アインシュタインとは何だったのか?(前編)──エーテルドリフトは、デイトン・ミラーによって、より説得力のある形で検出された
アインシュタインとその追随者たちの眠れぬ夜
今回と二回に分けて、アインシュタインという一時代を画した現象について取り上げます。
アインシュタインと言えば、彼の相対性理論をちっとも理解していなくてもアインシュタインは天才だというイメージは定着しています。神聖不可侵の神格化された雲の上の存在といった感じがします。一方で、間違っているという意見を持つ方も多く存在します。数年前、ネット上でも、間違っているという記事がかなり目立った時期がありました。その頃「私はアインシュタインではない!」とアインシュタイン本人が言ったという記事も読んだ覚えがあります。また、物理学の世界を離れて政治的な背景を絡めた批判的な意見などもあります。
エレクトリック・ユニバースのソーンヒル氏は「残念ながら、物理科学の学生は、自分の選んだ分野の基本をマスターするのに精一杯で、相対性理論がどのような前提で作られ、どのような個性がぶつかり合い、どのような優れた反論がなされたのかという歴史的、政治的背景を見直す時間も、その気力もない」と指摘します。
時代の流れの中でどのように理論が作られていったのか、どのように認められたのか、そしてなぜ神格化と言えるほどまでの存在にされていったのかという背景は意外に知られていないような気がします。授業で歴史を習っても年代と起きたことだけ地域ごとにバラバラに覚えて、覚えることが必要とされ、肝心の全体の流れが見えないというのと似ています。それが教育の目的ですけれど。
さて、公式の見解(ウィキ参照)では、アインシュタイン以前は、地球は光を伝える"媒質"であるエーテルの中を運動していると考えられていましたが、相対性理論の登場によって、エーテルは否定され、光の速さはエーテルの影響を受けず、真空の中を進む光の速さは一定であるとされています。そこで決定的な役割を果たしたのが、1887年のマイケルソン・モーリーの実験でした。エーテルの風は検出されなかったとされる結果が出たとされています。エーテルの性質を明らかにすることが目的だった実験が失敗したことで逆に有名になりました。マイケルソンは、この業績により1907年にノーベル賞を受賞しました。かたや、モーリーは自らの実験結果に納得せず、デイトン・ミラーと共に、さらなる実験を行いました。
そしてウィキによると、
「1920年代には、デイトン・ミラーによってマイケルソンと同様の実験が繰り返され、エーテルの風の存在を示唆する結果が得られた。しかし、これは従来のエーテル理論から予想される値よりも極めて小さく、また、他の研究者による追試ではミラーの結果は再現されなかった。後年の研究では、ミラーは温度変化による実験結果への影響を過小評価していたと考えられた。さらに高精度の実験が繰り返されたが、ついに、特殊相対性理論と矛盾する結果は得られなかった」とされています。
ところが、今回紹介する動画の中でソーンヒル氏は「このエーテルの漂流(エーテルドリフト)は、マイケルソンとモーリーの実験によって、またデイトン・ミラーによって、場所や高度を変えてより説得力のある形で検出されました。ミラーは残留(効果)を発見し、地球のような重量測定が可能な天体はエーテルを引きずっていると結論づけた」と指摘されています。
正反対の見解です。背景を知りたいという動機もあって、調べてみました。ここらへんの事情は複雑に絡み合っていて、様々な見解があるということは分かりました。ここではデイトン・ミラーという人について焦点を当てます。
デイトン・ミラーはエーテルを検出していた
ソーンヒル氏は「ELECTRICUNIVERSE®の電気的重力」という記事の中のマイケルソンとミラーの写真のキャプションに、
「ミラーのエーテル・ドリフトに関する研究は、マイケルソンを含め、この問題に取り組んだ他のどの研究者よりも、明らかに正確で、注意深く、熱心に行われたにもかかわらず、彼の研究は基本的に科学史から抹殺されてしまっている」という一文がありました。もとをたどってみると、ジェームズ・デメオ博士の書いた記事だということが分かりました。
ジェームズ・デメオ博士は、「デイトン・ミラーのエーテルドリフト実験:新鮮な外観」という記事でデイトン・ミラーが行った観察や実験の内容を含め、当時何があったか詳細に書かれています。そこから引用させていただきます。
最初に、大まかな流れと内容を説明します。
アインシュタインの理論は、エーテルが存在しないことを前提にしています。デイトン・ミラー博士はエーテルが存在するという証拠を観察結果から得ていました。それで、アインシュタインとデイトン・ミラーとの間で確執があったようです。そこに出てくるのがシャンクランドという、ミラーの教え子です。シャンクランドという人物はミラーの研究内容などを隠蔽しエーテルが存在しないという世論作りに大いに貢献し出世したようです。まずその事情が書かれたところの一部を上記のジェームズ・デメオ博士の記事から紹介します。
(以下、引用)
スウェンソン氏が以前指摘したように、シャンクランドが1955年に行ったミラーの研究に対する批判は、アインシュタインとの"幅広い協議"によって行われた。彼は、ニュートンやそれ以前の他の人々と同様に、地球が通過するエーテルは静的または停滞的で、物質的影響はなく、従って、地表近くでの同調もないと考えていた。
シャンクランドは長年ミラーの教え子だったが、1941年にミラーが亡くなってから、アインシュタインの相対性理論を専門的に唱えるようになった。
シャンクランドは、ミラーの引退と死後、ケース大学の物理学部長となり、マイケルソン=モーリーの実験がこの問題に関して最も確かな証拠であると誤解させるような出版物や、広く読まれるアインシュタインとのインタビュー(Shankland 1963, 1964, 1973a、1973b)などでキャリアを積んでいった。
シャンクランドはその後、原子力を開発する政府機関の管理職に就いたが、ここで議論している1955年の論文を除いて、これらの論文の中でミラーの肯定的なエーテル・ドリフト測定についてほとんど触れていない。この意味で、シャンクランドと彼のチームの他のメンバー(ケースのアインシュタイン支持者)は、ミラーの研究に対して非常に偏った評価をしたと見るのが正当だろう。
シャンクランドの1955年の論文の最初の文章は、マイケルソン・モーリーの実験が “ヌル null=0(ゼロ、無効)“の結果を得たという、今ではほとんど全ての物理学の教科書で広く流布しているデマで始まっている。
シャンクランド論文の三番目の文章も同様に「デイトン・C・ミラーがウィルソン山で行ったものを除くこの実験の全ての試みは、観測精度の範囲内でヌル(ゼロ、無効)結果をもたらした」と主張している。
マイケルソン=モーリー、モーリー=ミラー、サニャック、マイケルソン=ゲイル、マイケルソン=ピーズ=ピアソンなど、多くの干渉計実験者のわずかな陽性結果をこのように慢性的に誤魔化すことは、極度の偏向と意図的な誤魔化しを示唆している。これが非常にポピュラーな偏見であるという事実は、それを弁解するものではない。
エーテル・ドリフトの研究者の大多数によって観測されたすべての肯定的な結果を、単なる"観測の不正確さ"の表現として再定義することによって、シャンクランドは自分の仕事をかなり狭めてしまったのである。
……その同じインタビューの中で、シャンクランドは、アインシュタインの相対性理論によるノーベル賞受賞を妨害したことについても、ミラーを非難している。ミラーの研究は、アインシュタインの相対性理論にとって大きな障害であり、それゆえにアインシュタインとその追随者たちに眠れぬ夜を与えたのであろう。
ミラー博士は、星間空間がエーテルで占められていることをすでに証明したと考えているが、アインシュタインをはじめ、彼の研究を批判するすべての人が屈服せざるを得ないほど、強烈な証拠を突きつけようと考えているのだ。しかし、ベルリンからマスコミに送られてくるアインシュタインの批判には少々腹が立つが、ミラー博士はそれに影響されることはない。
アインシュタインの理論は、エーテルが存在しないことを前提にしている。そして、35〜40年前にクリーブランドで行われたマイケルソン教授、モーリー教授、ミラー博士の実験を研究して、その考えを得たのである。
アインシュタインは実験を無視する Discount(割引く)。
アインシュタインは、ベルリン大学で科学者を前にして「クリーブランドでのエーテル・ドリフト実験の結果はゼロだったが、ウィルソン山では肯定的な結果が得られた。したがって、高度が結果に影響する。さらに、気温の差も誤差の原因となっている」と述べた。
「アインシュタイン教授の問題は、彼が私の結果について何も知らないということだ」と、ミラー博士は語った。
「彼は30年間、クリーブランドでの干渉計の実験が否定的な結果を示したと言い続けてきた。私たちは、否定的な結果を出したとは言っていないし、実際に否定的な結果を出してもいない。彼は温度差が結果に影響することを私が知っていたことを評価すべきだろう。彼は11月に私にこのようなことを書いてきた。私は温度を考慮しないほど単純ではありません」
ミラーのエーテル・ドリフトに関する研究は、マイケルソンをはじめ、この問題に取り組んだ他のどの研究者よりも、明らかに正確で、注意深く、熱心に行われたにもかかわらず、彼の研究は基本的に科学史から抹殺されてしまっている。
ミラーは生前、批判的な意見に簡潔に答え、エーテル・ドリフト現象を年々精密に実証していった。彼は、他の人が小さな結果しか出せないのに、なぜ自分が大きな結果を出すことができるのか、あるいは結果が出ないのか、その理由を常に批判者に指摘し続けた。しかし、アインシュタインとその支持者たちは、ミラーを脅威としか見ておらず、できるだけ早く"説明する"べきものだと考えていたようだ。
アインシュタインは、第二次世界大戦後、一躍世間の注目を浴びるようになった。核物理学は英雄視され、アインシュタインは批判されることのない文化的象徴となった。このような状況の中で、シャンクランドのチームは、ミラーの棺桶に釘を打ち込むという明白な使命を持って登場した。その結果、彼らはほぼ成功した。
[宇宙を駆け抜ける太陽系]
クリーブランドにあるケース応用科学大学院のデイトン・C・ミラー博士が、地球とその他の太陽系は、りゅう座が見える空の部分に向かって毎秒約6マイルの速さで突進している〈初期の推定値で、後に修正された〉ことを発見した。
このような太陽系の宇宙運動の実験的証拠が少なくとも12種類あることは、ミラー博士が全米科学アカデミーへの報告の中で初めて発表した。その中には、博士が過去10年間行ってきた有名なエーテル・ドリフト実験も含まれている。
今年の実験は、エーテル・ドリフトに関するオリジナルのマイケルソン=モーリーの実験が行われた場所から300フィート以内のクリーブランドで行われ、アインシュタインはその否定的な結果を基に相対性理論を支持したことになっている。
ミラー博士は、元の実験データの再調査と、ウィルソン山やクリーブランドでの数千回の独自観測に基づいて、エーテルが存在しないことの証明としてあらゆる教科書に引用されている1887年の元の実験が、実際には、彼がはるかに広範囲に繰り返した実験で見出したのと同じ種類の動きを示していると結論付けた。
……最後に、1887年のマイケルソン=モーリーの実験が、4日間、6時間だけ行われた結果「エーテルは検出された」と主張し、デイトン・ミラーが20万回の観測で「エーテルは検出できない」と長年にわたって研究したと想像してもらいたい。
このような架空のケースであれば、今日、ミラーは「エーテルが存在しないことを証明した」としてあらゆる物理学の教科書に引用され、誰もマイケルソン=モーリーに言及しないであろうという結論に達するには、さほど考慮する必要はないだろう。
現在の状況が私の例と全く逆になっているのは、現代科学が極めて政治的な性格を持っていることの証左であり、主要な理論がしばしば信念体系に発展し、政治的に優位な学者集団の信仰と"一般常識(一般的な見方)“を損なうような新しい発見を自動的に弾圧することが要求されるからである。
そして、その"常識"とは、今日、次のようなものである。宇宙は空っぽで動いていない、そして宇宙は死んでいる。これらは証明されていない、あるいは反証された主張であり、デイトン・ミラーのエーテル・ドリフトに関する卓越した研究によって、その大部分が覆されたのである。
ウィキや様々な記事でエーテルを検出するための観測や実験が行われ、結果は見つからなかったとサラッと書かれている背景に、このようなドラマが隠れていたことを知りました。どちらにしても、その後の科学の方向を大きく変えてしまった出来事でした。アインシュタインの相対性理論は莫大な時間と労力の無駄遣いのきっかけを作ったのかもしれません。その意味では、時空を曲げたのではなく歴史の流れを曲げてしまったのかもしれません。
蛇足ですが、ジェームズ・デメオ博士の記事を読んでいて、ヴィルヘルム・ライヒ博士の名前を見つけました。ちょっと懐かしかったです。
[要旨]
現代において、タイム誌の"世紀の人"に選ばれた理論物理学者アルバート・アインシュタインほど、天才の称号にふさわしい人物はいない。アインシュタインが提唱した特殊相対性理論と一般相対性理論は、宇宙論の理論的枠組みを形成し続けている。サンダーボルト・プロジェクト科学顧問のウォル・ソーンヒルは、アインシュタインの一般相対性理論100周年を記念して、古典物理学に基づく再反論を提示する。
「私はアインシュタインではない!」これは、アインシュタイン自身が彼の信奉者たちの狂信に直面したときに発した言葉である。
私はアインシュタインではない!
" I Am No Einstein! “
現代において、『タイム』誌の"世紀の人"に選ばれた理論物理学者アルバート・アインシュタインほど、傑出して天才の称号をほしいままにした人物はいません。
アインシュタインが提唱した特殊相対性理論と一般相対性理論は、現在も宇宙論の理論的枠組みの多くを形成しています。
しかし、一般的に言われていることとは異なり、すべての実験が “アインシュタインの理論を確認した"というわけではありません。実際、今年の初めに放送されたスペース・ニュースでは、物理学者ウォル・ソーンヒルが、いわゆる"不気味な遠隔作用 spooky action at a distance “、つまり量子もつれの最近の実験的確認について論じています。
※ spooky action at a distance:不気味な[気味の悪い]遠隔作用、アインシュタインが量子もつれ(非局所相関)を評した言葉。正式な学術用語ではないが、物理学上の論争を象徴する表現としてしばしば引用される
世界中で数え切れないほどの科学の見出しが、アインシュタインは間違っていたと宣言しています。
しかし、アインシュタインの相対性理論が100周年を迎えた今、アインシュタインは正しかったという信念が根強く続いていることを、ウォル・ソーンヒルはこの二部構成のエピソードで論じています。
ウォル・ソーンヒル
最近のニュースの見出しは、アインシュタインの相対性理論が100周年を迎えたことを祝っていますが、実際、何を祝うべきなのでしょうか?
この間、科学上の根本的なブレークスルーは何ひとつありません。相対性理論と量子論は相変わらず相容れないままです。もし、アインシュタインが間違っていたのなら、我々は1世紀を無駄にしてしまったことになります。つまり、最近の実験は、アインシュタインの相対性理論を再び否定するものであり、重要です。──今回は、実験の抜け道がすべて塞がれただけです。
アインシュタインが最も嫌っていた量子物理学の概念、彼が “不気味な遠隔作用"と呼んでいたものが証明されました。これは、別々の物質の断片を瞬時に結びつける信号システム、つまり力が存在することを確認するものであり、非常に重要な結果です。
アインシュタインの光速は、彼が仮定したような障害ではありません。宇宙は、コヒーレントな(首尾一貫した)つながっているシステムです。進歩するためには、もう一度、アインシュタインを忘れてみる必要があります。
権威者が長年信じてきたことを疑うのは、報われない(恩知らずな)この上なく厄介な問題であり、「アインシュタインは最高の天才だった」という信仰ほど強いものはありません。私たちは、小学校からその話を聞かされ、メディアは絶え間なくその話を流し、教化(啓発、洗脳)の対象になっています。
アインシュタインの実話は、モンティ・パイソンの映画『ライフ・オブ・ブライアン』の熱狂的な信者のパロディの良い続編になるかもしれません。ここでは、どんなに議論しても、あるいは反対の証拠があっても、追従的な群衆を動かさないでしょう。
※西暦33年のエルサレム。イエス・キリストと同じ日に生まれたユダヤ人の青年ブライアンは、ひょんなことから民衆に救世主だと勘違いされてしまう。救世主であることを必死で否定するブライアン。しかし、どんどん信者は増える一方。おまけにローマ帝国にも危険人物のレッテルを貼られ、悲劇と喜劇の入り混じる驚愕のラストにもつれこむ! 女王陛下や政治家など、あらゆる権威を笑い飛ばしたイギリスのギャグ集団モンティ・パイソン。「ホーリー・グレイル」に引き続いて作られた本作は、なんと、キリスト教をテーマとする深く過激な爆笑コメディ! よーく見ると、ビートルズのメンバーも登場するというお宝付き。ラストの歌は、映画史上に残る名シーン!(商品紹介より)
アインシュタインは、映画『ブライアン』に登場する不運なブライアンのように、自分の崇拝者たちを否定しましたが、それは無駄でした。
アインシュタインは「私はアインシュタインではない」と言ったと、8月23日(2015年)のサイエンティフィック・アメリカンで報じられています。しかし、著者のジョン・ホーガンは(信奉者として)「彼の他のすべての資質に加え、この男は謙虚だった」と恭しく付け加えています。
なぜ人々は、無関係な話題では彼の一言一句にすがりつくのに、この最も個人的な話題では無視されるのでしょう。
残念ながら、物理科学の学生は、自分の選んだ分野の基本をマスターするのに精一杯で、相対性理論がどのような前提で作られ、どのような個性がぶつかり合い、どのような優れた反論がなされたのかという歴史的、政治的背景を見直す時間も、その気力もありません。しかし、進歩がないときは、ある理論をどのように、そしてなぜ受け入れたのかを再検討することが、科学的手法の必要条件です。
今日の科学者や数学者は、これまでのことはすべて完璧なのだから、後戻りすることなく安全に進めると思い込んでいます。彼ら、そして彼らの教師の多くは、あらゆる科学分野に内在する隠れた、明文化されていない仮定に依然として気づいていません。そうすれば、暗黒物質や暗黒エネルギーといった宇宙の謎は、相対性理論の無効な概念の産物に過ぎないことがわかります。
一般相対性理論の基礎となる1916年の著作で、アインシュタインはこう述べています。
「ある座標系Kを選んで、それに対して物理法則が最も単純な形で成り立つようにすると、Kに対して一様に平行移動する他の座標系 K’ に対しても、同じ法則が成り立つようになる。この仮定を"特殊相対性原理"と呼ぶ」
簡単に言い換えると、これは特殊相対性理論の第一仮定──物理法則はすべての慣性フレームで同じである──です。しかし、惑星の周回や量子実験は、宇宙で大きく隔てられた物質の間にリアルタイムでのつながりがあることを示しています。
恒星は、古典物理学、および局所慣性フレームの運動を遠くの星に関連付けるエルンスト・マッハの原理に私たちを戻す(回帰させる)絶対参照フレームとみなすことができます。相対的に移動する慣性フレームは、遠くの恒星の絶対座標系に対して異なる速度を持つことになり、従って等価ではありません。
アインシュタインの第一仮定、特殊相対性理論は無効です。
1907年、アインシュタインは、人が重力によって地球に引っ張られるときに感じる感覚は、加速しているときに感じる感覚と本質的に同じであることに気がつきました。彼はこの推測を"等価性の原理"と名づけました。しかし、絶対座標系では、両者は等価ではありません。もちろん、これだけでは重力の働きは説明できません。
アインシュタインは、友人の数学者マルセル・グロスマンの助けを借りて、空間と時間という通常の概念をもてあそんで、問題を最終的に(救いようがないほどに)混乱させました。
数学的には、時間間隔のグラフに過去、現在、未来というラベルを付けることは許されるかもしれませんが、物理的には"今"しかないのです。すべての物質がリアルタイムでつながっていれば、時間の流れは普遍的なものです。時間は遅らせることも早めることもできず、次元はなく、方向などを示す矢印もない、つまり時空も四次元もありません。
宇宙が、少なくとも銀河系規模では、リアルタイムで実質的に結びついたシステムであることは、観測から直接導かれるニュートンの重力法則が瞬時であることから、決して議論の余地はなかったはずです。彼のよく知られた方程式には、時間が含まれていません。
観測によれば、地球は太陽の瞬間的な位置に引き寄せられるのであって、8分後に空に見える位置に引き寄せられるのではありません。イギリスの著名な天体物理学者であるアーサー・エディントン卿は『空間、時間、重力』という本の中で、この問題について論じています。彼は、もし重力が有限の速度で伝播するならば、太陽の周りの惑星の運動は、惑星に働くトルクのために不安定になると指摘しています。
この問題は、ニュートンが既に知っており、ラプラスが検討(考察)しました(彼は光速をはるかに超える値を計算しました)。このことは、アインシュタインの相対性理論が、宇宙的に遅い光や電波を頼りに観測を行う観測者に対して、物体が動いているという視点を提供するに過ぎないということを意味しています。
アインシュタインの第二仮定では、自由空間における光の速度は、すべての慣性フレームで同じ値Cを持つとされています。しかし、これは実験によって誤りであることが証明されています。
A. 空の空間(星間空間のほぼ完全な真空):密度がほとんどない。 100
B. 海面の空気(多少の原子や分子を含む):ほとんど密度がない。 99.97
C. 透明な水:かなり濃い。75.38
D. クラウンガラス:かなり濃い。65.71
E. ダイヤモンド:非常に高密度。41.36
(右端の数字は真空中の光のスピードを100として)
光の速度は変化することがわかったので、Cを強制的に一定にするために、光の波長で標準尺を定義するようになったのです。しかし、単純に観察すると、空気中、水中、真空中では光速が異なることがわかります。真空は物質的な媒質でなければならないのです。
マクスウェルとオリバー・ヘヴィサイドの電磁気理論では、"エーテル媒質"と呼ばれるものが不可欠です。
ヘヴィサイドは「エーテルは非常にすばらしいものである。エーテルは賢者の想像の中にだけ存在し、彼らの仮説に合うように発明され、特性が付与されているのだろうが、我々はこれなしではやっていけない。媒質がない空間をどうやってエネルギーが伝わるのだろう?」
「しかし一方で、重力は時間とは無関係に見える。もしかしたら、これは錯覚かもしれない。しかし、エーテルが重力を瞬時に伝えることを認めるなら、エーテルは我々が知っているものとは違う素晴らしい性質を持っているに違いない」と書いています。
アインシュタインの第二仮定では、すべての参照枠において、運動に関係なく光速を一定に保つために、魔法のようなエーテルが必要でした。
1920年5月5日にオランダのライデン大学で行われた講演で、彼は次のように述べています。
「……このエーテルは、重量測定が可能な媒体の品質特性を備えているとは考えられず、時間を通じて追跡可能な部分から構成されているとは考えられない。運動という概念を適用することはできない」
しかし、運動ができない媒体は存在しません。エネルギーはマッハの絶対座標系に対して何らかの運動をする物質であるから、そのような媒体はエネルギーを空間を通して伝達することはできません。
アインシュタインは、この講演の冒頭で、マクスウェルとヘヴィサイドを満たすために媒質に求められる特性について述べています。
「光は、普遍的な空間を満たす弾性的で不活性な媒質における振動の過程として解釈されなければならないことが、疑問の余地なく明らかになった。また、光が偏光できるという事実の必然的な帰結として、この媒質であるエーテルは固体の性質を持たなければならないように思われた。なぜなら、横波は流体では発生せず、固体においてのみ発生するからだ」
ここでの誤りは、"固体 solid “に言及することです。必要なのは、電気的に中性だが分極可能な、質量がほとんどゼロの媒質です。
1930年にウォルフガング・パウリは,これらの要件に応える粒子,ニュートリノを予言しました。そして今年(2015年)、ニュートリノが無視できるほどに小さな可変質量を持つことが確認され、ノーベル賞が授与されたばかりです。つまり、電気的に中性で、電気的に分極可能であり、その結果、質量が変化します。偏光したニュートリノは回転して光速の横波電磁波を発信し、より静的な直接縦波電気力である重力を直ちにデイジーチェーン(数珠つなぎ)することができます。
これは、ロープの端を振るのか、引っ張るのかの違いのようなものです。──波の動き(波動)がもう一方の端に到達するのに時間がかかるのに対し、引っ張りは瞬時に近いのです。
ニュートリノは質量を持っているので、地球や太陽などの天体にエーテルのような大気を形成します。このエーテルは、私たちの大気のように地球に引きずられて、地球上の観測者にとっては風のように漂っていることになります。このエーテルの漂流(エーテルドリフト)は、マイケルソンとモーリーの実験によって、またデイトン・ミラーによって、場所や高度を変えてより説得力のある形で検出されました。ミラーは残留(効果)を発見し、地球のような重量測定が可能な天体はエーテルを引きずっていると結論づけたのです。
光の速度は、すべての慣性フレームにおいて一定ではありません。アインシュタインは1925年7月にエドウィン・E・スロッソンに宛てた手紙の中で「(デイトン)ミラーの実験についての私の意見は次の通りである。……もし肯定的な結果が確認されれば、特殊相対性理論とそれに伴う一般相対性理論は、現在の形では無効となるだろう」と書いています。
ミラーの研究をうまく葬り去ることは、いいドキュメンタリーになるでしょう。
アインシュタインの第二仮定は無効です。
注目すべきは、エーテルを復活させると、遠くの星からの光が太陽によって曲げられるのは、単なる屈折の効果であり、重力は光に直接影響しないことが説明できることです。
後編にご期待ください
──おわり
▼後編はこちら
資料
アインシュタインを擁護する記事と反対にアインシュタインの誤りが証明されたという記事をいくつか訳してみました。威勢のいい言葉が躍っていますが内容は退屈でした。それぞれ記事の一部です。
アインシュタインが(今も)宇宙を支配している
Einstein (still) rules the universe
一般相対性理論は、1915年にアインシュタインが初めて論文を発表したとき、物理学の世界を揺るがした。この理論は、アイザック・ニュートンの法則に基づく従来の重力の考え方を基礎に、質量が時空の形を変形させるという概念など、根本的に新しい概念を加えたものである。
つまり、大きな質量の近くの空間を移動する物体や光さえも、湾曲した経路で移動することになる。さらに、質量は時間を伸ばしたり縮めたりすることもできるということだ。
最初の新しい研究結果は、" f(R)重力"として知られる一般相対性理論の対抗馬を著しく弱めるものである。
この研究を率いたカリフォルニア工科大学パサデナ校のファビアン・シュミットは「一般相対性理論がボクシングのヘビー級チャンピオンだとすれば、この別の理論は、成り上がり者の候補になることを望んでいたのだ」と語っている。
「我々の研究は、その理論がチャンピオンを逆転する可能性は、非常に低いことを示している」
量子力学の"不気味さ"、これまでで最も厳しいテストに合格
Quantum 'spookiness’ passes toughest test yet
アルバート・アインシュタインにとっても、ハッカーにとっても不運な日である。ドイツの物理学者が嫌ったことで有名な"不気味な遠隔作用"(ある物体を瞬時に操作すると、遠くの別の物体に影響を与えるように見える)が、量子世界の本質であることが、これまで行われた量子論の最も厳格なテストによって確認された。オランダで行われたこの実験は、標準的な量子力学よりも直感的な原子世界のモデルにとって、最後の釘となるかもしれない、と一部の物理学者は言っている。また、この実験によって、量子技術者は新しい超安全な暗号装置を開発することができるかもしれない。
アインシュタインは間違っていた:初めての決定的証拠、"不気味な"量子もつれは実在する
Einstein was wrong : First conclusive proof 'spooky’ quantum entanglement is real
宇宙は本当に奇妙だ。アルバート・アインシュタインや、量子暗号システムの解読を望む自称ハッカーにとっては悪い知らせである。アインシュタインが量子もつれの考えを「不気味だ」と否定してから80年、オランダの科学者たちは、この効果が本物であり、ある粒子を観察するだけで、遠く離れた別の物体を瞬時に変化させられることを証明したと発表した。
研究者らは今週、ネイチャー誌に、デルフト工科大学キャンパス内の1.3キロ離れた別々の場所にある二つの電子が、明確で目に見えない、瞬間的なつながりを示した実験について詳述した。重要なのは、この新しい研究が、量子論が予測した不気味なつながりが実在するかどうかに関して、疑念を残していた以前の実験の抜け穴を塞いだことだ。
アインシュタインは1935年の科学論文で、彼が “不気味な遠隔作用"と呼ぶものは間違っているはずだと主張し、このような直感に反する振る舞いを説明するには、粒子には未発見の特性があるに違いないと主張したのは有名な話である。この考えは、局所的な相互作用によってのみ変化が起こるように見える、私たちの日常的な世界の経験を確かに混乱させる。しかし、ここ数十年の間に、粒子は実際に"もつれ"、つまりどんなに離れていても常につながっていることが科学的に証明されつつある。デルフトでの実験が決定的となったのは、科学者たちが初めて、潜在的な二つの抜け穴を同時に塞いだからである。
量子論の"不気味な[気味の悪い]遠隔作用"を支持する証拠がさらに増える
More evidence to support quantum theory’s 'spooky action at a distance’
これは、量子物理学の分野で最も奇妙な概念のひとつである。電子のような量子粒子の状態や、状態を測定すると、たとえそれが何光年も離れたところにある別の電子の状態を瞬時に変化させることができる。この考えは、アルバート・アインシュタインのような人たちを苛立たせた。なぜなら、何かが光よりも速く移動できることを示唆し、現実が何らかの形で我々の行う測定によって決定されることを示唆するからだ。しかしこのたび、ある実験チームが、これまでの実証実験の抜け穴を塞いで、この概念の正しさを証明したという。
「これは量子物理学における絶対的な画期的論文です」と、グリフィス大学(オーストラリア、ネイサン市)の物理学者ハワード・ワイズマン(この研究に関与していない)は言う。
「物理的世界が、我々の日常的な直感と大きく異なっていることに、もはやいかなる合理的な疑いも生じないだろう」
オーストラリアのシドニー大学の物理学者、クリストファー・フェリーは、多くの物理学者にとって、この問題はとっくに決着がついたことだと指摘している。
「私の世代かそれ以降の物理学者に質問しても、まったく動じないだろう」と彼は言う。本当の進歩は、超安全な量子通信技術への道を開くことだと、彼は言う。
(中略)
1970年代、実験者たちはベル(イギリスの理論家ジョン・ベル)の不等式が成り立つかどうかを確認するための測定を始めた。その結果、隠れた変数が許容するよりも強い相関関係が常に見いだされた。その結果、物理学者たちはアインシュタインが間違っていると確信するようになった。量子波が光よりも速く崩壊するか、あるいは、隠れた変数によって測定結果が予見されることはありえない。電子が両方向に回転しているのを測定するまで、電子は文字通り両方向に回転している」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。