア曲集は多くの鍵盤楽器奏者が弾いていますが、リヒテルの演奏は出だしから心がとろけるような安心感と魂のふる里に戻ったような気持ちにさせてくれます。昔は「大いなる母」というイメージがしていましたが今はなぜかしなくなりました。
よければ出だしのところだけでも聴いてみてください。
どうでしたか?
わたしはこのCDから静かで落ち着く曲だけ集めてCDに焼いて、寝るときなどに聴いています。ビクターから最初に出たCDではプレリュードとフーガが一曲にまとまっているので静かな曲とどちらかというと激しい曲を分けられないのでできませんが、それ以降に発売されたCDは一曲ずつトラックが分かれているので、落ち着ける静かな曲だけうまく選曲することができます。
第一集の1,4,6,7,8,9,12,13,16,19,22,23,24trackで一枚のCDに収まります。
このCDはノイズが結構あって小鳥のさえずりが聞こえてくる曲もあります。小鳥のさえずりは好きですが再生装置で微妙に聞こえ方が違うかもしれません。ノイズの種類はいろいろあって白熱電球のフィラメントが切れて電球を振った時にする音に似ているものもあります。なんの音かよくわからないですが、もしかしたらこれも鳥のさえずりかもしれません。ザルツブルク郊外のクレスハイム宮殿他で録音されていますが、建物の部屋の何かが小鳥のさえずりと耳障りなところだけが共鳴しているのかなって勝手に想像したりしています。
以前ウォン・ウィン・ツァンというピアニストの方のコンサートのお手伝いをさせていただいた時、調律師の方から聞いた話ですが、スタインウェイは大きなコンサート会場では音を大きくするためにわざと雑音が混じるように調律するという話を聞いた事があります。
このCDでリヒテルが演奏している楽器はスタインウェイではなくてベーゼンドルファーですが、そういう調律だったのかもって想像してみるのも楽しいです。何の音かよく分からないノイズもちょっと耳障りに聞こえるところもありますが、演奏はとても素晴らしいものです。第一集は最初の曲もとてもいいですが最後の長めの曲がおすすめです。
BMG JAPAN (2002-08-21)
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なおテスト用にこの記事だけ小見出しと本文のフォントを変えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。