新しい原子モデルの提案──構造化原子モデル(SAM)
構造化原子モデル(SAM)とは?
構造化原子モデル、The Structured Atom Model(SAM)をご存知でしょうか? 残念ながら、日本語の記事は検索しても見当たらないようです。この構造化原子モデルについて書かれた本『原子の性質:構造化原子モデルの概要』があります。そこから紹介します。なお、この本の邦訳はありません。
構造化原子モデル(SAM)の大きな特徴は、中性子は陽子や電子と同じレベルの独立した粒子ではなく、陽子と電子のペアであると仮定しているところです。さらに、中性子を排除し、"陽子と電子のペア"に置き換え、原子核を結びつけている基本的な力は静電気と電磁気であるという仮説です。
つまり、陽子を核内に保持する力は、強い核力ではなく静電気力だということです。

構造化原子モデルの概要
アマゾンのレビューから
「そう、著者が何度も述べているように、これは進行中の研究である。しかし、ハイゼンベルグの不確定性原理を心配する必要性を排除し、直感に反するあらゆるエラーにつながる量子力学の制約の必要性を深刻に損なうという点で、すでに巨大な効果を上げている」
──ドン・スコット教授
「パラダイムを打ち砕く……これはノーベル賞に値する研究である」
──ドン・スコット教授
「エド・カールと彼の同僚たちは、非常に難しいことを見事にやってのけた」
──アラン・スミス、LENRフォーラム
「この本は、スタンダードモデルの説明力を向上させる刺激的なアイデアを、刺激的な方法で紹介している。スタンダードモデルの原則と欠陥について相応の知識を持ち、代替案に挑戦する姿勢を持つ人向けである」
──メル・アチソン
著者について
エド・カールはオランダで分析化学と環境化学を学んだ。IT業界で約10年のキャリアを積んだ後、人生を変える決断をし、本来の興味と情熱である自然環境の研究に専念するために独立した研究者となった。2015年に初めてエレクトリック・ユニバース会議に出席し、モデルの開発を開始した。彼は、EU2017、2018、2019の各会議や、2018年/2019年のイタリアでのICMSNSワークショップなど、多くの会議で発表を行っている。彼はオランダを拠点としている。
コメントから
Meldon Acheson
原子構造に関するより広範で一貫した見解
原子の核は非常に小さく、そこに指を突っ込んで感触を確かめることは難しい。しかし、適切な機器と方法を用いれば、その中身についての手がかりを得ることはできる。そこには、何か見慣れたものの小さな部分、そのまた小さな部分、といったように簡単に理解できることから粒子と呼ばれる、さまざまなものが存在しているようだ。しかし、それは思い込みであり、比喩である。注意が必要だ。
陽子と呼ばれる粒子は、正の電荷を帯びている。実験者は、その大きさがどの程度か(つまり、非常に小さいということ)をある程度把握している。電荷を帯びていないように見えるため中性子と呼ばれるもう一つの粒子は、陽子とほぼ同じ大きさであるが、リトル・ジャック・ホーナーのプラムのように核から引き離されると、陽子と負の影響を持つ何かに変化する。さらに小さな粒子であると考えられているが、小さなビー玉のように振る舞うわけではない。電子は粒子であり、中性子は中性であるという仮定は誤っている可能性がある。
研究者の大半は、原子核内のこの小さな疑似ビー玉がガスの分子のようにガタガタと動き回っており、ハイゼンベルグの不確定性原理によって統計的にのみ説明できるという意見を持っている。しかし、それらには何らかの構造があることを示す手がかりがあり、ここ数十年で、考えられる原子核構造のモデルが数多く提案されている。
最近の有望な提案は、エド・カールらによる『原子の性質:構造化原子モデル入門 The Nature of the Atom』に記載されている。構造化原子モデル(SAM)は、"球状高密度充填"の原則に基づく核構造と成長の幾何学モデルを詳細に説明している。中性子を排除し、"陽子と電子のペア"に置き換え、核に一貫した静電気力を回復させる。これにより、陽子の球状高密度充填に必要な圧縮が得られる。球状高密度充填は、元素とその特性が周期表に現れるための幾何学的な組織構造を提供する。
SAMは、スタンダードモデルでは偶然の産物とされる表の特異性を因果律則で説明している。球状高密度充填の提案された幾何学と、その結果として生じる電荷分布は、外側の価電子と結びつき、それによってこれまで別個の分野であった原子物理学と化学を結びつける。
この本では、原子の他のモデルの概要が示され、核反応、核分裂、核融合についても掘り下げている。最後の章では、宇宙の99%を占めるプラズマ環境が核変換に与える影響について論じている。SAMは、スタンダードモデルでは不可能として退けられてきた多くの実験結果について、わかりやすく合理的な説明を提供している。
本書は、スタンダードモデルの説明力を向上させる刺激的なアイデアを、ワクワクするような形で紹介している。スタンダードモデルの原則と欠陥についてある程度理解しており、代替案に前向きな人向けである。読みやすい本ではないが、原子構造に関する考え抜かれた新しい考え方を理解する努力は報われるだろう。
『原子の性質:構造化原子モデルの概要』の紹介文から
The Nature of the Atom: An Introduction to the Structured Atom Model
£29.95
このタイトルは電子書籍としても購入可能。
この研究はハイゼンベルグの不確定性原理を心配する動機を一切取り除き、直感に反するさまざまなエラーにつながる量子力学の制限の必要性を深刻に損なうものである。したがって、これはパラダイムを打ち砕くものである。これはノーベル賞に値する研究である。
── D.スコット教授
この本は、原子核には構造的特性があるはずだという直感的な考えを追求した国際研究チームの成果である。いくつかの論理的仮定から出発し、彼らは原子と核の多くの特性が、量子力学や現在の物理学を支配する核に関する限定的な教義に頼ることなく、合理的に説明できることを発見した。既知の実験データからのフィードバックを使用し、彼らは自然が元素を構築するために使用していると思われるいくつかの組織原則を特定した。時には予想外の方法で。
構造化原子モデル(SAM)の根底には、二つの前提がある。まず、中性子を陽子と電子のペアに置き換えることで、核内に静電引力の力が再び導入される。電子は陽子間の"接着剤"として作用する。第二に、"球状高密度充填"が核のフラクタル形状を生み出している。核の形成には、この他にも"エンディング"や"ヌクレット"と呼ばれる循環する(繰り返し起こる)下位構造が関与している。SAM原子核は、これらの下位構造をさまざまな組み合わせで使用して構築される。その結果、いくつかの未知の元素(そのほとんどは不安定であると推測されているが、おそらくすべてではない)を示唆する新しい周期表が誕生した。
そこから浮かび上がるのは、原子核と物理学について考えるための新しいパラダイムに他ならない。SAMでは、核不安定性、放射能/放射性崩壊、核分裂生成物の非対称分裂、およびさまざまな核崩壊スキームなど、いくつかの既知の核現象が原子核の構造的構成から直接的に導かれる。さらに、研究チームは、低エネルギー核反応(LENR)の原因となっている可能性が高い、認識されていなかったエネルギーの貯蔵を発見した。
「構造化原子モデル」の公式サイト
これは、このモデルについての短い紹介である。これは、私たちの著書『原子の本質』に基づいている。
SAMは、原子に関する画期的な新しいモデルである。このモデルは、原子に関する私たちの知識に限定されることなく、新たな洞察につながる新たな始まりについての白紙の状態からのアプローチを提供する。SAMでは、原子核は内側の電子によって結合された陽子からなる固定された構造を持つ。中性子はもはや基本粒子ではなく、陽子と電子のペアである。構造は球状高密度充填の原則に従う。繰り返し起きるサブ構造(エンディングおよびヌクレットと呼ばれる)が現れ、元素の核の構造を定義する。初めて、観察によって明らかになる性質を持つ元素がなぜそのような性質を持つのか、その理由が説明された。核分裂可能な同位体の非対称的な分裂の理由が明らかになり、低エネルギー核反応(LENR)を説明する画期的な発見もあった。これらは、これまで説明のつかなかった観察結果に対してSAMが提供する数多くの説明の一部にすぎない。核内の重陽子(重水素の原子核の名前)の数に基づく元素の新しい番号付けシステムは、新しい周期表につながり、現在発見されていない元素を予測する。それらのほとんどは不安定であるが、すべてがそうというわけではない。
なぜ新しいモデルなのか?
構造化原子モデル(SAM)は、原子核には構造的特性があるはずだという直感的な考え方に基づく原子核の探索モデルである。これは、原子核に"標準物理学"の考え方を適用し、難しい数学や量子力学を習得することなく、物理を詳細なレベルで理解しようとする試みである。標準物理学では、量子力学、特にハイゼンベルグの不確定性原理によって課せられた制約により、原子核の固定された構造を一切取り扱うことを避けてきた。この原理は、原子核内の核子が非常に限られた容積の中でかなりの速度で動き回っているという仮定に基づいている。
物理学者のノーマン・クックは著書『原子核のモデル』の中で、量子物理学がもたらすジレンマについて次のように述べている。
「核子は比較的小さな核の容積に比較的多数詰め込まれている。次に、核子同士の核内における空間的な関係が問題となるが、ここからが厄介だ。
核が(i)互いに急速かつ無秩序に運動する核子の拡散ガスなのか、(ii)より遅い速度で運動する核子の濃厚な液体で、近隣の核子と相互作用しているのか、(iii)互いに明確な位置に固定された核子の固体なのか、という問いに答えるだけでも、主要な仮説は三つではなく四つある。それらは、(i) 気相(殻または独立粒子)モデル、(ii) 液相(液滴または集合的)モデル、(iii) 分子状半固体相(アルファ粒子またはクラスター)モデル、(iv) いくつかの固体相格子モデルである。我々は今、問題、パラドックス、複数のモデルが存在する領域に入り、核物理学を概念的に難しくしている」[原子核のモデル、p.20]
SAMは、量子力学を核に適用すべきではないと主張することで、これらの問題を回避している。私たちは、核子がその場にとどまり、静電的および電磁気的にのみ相互作用する剛構造を仮定している。
SAMの重要な側面は、電子、つまり負電荷を原子核に再導入することである。私たちは中性子は陽子や電子と同じレベルの独立した粒子ではなく、陽子と電子のペア proton-electron pair(PEP)であると仮定することで、これを実現している。これは、1932年に中性子が"発見"される以前の理解に類似している。おそらく、この考えを裏付ける最も有力な証拠は、自由中性子が平均15分で陽子と電子に崩壊することである。電子が原子核の中で果たす役割を強調することで、原子核を結びつけている基本的な力が静電気と電磁気であるという仮説を暗に立てている。
SAMから得られた主な洞察のひとつは、原子核の内部構造が、すなわち量子力学における外側の電子軌道、そして化学的価数(化合物や分子を形成する際に原子が他の原子と結合する能力の尺度)や酸化状態といった元素の化学的性質を決定しているということである。これらの特性は、核の特定の陽子-電子構成を反映していることは明らかである。したがって、SAMの核を可視化する能力は、外殻電子配置、特に隣接する原子間の結合角度に関する構造的な手がかりを提供することができる。これは、費用のかかる化合物や危険な化合物の代替として使用できる可能性がある新しい一連の材料の展望を開く可能性がある。
星の熱核融合炉における元素の起源に関するビッグバン説は、SAMによって疑問を投げかけられている。比較的穏やかな環境下でも元素変換が起こるという実験的に得られたが理論的には理解されていない事実から、核合成(元素合成)の描写には欠陥があるか、少なくとも限定的すぎる可能性が示唆される。SAMが示唆する代替の可能性は、金や銀などの鉄より重い元素は、主に惑星上で他の原子核の転換によって生成されるというものである。これは、火山で起こりうるような激しい電気放電の中で起こる。
ほとんどの人にとって化学は複雑な学問であるが、これまでの反応から、SAMが提供する視覚化は、この学問にさらなる透明性をもたらし、化学の教育に役立つと結論づけられる。SAMを原子核の領域から外側の電子の領域、つまり原子全体、さらに分子へと拡張することで、非常に若い学生でも化学をより身近に感じられるようになる可能性があると私たちは考えている。
SAMの開発中、私たちは周期表(PTE)のすべての元素の幾何学的配置を特定した。これには、複数の同位元素も含まれる。これにより、各元素の構造的配置を示す新しい周期表を作成することが可能となった。こうした進化する構造パターンが、ベータ崩壊、核分裂の傾向、存在する可能性のある同位体の変化や欠けている元素など、どのような核反応が可能であるかを含む、さまざまな観察できる核物理現象を引き起こしている。
構造化原子モデルを紹介した動画です。
[要旨]2021/07/04
原子モデルは長い間変わらなかった。しかし、ある元素が他の元素よりも安定している理由や、原子の分裂の予測など、原子モデルでは説明できない謎が残っている。構造化原子モデル(SAM)では、原子核は、内側の電子と結合した陽子によって、非常に特殊な幾何学的構造で構成されている。
「See the Pattern」のホストであり、EUの提唱者でもあるガレス・サミュエルは、内側に引き寄せられる球体が安定した幾何学形状と不安定な幾何学形状を作り出す仕組み、そして大きな原子が作られるプロセスについて概説している。SAMの概念は、自然界で観察されるものと一致している。
ガレス・サミュエル:構造化原子モデル
Gareth Samuel: The Structured Atom Model | Thunderbolts
原子モデルは長い間変わっていないが、このモデルでは解明できない謎も数多くある。核反応のいくつかはよく知られており、徹底的に研究されている。

そのため、このような反応についてはすべて分かっており、生成物がどのようにして作られるのかも理解されていると考えるのが自然だろう。
問題のひとつは、より大きな原子がどのように分裂するかを予測することだ。
ウランの核は、中心部にランダムに混ざり合った中性子と陽子の集合体であるだけなのになぜ非対称に分裂するのか。

アルファ粒子放出(原子核が二つの陽子と二つの中性子からなるアルファ粒子を放出するタイプの放射性崩壊)という単純なケースを検証してみても、多くの問題が浮かび上がる。

そのうちのひとつは、原子核自体のサイズに関するものである。

陽子と中性子にはサイズがあることが分かっている。つまり、原子核にもそれらのサイズに関連したサイズがあるはずだ。
スタンダードモデルでは陽子と中性子の位置はランダムであると考えられているという事実をこれに加えると、アルファ粒子(特定の放射性物質が放出する正電荷の粒子)を放出するには、放出される前に内部の陽子と中性子が再配置して形成されなければならないことを意味する。

より大きな原子を調べれば調べるほど、常に同じ生成物を生み出すように見えるため、このことはより複雑になる。これを達成するには、原子核が大幅に再編成される必要がある。そして、そのためには、粒子が正しい位置に移動できるだけの空間が原子核内に必要となる。
原子核の幅を調べ、それを原子核を構成する個々の粒子の幅と比較すると、このようなことが起こるだけの余地がないことがわかる。


原子は常に非常に高密度の充填状態にあるように見え、粒子の再配置は起こりえない。



これは、原子核には構造があるに違いないということを意味する。そして、これがエド・カールが過去12年間取り組んできたテーマであり、現在もチームで取り組んでいる課題である。現在のモデルに数多くの問題があることに不満を抱いていた彼は、原子の構造を再定義するという課題に自ら取り組んだ。
構造化原子モデルStructured Atom Model(SAM)の基本的な前提は、素晴らしくシンプルである。
中性子は基本粒子とはみなされない。代わりに、中性子は陽子と電子のペアとして再定義される。したがって、原子核には陽子といわゆる内殻電子(内部電子。原子の最外殻に存在しない電子)のみが含まれる。

これらの内殻電子は陽子同士を結合させる接着剤のような役割を果たす。二つの陽子を結合させるには、一つの内殻電子が必要である。

したがって、陽子一つと内殻電子一つは、中性子一つに相当する。全体として、原子核の電荷は変化しない。しかし重要な点は、陽子を核内に保持する力が、強い核力ではなく静電気力であるということだ。
また、中性子が核外に出ると15分以内に電子と陽子と反ニュートリノに崩壊する理由、中性子の電荷がゼロで質量が陽子よりわずかに大きい理由も、この説明で説明できる。

陽子を核内に保持する力は、構造の中心に向かって内側に引き寄せるため、正四面体や正二十面体のような三角形の面を持つプラトニックソリッド platonic solids(プラトンの立体、面が合同の正多角形であり、多面角がすべて一致している5種類の立体)を形成する特定の幾何学的な形状が形成される。

これらは、より大きな核構造が構築される際の基礎となる。SAMチームは、各元素の妥当な構造構成を示す新しい周期表を制作した。

この構造パターンと最密充填の原理を組み合わせることで、どのような核反応が可能か、核分裂の傾向、存在しうる同位体の変化の可能性など、さまざまな観測可能な核物理現象が導かれる。実験室の条件下で核変換(元素変換)が起こりうることはよく知られている。

しかしながら、現在のモデルでは、これがどのようにして起こるのかを説明することはできない。SAMモデルには、金属の変換に関する理論的根拠となる要素が含まれている。
次にこれにより、最終的に常温核融合または低エネルギー核反応の謎を解明する道が開かれることになる。また、生物学においても変換が重要な役割を果たしていると考えられ、ここでもSAMがこれらの重要なプロセスをより詳細に理解する手助けとなる。


SAMモデルから得られた主な洞察のひとつは、原子核の構造が元素の化学的性質を決定するというものである。原子核を視覚化できるということは、電子の外殻構造に関する手がかりを潜在的に提供できるということである。また、SAMは新しい周期表の空席から、潜在的に欠落している元素のいくつかのケースを特定することができた。

彼らは、これらの欠落している元素の化学的性質を予測するために使用できる構造形状を特定した。
宇宙論では、元素は星の中でさまざまなプロセスを経て生成されると考えられている。炭素から硫黄までの軽い元素は核融合反応によって生成され、鉄族元素は主に超新星爆発によって生成される。鉄より重い元素は、高質量星でゆっくり中性子捕獲によって生成され、まれな超新星変種やコンパクト星(恒星進化を経た星の密度の高い残骸。これらの天体には、白色矮星、中性子星、ブラックホールがある)の衝突による激しい相互作用で高速中性子捕獲によって生成される。

元素の起源に関する説明は、SAMモデルによって疑問視されている。元素変換が比較的穏やかな環境下でも起こるという認識は、核合成の描写に欠陥がある可能性を示唆している。
SAMチームが提示する代替案は、鉄より重い元素は惑星上で生成されるというものである。これは、強力な電気放電によって起こる。これに関連して、地球の地質学における元素変換の発生については、電気放電が一番の原因である。その結果、元素の崩壊率が変化するため、地層年代学が疑問視されることになる。
AMは、他のどのモデルもなし得ない洞察を提供している。各元素がどのように構成されているか、元素の同位体が互いに異なる理由、8のサイクル※がどこから来たのか、そしてそれがなぜ崩壊するのかを説明している。
※化学におけるオクテット則。オクテット則とは、原子は八つの価電子を与える方法で化合物を形成する傾向があり、それによってより安定するというもの
鉛の次に元素が不安定になる理由だけでなく、ある元素ではアルファ崩壊(不安定な原子核が二つの陽子と二つの中性子からなる粒子を放出することで別の元素に変化する原子核崩壊プロセス)が起こり、他の元素では起こらない理由、ウラン235が非対称的に分裂する理由、中性子ドリップライン※の起源についても説明している。
※中性子ドリップライン:原子核が中性子の放出に関して束縛されなくなる境界線である。原子核に中性子を追加すると、最終的に新たに形成された原子核が中性子を放出してすぐに崩壊する。俗に言うところの、中性子が"滴り落ちる"。この現象は、原子核が安定を保つには多すぎる中性子を持つ場合に起こる。

SAMは原子を根本的に異なる方法で捉えるものであり、理解しやすいシンプルなアプローチである。シンプルなルールが元素の構造を作り出し、それが元素の特性を決定するだけでなく、他の元素と相互作用したり分解したりして予測可能な形で形成される方法も決定する。その根底にある重要な仮定は、粒子が核内に静電気力という一つの力によって保持されているという単純なものである。これにより、強い力を必要としないことになり、また、物理学者たちが思い付いた(ひねり出した)多くの奇妙な粒子の存在も疑問視されることになる。これは、SAMモデルの概要にすぎない。
SAMについてより深く理解したい、あるいは、例えば、なぜ特定の元素が不安定なのか、核反応はどのように起こるのか、転換をどのように説明できるのかなどについて興味がある方は、私のチャンネルのSAMプレイリストをご覧になるか、SAMのウェブサイトにアクセスして、新刊の予約注文をしていただきたい。

──おわり
最後までお読みいただき、ありがとうございました。