ドイツにはナチス協力者=ステパン・バンデラの墓がある
驚いたことに訪れるのは、子供連れの親や若者など、目立たない、外見上はまったく無害な市民たちだった
この翻訳記事で著者は「正真正銘のナチス協力者であるステパン・バンデラの墓が、ドイツで巡礼の地となるのは異様な感じがする」と言います。ヨーロッパ、とくにドイツはユダヤ人のことについては、とてもセンシティブで、不用意な発言でもしようものなら社会的な非難を浴びるという一種タブーのような印象があります。
ところが、バンデラの墓を訪れる人達はネオナチの入れ墨が入ったような人々ではなく、見た感じ、まったく普通の市民だそうです。不思議なことに「ドイツの真ん中では、ナチスの協力者の墓が飾られ、装われ、参拝者の敬虔なまなざしとともに訪問されている」と言います。著者はそれをパラレルワールドだと表現し「バンデラの墓石は、ある意味でダブルスタンダードの記念碑」だと結論付けます。
日本でも似たようなことがやっと最近表ざたになってきました。自民党と統一教会というカルトとの密接な関係です。反中国、反朝鮮半島、反ロシア、近隣諸国を嫌うという長年支配層とメディアによって作られた"伝統"の中で、戦後日本の支配政党であった自民党が統一教会とズブズブの関係だった、自民党と韓国、北朝鮮までもアメリカという宗主国を通じて裏でつながっていたことが明らかになりました。議員さんは国民の前で謝り、潔く辞職した方がいいのではないでしょうか? 反日カルトの統一教会と自民党は、この際、仲良く消えてもらいたいものです。
ドイツは建前としては、ナチ思想を排除してきたはずです。しかし、実際にやっていることはナチス思想の実践です。言うまでもなく、ウクライナのゼレンスキー政権はステパン・バンデラを英雄として祭り上げています。ドイツ外相は「"ドイツの有権者がどう考えようと" “生活が苦しくなろうと"ウクライナを最優先する」と発言しています。自国民よりも、この腐敗したネオナチカルト政権が大事なのだそうです。
コロナとウクライナをきっかけに、世界中でこのダブルスタンダードのカラクリがバレてきています。金持ちが “尊敬"され、金持ちだけを豊かにする、そのために嘘を信じ込ませた世界は大きく変わり始めています。この歴史的なうねりのなかで日本だけが取り残されようとしています。
ナチスのカルトを容認
The Tolerated Nazi Cult
Posted by INTERNATIONALIST 360° on SEPTEMBER 1, 2022
Nicolas Riedl
容認されるナチス・カルト
投稿者: INTERNATIONALIST 360° 投稿日: 2022年9月1日
ニコラス・リードル
近年、"ナチ"という言葉は、他に類を見ないほどインフレ的な使われ方をして、完全に腑抜けになってしまった。今日、"ナチ"とは、ポリティカル・コレクトネス(政治的公正、差別用語を使わないこと)の木に登らない人のことを指します。従って、正真正銘のナチス協力者であるステパン・バンデラの墓が、ドイツで巡礼の地となるのは異様な感じがする。何の激しい抗議(非難の声)もない。それどころか、ウクライナ戦争が始まって以来、ミュンヘンのヴァルトフリードホーフ(公園のようなデザインと著名人の墓で知られる森林墓地)にあるステパン・バンデラの墓は賑わっている。
以前は、千本の平和の旗の中に一本のナチス・ドイツ帝国の旗があれば、そのデモ全体がナチの集団デモと見なされたものだが、ここではドイツ国防軍(ナチス時代)の協力者に敬意を表し、木の陰にナチがいると疑う人々から批判されることもない。
ウクライナ戦争が始まる1年前、ミュンヘンのヴァルトフリードホーフ墓地を歩いていて、ウクライナの国旗の色が目に飛び込んできた。遠くで青と黄色の旗で飾られた墓石を見たのだ。好奇心を刺激された私は、その墓に近づいてみた。墓石の碑文には “ステパン・バンデラ"という名前があり、その上にさらにキリル文字で刻まれている。この名前は、私の記憶の中ですぐにピンときた。
バンデラという人物の重要性、ナチス政権との協力、ウクライナで現在も続くバンデラ崇拝、そして1950年代にミュンヘンでソ連の対外情報機関KGBに殺害されたことは、おおよそ知っていた。
それにしても、実は政治的な問題で頭をすっきりさせたいとき、散歩中に突然、ヨーロッパの暗黒史の一端に出くわしたのは意外だった。その頃、2021年の春は、Covidが他のすべての問題を押しのけていたので、ウクライナとそこでの紛争は、むしろメディアの関心の周辺にあったのだ。
2021/22年の冬になり、ウクライナ戦争が始まると、それは息を呑むような速さで変化した。まさにロシア恐怖症とウクライナカルトが発生したのだ。こうした動きは、バンデラの墓にもその痕跡を残している。実際、私は散歩の途中で何度もそこを通り、この墓がますます巡礼の場と化していく様を観察している。
2022年3月以降、墓地のあちこちでウクライナ・ナンバーの派手なSUVが見られるようになり、一年前にはウクライナの旗が一本だけ掲げられ、美しい花が植えられていただけだったのが、今ではお参りした人がお墓に供えるもので溢れかえっている。ある意味、そこに供えられた品物はとても奇妙だ。墓には、ウクライナのフリヴニャ紙幣や硬貨、マクドナルドのキャンディー、そして(FFP2)と書かれた仮面が置かれている。
ドイツで(!)誰がナチスの協力者の墓をこのように飾るのか、という疑問は、日曜日に墓を訪れたときに、完全ではないにせよ、答えが出た。
ほぼ毎分、墓の前で敬虔に立ち尽くし、写真を撮り、さらに上記のような"贈り物"を置くために、訪問者がやってくる。しかし、この人たちは何者なのか?
紛れもなくナチスとわかるスキンヘッド・タイプもいるのだろうか?
ある時、私はバンデラを偲び、バンデラの墓前に立つふりをして、訪問者の姿をより正確に把握するために、バンデラの墓前に立ってみた。
驚いたことに、そのたびに訪れるのは、子供連れの親やトラックスーツ(長袖・長ズボンのトレーニングウェア)を着た若者など、目立たない、外見上はまったく無害な市民たちだった。
私はこのことに全く納得がいかなかった。この国では、毎日暖かいシャワーを浴びていると言う人は、すぐにナチスとみなされる。それなのに、ミュンヘンの真ん中で、スキャンダルも騒ぎもなく、ナチスの協力者の墓が事実上、ファラオの寝室に変身しているのだ。
その時、私はバンデラについて単に間違った情報を持っていたのではないかとさえ思った。しかし、そうではない。古い主流派の報道であれ、代替メディアであれ、どこを探しても、ステパン・バンデラのイメージは好きなようにねじ曲げられる──彼のナチス犯罪への関与は議論の余地なく十分に証明されている。
ウクライナ民族主義者組織(OUN)の指導者として、またウクライナ反乱軍(UPA)の一員として、彼はナチス親衛隊の将軍でさえ衝撃を受けた数々の犯罪や民間人に対する残虐行為に参加したのである。
バンデラは1941年7月から1944年9月までドイツ軍の捕虜となったが、ウクライナ独立宣言の計画がナチス政権の手に負えなくなり、ナチス親衛隊のいわゆる特別・名誉捕虜の一人として比較的楽に服役した。終戦直前には、OUNの一部がナチスの武装親衛隊に復員している。つまり、バンデラの肌着は血で汚れており、視点を変えてもきれいに洗うことはできないのだ。
終戦後もバンデラはミュンヘンに亡命し、1959年10月にKGBのボグダン・スタシンスキーにシアン化水素ガスで玄関先で暗殺されるまでOUNの議長として留まった。
バンデラの死について読んでいるうちに、ミュンヘンのマックスボアシュタットにある彼の旧居が巡礼地化されていないか訪ねてみようと思い立った。
すると、バンデラを彷彿とさせるものは何もない。その高いビルの周りには、おしゃれなカフェやレストランがあり、玄関先には花もなく、ウクライナの国旗も見当たらない。ただ、7番地の家のファサードが、反共産主義者の事後論議をあざ笑うかのように、この通りで唯一、赤く塗られているのが目についた。
バンデーラの墓に死者の安らぎはない
ウクライナ戦争以前から、バンデラの墓は世間の注目を浴び続けていた。
2014年の墓の汚涜(おとく)
2014年のマイダン・クーデター開始直後──今のウクライナの扇動家(熱烈な愛国主義者)が覚えているかどうか──墓石は倒され、墓は破壊された。犯人は捕まっていない。
ウクライナ大使アンドリー・メルニク、バンデラの墓を訪れる
2015年、メルニクはバンデラの墓に花を供えた。
続いて左翼党のセビム・ダーデレン氏が、ドイツ政府に対して「このことを承知していますか」と質問した。
連邦政府は肯定の回答をし、その中でOUNの行為を非難した。
2018年、"墓地のファクトチェッカー"の出現を見る
イギリスのブロガー、グラハム・フィリップスは2018年に墓を訪れ、ウクライナの国旗──ウクライナの民族主義者と同じように──を取り外し、墓石に「ウクライナのナチス、ステパン・バンデラがここに埋められている」という看板を取り付けた。
ネット上では、彼は真の反ファシストとして賞賛されることもあれば、墓を冒涜していると非難されることもあった。
2021年、墓の汚涜が繰り返され、国家安全保障省が捜査
ウクライナ戦争開始の1年前、墓に赤い液体がかけられ、再び墓が汚涜された。その際、国家保安局が調査を開始したが、今のところ結果は出ていない。
パラレルワールド
本当に奇妙なことだ。
この国では、一言でも間違ったことを言えば、あらゆるものが右翼の片隅に追いやられる。同時に、ドイツの真ん中では、ナチスの協力者の墓が飾られ、装飾され、参拝者の敬虔なまなざしとともに訪問されているのだ。
一方、警察は墓が荒らされていないか、一定時間ごとにパトロールしている。真向かいのお墓の灯りの自動販売機には、隠しカメラが仕掛けられているという噂もある。
バンデラの墓石は、ある意味でダブルスタンダードの記念碑であり、支配者にとっては、目的さえ果たせば、どんな破壊的な力でも構わないということを教えてくれる。こちらでは平和的な意図を持ったデモ隊がナチスと誹謗中傷されるが、ウクライナでは紛れもないナチスが重火器を装備している。
歴史を学ぶ前に、あとどれだけの血が無慈悲に流されなければならないのか?
Geduldeter Nazikult von Nicolas Riedl Foto: Lestertair/Shutterstock.com
ニコラス・リーデルは、エアランゲンで政治学、演劇、メディア学を専攻している。彼は、ドイツの教育制度のほとんどすべての種類の学校を内側から知り、商業的な見習い期間中に、実社会の対人関係の冷たさをも知った。2014年のメディアとウクライナ危機は、彼の世界観・認識を変える転機となった。それ以来、政治的、社会経済的、生態学的、心理学的な問題を深く自己批判的に扱い、ルビコンを通して書くことへの情熱に戻る道を見つけた。技術的なスキルが許す限り、映画やミュージックビデオを制作している。Rubicon youth 編集部のメンバーで、コラム「Junge Federn」を執筆している。
この記事は、ルビコン Rubikon の好意により掲載された。
※Rubikon:https://www.rubikon.news/。ドイツ語のサイトですが、読み応えのある記事が多いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。