欧州の新たな鉄のカーテン
フィニアン・カニンガム氏の、欧州の新たな鉄のカーテンは西側の対ロシア敵視が作り出したものだという記事を紹介します。第二次世界大戦後にできた鉄のカーテンは、当時のソ連邦を始めとした共産圏を封じ込めるのが目的でした。しかし、ウクライナを分断してできた錆びてボロボロの"鉄のカーテン"は西側世界秩序の崩壊を告げているように見えます。今日、鉄のカーテンと言うと、メディアのよる情報統制に例えることもできるかもしれません。"錆びてボロボロの鉄のカーテン"に空いた穴からいったい何が見えてくるのでしょうか？ 何を見つけることができるのでしょうか？
なお、記事の中でリンクが張ってある「CIAはウクライナのナチス協力者を匿った」と、ドイツ・プロパガンダ・アーカイブ所収、ゲッベルスの「2000年」を紹介します。この記事で、ゲッベルスは初めて"鉄のカーテン"という言葉を使いました。書かれたのは1945年２月のヤルタ会談の後、ヒトラーの後を追って家族とともに自殺した1945年５月１日以前、２月25日のことでした。同時期に書かれた「世界の不幸の創造者たち」も追加します。
悪名高い鉄のカーテンを描いたイギリスの風刺漫画
欧州の新たな鉄のカーテンは、前回の鉄のカーテンのように、西側の対ロシア敵視が作り出したものである
New Iron Curtain in Europe, Like Last One, is a Creation of Western Hostility Towards Russia
Finian Cunningham
September 21, 2023
欧州の新たな鉄のカーテンは、前回の鉄のカーテンのように、西側の対ロシア敵視が作り出したものである
フィニアン・カニンガム
2023年９月21日
ヨーロッパとより広い世界の冷戦時代の境界線が、前回の境界線を作り出した帝国主義勢力によって、激しく復活しつつある。
❗️Join us on Telegram , Twitter , and VK .
米国主導のNATO軍事同盟の事実上のクローンと化した欧州連合（EU）は、冷戦が終わったと思われてから30年以上経て、欧州大陸に新たな鉄のカーテンを築こうとしている。
ヨーロッパ大陸の新たな分断において、ロシアとロシア市民は受け入れがたく、悪者扱いされ、追い出されている。EUはロシア市民を法で認められた（危険を及ぼさない）旅行者としてEU諸国に入国させることを禁止しようとしている。ロシアナンバーの車は国境を越えることができなくなり、所有者から没収される危険がある。
ラトビアのようなEU諸国は、人口の４分の１がロシア語を話す民族であるにもかかわらず、公共の場でロシア語を話すことを禁止しようとしている。ロシアの文化人は、コンサートやバレエ、文学のイベントに参加すると中傷される。
ロシアのニュースメディアは放送を禁止され、ウクライナの戦争に対する疑問や別の視点は一切認められていない。この紛争の発端となった歴史的背景や、NATOの二枚舌による拡大は、いかなる公の場からも抹殺されている。簡単に言えば、西側によれば、ロシアは邪悪な侵略者であり、その指導者であるウラジーミル・プーチンはヒトラーのような暴君であり、国民全体が［詐欺師アレクセイ・ナヴァルニーのような西側公認の"反体制派"の人物は別として］社会の除け者なのだ。
排他的な処置はEUによって一方的に実施されている。新たな鉄のカーテンとしか言いようのないものを設置しているのはEUだ。第二次世界大戦後、鉄のカーテンを作ったのはロシア連邦の前身であるソビエト連邦だというのが西側諸国の一般的な見方であることを考えると、これはいささか皮肉に思えるかもしれない。
第二次世界大戦後、ソ連との関係を突然凍結させ、核による相互確証破壊という執拗な脅威を伴う数十年にわたる冷戦を引き起こしたのは、実はアメリカとヨーロッパの同盟国だった。
※相互確証破壊 (MAD) は、一方の超大国による核攻撃が圧倒的な核反撃で迎え撃たれ、攻撃側と防御側の両方が完全に壊滅するという抑止原則
“鉄のカーテン"という言葉は、戦時中のイギリスの指導者ウィンストン・チャーチルが1946年３月にアメリカを訪問した際に行った有名な［正確には悪名高い］演説で、初めて欧米の人々に紹介された。チャーチルは、ヨーロッパ全土に鉄のカーテンが垂れ下がることを悲観的に警告し、悪意のある sinister（語源はラテン語の"左"の意。左側は不吉であると考えられていたことから）大陸分断の原因をソ連に求めた。
チャーチルがソ連を悪魔化（極悪非道の悪者として示す）したのは、西側の多くの市民がナチス帝国主義の主な犠牲者として共感し、さらにベルリンで第三帝国を最終的に敗北させた同盟国の重要な軍事力として賞賛した、かつての同盟国に対する前代未聞の挑発だった。
ソ連の指導者ヨシフ・スターリンは、チャーチルの演説を"戦争を挑発する"芝居（はったり）だと非難した。英米はモスクワに対し、冷戦というレッテルや"自由世界の防衛"などというプロパガンダの建前の下ではあったが、第二次世界大戦が事実上、ソ連に対して継続されることを通告した。
少し考えてみてほしい。事実上、アメリカ、イギリス、そして結成間もないNATO同盟［1949年設立］は、ソ連に対するナチスの帝国主義的敵意の後継者として自らを位置づけていた。ロシアから見れば、この悪意は計り知れない。
チャーチルの裏切りだけが、現代におけるソ連への悪意の同時代に存在したシグナルだったわけではない。1945年８月、敗色濃厚となった日本に２発の原爆が投下されたことも、ソ連にとっては、戦後の世界分割と来るべき"封じ込め"政策に関するアメリカによる潜在的な恐怖の脅威と映った。
その他の脅威的なシグナルは、米英によるナチスの元将校、スパイ、科学者のリクルートだった。西側諸国が気取って合意したように、ナチスの戦犯をソ連に引き渡す代わりに、これらの犯罪者はヨーロッパ全土に張り巡らされたラットライン（高く登るための縄ばしご）を通じて亡命し、新たな人生を送ることになった。ナチス親衛隊に協力した最も凶暴なウクライナのファシストの多く［ステパン・バンデラ、ミコラ・レベド※1など］もまた、米英によってリクルートされた。何人かは、破壊工作や暗殺を目的として、ソ連の戦線の背後に配置された。
ドンバス地方でロシア民族を殺害している今日のウクライナのネオナチは、第二次世界大戦のナチス協力者の誇り高き継承者であると自ら宣言している。米国とNATOがキエフのナチス政権を兵器化し、アゾフ・ナチス大隊などを訓練していることは、戦後初期に米英によって行われたソ連に対する隠されたリクルートと完全に一致している。
しかし、しかし、しかし、ソ連とワルシャワ条約機構はベルリンの壁を建設し、ヨーロッパ全土に有刺鉄線の国境線を張り巡らせたと言われそうだ。
まあ、それもある程度まで事実だ。しかし、これだけは覚えておいてほしい。ソ連は帝国主義的なナチスの巨獣に侵略され、2700万人もの国民が殺された。ナチスの戦争マシーンが、1920年代から30年代にかけて、ソ連を破壊する目的で西側の資本投資によって実現されたという証拠はたくさんある。なぜなら、ソ連は西側の帝国主義秩序に対する脅威と認識されていたからである。
第二次世界大戦の灰燼がまだくすぶる中、西側諸国がソ連に対して見せたあからさまな裏切りや、西側諸国が新たに展開しようとしていた前代未聞の存亡の危機［原爆投下、ナチスの勧誘］を考えれば、モスクワとそのワルシャワ条約機構のパートナーが積極的な防衛態勢をとったことは、驚くにはあたらない。結局のところ、秘密裏にではあるが、彼らは攻撃を受けていたのである。
客観的事実から、冷戦とそれに続く1940年代後半に誕生したヨーロッパ全域の鉄のカーテンによる分断を最初に仕掛けたのは、西側列強であったと結論づけることができる。基本的な理由は、今日にも通じることだが、ソ連が西側の帝国主義国家と共存する別の存在として容認できなかったからである。後者にとっては、ゼロサムの世界に打ち勝つことが絶対不可欠だ。多極化はありえず、西側による一極支配しかありえない。それが帝国主義権力の定義上の必然だ。
また、チャーチルが鉄のカーテンという言葉を発明したわけではないことにも留意すべきである。この言葉は1945年２月、ヨーゼフ・ゲッペルスがナチス・ドイツの敗北はヨーロッパに"鉄のカーテン"がかかって大惨事になると警告した※２ものだ。
米国とヨーロッパのNATOの属国は、うぬぼれの強い美徳と"自由世界の防衛"という自分たちのナラティブに異論を唱えることを許さない。ロシアは、それ以前のソ連と同様、属国の地位を認めないがゆえに、西側帝国主義秩序にとっての脅威である。そのためには、モスクワは何としても排除されなければならない。
ヨーロッパと広範な世界の冷戦による境界が、前回の冷戦を引き起こした帝国主義大国によって、再び復讐（報復、あだ討ち）のように繰り返されている。
フィニアン・カニンガム
大手報道機関の元編集者、ライター。国際問題に関して幅広く執筆し、記事は数カ国語で出版されている。
──おわり
CIAはウクライナのナチス協力者を匿った ※１
C.I.A. Protected Ukrainian Nazi Collaborator
New report also reveals Nazi-grand mufti deal BY DAN KLEIN
新報告書ではナチスとの壮大なムフティー（イスラム教の指導者）取引も明らかに
ダン・クライン
ウクライナの戦争犯罪人とされる人物がリクルートされ、保護され、1998年に亡くなるまで「（CIAの）最も古い連絡先の一人」であり続けたことが、木曜日に公開された機密解除されたCIAのファイルに関する報告書で明らかになった。
ミコラ・レベドは、第二次世界大戦中、西ウクライナでユダヤ人とポーランド人の殺害に参加したウクライナの民族主義グループを率いていた。報告書によると、戦後、レベドはソ連に対するゲリラ作戦を実行するため、アメリカ情報部にスカウトされた。一方、CIAは彼を起訴しようとする他の諜報機関から彼を繰り返し保護しただけでなく、1949年に彼をニューヨークに移した。
『ヒトラーの影』と題された報告書：
『ナチス戦犯、アメリカ諜報機関、そして冷戦』と題されたこの報告書には、戦後数年間、諜報機関にとって「ドイツ人やドイツ人協力者との決着をつけることは、それほど緊急なことではなく、場合によっては逆効果にさえ見えた」時期に出現したパターンの数々を紹介している。その代わり、文書によれば、避難民キャンプで政治的に活動するユダヤ人をスパイするために資源が費やされることが多かった。
また、ナチス当局者とエルサレムの大ムフティー、ハジ・アミン・エル・フセイニとの協力関係についても詳細に論じられている。大ムフティーはナチスから年間60万マルク［ドイツ陸軍元帥の24倍］という “絶対的な富 “を与えられ、イギリスを破り、そこに住む35万人のユダヤ人を排除した後のパレスチナの指導権を約束された。フセイニもまた、イスラム教徒をSSに熱心に勧誘した。
※大ムフティーとはスンナ派のイスラム教国におけるイスラーム法に関わる官吏の最高位者に対する称号である。 イスラム教の宗教指導者となるムフティーの最高位となる立場に当たる
報告書はまた、戦後の著名なナチスの逃亡に関する新たな詳細を探り、アドルフ・アイヒマンのアルゼンチンへの逃亡におけるアメリカの責任を免責した。
ヒトラーの影：ナチス戦犯、米国諜報機関、冷戦［国立公文書館］
米国はナチスを想像以上に勧誘していた。機密解除された文書が示すもの［NYT］
1932年、ベルリンのルストガルテンで演説するゲッベルス
2000年（ゲッベルス）※２
German Propaganda Archive
The Year 2000 by Joseph Goebbels
ドイツ・プロパガンダ・アーカイブ
2000年 ヨーゼフ・ゲッベルス
背景：ゲッベルスはここで預言者の役割を担い、ドイツの勝利から２世代後の世界をイメージする。戦争は終わりに近づいていたが、ゲッベルスは同胞に勝利はまだ可能だと説得しようとしている。ゲッベルスは、ソ連のヨーロッパ進出の結果を"鉄のカーテン"という言葉で表現しているが、この言葉は後にウィンストン・チャーチルによって有名になる。これは後にウィンストン・チャーチルによって有名になった言葉である。ゲッベルスがこの言葉を作ったわけではないが、彼の使用によって注目されるようになった。
出典：Das Jahr 2000," Das Reich, 25 February 1945, pp.
アメリカの情報筋によれば、敵対する３人の戦争指導者はヤルタ会談で、2000年までドイツ国民を破壊し絶滅させる占領計画に関するルーズベルトの提案に同意したという。この提案がいささか壮大であることは認めざるを得ない。ニューヨークの高層ビルが空高くそびえ立ち、その上層階は風に揺れているのを思い起こさせる。2000年の世界はどうなっているのだろうか？
少なくともドイツ国民に関する限り、スターリン、チャーチル、ルーズベルトがそれを決定した。しかし、彼らや我々が予測されたとおりに行動するかどうかは疑問である。
遠い未来を予測することは誰にもできないが、今後50年間で明らかになる事実と可能性はいくつかある。たとえば、この素晴らしい計画を立案した敵国の３人の政治家は誰も生きていないだろうし、イングランドの人口はせいぜい2000万人程度だろうし、我々の子供たちの子供たちは子供を産んでいるだろうし、この戦争の出来事は神話の中に沈んでいるだろう。また、2000年にはヨーロッパが統一大陸になっていることも、高い確度で予測できる。ベルリンからパリまで15分のフライトで朝食をとることができ、最新の兵器は骨董品として扱われるようになるだろう。しかしドイツは、ヤルタ会談の計画に従って依然として軍事占領下に置かれ、イギリスとアメリカが国民に民主主義の訓練を施すだろう。この３人のペテン師の脳みそはなんと空っぽなことだろう。── 少なくとも２人の場合は！
３人目のスターリンは、２人の同僚よりもはるかに遠大な目標を掲げている。確かに彼はそれを公に発表するつもりはないが、彼と彼の２億人の奴隷たちは、そのために激しく、厳しく戦うだろう。彼は、そのような富裕層の頭脳とは違った見方で世界を見ている。彼は、全世界がモスクワ・インターナショナル、つまりクレムリンの独裁に服する未来を見ている。彼の夢は幻想的で不条理に見えるかもしれないが、我々ドイツ人が彼を止めなければ、間違いなく現実になるだろう。それは次のように起こるだろう：
ドイツ国民が武器を捨てれば、ルーズベルト、チャーチル、スターリンの合意に従って、ソビエトは帝国の大部分とともに東ヨーロッパと南東ヨーロッパのすべてを占領するだろう。ソ連が支配するこの巨大な領土には鉄のカーテンがかかり、その背後で諸国民が虐殺されることになる。ロンドンとニューヨークのユダヤ人新聞は、おそらくまだ拍手喝采を送るだろう。残されるのは人間の原料だけであり、クレムリンが世界の他の国々について知りたがっていることしか知らない何百万という絶望的なプロレタリア化された使役動物の愚かで発酵した塊だけである。リーダーシップがなければ、彼らはなすすべもなくソ連の血の独裁者の手に落ちるだろう。ヨーロッパの残りの地域は、混沌とした政治的・社会的混乱に陥り、それに続くボリシェヴィゼーションへの道を準備することになる。これらの国々の生活と存在は地獄と化すだろう。
経済的、社会的、政治的性質の国内問題はさておき、イギリスは人口減少に苦しむことになり、ヨーロッパやその他の国々における自国の権益を守る力は、現在よりもさらに低下するだろう。1948年、ルーズベルトの再選運動は、第一次世界大戦後のウィルソンと同じように失敗に終わり、共和党の孤立主義者（他国と政治経済上の関わりを持たないという孤立主義の主唱または賛同者）がアメリカ大統領となる。彼の最初の公式行動は、おそらくヨーロッパの魔女の釜からアメリカ軍を撤退させることだろう。アメリカの全人口は間違いなく賛成するだろう。
大陸には他の軍事大国が存在しないため、最善の場合、60の英国軍団が600のソ連軍団と対峙することになる。ボリシェヴィズムはこの間、決して怠慢ではなかっただろう。イギリスでは労働党政権が、おそらくは急進的な中途半端なボリシェヴィスト政権が誕生していただろう。ユダヤ系マスコミが煽り立てる世論の圧力と、戦争に疲弊した国民が、すぐにヨーロッパに関心がないことを表明するだろう。このようなことがいかに早く起こりうるかは、今日のポーランドの例を見れば明らかである。
いわゆる第三次世界大戦は短期間で終結し、わが大陸は草原からやってきた機械化ロボットの足下に置かれることになるだろう。ボルシェビズムにとっては不運な状況だ。ボリシェヴィズムは間違いなくイギリスに飛び火し、古典的な民主主義の地を燃え上がらせるだろう。鉄のカーテンは、この広大な国々の悲劇に再び幕を下ろすだろう。今後５年間で、何億人もの奴隷が戦車、戦闘機、爆撃機を製造し、アメリカへの総攻撃が始まるだろう。西半球は、嘘の告発にもかかわらず、これまで一度も脅かされたことがなかったが、そのとき最も危険な状態に陥るだろう。いつかアメリカの人々は、長い間忘れ去られていたアメリカ大統領がヤルタ会談でコミュニケを発表した日を呪うだろう。
民主主義国家はボリシェヴィズム体制には対処できない。彼らはまったく異なる方法を用いるからだ。我々が権力を握る前にドイツのブルジョア政党が共産主義者に対抗したように、彼らはそれに対して無力なのだ。アメリカとは対照的に、ソビエト体制は世論や国民の生活水準を気にする必要がない。したがって、軍事面は言うに及ばず、アメリカの経済競争を恐れる必要もない。
ルーズベルトやチャーチルが想像しているように戦争が終わったとしても、富裕層諸国は、賃金や生活水準を大幅に引き下げない限り、世界市場におけるソ連との競争の前に無防備になるだろう。しかし、そんなことをすれば、ボリシェヴィズムの扇動に対抗できなくなる。事態がどう転んでも、スターリンは常に勝者であり、ルーズベルトとチャーチルは敗者である。英米の戦争政策は行き詰まった。彼らは霊魂を呼び起こし、もはや追い払うことはできない。ポーランドから始まった我々の予測は、現在起きている驚くべき一連の出来事によって裏付けられ始めている。イギリス人とアメリカ人が2000年に向けて計画を練っているのを見ると、ただ微笑ましく思うしかない。1950年まで生き残れば、彼らは幸せだろう。
思慮深い英国人なら、今日、このことに気づかない者はいないだろう。英国の首相はヤルタ会談でロシアの毛皮のコートを着ていた。これはイギリス国民に不愉快なコメントを引き起こした。後にロンドンの通信社が、あれはカナダの毛皮のコートだと報じても、誰も信じなかった。イギリスがクレムリンの意向に従順であることの象徴と見なされたのだ。イギリスが世界情勢において重要な、さらには決定的な発言力を持っていた時代はどうなってしまったのだろう！
最近、ある有力なアメリカ上院議員がこう言った：「イギリスはヨーロッパの小さな付録でしかない」。彼の同志たちは、すでにイギリスをそのように扱っている。イギリスはそれ以上の価値があるのだろうか？
ヨーロッパの歴史における劇的な瞬間に、イギリスは帝国に対して宣戦布告し、制御不能に陥っただけでなく、イギリスそのものが廃墟と化す恐れのある世界的な大火災を引き起こした。ドイツが東側の純粋なドイツ領にほんの少し拡大しただけで、ヨーロッパの勢力均衡が脅かされると見るには十分な根拠があった。その結果起こった戦争で、イングランドは200年来の勢力均衡政策を放棄する必要が生じた。今、東のウラジオストクから始まり、イギリスそのものをその独裁政権に取り込むまで、西側で休むことのない世界勢力がヨーロッパに進出している。
イギリスの首相が2000年の帝国の政治的・社会的地位を計画するのは、甘すぎる。今後数年、数十年の間に、イギリスはおそらく別の懸念を抱くだろう。世界におけるかつてのパワーのほんの一部を維持するために、必死に戦わなければならないだろう。第一次世界大戦で最初の打撃を受け、第二次世界大戦では最後の一撃に直面する。
事態が違う方向に転ぶことは想像に難くないが、もはや手遅れである。総統は開戦の４週間前、ロンドンに数々の提案を行った。ドイツとイギリスの外交政策が協力し合うこと、イギリスが帝国の陸上戦力を尊重するように帝国もイギリスの海上戦力を尊重すること、そして空中戦では同等にすることを提案した。両大国は世界平和の保証に参加し、大英帝国はその平和の重要な要素である。
ドイツは、必要であれば軍事的手段で大英帝国を防衛する用意さえある。このような状況下では、ボリシェヴィズムは本来の温床に閉じこもることになる。ボリシェヴィズムは世界から封印されていただろう。今、ボリシェヴィズムはオーデル川にいる。すべてはドイツ軍兵士の不屈の精神にかかっている。ボリシェヴィズムが東方へ押し戻されるのか、それともその怒りが西ヨーロッパに押し寄せるのか。それが戦況である。
ヤルタのコミュニケは、事態を少しも変えるものではない。事態は、この人類文化の危機にかかっている。我々が解決するか、まったく解決しないか。それが選択肢だ
こう言っているのは我々ドイツ人だけではない。思慮深い人なら誰でも、過去に何度もそうであったように、今日もドイツ国民にはヨーロッパの使命があることを知っている。たとえその使命が甚大な苦痛と苦悩を伴うものであったとしても、我々は勇気を失ってはならない。愚かな知ったかぶりが、世界を奈落の底に突き落としたことは一度や二度ではない。最後の瞬間、人類が決定的な一歩を踏み出すのに十分なほど、恐ろしい悲惨を目の当たりにして警戒したのだ。今回もそうだろう。
我々はこの戦争で多くのものを失った。我々に残されたのは、軍事力と理想だけだ。我々はこれらを手放さないかもしれない。これらは我々の存在の基盤であり、歴史的な義務を果たすためのものだからだ。それは困難で恐ろしいことだが、同時に名誉なことでもある。
我々に義務が与えられたのは、我々だけが必要な人格と不屈の精神を持っているからである。他の民族なら崩壊していただろう。しかし我々は、アトラスのように世界の重荷を背負い、疑わない。
2000年、ドイツは敵に占領されることはない。ドイツ民族は文明人類の知的指導者となるだろう。我々はこの戦争でその権利を獲得している。この敵との世界的な闘争は、人々の記憶の中で悪い夢としてのみ生き続けるだろう。我々の子供たちやその子供たちは、彼らの父や母の記念碑を建てるだろう。それは、彼らが受けた苦痛のためであり、彼らがすべてに耐えたストイックな不動のためであり、彼らが示した勇気のためであり、彼らが戦ったヒロイズムのためであり、困難な時代に総統とその理想を貫いた忠誠のためである。我々の希望は彼らの世界で実現し、我々の理想は現実となる。
この荒々しい時代の嵐が子供たちの目に映るのを見るとき、我々はそのことを決して忘れてはならない。彼らの呪いではなく、永遠の祝福を得るように行動しよう。
［ページの著作権 ©1999 by Randall Bytwerk］
これは、シュトライヒャーのプレ・ナチ党派のひとつであるドイツ労働組合が1922年に開催した集会の広告。300人が世界を支配しているという主張で、ヴァルター・ラテナウの発言が元になっている。この謎の集団は世界を奴隷化しようとしている。「真実を明らかにしなければならない！」とポスターは宣言している。
このポスターは、ベルリン出身のゲッベルスの芸術家 “ミョルニル"によるもので、本名はハンス・シュヴァイツァー（1901-1980）。キャプションは「禁止令にもかかわらず、死んでいない」と訳されている。日付は1928年で、ベルリンでの党活動がほとんど禁止されていた時期である。この印象的なポスターは使われなかったようだ。私が入手したナチスの本によれば、未発表のものだという。
ナチスはこれを最高のポスターのひとつとみなした。これもミョルニル作。キャプションを訳すと「国家社会主義："組織化された民族の意志"。ゲッペルスは、ミョルニルがナチスの突撃隊員を描く技術を完成させたと主張した。
プロパガンダの好例として、ナチス降伏の少し前、ゲッベルスの書いた記事を紹介します。悪いのはすべて〇〇〇人だと畳みかけるように書いています。今日の世界でも同じようなことが起きています。ただしプロパガンダの主体は主流メディアです。
ナチスは決して一枚岩だったわけではありません。ゲッペルスも初期の頃はヒトラーに批判的でした。ナチ党内も右から左まで入り乱れていたようです。
世界の不幸の創造者たち（ゲッベルス）
The Creators of the World’s Misfortunes
by Joseph Goebbels
世界の不幸の創造者たち
ヨーゼフ・ゲッベルス著
背景：1945年１月21日付のこの記事で、ゲッベルスは、戦争による不幸の責任はユダヤ人にあると主張し、出版された最後の長文の攻撃を行なっている。ゲッベルスの言葉にはホロコーストのヒントがある。
出典：Die Urheber des Unglücks der Welt," Das Reich, 21 January 1945, pp. 1, 3.
我々の団結した敵が世界を欺き、人類を闇に葬ろうとするために用いる不自然な力の背後に、国際ユダヤが控えているという事実を常に念頭に置かなければ、この戦争を理解することはできない。いわば、階級、イデオロギー、利害の違いにもかかわらず、敵連合をしっかりとつなぎとめるモルタルなのである。
資本主義とボリシェヴィズムは同じユダヤ人の根を持ち、同じ木の２本の枝であり、最終的には同じ実を結ぶ。国際ユダヤは、諸国民を抑圧し、その支配下に置くために、この２つを独自の方法で使い分けている。すべての敵国と多くの中立国において、その世論への影響力がどれほど深いかは、新聞、演説、ラジオ放送で決して言及されることがないのを見れば一目瞭然である。
ソ連には、反ユダヤ主義 ── 平たく言えば、ユダヤ人問題に関する公教育 ── を死刑に処する法律がある。クレムリンの主要報道官が新年早々、ソ連はこの法律が世界中で通用するまで休むことはないだろうと述べたことに、この問題の専門家は決して驚かない。言い換えれば、敵はこの戦争における目標は、地球上の国々に対するユダヤ人の完全支配を法的保護の下に置くことであり、この恥ずべき試みについて議論することさえ死刑で脅すことであるとはっきり言っている。
金権政治（財閥）の国でもそれはほとんど変わらない。そこでは、ユダヤ民族の不謹慎な簒奪に対する闘いは、死刑執行人によって罰せられるのではなく、経済的・社会的ボイコットや知的恐怖によって、むしろ死によって罰せられる。これは結局同じ効果をもたらす。
スターリン、チャーチル、ルーズベルトはユダヤ人によって作られた。彼らはユダヤの全面的な支持を享受し、全面的な保護でそれに報いている。彼らは演説の中で、市民的勇気を持つ高潔な人物として自らを演出しているが、この戦争の結果、ユダヤ人の間で憎悪が高まっているにもかかわらず、ユダヤ人に対する言葉を耳にすることはない。ユダヤ人は敵国ではタブーである。あらゆる法的境界線の外に立ち、それゆえに敵対する民族の専制君主となる。
敵国の兵士が前線で戦い、血を流し、死んでいく一方で、ユダヤ人はその犠牲から証券取引所や闇市場で金を稼ぐ。もし勇敢な人間が一歩前に出てユダヤ人の犯罪を告発しようものなら、彼らのマスコミから嘲笑され、唾を吐きかけられ、職を追われるか、さもなければ困窮させられ、世間から軽蔑されることになる。ユダヤ人にとってはそれさえも十分ではないようだ。彼らは全世界にソビエトの状況を持ち込み、ユダヤに絶対的な権力と訴追からの自由を与えようとしている。異論を唱えたり、議論したりする者は、後頭部に銃弾を撃ち込まれるか、首に斧が突き刺さる。これほどひどい暴政はない。これこそ、ユダヤが自由を得るに値する国々に与える公然かつ秘密裏の恥辱の典型である。
そんなことはとっくに過去のことだ。しかし、それはまだ遠くで我々を脅かしている。我々が帝国内のユダヤ人の力を完全に打ち砕いたのは事実だが、彼らはあきらめてはいない。彼らは、全世界をわれわれに対して動員するまで休むことはなかった。もはやドイツを内部から征服することはできないので、外部から征服しようとしているのだ。
ロシア、イギリス、アメリカの兵士はみな、この寄生民族の世界的陰謀の傭兵だ。戦争の現状を考えれば、彼らが自国の国益のために前線で戦い、死んでいるなどということを誰が信じられるだろうか！
各国はまともな平和を望んでいるが、ユダヤ人はそれに反対している。彼らは、戦争が終結すれば、国際ユダヤがこの戦争の準備と遂行に果たした不健全な役割を人類が知ることになることを知っている。彼らは正体を暴かれることを恐れている。それは、昼が夜に続くように、避けられないことであり、必然的にやってくることだ。そのため、われわれに対する憎悪が爆発するのだが、それは恐怖と劣等感の結果でしかない。彼らは熱心すぎるがゆえに、疑心暗鬼になっている。
国際ユダヤは、この戦争を自分たちに有利にすることに成功しないだろう。事態はすでに進みすぎている。地球上のすべての民族が目覚め、ユダヤ人が犠牲となる時が来るだろう。ここでも、物事はここまでしか進まない。
国際ユダヤの古くからよく使われてきた手法で、その腐敗させる性質や衝動に関する教育や知識を信用させないようにし、それによって原因と結果を混同しやすい人々の弱みにつけ込むのだ。ユダヤ人は世論操作の名人でもあり、世界中に張り巡らされた通信社や報道機関のネットワークを通じて世論を支配している。自由な報道機関という哀れな幻想は、彼らが敵国の国民を愚弄するために用いる手法のひとつである。もし敵国の報道機関が見せかけどおり自由であるなら、ユダヤ人問題に関して賛否両論を堂々と表明すればよい。それはできないし、できないかもしれないからだ。
ユダヤ人は自分たち以外のすべてのものをあざけり、批判するのが大好きである。敵国のいわゆる報道の自由はここで終わる。新聞も、議会も、政治家も、教会の指導者も、ここでは沈黙しなければならない。犯罪や悪徳、汚物や腐敗は、愛という毛布で覆われている。
ユダヤ人は敵国の世論を完全に掌握している。このような状態を受け入れなければならない国だけが哀れである。ユダヤ人はドイツ国民が後進国であると誤解させている。後進国だと言われているのは、実は進歩の証拠なのだ。われわれはユダヤ人を国家的、国際的な危険人物として認識し、この知識から説得力のある結論を導き出した。このドイツの知識は、この戦争が終われば、世界の知識となるだろう。我々は、そのために全力を尽くすことが第一の義務であると考えている。
ユダヤ人がこの戦争に勝利すれば、人類は永遠の闇に沈み、鈍く原始的な状態に陥るだろう。彼らは、この恐ろしい年月に、敵の戦争指導者たちを、我々が気高く、美しく、守るに値すると考えるものすべてに対する戦いに導いてきた、破壊的な力の化身なのだ。それだけの理由で、ユダヤ人は我々を憎んでいる。
彼らは我々の文化や学問を軽蔑し、それが彼らの遊牧民的な世界観よりも高くそびえ立つと見なしている。彼らは、自分たちの寄生欲の入り込む余地を与えない我々の経済的・社会的基準を恐れている。彼らは、彼らの無政府主義的傾向を排除してきた我々の国内秩序の敵なのだ。
ドイツは、ユダヤ人がまったくいない世界で最初の国である。それこそが、ドイツが政治的にも経済的にも均衡を保っている最大の原因なのだ。彼らがドイツの国体から追放されたことで、内部からこの均衡を揺るがすことが不可能になったため、彼らは欺瞞に満ちた国々を率いて、外部からわれわれと戦っている。
ヨーロッパがその過程で文化的価値の大部分を失うことは、彼らにとって構わないことであり、実際、彼らの計画の一部なのだ。ユダヤ人はその創造に関与していない。彼らには理解できない。深い人種的本能が、人間の創造活動の高みは永遠に自分たちの手の届かないところにあるのだから、今日、憎しみをもって彼らを攻撃しなければならないと告げている。
ヨーロッパの国々が、いや、全世界の国々が叫ぶ日は遠くない。ユダヤ人は我々のすべての不幸の罪を犯している！
そしてすぐに、徹底的（完全に、全面的に）に責任を問われなければならない！
国際ユダヤはアリバイを用意している。ドイツの大清算のときと同じように、彼らは潔白を装い、人にはスケープゴートが必要であり、自分たちがそのスケープゴートなのだと言うだろう。しかし、国家社会主義革命のときに役に立たなかったように、もはや彼らの役には立たないだろう。彼らの歴史的な罪の証明は、細部に至るまで大なり小なり明白であり、もはやどんなに巧妙な嘘や偽善をもってしても否定することはできない。
ロシア人、イギリス人、アメリカ人を戦場に駆り立て、ドイツ人に対する絶望的な闘いのために膨大な数の人命を犠牲にしているのは誰なのか？
ユダヤ人だ！
彼らの新聞やラジオ放送が戦争の歌を広める一方で、彼らが欺いた国々は虐殺へと導かれていく。毎日、われわれに対する新たな憎悪と破壊の計画を考案し、この戦争をヨーロッパ人の生活と経済、教育、文化の自虐と自壊の恐ろしい事件にしているのは誰なのか？
ユダヤ人である！
一方ではイギリスとアメリカ、他方ではボリシェヴィズムとの不自然な結婚を考案し、それを築き上げ、その継続を嫉妬深く保証したのは誰か？
最も倒錯的な政治状況を、シニカルな偽善で覆い隠し、新たな方法がこの恐ろしい人類の破局の真の原因を諸国に悟らせるのではないかという震えるような恐怖を抱かせたのは誰か？
ユダヤ人だ、ユダヤ人だけだ！
彼らはモーゲンソーとリーマンという名前で、いわゆる頭脳集団としてルーズベルトの後ろに控えている。彼らはメチェットとサスーンという名で、チャーチルの金づると命令者として働いている。彼らはカガノヴィッチュとエーレンブルクと名付けられ、スターリンのペースメーカーであり、知的スポークスマンである。どこを見てもユダヤ人がいる。
彼らは赤軍の後方で政治委員として行進し、ソビエトが征服した地域で殺人とテロを組織する。彼らはパリやブリュッセル、ローマやアテネの戦線の後ろに座り、彼らの権力下に落ちた不幸な国々の皮膚から手綱を作り上げる。
これが真実だ。特に、権力と勝利に酔いしれた喜びのあまり、ユダヤ人は普段は注意深く保っていた遠慮を忘れ、今や世論のスポットライトを浴びているのだから。彼らは、もはやその必要はない、自分たちの時代が来たと信じているようだ。そして、これが彼らの過ちであり、名前を伏せた世界征服という大目標の近くに自分たちがいると考えるとき、彼らはいつも間違いを犯す。
諸国民の歴史の中で、このような悲劇的な状況が生まれるたびに、ユダヤ人自身が自分たちの希望の墓守となるように、善き摂理が見守ってきた。彼らは健全な民族を滅ぼしたのではなく、むしろ彼らの寄生作用の刺戟が、迫り来る脅威の認識を前面に押し出し、それを克服するための最大の犠牲をもたらしたのである。ある時点で、彼らは常に悪を望みながら善を生み出す権力者となる。今回もそうなるだろう。
ドイツ民族がこの危険を地球上で最初に認識し、その有機的組織体（社会・宇宙など）から追い出したという事実は、その健全な本能の証拠である。それゆえ、ドイツは、その結果が国際ユダヤの運命と将来を決定することになる世界的闘争の指導者となったのである。
我々は、全世界のユダヤ人が我々に対して憎悪と復讐のために旧約聖書の荒々しい暴言を吐いているのを、完全に冷静に見ている。それらは、我々が正しい道を歩んでいるという証拠にすぎない。彼らは我々を不安にさせることはできない。我々は、主権的な軽蔑をもってそれらを見つめ、これらの憎悪と復讐の暴発が、国際ユダヤにとって運命的な日、1933年１月30日、ドイツだけでなく他のすべての国々を脅かすユダヤ人に対する世界革命が始まるまでは、ドイツではわれわれにとって日常的な出来事であったことを思い出す。
この革命は、その目的を達成するまでは止むことはないだろう。真実は嘘や力では止められない。真実は必ず突き通す。ユダヤ人はこの戦争の終わりにカンナエ※を迎えるだろう。ヨーロッパではなく、むしろ彼らが負けるのだ。今日、ユダヤ人はこの予言を笑うかもしれないが、過去に何度も笑ってきたし、遅かれ早かれ笑わなくなった。
我々は、自分たちが何を望んでいるかを正確に知っているだけでなく、何を望んでいないかも正確に知っている。欺かれた地球上の国々には、まだ必要な知識が欠けているかもしれないが、我々はそれをもたらすだろう。長い目で見て、ユダヤ人はどうやってそれを阻止するのだろうか？
彼らは自分たちの力が確かな土台の上にあると信じているが、それは土の足の上に立っている。たった一撃で崩壊し、世界の不幸の創造者たちをその廃墟に葬り去るだろう。
［ページの著作権 ©1999 by Randall Bytwerk］
※カンナエ：紀元前216年８月２日、南イタリアのアプリア地方のカンナエ付近で、ローマ軍とハンニバル率いるカルタゴ軍約５万人が対峙、当日の最高指揮官であるウァロが決戦を挑んだため、カンナエの戦いが生起した。
この戦いから特に包囲戦の有効性が強調されるが、ローマの敗因は包囲されたことによりパニック状態になり、有効な組織的対応が出来なかったことにある点に留意する必要がある。もしローマ歩兵が包囲側の攻撃に耐え、そのまま前進して包囲網を突破し、左右に展開出来たならば、逆に寡少なカルタゴ軍を包囲できたことになり、全く違った結果となっていたと考えられる。
後年、この戦いは包囲殲滅戦の手本とされ、ドイツ帝国陸軍のシュリーフェン・プランや、日露戦争の奉天会戦の日本軍もこれを参考にした。また、現代の教書でもこの戦いは重要視されている。この戦術は兵力が馬から戦車に変わった現在においても有効であり、スターリングラード攻防戦ではソ連軍がドイツの第６軍をこれと同じ戦術で包囲殲滅している。しかし、あまりにも見事である為、多くの軍人が同じ夢を見て真似をするが、大半はハドリアノポリスの戦いのように包囲に失敗し、大抵が壊滅的な損害を被り敗北してしまう例がほとんどである。
※ゲッベルスの演説は「ヨーゼフ・ゲッベルス博士、1945年３月 ゲルリッツでの最後の攻撃について」で聞くことができます。
1943年秋のこのポスターも沈黙を促している。キャプションはこうだ：「恥を知れ、おしゃべり野郎！ 敵は聞いている。沈黙は君の義務だ」これはおそらくカラーだったと思うが、私が見つけた資料では白黒だった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。