プラズマ宇宙 ─ アンソニー・ペラット ─ ペトログリフ(ペトログリフはプラズマ現象の描写だった)
- 1. プラズマ現象が古代のペトログリフの謎を解く
- 1.1. しゃがんだカマキリ男
- 1.2. 古代に記録された高電流Zピンチオーロラの発生の特徴
Characteristics for the Occurrence of a High-Current, Z-Pinch Aurora as Recorded in Antiquity- 1.2.1. I. イントロダクション
- 1.2.2. II. 強烈なオーロラのダイナミクス
- 1.2.3. III. オーロラシートの不安定性
- 1.2.4. IV. 実験・分析方法
- 1.2.5. V. 大電流Zピンチ Z-Pinch の進化
- 1.2.6. VI. プラズマコラム・トロイド(環状体)の進化
- 1.2.7. VII. 超高層大気中のオーロラショックとプラズマシートの衝突による流体力学的衝撃波パターン
- 1.2.8. VIII. 強烈なオーロラ電流に伴う放電
- 1.2.9. IX. ペトログリフ
- 1.2.10. X. ペトログリフのデータ
- 1.2.11. XI. ペトログリフに込められたデータ
- 1.2.12. XII. 激しいオーロラとペトログリフの関連性
- 1.2.13. XIII. プラズマトロイドの円柱状スタック COLUMNAR STACK の進化
- 1.2.14. XIV. 基本的なプラズマ不安定性の普遍性
- 1.2.15. XV. 上部プラズマシートの不安定性とペトログリフとの相関関係
- 1.2.16. XVI. 衝撃現象のペトログリフ
- 1.2.17. XVII. 円形のオーロラ・プラズマに関連するペトログリフ
- 1.2.18. XVIII. 考察と結論
プラズマ現象が古代のペトログリフの謎を解く
「非常に多くの古代のペトログリフが、プラズマの安定性と不安定性のデータによって分類できることがわかった」
電気的宇宙論やヴェリコフスキー、神話や古代との関連を調べ始めると必ずといっていいくらい引用されているのが、今回紹介する、アンソニー・ペラットの『古代に記録された高電流 Z ピンチ オーロラの発生の特徴』という論文です。これまで日本語には訳されていませんでした。とはいえ『電気的宇宙論Ⅰ』という本の中でけっこう詳しく触れられてはいます。ですが論文全体の内容までは分かりません。電気的宇宙論に興味をお持ちの方は一度は読んでみたいと思っていた方も多いのではないでしょうか?
なにしろ、プラズマ宇宙論や電気的宇宙論が宇宙の成り立ちはもちろんのこと、古代の世界、神話の作られた背景まで、合理的に、常識的に、高尚?な推測なしに解き明かせるというのですから。そしてそれは今日の社会の在り方、意識の持ち方に至るまで根底から再考を促すものです。大袈裟に言えば、人類の再出発、新たなスタートを促すといっても言い過ぎではありません。
下図の画像のどれかをどこかで見られた方は多いのではないでしょうか? 岩絵とかペトログリフといわれているものです。世界中で見つかっています。約2万年前フランスのラスコーの壁画に見られるような写実的で芸術的とも言える絵を描いていた人類が、わずか紀元前3,000年から7,000年頃には下の図版に見られるような奇妙なものを世界中で描きはじめました。
その理由はウィキなどを見ると、
① 特定のグループが、ある地域から世界中に移ったという説
② ユング心理学およびミルチャ・エリアーデの見解として、人間の脳に遺伝学的に相続した構造があるからではないかという遺伝説
③ 幻覚剤を使用して精神が異常状態になったシャーマンによって作られたという説
が挙げられていました。アンソニー・ペラットの研究については一言も触れられていません。さもありなんですが。
しかし、これらの説ではラスコーの壁画のような美術作品といえるような絵を描いていた人類が、なぜこの時代になってから子どもの落書きのようなものを硬い岩の上に描いたのか、つながりも、その訳も説明できません。紀元前3,000年から7,000年頃といえば、古代文明がエジプトやメソポタミアで花開いたとされている時期と重なります。
ペラットはこの論文の中で「このひとつの形態が、現代では人間や擬人化を表すものと解釈されているのは残念なことです」と言っています。
なぜそうなってしまったのか?
そのような誤解を生んでしまったのか?
現代の天文学者も考古学者も大半が「平穏な太陽系」=古代の空も現代の空もほとんど変わっていないと信じ込んでいるからです。だからペトログリフを見ても「非現実的あるいはナンセンス」にしかとらえられず「そのためか、ペトログリフは “間抜けな(ばかな、あほな)歴史 dumb history“と捉えられてきました」
あるいは、こちらの方が人気がありそうですが、宇宙人と結びつける人が多いようです。
ペラット氏はこの論文の中で「強烈な放電X線写真に記録されている……現象は、先史時代の人間が空で同じ出来事を目撃しない限り、知ることはできなかっただろう」
「……数千年とは言わないまでも、少なくとも数世紀の間、激しいオーロラ現象が日常的に起こっていたことを示唆している」と述べています。
古代の空が現代の空と違っていたという証拠は、電気的宇宙論に集まる様々な分野の人々の研究によって次々と発見されています。ただ主流の"学問"の世界からは無視されているようです。しかし、神話や元型、集合的無意識の世界もそのような観点から合理的にとらえ直されるべきだと思います。
ペラット氏は30年以上にわたり、プラズマ放電現象を研究された方です。2000年9月に『電気的宇宙論』の著者の一人でもあるタルボット氏とのやりとりの中で「プラズマ放電の形が古代の岩壁絵画に驚くほどよく似ていることに興味を持つようになった」そうです。そして「彼は突然、自分が研究室で記録してきた形とそっくり同じものが、数万点も石に刻まれているのを見せられたのである」という出会いが始まりでした。
そして、アメリカの南西部と北西部に重点を置いて岩壁絵画の野外調査をしました。その成果がこの論文です。ペトログリフや岩絵に刻まれたものを見て、人だとか動物だとか宇宙人だとかイメージを膨らませたり、心理的に解釈するよりも、電気的な自然現象として太古の空に見えていたもの、そのものと解釈する方が、よっぽど合理的だと思います。
オーロラのように美しく見えたときもあったのかもしれません。とてつもなく恐ろしい宇宙の雷だったのかもしれません。目の前の空に繰り広げられていた驚異を神になぞらえたのかもしれません。もしかしたら悪魔かもしれませんが。ともかく想像を絶する光景だったはずです。
大激変の地球で生き延びるために人間にできる事は何だったのか?
その現象をどうとらえたのか、それをどう伝えてきたのか?
本論文に入る前に、これは"カマキリ"に違いないという学術的調査の記事を紹介します。笑ってはいけないんですが、これも学者さんの研究成果には違いありません。
しゃがんだカマキリ男
これはイランで見つかったペトログリフの研究成果の記事です。こんなふうに学者という方々は解釈するんだというのが分かり、結論も面白かったので資料として挙げておきます。ちょっと長い引用ですが、最後の青い線で強調したところだけでも読んでみてください。
タイトルは「Squatting (squatter) mantis man: A prehistoric praying mantis petroglyph in Iran」
『しゃがんだ(スクワッター)カマキリ男。イランにある先史時代のカマキリのペトログリフ』
以下引用
概要
2017年から2018年にかけて行われたペトログリフまたは先史時代の石の彫刻の調査で、イラン中部(マルカジ県)のテイマーレ岩絵遺跡から、猛禽類のような前腕を持つ6本足の生物の14cmのモチーフが発見された。これを同定するために、昆虫学者と考古学者は、このモチーフを地元の昆虫や、世界中の類似したモチーフや幾何学的なロックアートと比較した。検査されたモチーフは、オーロラ現象に基づいて世界中で見られるよく知られた"スクワッターマン"のモチーフに似ており、おそらく地元のカマキリと組み合わされていた。このペトログリフは、先史時代からカマキリが人類に驚きと感動を与えてきたことを証明している。
はじめに
ロックアートは、世界の多くの地域で見ることができ、人類の歴史に欠かせないものであり、非言語的・視覚的コミュニケーションの一形態として機能している。ペトログリフは、先史時代から感情や意見を表現するために使われてきた。ペトログリフは、洞窟や岩場のシェルターの壁や、屋外の自立した岩など、同じような文脈で現れることが多い。
刻まれているイメージは多様で、単純な幾何学的形状(直線、円、三角形、四角形)から、人間、動物、植物、道具など、多かれ少なかれ認識できる生き物や地域環境の要素が描かれている(ファン・デル・スルイスとペラット2010 ※ここで、ペラットの名が出てきます……)。過去の文化を研究している学者は、ストーンアートを重要なデータ源として調べ、視覚的な比較によってそれらを説明しようとする。
何千年も前に石に彫られたペトログリフの意味を理解することは非常に困難だ。この作業はお絵かきクイズに似ているが、アーティストがいないので、誰の推測が正しいかを言うことができない(ファン・デル・スルイスとペラット2010)。
象形ペトログリフは、ロックアートの中でもかなりの数を占め、世界中の動物学者の注目を集めている。イラ
Iraらは、象形ペトログリフを四つのカテゴリーに分けている。拡大ペトログリフは、1)食用に狩られた動物、2)家畜(食用、仕事用、ペット用)、3)儀式的な象徴性を持つ動物(シャーマニズム、魔術)、そして最後に 4)純粋に芸術的なモチーフ(芸術的な目的のために描かれた動物)の四つに分類されている。狩猟採集生活をしていた初期の人類が描いたのは、主に自分たちが捕食したり、命を脅かしたりする大型の動物(主に哺乳類)だった。無脊椎動物をモチーフにした古代の岩絵の数々は、簡単には説明できない。マグダレニアン期のバイソンの骨に彫られた洞穴コオロギのモチーフなど、世界中のいくつかの先史時代の画像が無脊椎動物であることが確認されており、さらに多くのものが継続的に発見されている。
イランでは、遊牧民族が居住していた山岳地帯にズーム型ペトログリフが見られる。同国における無脊椎動物のモチーフはどちらかというと研究が進んでおらず、その多くが正体不明であったり、幾何学模様と解釈されたりしているため、2017年にイランで発見されたいくつかの節足動物のようなペトログリフを特定するために、現地の昆虫学者と考古学者のチームが2017年と2018年に調査を行った。
その結果、いくつかの驚くべきモチーフが発見され、および、またはその可能性の高いアイデンティティが決定されたが、ここではそのようなモチーフのひとつを紹介する。この論文の目的は、イランの新しいタイプの無脊椎動物形態のペトログリフを紹介し、それを文脈の中に置くことである。
材料と方法
イラン・イスラム共和国のマルカジ州テイマーレ地域のサルクベ村付近で、長さ14cm、幅11cmの節足動物のような彫刻が施された岩石が発見された。このペトログリフは、ハンマーや彫刻の技術を用いて作られている。国際的な制裁により、放射性炭素年代測定法を用いてペトログリフの正確な年代を測定することはできないが、年代測定調査では、この地域のペトログリフは4万~4千年前の範囲で作成されたと推定されている。
描かれている生物を特定するために、分類学的な手法を用いた。特に形態学的な特徴を分析し、この地域に分布していることが知られている節足動物やその行動の特徴とペトログリフを比較した。また、このモチーフをイランやその他の国の古代の擬人化された動物像と比較し、類似性の可能性を探った。これらの比較はスケールや回転に依存しない。
成果
検査したペトログリフは、前脚が把持された6本足の生物を表しており、カマキリと同定された。このペトログリフの特徴は、垂直に伸びた大きな三角形の頭部、大きな目、開いた前脚、中間的にループした中脚、湾曲した後脚だ。モチーフは前脚を上げて横に開いているようなので、威嚇するカマキリを描いているのかもしれない。この姿勢は、様々な種のカマキリが種内・種間で遭遇する際によく見られる。
前脚の位置は、カマキリのおどろおどろしいポーズを思い起こさせるが、このような描写は、二次元の岩絵具の制約によるものかもしれない。モチーフの上部の直線的な部分は頭部の伸長を象徴しており、これはいくつかのカマキリの種に匹敵するものだ。イランのカマキリの中でもEmpusa spp.は、Empusiniに典型的な頂点が拡張したモチーフと同様の頭部形状をしているが、同属の異なる種では拡張部分の形や大きさに違いが見られる。イランのテイマーレ地方のような温暖で乾燥した環境に生息しているため、ペトログリフが彫られた当時、同じ生物相がこの地域に存在していた可能性がある。理論的には、大きな"頭部"は、先史時代にこの地域に生息していたが、現在は存在しないアイドロマンティスなどのカマキリ類の大きな前胸部を表していると考えられる。無関係の昆虫であるカマキリモドキも前脚を握っているが、カマキリよりもかなり小さく、頭部の拡張もないので、このモチーフのヒントになったとは考えにくい。
中脚と後脚の特定の形状は、このモチーフの識別プロセスを誤らせる可能性のある欺瞞的な部分である。実際、このモチーフの全体的な外観は、腹部の両側にふたつの点を持つ人間のような姿を示す特定の擬人化と比較することができる。例えば、ペラット Peratt (今回紹介する論文の著者)の図14。考古学者の中には、このモチーフがプラズマ放電によるオーロラ現象、特に"Z-Pinch不安定性"と関連していると考えている人もいる(スコットとペラット2003、ペラット2004)。この擬人化は、アリゾナ州北部、アリゾナ州ツーソン、ニューメキシコ州、アルメニア、スペイン、チロリアン・アルプス、イタリア、アラブ首長国連邦、ガイアナ、ベネズエラなど、いくつかの地域で発見されている(ペラット2003)。また、いくつかの古代の描写では、円形の物体を手に持った人の形を表している。イランのモチーフは、"祈るカマキリ"と"スクワッターマン"を組み合わせたものと思われるので、ここでは"しゃがんだ(スクワットする)カマキリ男"と命名する。
ディスカッション
先史時代のペトログリフを解釈することは困難だが、形態的な類似性と特徴的な形状から、今回のペトログリフはカマキリを象徴していると考えられる。カマキリに似たモチーフは世界中のいくつかの地域で発見されており、中には宇宙人のシンボルと考えられていたものもあるが、人類がカマキリに興味を持ったのは先史時代に遡ることができる。
最初の文明を築いたメソポタミアの人々にとって、カマキリは大きな価値を持っていた。エジプトの『死者の書』では、祈るカマキリは、冥界の小さな神格であり、大神霊の王宮で死者の道を歩むのに同行するガイドであるアビトバード(鳥のハエ、鳥の踊り子)として登場する。また、祈るカマキリには"qdtm"と名付けられた象形文字があった。
問題は、なぜ先史時代の人間が少なくとも4,000年前にカマキリに魅了されたのか、そしてその結果、なぜ彼らは固い岩にそのイメージを引っ掻き始めたのかということである。これは、Lewis-WilliamsとDowson(1988)が、古代のロックアートを幻覚作用のある植物の使用と結びつけて論じた仮説と関係があるのだろうか?
誇張や神秘主義は、イラン内外の多くの先史時代のロック・アートに見られる。カマキリはまた、おそらく先史時代の人間のハンターにインスピレーションを与えるために、その狩猟能力のために描かれたのかもしれない。カマキリは、その迷彩や擬態の能力、獲物を狩って捕らえる技術、奇妙な性行動などで、常に人類を魅了し、怖がらせ、驚愕させてきた。節足動物は、狩猟や家畜など、人間と実際に関係のある大型哺乳類とは異なり、古代のペトログリフに描かれることはほとんどない。
役に立たないが驚異的なカマキリは、古代の宗教や恐怖、憧れの対象としてペトログリフに描かれたのかもしれない。カマキリは古代から超自然的なもの、あるいは"人間の世界と神々の世界"の間にあるものの象徴とされてきた。その例として、アフリカ南部にある先史時代の絵文字には、半身がカマキリの"カマキリ族"を表すものがいくつかある。これらとイランのカマキリのペトログリフは、先史時代にも現在と同様に、カマキリが神秘性と感謝の対象となる動物だったことを物語っている。
──引用終わり
だそうです。こんな感じでカマキリが「人間の世界と神々の世界の間にあるものの象徴」とされ「神秘性と感謝の対象」として学問的に祭り上げられていくのでしょうか? 似たような高尚?な解釈は神話や心理的元型の分野でいくらでも見つかりそうです。宇宙人説もそのひとつかもしれません。もっと言えば、こういう学術的作文で私たちは教育されてきたのかもしれません。
以下はアンソニー・L・ペラット(IEEEフェロー)による『Characteristics for the Occurrence of a High-Current, Z-Pinch Aurora as Recorded in Antiquity』の全訳です。なお、アンダーラインや強調は私が付けたものです。
最初にお断りしておきますが、私は物理学に詳しいというわけではありませんので、間違って訳してしまったところもあるかもしれません。そのうえ、プラズマ宇宙論は参考になるような本も数が限られています。ネット上にも専門用語を含め、一般向けに書かれたような解説記事はほとんどないです。資料としての価値があると判断したので、訳してみました。DeepL翻訳+αですけどね。
実はこの『古代に記録された高電流 Z ピンチ オーロラの発生の特徴』という論文には続きがあります。こちらの方は「I」とされ、続きは「II」となっています。
なお、Zピンチとは磁気ピンチ効果のことで、"ピンチ"とは摘むことです。詳しいことは「ビルケランド電流のモデリング」を参照してください。
古代に記録された高電流Zピンチオーロラの発生の特徴
Characteristics for the Occurrence of a High-Current, Z-Pinch Aurora as Recorded in Antiquity
要旨──新石器時代や初期青銅器時代の物体に大電流Zピンチに関連したパターンが見られることは、人間が作り出した古代のシンボルの起源と意味を解明する可能性を秘めています。
この論文では、大電流のZピンチから得られる図形と放射線のデータを、これらのパターンと直接比較しています。この論文では、主にペトログリフに焦点を当てていますが、それだけではありません。非常に多くの古代のペトログリフが、プラズマの安定性と不安定性のデータによって分類できることがわかりました。
同じ形態のものが世界中で見られることから、この比較は強烈なオーロラの発生を示唆しています。これは、数千年前に太陽風が1〜2桁増加した場合に発生すると考えられます。
Zピンチ:プラズマを流れる電流が周囲に磁場を形成して自己収縮して自発的に高温高密度状態を作り出す物理現象
索引用語─オーロラ、高エネルギー密度プラズマ、磁気流体力学(MHD)不安定性、ペトログリフ、絵文字、ストーンヘンジ、Z-pinch。
I. イントロダクション
1962年7月9日、アメリカは1.4メガトンの熱核爆弾をジョンストン島上空400kmの大気中で爆発させました。このイベントでは、プラズマの電子やイオンが地球の磁場に沿って流れることで、最初は球状だったプラズマが数分で縞模様になり、人工的なオーロラが発生しました。
図1は、KC-135航空機から撮影した爆発3分後の人工オーロラの写真。
図1.スターフィッシュ(ヒトデ)熱核爆発 1962年7月9日、ジョンストン島上空400km。この写真は、開始時刻の3分後にロスアラモス社のKC-135機から撮影されたもの。このプラズマ粒子からは、すでに人工的な筋状のオーロラが形成され、地球の磁場に沿って広がっている。一番上、左端の明るい背景天体はアンタレス星、右端の天体はケンタウルス星。バーストポイントburst pointは、最も低いプラズマ・ストライエーション plasma striationsから3分の2の高さにある。
※ burst point:爆発、破裂点? ストライエーション
striation:平行痕、条痕、筋状痕、線条
人工オーロラと同時に、太平洋上の広い範囲で無線通信の低下、雷の放電、監視衛星の電子機器の破壊、ハワイの一部の電源回路に影響を与える電磁パルスが発生しました。
このイベントは世界中で記録されました。プラズマが地球の周りに少なくとも二つの強烈な赤道管(人工的なバンアレン帯)を形成したからです[1]、[2]。プラズマトロイドと呼ばれるこの筒の中には、磁場に束縛された相対論的な(光速に近い速度で移動する)電子が入っており、強烈な放射光の源となっています。放射能は予想よりもはるかに長く続き、崩壊定数は100日のオーダーでした。
(人類は何世紀にもわたって、知らず知らずのうちに、かに座星雲からの放射光を見てきました。放射光を発生させる唯一のメカニズムは、電子が光速に近い速度で磁場の周りを旋回することだと言われています)
このように、電波、可視光、高周波で記録された現象の形はプラズマのドーナツが地球を囲んでいるような形になり、バンアレン帯を模したものになりました。
図1の人工オーロラにも、不安定性に起因するプラズマ・ストライエーションが見られます。この論文では、実験室でのプラズマ実験やシミュレーション、特に大電流のZピンチ条件での特徴を説明し、オーロラ観測に関連したと思われるペトログリフなどの古代の記述と比較しています。北極や南極の自然オーロラと同様に、流れる荷電粒子電流(ビルケランド電流)はメガアンペアのオーダーです[3]。
II. 強烈なオーロラのダイナミクス
オーロラの形状は、超音速の太陽風、地球の磁気圏シールド(地表から約100kmの高さ)、地球の双極性磁場によって決定されます。
(太陽フラックスの衝突を、涙のような形のシェルに変えてしまうのが磁気圏境界面です。磁気圏境界面の幅は最も広いもので13万~15万km程度、尾は地球から100万km以上離れたところまで伸びています。ちなみに、地球と月の平均距離は384,402 kmです)
円形または楕円形の流入電流と流出電流を図2に示します。
図2. 高緯度での大気の出入りを示すビルケランド電流のイメージ図。かつては激しい論争の対象となったこの電流は、現在の人工衛星では日常的に測定されており、その総量は数百万アンペア(メガアンペア)にも及ぶ。ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所 S.G.スミス氏提供
オーロラは、この電流シートが高速で波打つ光のカーテンを形成しています (図3)。これは、電子が大気上層部の分子と相互作用して励起するためです [4], [5]。オーロラは散発的に発生し、通常は最長でも数時間、時には数日続くこともあります。最も強烈で大きなオーロラが発生するのは、入射光が急激に増加する太陽風の時です[6]。
図3. 左)バイキング衛星が紫外線によって得た地球のオーロラの様子。オーロラ発光は、ほぼ中央に位置する地磁気極を完全に取り囲み、右下に位置する真夜中付近が最も明るくなる。このオーロラリングの直径は5,000km。
右)地球の磁気圏でろ過された太陽風のプラズマが地球上のオーロラの原因となっている。北半球と南半球の極緯度に位置する二つのオーロラアークで発生するこの壮大な現象は、プラズマ電子が地球の磁場に沿ってシート状に流れ落ちることで起こる。この電子のシート、つまり電流がフィラメント化して、高速で波打つ光のカーテンとなるのがオーロラである。これは電子が大気上層部の分子と相互作用して励起するためである。
III. オーロラシートの不安定性
A. オーロラの形態
オーロラのプラズマカラム plasma column は、シートを形成するための相対論的な電子ビームの空洞化と、シートがフィラメント化して個々の電流ストランド(より線)になり、"渦巻き swirls" や “カーテン curtains“の原因となるディオコトロン不安定性という二つのプラズマ不安定性の影響を受けやすい。また、これらの不安定性は、電磁スペクトルの広い範囲で観測される放射線を生成します [9]–[11]。
オーロラサークルの大きさは直径数百キロ、シートの幅は数十キロにもなります。
強烈なプラズマの流入があった場合、オーロラはそれ自身の方位角磁場の強さによって形作られます。つまりZピンチになるのです。
何十メガアンペアもの電流が流れる強いオーロラの場合、ファンネル(じょうご状のもの)のほとんどが発光して見え、個々のフィラメントや渦も強く見えます。狭い視野の中では、発光するフィラメントは"ドット" や “細長いドット"、"フィラメント状のストランド(より線、らせん構造)“のように見えます。この形状は、太陽からの荷電粒子の流出量が1桁以上増加した状態が長期間続いた場合に優勢となります。さらに磁気圏の一部とその尾部も見えています [12]。
図4は、強烈なオーロラ・ファンネルの様子を描いたグラフィックです。薄い外側のプラズマは、小口径のプラズマ流と内側のプラズマシートとコアにフィラメント化しています。漏斗の上部は菱形、斑点、セル状 cellular のいずれかの構造を持ち、漏斗の入口部分は(見上げると)ドットとシリンダーの同心円で構成されています。
この論文では、ファンネルの中ほどから下の部分で発生する不安定性を研究対象とします。
強烈なオーロラの場合、収束フィラメントが点として見えるだけでなく、より高い高度で見える収束フィラメントとつながった点としても見えます。ここでは、オーロラのプラズマシートを、上部の漏斗、または流入領域と下部のプラズマシート、そして固体柱の二つの部分に分けて考えます。
図4. 強烈なオーロラファンネルの描写。図は二枚の同心円状のシートに、下降するビルケランド電流と上昇するビルケランド電流を収めたもの。
左)斜め上から見たところ。
右)側面図。中央下にかろうじて見えるのがZピンチの不安定性。
B. オーロラ・ルミナンス(輝度)
大気中のオーロラの明るさや色は、流入したプラズマからの荷電粒子の励起によってもたらされます。その色は、上層大気の状態や地球上の高さによって異なります。オーロラの多くは、酸素や窒素などの原子のさまざまな脱励起現象によって、緑、赤、青の三色に分かれています。レッドオーロラとグリーンオーロラが重なる場所では、例外的にイエローオーロラが観測されることがあります。最も一般的な緑色は、酸素O(1S)の557.7nmの輝線によるものです[3]。
オーロラの輝度は、1メートル四方で1ステラジアンあたり4.83×10⁻³lmから4.83×10⁻²lmの範囲です。これに対し、満月の輝度は1メートル四方で1ステラジアンあたり6000lm。
今回の観測では、高エネルギーのオーロラを発生させる地磁気嵐は、太陽プラズマ・フラックスから10eV~10KeVの電子を直接注入することに起因すると考えられています。実は、高エネルギー電子の発生源は、必ずしも太陽系である必要はなく、地球にプラズマを流入させる電気的な宇宙現象であれば何でもいいのです。太陽プラズマ、太陽と地球の宇宙プラズマの相互作用、地磁気嵐・サブストーム・オーロラ(オーロラ嵐)、磁気圏・電離圏、宇宙天気のシミュレーションなどの研究の最新情報が掲載されています。
IV. 実験・分析方法
実験データは、さまざまなテラワット級の発電機から得られたもので、大半のデータは筆者がマックスウェル・ラボラトリーズのブラックジャック5型パルスパワー発電機で得たものです。また、米国エネルギー省研究所のロスアラモス国立研究所とサンディア国立研究所のパルスパワー施設からもデータを収集しました [14]。アメリカとロシアの高爆発性発生器 High-explosive generators がデータに追加されました。電流は数百キロアンペアから150MA(メガアンペア)まで、時間スケールは数十ナノ秒からマイクロ秒までです[15], [16]。
ガスパフに高電圧パルスを印加してオーロラのようなプラズマ流入をシミュレートしたり、ワイヤーアレイでフィラメントダイナミクスをシミュレートしたり、入れ子にした円筒形フォイルで形成した同心円状のプラズマシートで高速衝撃波を発生させたりして、プラズマ負荷形状を生成しました[17], [18]。大きさは、直径が数センチ、長さが2~3センチのジオメトリーでした。ワイヤーやフォイルの厚さは通常10〜30μm。
A. 診断
診断機器としては、レーザー影像撮影、シュリーレン写真、レーザーダブルパルスホログラフィー、高速フレーミングカメラ、ストリークカメラ、X線検出器、ボロメーター、軟X線・硬X線ピンホールカメラ、ロゴスキーコイル、波形記録プローブなどがあります。
いくつかの実験では、熱ルミネッセント検出器によって、1~10MeVにわたる光子スペクトル、電子のエネルギースペクトル、制動放射線スペクトル、およびそれらの角度分布が測定されました。
B. 高性能コンピュータによるチャンドラセカール・フェルミ方程式の解法
プラズマコラム(柱)の理論的・計算的解析は、動的安定性の条件に関する基本的なプラズマ定理に基づいて行われます。この定理は、チャンドラセカールとフェルミが磁気流体力学(MHD)で初めて使用し、重力、磁気、運動の圧力で釣り合う宇宙重力質量の動的安定性の条件を確立しました[19]。チャンドラセカールとフェルミが検討した基本的な形状は、Shafranovと同様に円筒形でしたが、Shafranovはこの定理の使用を拡張して、電流を流すプラズマコラムの平衡条件を調べました[20]。ペラット、グリーン、ニールセンは、三次元相対論的粒子コードを用いて、低電流および高電流のプラズマ列に対して計算のベンチマークを行いました[21], [22]。(セクションXVIIIも参照)
コンピュータコードの検証と妥当性確認は必須です[23]。すべてのシミュレーションは、高エネルギー密度のデータとベンチマークされています。同様に、実験データもシミュレーションとベンチマークして、カラムの進化を理解しています。
V. 大電流Zピンチ Z-Pinch の進化
ピンチコラムが形成されてから最終的に壊れるまでの全体的な時間の流れは、いくつかの関心事となっています。この進化は、セルシミュレーションコードTRISTAN [8], [24]を用いて三次元的、電磁的、相対論的な粒子で研究されています。このテーマに関する他の作品は、文献[25]-[28]にあります。これらのデータを総合すると、図4に示したように、流入したプラズマが縞模様やパターン化されたプラズマ柱に収束していく様子が浮かび上がってきます(図5)。
図5. 導電性プラズマ柱の円錐形の流入部。流れは上から下に向かっており、柱の本体には縞模様があり、中央上部にはプラズマ現象の始まりがある。この実験写真は、5MV、3MAのプラズマに関するもの。
A. 固体プラズマ列の不安定性
図4の中央(あるいは図5の下段)のような固体のプラズマ柱には、m=0(ソーセージ)とm=1(ヘリックス)の二種類の不安定性があり、mはアジマス方向の変動数であるexp(m?) [8], [20]-[23]です。m=1(ヘリックス)は、実験室と宇宙空間の両方のプラズマでよく見られる不安定性で、カラムの軸方向に磁場があらかじめ存在している場合に発生します。(プラズマでは、わずかに垂直成分を含む円形の磁場が発生し、それが急速に螺旋の発生に必要な軸方向の磁場に発展することは珍しくない)。
図6は、両ケースの例をそれぞれ示しています。左から順に、1.3MAのプラズマ、5nsの3cm長の2MAのプラズマ、そして約10km長のミリ秒の150ミリアンペアのビーム。いずれの場合も、電流を増加させると、らせんの直径が小さくなる。
図6. 実験室と宇宙での螺旋状の不安定さ。
左)1.3-MAプラズマカラム。
中)2MAを伝導するセンチメーター長のプラズマカラム。フレーミングカメラの画像、5ns(50億分の1秒)。
右)地球上の約100km上空で注入された10km、150mAの電子流。
B. 円柱 Column の構成
Zピンチの形態は、Ortiz-TapiaとKubesが議論したように、外側の球状プラズマエンベロープと内側のトロイドからなる自己組織化構造です[29]、[30]。
一般的に、強烈なオーロラのような数メガボルト、数メガアンペアの強い放電では、球状の九つの明確なピンチが形成されます。9個のスフェロイド spheroids(回転楕円体)の理論的根拠は知られていませんが、実験家は"8個から10個の間"と答えることが多いようです。
図7では、下の二つは記録時にカットされています。これらのスフェロイド(プラスモイド)は、外側のスフェロイド状のプラズマエンベロープと内側のトロイドから構成されており、その中の磁場と電流の両方を規定しています[8]。
1) スフェロイド:図7のフレームは、スフェロイドの外側の等方性を描いたもので、中心の可視コアを含むものもあります(中心のプラズマコアはシミュレーションでは描かれていません)。
左の写真はX線写真で、右の写真はコンピューターによるシミュレーションです。一般的には、一度に1,2,3個のプラスモイドが見えるが、8個のプラスモイドが見えることもあります。また、最上部のスフェロイドが切り落とされていたり、修正されていたりすることも珍しくありません。
図7. プラズマピンチで作られた外側のスフェロイド。
左上)実験、初期の頃の様子
左下)後の時間。
右)MHDスーパーコンピュータによる Chandraskhar-Fermi 方程式のグラフィカルな解法。
2)内部トロイド:内部のプラズマトロイドから強い光、放射光、X線などが記録されます。基本的な形状を図8に示します。(a)は基本的な形状、(b)はセンチメートルサイズの1.3MAピンチのフレーミングカメラ写真[29]、(c)はセンチメートルサイズの 6MAピンチ、(d)は光学的に高密度な(最も明るい)プラズマを示したセンチメートルサイズの 6MAピンチです。最も密度の高いプラズマが、上部の特徴、トロイドの側面、そして下方に向かって柱から離れていく下部のベースを形成していることに注目してください。
VI. プラズマコラム・トロイド(環状体)の進化
図8に示したスタックのトロイドにかかる電磁力は、ペアの場合、長距離引力、短距離反発、フォースフリー(合体)のいずれかとなります[31]-[33]。
図8. マルチメガアンペアのプラズマカラム plasma column で生成されたスフェロイドのスタック内の内側のトロイド。
(a) 基本的な幾何学模様
(b) センチサイズの1.3MAピンチ。
(c) センチサイズの6-MAピンチ。
(d) 光学的に高密度な(最も明るい)プラズマを示したセンチメーターサイズの6-MAピンチ。
しかし、スタックでは、反発力と吸引力により、上下のトロイド以外は平らになる傾向があります。これは、図9の左側に示されています。
図9. 左)マルチメガアンペアの導電性プラズマトロイドのスタックが平らになる様子をシミュレーションした図。この電流により、トロイドは中央部では平らになり、両端部では図のように反り返って折りたたまれるようになる。
右)直径4cmのL6-MA pinched plasmaのX線写真。※ l6-MA pinched plasma l6ではなく16の間違い?
上) 6.5秒後のプラズマの正弦波ピンチ摂動。
下)9.5秒後に最初の波紋から扁平なトロイドが形成される様子。
一番下の数字の段は、切り落とされているように見えるが、自然な形である(ロスアラモスのプラズマ物理学、P-24)
図9の右側に、ピンチドプラズマのX線写真を示します。上のX線写真は、初期の段階で正弦波状のピンチパーターベーションを受けたプラズマ柱です。下側のX線写真では、これらの波紋が強烈な自己磁力によって急速に内側に収束し、平らなトロイドになったことがわかります。
図9のX線写真は、カラム形成後 6.5μsと9.5μsにX線領域で測定された連続写真です。直径4cmのカラムに流れる総電流は16MA。写真では下のトロイドがカットされているように見えますが、これは実際に手を加えていないレントゲン写真です。
この実験データセットは、Z-pinch(ピンチ)の完全なタイムモーションシーケンスです。厳選されたX線撮影フレームとシミュレーショングラフが図10にまとめられていますが、後者は高度に非線形な不安定段階にあるマルチメガアンペア・スタックのトロイドのタイムシーケンスです。時間は左から右へ、上から下へと進みます。現在示されている導電性プラズマ柱は、外表面のピンチリップルが四角く折り畳まれたり、反り返ったトロイドに崩壊した、以前の非線形段階から始まっています。
時間1に示すように、トロイドの最大数は、初期の外側のスフェロイドのエンベロープのもので9個です。しかし、電流が増加すると、トロイドは自己および隣接するトロイドから強い圧力を受け、トロイドは劇的に変形します。図のデータでは、一番上のトロイドが電球のように折りたたまれています。
時間2では、図9右下のようなすべてのトロイドがフラットになっていることがわかります。電流が増加すると、トロイドは激しく反り返り、その端には明確な渦巻きが発生します。これらの端の渦は、螺旋状に巻きつきます。場合によっては、平らなトロイドのように、平らな、あるいは四角い折り方をすることもあります。エッジは電流の流れに合わせて、内側と外側、上と下にカールしています。場合によっては、中央のフレームのように、キノコのような構造になる場合もあります(時間3)。その後、電流が増加すると、時間4のようにセンターのトロイドが合体して数が減ります。中心となるトロイダルは、筒状、平板状、球状のいずれかです。また、時間4は、観測された形態に対する輝度の影響を示しています。
VII. 超高層大気中のオーロラショックとプラズマシートの衝突による流体力学的衝撃波パターン
オーロラの電気回路は、宇宙のプラズマ回路の中でも最もよく知られているものです[34]、[35]。これは、磁気圏と電離圏における多数の測定結果から得られたものです。下層大気の上、約100kmの地点では、複数のプラズマ層が電離層を形成しています。オーロラは、主に約90〜150kmの電離層下部で、電子が大気上層部の分子と相互作用して励起することにより発生します。北半球に住む先史時代の人々は、その模様を戦闘時のヤギの角の突き合わせになぞらえていました[3]。
流入電流は相対論的(光速に近い速度の粒子)で散発的に発生し、大電流プラズマ列の界面で高いマッハ数の衝撃を発生させます(図4)。垂直方向の粒子の流れに加えて、外殻が内殻に衝突することで生じる衝撃面現象があり、外殻が主プラズマ柱で滞留する際には非常に強いオーロラが発生します。
初期の段階では、Zel’dovichとRazier[36]が説明したように、衝撃による不安定性の影響を受けやすい、いくつかの非乱流表面が存在しています。例えば、図4の外筒の表面は、プラズマで圧縮されて内側への加速が止まった内筒の表面に最終的にぶつかります。
図10. 非線形性の高い不安定な段階にあるマルチメガアンペアのトロイドスタックのX線撮影によるタイムシーケンス。このシーケンスは、外表面のピンチリップルが四角く折り畳まれ、反り返ったトロイドに崩壊した以前の非線形段階から始まります。厳選されたレーザーシャドウグラフshadographsとシュリーレン写真から得られた数値。時間は左から右へ、上から下へと進む。※shadowgraph:影像?
また、衝撃不安定性の影響を受けやすい平面には大気上層部の層があります。今日、オーロラカーテンや不安定性を観測しているのは、この層であり、オーロラ柱に沿って移動する散発的な高強度の電気パルスによるものです。
ガスやプラズマの平面的な界面(境界面)では、衝撃パルスによって、プラズマ柱の不安定性とは異なる一連の流体力学的不安定性が発生します。流体力学では、BudzinskiiとBenjaminが記録した Richtmeyer-Meshkov不安定性です[37]。
最初は密度の高い層にパルス的な刺激を与えると、層が波打つようになり、それが急速に発展して周期的に配置されたスパイクのような特徴になります。これらの特徴(スパイク)は、図11の一番上のフレームに示されているように、マッハ1.2のパルスで衝撃を受けた電離層の時間発展を実験室でシミュレーションしたものです(左から右へ、上から下へと時間が増加していきます)[38]。
図11. マッハ1.2のパルスで衝撃を受けた電離層の時間変化。左から右へ、上から下へと時間が進んでいく。(RAGE計算、R.Weaver、ロスアラモス国立研究所)
このように、衝撃的なインパルスによって、さらに多くの不安定なスパイクが発生し、それがさらに複雑な不安定な形状に変化していきます。最中心部の特徴である衝撃の衝突点は、最初のスパイク形状から大きく変化し、高速の不安定成長に関連した三倍の形態になっています[39]。
VIII. 強烈なオーロラ電流に伴う放電
A. ライトニング(雷光)
強力な放電は、強烈な荷電粒子の流入を伴います。これは、大気中の放電に関連して最もよく見られる稲妻で、その曲がりくねった部分は、空に見られるギザギザで複雑な光のストロークであり、衝撃波の音を伴います。
B. ヘテロマック
Heteromacs
ほぼ閉じたヘリカルフィラメント状マグネトプラズマ構成(ヘテロマックと呼びます)
ロシア、モスクワのクルチャトフ研究所の Kukushkin と Rantsev-Kartinov は、プラズマピンチの実験データのフラクタル次元解析から、電流を流すプラズマはランダムなフラクタル媒体であることを発見しました。この媒体の基本的な構成要素は、Kukushkin と Rantsev-Kartinov によって、ヘテロマックと呼ばれるほぼ閉じた螺旋状のフィラメント状のプラズマ構成であると同定されました[40]。
ヘテロマック(図12)は、長距離の自立したフィラメンテーションによって結合されているため、散逸を伴う動的なパーコレーションネットワークを形成しています。ヘテロマックは、パターンをランダムに小さくしていくことを繰り返す傾向があります。ヘテロマックの傾向としては、ランダムなフラクタル、自己反復、オーバーレイのパターンでプラズマを表示します。
図12. ヘテロマック Heteromacの構成 [40]。
IX. ペトログリフ
岩に絵を彫るペトログリフは、何千年とは言わないまでも、何世紀にもわたって歴史家、考古学者、人類学者、シャーマン、宗教的カルト、さらには一部の天文学者を当惑させ、刺激してきました[41]。南極大陸を除くすべての大陸に存在します。傷だけのものもあれば、数センチの深さまで削られたものもあります。
ペトログリフ、"岩絵"は、更新世や旧石器時代にさかのぼると考えられており、人間が岩に描いた最初の印です。ペトログリフの年代測定は、それを研究したり記録したりするすべての人にとって最優先事項ですが、コロンブス以前のペトログリフに絶対的な年代を付けるというコンセンサスはありません。
風雨にさらされる環境が違えば、耐久性も異なります。岩の風格(古つや)や砂漠のニス(マンガン、酸化鉄、粘土鉱物の自然なコーティング)の色調、また、地衣類の成長も見られます。ニューメキシコ州サンタフェ近郊のグロリエタ・メサとロウ・メサの水平ペトログリフ遺跡が1メートル下の土中から発見されたことは、いくつかのペトログリフの年代を最もよく表しているかもしれません。
ペトログリフの上、数センチのところに焚き火の跡があり、少なくとも4000年前のものと思われます。この論文では、紀元前10,000年から2,000年の間に作られたと考えられるペトログリフに限定して研究を進めることにします[41]。
フォン・フンボルト A. von Humboldt は、ペトログリフに込められた情報の社会的重要性をいち早く認識しました。1799年から1800年にかけて、ベネズエラのオリノコ川とアマゾン流域のリオ・ネグロを結ぶ自然の運河、カシキアーレの水路異常を調査していたフォン・フンボルトは、断崖絶壁の高い位置にあるペトログリフを観察し、コロンブス以前の文明は原始的なものではなく、南米のかつての高等社会の名残であると提唱しました[42]、[43]。
フンボルトが南・中米、ロシア、中国を探検したのと同時に、ルイス・クラーク探検隊はアメリカ北西部の園芸学、地質学、人類学、地理学的な調査結果を詳細に報告しました。1806年4月23日、ルイスとクラークは、コロンビア川の東側のフォー・オクロック・ラピッズと西側のジョン・デイ・バーの間、ヒエログリフィック・ロックスと名付けられた場所の近くにキャンプ地を作りました。ウィルクスによれば「彼らの野営地から8マイルのところに、ヒエログリフの岩があった。この岩は高さが約20フィートあり、そこにはかつての部族の行動が記録されていると思われる」[44]。
それから約100年後、G.マロリー大佐は1882年から1883年にかけて『北米インディアンの絵文字、予備的論文』と題した報告書の中で、ペトログリフについてかなり異なる意見を述べています[45]。実際、彼の後の作品のタイトルはあまりにも控えめです。"北アメリカ・インディアンの絵文字"は、おそらく世界で最も包括的なペトログリフの研究対象です。
マロリーの仕事の範囲は他に類を見ないが、現象の解釈は、1880年代後半のアメリカ西部の"インディアン"などの"原始人"に対する認識と全く一致しています。例えば、マロリーはこの作品の序文で、F・ベーコン卿の言葉を引用して「絵はダム dumb(頭の悪い、ばかな、あほな、間抜けな)・ヒストリーである」と言っています。
マロリーは、ペトログリフに様々な意味を持たせ、当時の西部開拓者やネイティブ・アメリカンの信念に合致するようにしました。しかし、マロリーのペトログリフは心の中の思考であるという解釈は、今でも私たちの心に残っている概念です。
この概念をペトログリフに当てはめることへの不安は、彼の発言によく表れていると思います。
「いくつかのペトログリフの驚くべき高さは、評判の良い著者や未開人を惑わせた。ペトログリフは、高度な文明の利器と多額の費用、そして卓越した技術がなければ制作できないと思われる高さや条件の岩肌に、頻繁に出現する」
したがって、フンボルトと同様に、マロリーもおそらく無意識のうちに、ペトログリフは原始的な儀式のためのスクラッチではないという考えに同意しているのです[43]。
X. ペトログリフのデータ
この論文で紹介されているデータは、数万枚のペトログリフのデジタル写真を含むデータバンクから取得したもので、その多くは GPSによる経度・緯度の位置と、最も可能性の高い視野に対する向きが記載されています。アメリカの南西部と北西部では、物理学者、地球物理学者、土地管理局の職員、学生、ペトログリフ遺跡の管理人からなる二つのチームがデータを取得しました。米国エネルギー省と米国国防総省の両方から許可を得て、1943年以降アクセスできなくなったペトログリフ遺跡を撮影しました。
ニューメキシコ州、テキサス州、カリフォルニア州、ユタ州、アリゾナ州、ネバダ州、コロラド州、オレゴン州、アイダホ州、ワシントン州、カナダのブリティッシュ・コロンビア州で、ペトログリフを直接デジタルで記録し、地形や視野を記録するとともに、全地球測位衛星による測定を行いました。また、米国中西部および北東部のペトログリフが豊富な既知のサイトのデータも、Loring and Loring、Thiel、Schaafsma、Younkin [47]-[50]のデータと同様に含まれています。
その方法とは、最もありそうな(確からしい)視界、居住した位置、地形や局所的な障害物、アーティストが入手できるシェルターの程度を決定することでした。その中でも特に注目されたのは、作業量が多く、深く彫られたものや精密に描かれたペトログリフ(彫った後に磨いて描いたものもある)です。
また、ペトログリフのパネルを部分的に覆っている巨大な岩や、風雨によってパネルの表面が部分的に裂けているパネル、岩自体が割れてペトログリフが裂けている岩などの地滑りも見られました。居住地へのアクセス、ペトログリフへの全体的なアクセスの良し悪しで調査が完了しました。
世界的に見ても、ほとんどのデジタルペトログリフのデータは、以下の場所や国、およびそれらに隣接する地域から取得されています。
アフリカ、アルゼンチン、アリゾナ、アルメニア、アフガニスタン、オーストラリア、アゼルバイジャン ボリビア、ボルネオ島、ブラジル、カリフォルニア、カナダ、カナリア諸島、中米、中央アジア、チリ、中国、コロラド、コロンビア ドミニカ共和国、イースター島、エクアドル、エジプト、イギリス、エチオピア、フランス、ドイツ、ジブラルタル、ギリシャ、ギアナ、ハワイ、アイダホ、インド、インドネシア、イラク、アイルランド、イスラエル、イタリア、カシミール、韓国、マルタ、メキシコ、マケドニア、マルタ、ミネソタ、ミシシッピ・バレー、モロッコ、ナミビア、ネバダ、ニューカレドニア、ニューギニア、ニューメキシコ、ニカラグア、ノルウェー、沖縄、オクラホマ、オレゴン、パキスタン、パナマ、パラグアイ、ペンシルバニア、ペルー、ポルトガル、ロシア、スコットランド、シベリア、南アフリカ、スペイン、スリランカ、スウェーデン、スイス、タヒチ、チベット、アラブ首長国連邦、ウルグアイ、ユタ、ウズベキスタン、ベネズエラ、ワシントン州、イエメン。
これらのデータのほとんどは、これらの地域に住んでいるか、またはこれらの地域からの材料のコレクションを持っている個人によって提供されたものです[51], [52]。
最後に、データは形態ごとに分類され、スキャンした地形図を3Dコンピュータで再現してプロットしました。この調査の結果、ペトログリフの種類に応じて、アーティストの最もありそうな視界(最も可能性の高い視野?)が判明し、ドローイングに固有のゆがみ(ひずみ)をマッピングすることができました。データによると、ペトログリフは世界的に見ても、形態的に見ても方位配列を持っており、宇宙のプラズマ現象を再現したものであることがわかります。これらの結果は別のレポートで紹介します。
XI. ペトログリフに込められたデータ
ペトログリフとは、岩石の表面を削ったり、つついたりして、その下にある表面を露出させることで作られた絵のことです。ほとんどの岩石の表面は、化学組成に関係なく、パティナ(さび、古つや)やワニスと呼ばれる薄い層で覆われています。このパティナは、岩石が風雨にさらされることによって自然に作られます。
雨や雪、太陽の光、ガンマ線などの銀河系外の放射線は、岩石の表面で塩分や鉱物、さらには岩石の結晶構造と相互に作用し、粘土鉱物やマンガン、鉄の酸化物が自然にコーティングされて、岩石の外側が薄く黒くなっていきます。
先史時代の人間は、ペトログリフの形を作成するために、刻み(彫り)、つついてパティナを取り除き、元の石の表面を露出させました。ペトログリフの記録には、火山性の玄武岩流から生成された岩石パネルが好まれます。しかし、それ以外の素材の彫刻も使われていました。頻繁に行われた記録方法は、尖った石で引っ掻いて模様を作る「スクラッチ・ペトログリフ」でした[50]。
今回、ペトログリフと同じカテゴリーに分類されているピクトグラフは、岩に彫るのではなく、絵の具を使って作られています。その他の古代からの物体:彫像、陶器、構造物などもこのカテゴリーに入ります。その定義については、次の論文で紹介します。
単一のペトログリフが見つかることもありますが、ペトログリフはほとんどの場合、数百から数千の選ばれた場所でグループ化されて見つかります(図13)。
図13. ペトログリフ・パネル、アメリカ・アリゾナ州
時には、同じ岩盤面が二回も三回も上書きされていることもあります。このような遺跡の外観は、粗雑に描かれた動物や人間、認識できない擬人化された形態、抽象的なパターンや象徴(記号)がランダムに混ざり合ったものです。(ペトログリフの"豊富な隠匿場所 rich cache“は、何百、何千もの図形で構成されています)
ペトログリフは、アクセスしやすい場所にあることもあれば、断崖絶壁にあることもあり、開けた場所にあることもあれば、隙間にあることもあります。一般的には、ひとつのペトログリフを発見すると、数十から数百のペトログリフをすぐに見つけることができます。
この論文では、ペトログリフが厳しい場所や特殊な場所に彫られている理由として、地球の磁極への見通しや地表の高伝導地帯など、よりアクセスしやすい場所に同じように満足のいく岩石がある場合には、その理由を提案します。これらは、今日の強烈なオーロラの基準である磁極での出現と、それに伴うアラスカの石油パイプラインのような伝導路への電気的ダメージです[6]。
ペトログリフに共通するイメージは、稲妻のような放電図形です。
XII. 激しいオーロラとペトログリフの関連性
オーロラの研究は、宇宙からの粒子の流入と、それが地球の宇宙やプラズマ環境、上層大気に及ぼす影響について、できるだけ多くの情報を集めることにあります。このように、オーロラは、プラズマ物理学にとって重要なさまざまなプロセスの研究を向上させる刺激となります。
しかし、本稿の目的はそのどちらでもなく、人類の先史時代に、高エネルギー密度の現象の記録(中にはここ数年まで実験的に記録されていなかったものもある)が、どのようにして正確かつ体系的に、そして明らかに時間的に信頼できる方法で岩に刻まれたのかを説明することです。
ペトログリフでは,84種類の高エネルギー密度のZピンチが確認されていますが,そのほとんどがアーカイック(古代の)[50]クラスに属しています。これらのペトログリフ、またはペトログリフのパターンの一部が、これらのカテゴリーのいずれにも当てはまらないものはごく一部です。
図14は、世界中で発見されたペトログリフのひとつのカテゴリー、すなわち、腹部の両側に点がある擬人化された男性の例を10個示しています。ロックアートコレクターの間では"スクワッター squatter(スクワットする人)“と呼ばれている、横の点があってもなくても、擬人化された人間があちこちに記録されています。
図13のような大きな岩のパネルでは、ペトログリフが重なっている部分は、ヘテロマック heteromacs(異なる男?)と呼ばれる、さらに小さな人物が、内部や近くにくっついているものが多いです。空に表示される形状がおそらく10年単位で変化していくと、その変化を表現するために別の上書き overlays が追加されています。このように、ペトログリフの形態を関連付けることで、彫刻から放電の進化のエポックを抽出することができます。
図14. “スクワッター"と名付けられたペトログリフの擬人化されたスタイル。ここに掲載されているのは、中央部の両側にふたつのドットがある、より希少な"ダブルドット"と呼ばれるスクワッターのイラストです。
左から右へ、上から下へ:北アリゾナ、アルメニア、ギアナ、ニューメキシコ、スペイン、アリゾナ州ツーソン、チロリアン・アルプス、イタリア、アラブ首長国連邦、ベネズエラ。
ヘテロマック・フォーマットで描かれたペトログリフのごく一部を図15に示します。
図15. ヘテロマック・スタイルのペトログリフ(一部抜粋)
A. プラズマ現象と様々なペトログリフの形態の直接比較
図16は、ペトログリフの画像と、プラズマピンチの実験およびコンピューターによる記録を比較したものです。左のフレームはピンチのX線写真、中央のフレームはプラズマピンチの高精度コンピュータシミュレーション、右の画像はこの形態に典型的なペトログリフを選んだものです。
図16. プラズマカラムのピンチ不安定特性。
左)初期のプラズマ光写真。
中)Chandasekhar-Fermi 方程式のグラフィカルな解法。
右)ペトログリフ。
そのパターンは世界各地で見られる。
目視では、中央のプラズモイドのスタック、またはその一部は、観察者の位置と、円柱に沿って伝搬する電流パルスの持続時間と位置の両方に依存して観察できます。ある種の形態のペトログリフを制作するのに必要な時間と、場所が急峻であることから、ペトログリフは日中、おそらく薄明かりや夜明けの時間帯に制作されたと結論づけています。これにより、オーロラのプラズマ現象を見るために必要な輝度を推定することができます。
1)スフェロイド(回転楕円体):図16のペトログリフは、スフェロイドの外側のアイソフォト isophote(等輝度線)を正確に描いており、中には中央の可視コアを含むものもあります(中央のプラズマコアはシミュレーションでは描かれていません)。一般的には、一度に1,2,3個のプラスモイドが見えますが、8個のプラスモイドが見えることもあります。また、最上部のスフェロイドが切り落とされていたり、修正されていたりすることも珍しくありません。
2) 内側のトロイドとその周辺の特徴:外側のスフェロイドシェルよりも印象的なのは、図17に示した内側のプラズマトロイドからの強烈な光放射でしょう。
図17. 大電流プラズマカラムで生成された9個のプラスモイドのスタックの概念的な形状。
左)ピンチされたプラズマ柱に沿ってトロイドを積み重ねた場合の実験データと概念図。
右)トロイドを積み上げたペトログリフ。
2列目のドットの数は9個で、これは一般的にプラズマピンチで生成されるトロイドの数と同じです。
図17の右にあるペトログリフは、円形のスタックstack(積み重ね、列)でよく見られる典型的なものです。このペトログリフのひとつは9つのトロイドすべてからの光放射を捉えています。
真ん中のアイソフォトでは、より詳細な情報が得られます。また、人工的に着色したアイソフォトでは、"鼻" や “眉毛"など、全く予想外の特徴が現れました。これらの特徴は、図18のいわゆるペトログリフの"アイマスク"と、図19の"フェイスマスク"に示されています。
図18. アイマスク、ノーズマスク
左)Chandrasekhar-Fermi 方程式のグラフィカルな解法の一部からのアイソフォト(等輝度線)
右)アイマスクと目立つ鼻のペトログリフ。
図19. 地球上の様々な場所で採取されたフェイスマスク。左上の図は、Chandrasekhar-Fermi 方程式のグラフィカルな解法の一部。
セパラトリックスSeparatrix(区分線)の “X"ポイント:かなりの数のペトログリフが、プラスモイドの間のセパラトリックスのパターンをかなり高い忠実度で捉えています(図20)。(この"文字のような"Xセパラトリックスは、はっきりとした円で囲まれた四角い十字架のペトログリフと混同してはいけない)
図20. クリスクロス(十字交差)を合体させるセパラトリックスseparatrixの磁場。#separatrix:区分線、《数学》分割記号
左)Chandrasekhar-Fermi 方程式のグラフィカルな解法の一部分。
右)ペトログリフのクリスクロスの分類。
図21は、プラズマカラムの Chandrasekhar-Fermi 方程式から数値化した、X型セパラトリックスを含む完全なパターンを示しています。共通のロックアートのテーマを守る文化の多様性は、セパラトリックスのパターンに現れています。
図21. 地球上の様々な場所で採取されたセパラトリックス・パターン。左上の図は、Chandrasekhar-Fermi 方程式のグラフ解の一部。
XIII. プラズマトロイドの円柱状スタック COLUMNAR STACK の進化
※ COLUMNAR:円柱(状)、 STACK:積み重ね、列
図9の右側の実験画像は、ロックアートの用語でいうと、"キャタピラ caterpillar " と “ラダー ladder(ハシゴ)" にあたります。これらを図22に再掲します。ここでは、電流を増加させるロングカレントパルス(電流パルス)の立ち上がり部分に対応するシーケンス(順序、配列)を示しています。
図22. (a), (b) マルチメガアンペア電流を流すプラズマトロイドのスタックの概念的な配列。電流は左から右に向かって増加しているため(b)のようにトロイドは中央では平らになり、両端では反りや折れが生じている。
(c) 初期のプラズマ正弦波ピンチ摂動。
(d) TPSO 136 2 後期の16MA電流によるプラズマラダー。
対応するペトログリフのアナロジーを右端に示す。
A. “キャタピラ(イモムシ)" と “ラダー(ハシゴ)“
図22は、実験で再現された概念的な形状を示しています。内側のトロイドは平らになり、一番上のトロイドは花びらが閉じるように内側に折りたたまれて、楕円形の物体になっています。上から二番目のトロイドも、上に向かって折り畳まれ始めています。また、電流の増加により、扁平なトロイドの反りが始まり、円錐形のトロイドが形成されています。
図.22(c)と(d)は、実験用プラズマのX線写真です。右端には、類似したペトログリフの記録としてよく知られているキャタピラーとラダーが描かれています。
図23~25は、世界中で発見されたキャタピラとラダーのカテゴリーのペトログリフのコレクションです。キャタピラとラダーが関連して発見されるのは意味があります。
図23. キャタピラーカテゴリーのペトログリフのコレクション
図24. 左)プラズマの不安定性を示すレーザーシャドウグラム shadowgram。#shadowgram:? -gram:連結、書かれた物
(a) 扁平なトロイドのスタック(積層)
(b) 後の時間のシャドウグラム。平らになったトロイドの先端が丸まって渦を形成し始めている。
右)ラダーカテゴリーのペトログリフのコレクション。
図25. ラダーカテゴリーのペトログリフのコレクション(続き)。
トロイドスタックが球状と平板状の両方のトロイドで構成されている場合、光放射はプラズマの密度が最も高い場所、つまりトロイドの端に近い場所で最も明るくなります。これは、あまり知られていませんが、"ピペット pipette “と呼ばれる一般的なペトログリフにつながります(図26)。
図26に示したピペットには、いずれも左右対称の"目"がついています。しかし、多くのペトログリフでは、ホットスポットや"目"のようなものはなく、単にピペットの輪郭が描かれています。
図26. 左)隣接するトロイドから強い圧力を受け始めたトロイドのスタックの形態と放射特性。
右)ピペットのペトログリフ。
図27は、図10で説明したこれらの非線形柱状の不安定な形態を、実験とペトログリフによる表現を示しています。ペトログリフの彫刻家は、実験室で見られたZピンチ不安定性のすべての段階を捉えることができました。これらの相(段階)には、梯子状のものや密閉された楕円状の最上部のトロイドがあります。隣接するトロイドの電流の影響を受けていない底面の球状トロイドの目を示すものもあります。
図27のペトログリフに描かれている最も重要な特徴は、平らなトロイドの端がカールしていることです。この特徴は十分に正確であるため、カーリングの時間動作描写を作成して、実験的なものと直接比較することができます。このように、ペトログリフを実験室のデータと比較した場合、カールや折りたたみの進行は時間情報を提供します。
[タイムスケールは別紙に記載します]
図27. 左)大電流を流すトロイダル・スタックの概念的な形状と実験的なレーザー影像。
B. 渦 vortex(ボルテックス)
電流が大きくなると、"はしごの段"が丸くなり渦が発生します。さらに強い電流を流すと、図28のようにトロイド自体が巻き上がります。
図28は、文化的な影響を受けた解釈にもかかわらず、ペトログリフが正確に彫られていたことを示す初めての直接的な証拠です。実験室の写真と同じように、梯子の脚(積層された中電流トロイド)が折れたり曲がったりしているのがわかります。プラズマ不安定性の形態に対応したペトログリフの微妙な変化は、適切な順序でトロイド型の混成も含めて、正確に再現されています。
いずれの場合も、放電の終着点である最上部のトロイドがペトログリフの最上部にあり、いわゆるサソリのペトログリフで連想されるピンチャー(つまむ)型の形状から、最上部のトロイドが折り畳まれて閉じていくことで、折り畳まれた花びらのような形状に変化していることがわかります。
また、柱の真ん中で平らになったトロイダルがわずかに上向きに曲がる様子や、トロイダルの端で最終的にカールする様子、正方形に近い渦が折りたたまれて結び目になる様子なども正確に表現されています。
これらのMHD(磁気流体力学)不安定性の精度は、ペトログリフ彫刻家にとっては、特定の形態のものがかなりの時間見えていたことを示唆しています。
図28. 左)レーザーで裏面照射したプラズマピンチ。この写真は、底部の平らになったトロイドのエッジのカールを浮き立たせるために、デジタル的に層状化されている。陰極は一番上にあります。
右)不安定性の梯子状の段階からトロイド渦への移行を示すペトログリフのサンプル集。(左から右へ、上から下へ)ここに掲載されている例は、世界のいくつかの地域から集められたものです。
C. 強烈な電流渦の変形
流れの立ち上がりに沿ってさらに進むと、渦は様々なカップ状や円錐状に変化します。
図29は、この現象を実験とペトログリフで記録したものです。ペトログリフでは、下向きの形をしたカップ型の人物、つまり"キノコ mushroom “が共通のテーマとなっています。左側のフレームはX線写真またはX線写真由来のデータで、右側のフレームはペトログリフです。
図29. 左)サブおよびマルチメガアンペアのピンチド・プラズマカラムにおける渦の形成。
右)ペトログリフ。
XIV. 基本的なプラズマ不安定性の普遍性
もし、強烈なオーロラが夜空に見られる異常な明るい物体の原因だとしたら、そのような物体は世界中で観測されているはずです。何が観測されるかは、オーロラ・ファンネル(図4)と電流を流す磁気圏尾部のいくつかの物理的特性に依存します。それらは不安定現象を引き起こす電流の強さ、オーロラ・プラズマ柱内の散発的な電流パルスの強さと持続時間、非アジマス(方位)対称な運動をしているプラズマ柱の向きなどを含みます。
これまでの図では万遍なく見られるように見えていましたが、地球上での観測者の位置や、現在のオーロラのように円柱全体が見えたり照らされたりしているのか、一部が見えているのかによって、何が見えるのかが変わってきます。
図30は、フィールドでよく遭遇するペトログリフのひとつ、"スクワッター squatter “を集めたものです。一般的には、しゃがんだような脚と、上を向いた腕、下を向いた腕、あるいはそれらが混在した人間の姿、あるいは擬人化と解釈されています。このひとつの形態が、現代では人間や擬人化を表すものと解釈されているのは残念なことです。
そのようなわけで、よりエキゾチックでリアルなペトログリフの形が好まれ、一般的には無視(気付かないふりをする)されています。そのためか、ペトログリフは「間抜けな(頭の悪い、ばかな、あほな、常識のない)歴史 dumb history」と捉えられてきました。
実際には、図30に示した形状は、数年前には知られていなかったような高エネルギー放出に伴う現象を忠実に再現しています。また、図30は、この基本的な形状が、他のペトログリフに見られる文化的な偏りや装飾とは無関係に記録されていることを示しています。
図30に示した擬人化には、いくつかのバリエーションがあります。
描写された基本的なスクワッター、中央部に棒や腹があるスクワッター、中央部の両側にひとつまたはふたつのドットがあるスクワッター、耳が伸びたように描かれていることが多く擬人化された頭の周りにふたつのドットがあるスクワッター、そして基本的な形を爬虫類などに拡張したものです。四肢は上を向いたり、下を向いたり、混在したり、時には三本の指や足指を見せることもあります。
岩に彫られたり、突かれたり、引っ掻かれたりして、この姿がどのくらいの頻度で出現するのか、おそらく推定することはできないでしょう。計り知れないほどの数で存在していたのかもしれません。このセクションの残りの部分では、基本的な形状に関連するバリエーションと、なぜこれが基本的な不安定形状なのかを調べます。
図30. 最も頻繁に描かれるペトログリフの共通点、スクワッター・ヒューマンまたはアントロモルフ。
A. 方位角電流リング構造の形成
オーロラのプラズマ柱の不安定性に加えて、上昇時間の遅い強い流れに発生する不安定性もよく知られています。方位角の流れと強い相互作用の力のために平らになったトロイドが合体して見かけ上のトロイドの数が減ります。密閉された楕円形の最上部の構造は存在しますが、中央のトロイドが結合してひとつの方位角の電流を流すトロイドを形成しています。この構成での形状を図31に示します。
この場合、不安定性は、中央のバルブを作るために折りたたまれて閉じられたいくつかのトロイドからなる上部電極、上向き(または下向き)のカップ、中央のプラズマトロイド、そして底部(通常は下向きになったトロイドカップ)で構成されています。
電極ですから、両端のカップトーラスはいろいろな形をしています。通常、上部電極には様々なパターンが見られます。そのパターンは、稲妻のようなもの、楕円形、三角形(鳥の形に似ている)、稲妻、複数のフィラメント電流の終端などがあります。
図31. 左)プラズマカラムのパルス照射部のプラズマ不安定性プロファイル。レーザーシャドウグラム。
(右) プラズマカラム内の極端なプラズマ電流に対する実験およびシミュレーションで得られた幾何学的配置。プラズマが密集しているところ、つまり下の図の端や中央のトロイドの断面に沿って照明が最も強く当たっている。
図32は、世界各地で発見されたペトログリフのうち、この独特の形状を持つものを示しています。方位角電流リング構造形成のもう一つのバリエーションは、対称的なドットのように耳たぶが強調されていたり、読み取られた図の下端に対称的なドットがあるペトログリフです。
図32の上の画像は、不安定性の断面図です。下の写真は、プラズマ不安定性の要素を重ね合わせたものです。この図の上部では、ふたつのトロイドが中央の電球を囲んでいるのが見えます。中間部には、図32に示したような、わずかに反り返ったトロイドが見られます。その下には、非常に扁平で反り返ったトロイドがあり、その下には、図31の下部にあるような、通常の円錐形またはカップ形の底部の終端があります。
図32. 左)大電流放電の構成図と断面図。
右)ペトログリフ。
右下のアラブ首長国連邦のものを除き、すべてアメリカ西部のもの。
斜めに見ると、トロイダルは明らかで、図32の左側を描いたペトログリフが遍在しています(図33)。ただし、トロイダルの場合は、プラズマの密度が高く、明るいプラズマが内側にあるため、端の方が明るくなっています。時には、散発的な電流パルスがプラズマ列に沿って移動する際に、ひとつ、ふたつ、またはそれ以上のトロイドが視線方向の発光で見られます。
図33.左)プラズマ柱に対して斜めに見た大電流放電の構成図と断面図。時には二つ以上のトロイドが視線方向 line-of-sight の発光 emissionで見られることもある。
右)ペトログリフ。
図34は、この同じ種類のペトログリフの別の表現です。
図34. (下) プラズマピンチの不安定性。数キロアンペア、メガアンペアの電流がプラズマコラムに流れると、平らになったトロイドは、平らになったり、ゆがんだりする。
上)反りの現象を代表するペトログリフ、例えば"スクワッター"の男性の"腹"に見られる。
この同じ不安定さを別の視点から見ると、図35の左側のようになります。この場合、不安定性が示されるのは、中央のトロイドが融合して中央の扁平な形状になってしばらくしてからです。
トップカップの裏側の見え方は、中央のプラズマ・バルブの周りに同じ形を示すペトログリフにも反映されています。中央のオーブが完全に、あるいは部分的に囲まれているものもあります。
図35. 左)プラズマ柱に対して斜めに見た大電流放電の様子。
(右)カップの最上部の終端をはっきりと描いている。
B. オーロラ・ルミナンス
現在の明るいオーロラの輝度は、3-10MAで1メートル四方のステラジアンあたり5×10⁻²のオーダーになります。しかし、16MAの電流の実験室用Zピンチ(図22)は、破局的なオーロラにスケールアップすると、ピンチされたカラム内の電流に比例して輝度が変化する不安定現象が発生することが予想されます。この場合、輝度は1メートル四方で1ステラジアンあたり5lmまで上昇し、散発的な電流パルスがカラムに沿って伝播すると、個々の不安定な特徴が飽和してしまうかもしれません。
このような輝度では、図33に示したプラズマの不安定な構成は、図36のような新しい外観になります。図36の左側のプラズマカップは、図32に示したようなカラムの最上部の終端を示しています。図36の右側のペトログリフの中には、図の下の方にプラズマの三分流(三分割)に相当するものがあるのが興味深いです。
図36. 左)明るいプラズマの不安定性、上から下に向かって輝度が上がっていく。
右)ペトログリフ。三叉基部を含む全身を示すものもある。
C. ココペリ
※ココペリ Kokopelli:アメリカ・インディアン、ホピ族のカチナ(神・精霊)の一柱。豊穣の神(男神)。ココピラウとも。笛を吹くことで豊作・子宝・幸運などをもたらす。ココペルマナ (Kokopelmana) を妻とする。
ペトログリフを語る上で、笛を吹くココペリの存在を抜きにしては語れません。ココペリは、驚くほど多様な民話に影響を与えています。文化的な粉飾(潤色)の少ないイメージで、世界中で見られるものです。
図37は、ココペリのフィギュアを採取したものです。一番上は、プラズマ放電からの二つの例です。これらの図はそれぞれ、放電の初期と後期の写真です。これらの形を主観的に解釈することで、以下に示すようなペトログリフのちょっとしたサンプルが生まれるかどうかは、読者に委ねられています。
図37. ココペリ。プラズマ放電と岩に関する世界的な解釈。
XV. 上部プラズマシートの不安定性とペトログリフとの相関関係
極冠と磁気圏カスプ領域は、流入した太陽風が流れ落ちることで、ほぼ円錐形になっています。図2に全体の形状を示します。すべてのプラズマと同様に、表面特性はセル状とフィラメント状の両方があり、例えば、図4に示すように、上部コーンではほとんどダイヤモンドパターンを示しています。プラズマ写真の下にある二つの図は、プラズマとほぼ同じ形態のペトログリフです。ペトログリフの中には、ダイヤモンドやフィラメントのパターンを忠実に捉えたものもあります。これについては別の論文で紹介します。
ペトログリフと収束するプラズマ領域の類似性を図38に示します。
流れの頂点にある二本の腕のような形、柱の胴体にある筋、そして中央上部にあるプラズマの三つの重要な特徴が観察されます。この実験写真は、5-MV、3-MAのプラズマに関するものです。
図38. 上)電流を流すプラズマ柱の円錐形の流入部。流れは上から下に向かっている。すでに三つの重要な特徴が観測されている。流入口の上部にある二本の腕のような形。円柱の胴体部分にある筋状の模様。そして、中央上部のプラズマの始まり。この実験写真は、5-MV 3-MAのプラズマに関するもの。
下)ペトログリフ。
A. プラズマカップ
変形したプラズマトロイドであるカップも、リターン電流も、ペトログリフと関連していれば、様々な解釈が可能です。これらは、ペトログリフ作者の文化的背景に大きく依存しています。アヒル、鳥、三角、あるいは折りたたまれた象の鼻が頭に乗っているようにも解釈できます。時には、リターン電流が十分に明るい場合、蛇の頭や稲妻のような頭をしていると解釈されることもある。
図39は、プラズマの最上部の形状と、鳥のような解釈の両方の例を示しています。
図39. 実験データとペトログリフ。
左)プラズマピンチの不安定性。
右)頂部支柱(棒)と人の姿のような頭の上には、鳥に関連するペトログリフが描かれている。
下部のプラズマピンチの写真は、わかりやすくするためにデジタル処理で層(状)に(階層化)している。陰極は一番上にある。
図40は、とても一般的なプラズマプロファイルです。構造体の扁平率や傾きによって、アヒルや船、動物の体、あるいは細長い鳥や嘴のある鳥(例えば図39)、さらにはウサギなどを表していると解釈することができます。
図40. 図39(左)に示した不安定柱の上部の終端カップの実験プラズマ写真。この形は、作家 artist が属していた文化によって、アヒルや船、あるいは動物の体などと解釈されます。この図の右から3分の2の位置に小さな摂動が現れます。その後、この特徴は、螺旋状または稲妻状の放電構造に成長していきます。
B. 終端 Terminus
プラズマ・クラスターには、擬人化された動物の足や頭、尻尾によく似た突起物があるのが普通です。 この突起物は、プラズマを通過したり、プラズマから出たりする終端やフィラメント状の電流の一部です。激しい放電による終端の例を以下に示します(図41)。このケースでは、二本の放電ストロークがプラズマシートなどの下部導体で三叉しており、電流の伝導経路が継続するようになっています。
トポロジーは動物のペトログリフに酷似しています。アメリカ南西部ではマウンテンシープやイヌ、キツネ、オーストラリアでは似たようなイヌ科の動物、その他の地域では雄牛や雄牛に似た動物です。
※topology:(物体などの)形態、《進化生物学》系統樹の分枝順、地政学、地形学
これまでのデジタルペトログリフ画像の中にも良い例があります。
図41. 二本のフィラメント状の電流が形成された放電の例。それぞれのフィラメントは、フィラメント内に運ばれた電流の伝導を可能にするために底部で三つに分かれている。
XVI. 衝撃現象のペトログリフ
多くのペトログリフは、プラズマの不安定性ではなく、インパルスショックの不安定性に関係していると考えられます。図42は超音速衝撃波の実験データで、図の下にはアメリカ西部に生息するオオツノヒツジと推定されるペトログリフから採取した角のプロファイルを示しています。
図42. 上)超音速衝撃波の実験データ。
下)アメリカ西部のオオツノヒツジ big-horn-sheep と推定されるペトログリフから採取した角のプロファイルのコレクション。
図43は、衝撃による流体力学的不安定性の別の例を示しています。左は後期の実験的な写真、右は複数列のキノコのようなペトログリフのカテゴリーの描写です。
図43. 左)通常の磁気嵐の際にオーロラプラズマで発生する可能性のある非線形性の高いプラズマ列にできるキノコと、それに伴う衝撃波の実験写真。
右)ペトログリフ。
ここで、もう一つのペトログリフを見てみましょう。それは、図4に示したような、強烈なオーロラを上から見たときのペトログリフです。
図44.(上)周囲の媒体の10倍の密度を持つ薄い層の初期不安定構造。マッハ数1.2の波を中心部の層に衝突させることで、数値計算に摂動を与えている。 ※マッハ1=約1200Km/時
下)よく記録されるペトログリフのサンプルのひとつ。
XVII. 円形のオーロラ・プラズマに関連するペトログリフ
セクションII~XVIでは、図4の中央下、右側に見られるように、プラズマ柱に沿って発生するZピンチの不安定性を取り上げました。次に、強烈なオーロラを上から見たときの映像(図4の左側)を見てみましょう。これらは、高エネルギー密度の実験や古代の物体を使って研究されています。
A. メガアンペア粒子ビーム。56と28の対称性 56- and 28-Fold Symmetry
荷電粒子の固体ビームは、中空の円筒を形成する傾向があり、それが個々の電流にフィラメント化することがあります[9]。下から観察すると、円や輝点の円環、内部構造と外部構造をつなぐ強烈な放電ストリーマなどのパターンが見られます。
図45は、厚さ0.6mmのチタン製ウィットネスプレート witness plate を、100kG、サブメガアンペアの荷電粒子ビームの前15cmに置いたものです。最初、粒子ビームは円柱状でしたが、15cm移動した後、フィラメント状になっています。
※ witness plate:この言葉、実験で使うプレートのようですが、調べても明確に定義したものが見つかりません。ここでは仮に"ウィットネスプレート"としておきます。ちなみに、スペイン語に訳した記事もあり、そこではテストプレートと訳しています
フィラメントの波長は、中空ビームの円筒形の厚さに依存する[9]。図45では、ビームの厚さが157μm、ビームの半径が11mmとなっています。サブギガアンペア領域では,上記のパラメータで円筒磁場が “島 islands “に分割されなくなるまでに許容されるセルフピンチ・フィラメントの最大数は56であることがわかっています[53].
図45. フィラメントホール filament hole の位置を示したスチール製のウィットネスプレート。穴(ホール)の位置はデジタル処理で強調されている。ほぼ円筒形のビームには、円周上に56個の穴の周期性があるが、すべての穴がウィットネスプレート上で識別できるわけではない。磁界の強さに応じてリングの忠実度が問われる。また、プレート上には、メインリング内のマイクロサークルの穴(例えば、8:30には、メインホールリングの直径の約1/5)と、メインサークル外のビームシースのエッチングも記録されている。
大規模MHDコードを用いて二次元および三次元における56本の並列電流のモデリングを行いました[54]。これらの結果は、個々の電流フィラメントが方位角方向の自己磁場によって維持されていることを証明していますが、この性質は電流フィラメントの数を増やすことで失われます。
スケーリングは、マイクロアンペアビームからマルチメガアンペアビーム、ビーム径がミリメートルから数千キロメートルまで、任意の中空ビームの厚さに対して一定であり[9]、つまり、オーロラ・プラズマにも同じフィラメントと渦が適用されます。
電流を流すフィラメントは平行しているため、ビオ・サバール力の法則 Biot-Savart force lawで引き合い、二本一組、時には三本一組で引き合います[8]。これにより、56個のフィラメントが時間の経過とともに28個のフィラメントに減少し、56と28の対称パターンができあがります。
実際には、ペアリング時には、ペアリングが均一に行われるように同期されていないため、56本に満たない任意の数のフィラメントが記録されることがあります。しかし、42、35、28、14、7、4のフィラメントでは “一時的に安定"(状態持続時間が長い)しています。それぞれのペアの形成は、混合(融合?)によって数が減った現在のオーロラの不安定さと同様に、複雑さを増す渦です。
B. 56と28の対称性を持つ古代の記録 56- and 28-Fold Symmetry
古代から56と28の対称性のある物体の数は、明らかになっています。
※この部分、原文では「56 and 28 fold」となっています。タイトルは「56- and 28-Fold Symmetry」となっており、数字の後にハイフォンが付いています。-Foldは~倍という意味になりますが、その意味は「円周上に56個の穴の周期性」だと思いますので、そのまま56と28と表記します。
それらは世界各地の同心円状のペトログリフから、地上絵(石の輪)、巨石などの構築物まで、さまざまなものが分布しています。56対称の巨石の中で最も有名なのがストーンヘンジです。
ストーンヘンジは,イギリスのウィルトシャー州エイムズベリーの町の西に位置する巨石遺跡(北緯51.22°,西経0.167°)でユニークな構造をしています[55]-[63]。同心円状の形をしており、ふたつの外側の土手は直径約100mの円形で隙間があります。周囲の土手には、半径5~6mの円形や半円形の溝が隣接しており、それぞれ三つの同心円状のパターンを持っています。土手の中にはオーブリーホールがあります。これは、小さな同心円状の溝を横切る大円の周りに、等間隔で56個のマーカーホール(目印の穴)が埋められています。
幾何学的に内側にある次の名前を付けられた特徴は、30個の"Y"の穴です。これらは、同心円上にほぼ対称的に配置されています。次の同心円は"Z"の穴で構成されています。"Y"と"Z"の穴は、巨石の他の部分とは対照的に、円筒形の対称性がないことが注目されています。
どちらもほぼ同じ方位の位置に膨らみがあり、隣り合う穴の間で外側への変位が見られます。"Z"の穴の円は、大きな変位があります。この円には30個の穴があり、そのうち28個はすぐに見ることができます。
次の同心円は、直径33mの"サーセン・サークル"で、元々は30個の直立した砂岩ブロックが地上から平均4mの高さに立っていました。元々はサーセンのまぐさ(構造水平ブロック)を支えていたもので、上部に連続した円を描いています。
サーセン・サークルの内側にはブルーストーン・サークルがあります。
("ブルーストーン"とは、主に火成岩である粗粒玄武岩、流紋岩、火山灰などの様々な種類の岩石を指します。また、一部の砂岩も含みます。実際の色は灰赤色です。ストーンヘンジのブルーストーンは、ウェールズ南西部のプレセリ・ヒルズにある様々な露出した岩が由来とされています。ストーンヘンジまでどのように運ばれたのか、様々な憶測が飛び交っています)
“ブルーストーン"は平均して幅1.25m、奥行き0.75m。これらの柱は高さ1.8メートルで、当初は35本ありましたが、サーセン・サークルの外側と次の同心円の間に周期的に配置され、サーセン・トリリトン(三石塔:直立する二つの石の上に一石を載せたもの)の"馬蹄"のようになっています。
トリリトンは、10個の直立した石を五つの独立したペアとして配置し、それぞれにひとつの水平なまぐさをつけたものです。サーセン・サークルの中に、モニュメントの正面入り口に向かって、開いた側が北東に向くように馬蹄形に建てられていました。左右対称に配置され、高さの順に並んでおり、一番高いものが中央に配置されています。モニュメントの中で最も印象的なのはトリリトンで、最も重いものでは45トン近くもあります。
トリリトンの馬蹄の内側には、もう一つのブルーストーンの柱の馬蹄があります。中央のトリリトンの前にある"アルター"と呼ばれる石が、ストーンヘンジの主要構造を完成させています。
さらに、"アベニュー" または"カーサス"への道を示す石があります。全長2.8kmの土塁で、馬蹄形から直線的に外側に500m走り、南東に向かってカーブする"尾"の形をしています。
イングリッシュ・ヘリテージ[64]が鹿の角を中心とした14個のサンプルから得たストーンヘンジ建設の年代は、周囲の溝とオーブリーの穴が紀元前3020~2910年、ブルーストーンの馬蹄が紀元前2270~1930年です。Zホールは紀元前2850年から2480年と推定されており、これはサーセン・サークルと同じ年代です。主なモニュメントの同心円状の特性と、存続する関係性の多くの記録が不十分であるため、直接的な層序(地層の重なっている順序)の関連性が不足しています[61]。
C. 56と28の対称性を持つ"古い"同心円状のペトログリフとピクトグラフ(絵文字)
“古い同心円"は、ペトログリフや絵文字の中でも最も古いもののひとつです。この彫刻は、長い年月を経て、彫刻が埋め込まれた岩石のパティナの色に戻っています。絵は岩に溶け込んでしまい、見た目が大きく損なわれています。
56の同心円の例として代表的な三つの例を取り上げます。
一つ目は、ローリングとローリング Loring and Loring(ローリング夫妻)による"オレゴン州のピクトグラフとペトログリフ"[47]の冒頭のプレートのひとつです。特にプレートIIIは、彼らのサイト34、ワシントン州クリキタット郡イースト・リムのフォー・オクロック急流 4 O’Clock Rapids(北緯45° 42.776、西経120° 20.970、92m)の写真です(このペトログリフは、ローリング家が「傑出していて、非常に古いもののようだ」と評したものです。ローリング夫妻は、1964年から1968年にかけて、1968年4月にジョン・デイ・ダムによって浸水した深い彫りのペトログリフの写真や拓本を数多く撮影しました)
二つ目の例は、Loring’s site 29(45° 44 N, 120° 41 W)にあるジョン・デイ砂州のフォー・オクロック急流の下流にある絵文字です。
三つ目の例は、コロンビア・リバー・ベースンの南東1450kmに位置するアリゾナ州北部(北緯35度、西経109度)の例です。
図46は、これら三つのペトログリフをストーンヘンジの復元画像に重ね合わせたものです[65]。ペトログリフの細部はそれぞれ微妙に異なっています。左上のペトログリフは、図45のウィットネスプレートにも記録されているように、外側のドットのいくつかがディオコトロン不安定性の回転ペアリングを起こし始めていることから、オーロラのもっと後の時間のイメージを捉えているようです。
上のオーバーレイ(上覆い)はいずれも、内側のドット円の間にあるフィラメント間の電気ストリーマを記録しています(前方の放射光の発光に伴う電気の流れ)。
左下のペトログリフは、外側の二つのドットの間にストリーマを記録しています(フォー・オクロック急流のペトログリフは直径約60cm、ストーンヘンジは直径約100m)。
しかし、図46(左上)のような異常事態が発生しています。ローリングの複製では、写真では見られない外側のドットの輪が描かれています。さらに、洪水前のこのペトログリフの他の写真を見ても、外側のリング状のドットは見当たりません。20世紀半ばのチョークの強調写真も、外周のドットの存在を示す証拠にはなりません。
図46.ペトログリフとピクトグラフ(灰色)とストーンヘンジの復元画像(白色)を重ね合わせたもの。
左上)ワシントン州のコロンビア川にあるフォーオクロック急流のペトログリフ。
右上)ジョン・デイ砂洲の絵文字、コロンビア川。
左下)アリゾナ州北部のペトログリフ。
フォーオクロック急流のペトログリフは直径約60cm、"ストーンヘンジ"は直径約100m。
画像解析により、ローリング夫妻が見つけた場所に、外周のドットを正確に復元しました。下側の外側の穴のうち三つは保護されていて、まだ深い。そのため、ストーンヘンジのように、外側の穴は内側の穴よりもずっと早い時期に作られ、外側の穴がほぼ摩耗するほどの時間が経過しているように見えます(もう一つの可能性は、中央の特徴が時間をかけて再構築されたことです)。
このような画像は数多く発見されていますが、ここでは次の五つを挙げておきます。五番目は南東から1479kmのところにあります。ほぼ真北にあるふたつの画像は、それぞれ7466kmと7817kmの距離にあります。もう一つの画像は、西に10,715km、やや南にある(内部構造なし)。五つの引用のうち最後のものは北東に8,926km。
図47(左上)は、西オーストラリアのキンバリー北西部にあるワナリリ岩窟群のウィンジャナ遺跡から出土した56線の絵文字です[66]。左上の太い光線は、部分的に描かれた大きな絵文字の一部。右上の画像は、図46に示したアリゾナ州のペトログリフです。
図47. 左上)ウィンジャナ絵文字(オーストラリア)。
右上)アリゾナ州北部のペトログリフ。
下)オーストラリアとアリゾナの図のオーバーレイ。灰白色の"エンボス"図形が北アリゾナのペトログリフで、オーストラリアのピクトグラフは"フラット"な黒のオーバーレイである。ウィンジャナの"楕円"は、北アリゾナのペトログリフの外側の同心円にフィットしている。
描かれているように、ウィンジャナは下部のストリーマーが短くなり、同心円が楕円になっています(この絵文字の中心には"棒"も描かれています)。画像解析では、両者の光線の違いを見分けることができないほど正確に重ね合わせることができますが、これはウィンジャナを45.3°の角度でデジタル的に傾けた場合に限られます。これを図47の下段に示します。
グレーホワイトの"エンボス加工"された図形がアリゾナのペトログリフで、オーストラリアのピクトグラフは"フラット"な黒のオーバーレイです。この比較手法は、両者の光線がほぼ完全に重なっているため、見分けがつきにくいという事情がありました。
アリゾナのペトログリフの光線の数は47本ですが、4時の太い光線を三本に分け、9時30分、10時30分、12時30分の太い光線をそれぞれ二本に分けると56本になります。
オーストラリアの絵文字を宇宙空間に投影したときに、正確にフィットするように傾ける必要があることから、強烈なオーロラの長さや大きさは、現在観測されているものよりもはるかに大きいと考えられます。56線のウィンジャナの左上に描かれているのは二枚目の大きなウィンジャナ画像の光線です。この画像も周期的な56線のパターンを持っています。しかし、30%の光線は画像の下部に描かれることはありませんでした。これが “古い"画像の上に描かれていることに加えて、これが “若い"画像であることを示すのは、光線の先端がよく発達したカールや渦を"塊 blobs(球状の小さな塊、斑点、染み)“として描いていることです。また、最下部の光線が欠けていることから、水平線のイメージであることがわかります。
その他の"56″の画像は15,000km離れた場所にも見られるので、観測角度を変えることで、入射したプラズマの位置を特定することができるはずです。例えば、図48は、"site-34-rings"を三つのペトログリフ/絵文字の例とストーンヘンジに重ねて示しています。"site-34-rings"は、フォー・オクロック急流にあるコロンビア川のペトログリフから生成され、他の画像と重ね合わせました。このペトログリフは、ブラインドリングで見ると、右下に向かって若干のゆがみが見られます。これは、コロンビア川から見て、小さな傾斜を示しています。
岩石の上で簡単に見分けられる新しい同心円や螺旋は、一般的にあまり正確に描かれていませんが、後に放電に見られる装飾が含まれています。これらの形態の進化については、別の論文で紹介します。
図48. 左上)"Site-34-rings"、コロンビア川のフォー・オクロック急流ペトログリフの画像とイメージオブジェクトの評価によって決定された円の平均的な半径。このフォー・オクロック急流(Loring Site 34)のリングは、他の三つの画像に重ねられている。
右上)ジョン・デイ砂洲の絵文字。
左下)アリゾナ州北部のペトログリフ。
右下) ストーンヘンジの再構成画像(白点)。
XVIII. 考察と結論
ペトログリフの基本的な形態が、超高エネルギー密度の放電で記録されたものと同じであることが発見されたことで、地球上に無数に存在する、一見すると粗雑で、描き間違えたような、ごちゃごちゃした図形の起源を解明することができるようになりました。
これらの古代のパターンは、ヘテロマック(ほぼ閉じたらせん状のフィラメント状磁気プラズマ構成)スタイルで描かれており(図12)、消去不可能なプラズマ・ディスプレイ・スクリーンに記録される高エネルギー現象を模倣し再現することができます。数千年前に記録されたと思われるペトログリフの多くには、プラズマ放電や不安定さを表現するものがあり、 一対一かオーバーレイで表現されているものもあります。さらに注目すべき点は,極端なエネルギー密度の実験では,岩石に記録された画像が唯一の画像であり,他の形態やパターンは観察されていないことです[46],[67]。
この不安定性は、強烈な電流を流すプラズマの柱が、ソーセージ形のものとらせん(渦巻き)状の両方の変形を起こすことに関連しています。このような電流は、太陽束(太陽から放射される電磁波)が1〜2倍になった場合や、別のプラズマ源が太陽系に入ってきた場合に発生します。
本稿では、穏やかな電流を流すカラム(柱)での不安定性の発生(図16)から、電流が大きくなるにつれて発生するらせん状の不安定性やソーセージ状の不安定性(図6,7)、そして非常に激しい電流の不安定性(図36)まで、Zピンチの進化を追いました。
不安定さのモーフィング( 変形、ある画像を別の画像に滑らかに変化させるグラフィック処理技術。たとえば、人間の姿を動物に変化させるなど)は、ピーク電流への連続的なプロセスですが、不安定さのプロファイルを84のカテゴリーに区切ることが便利であることがわかりました(本稿ではすべてを示していない)。
ソーセージ状やらせん状のMHD(磁気流体)不安定現象は、プラズマの内側の円柱が、強い電流によって生じる周囲(方位角)の磁場に挟まれて発生します。この不安定性の進化は、線形領域ではよく知られており、通常9個の球状プラズマのスタックにカラムがピンチされ、元のピンチ磁場であるアジマス電流トロイドが含まれます。プラズマ・トロイドを持つ電子は相対論的で、可視光で観測可能な放射光ビームを生成します。(高温プラズマは、可視光線や電波を放出する。しかし、その放射は必ずしも熱的な起源を持たないことが多い)。
また、衝突過程では、電流強度や散発的な電流パルスに応じて輝度が変化する可視光がカラム内に発生します。不安定さがどの程度見えるかは、光度と観測者のプラズマ柱に対する位置で決まります。
身近なところでは、線形不安定性は、回転楕円体 spheroid のスタック(積み重ね、書棚の列)、トロイドのスタック(図10)、トロイド内の二重放射輝点のスタック、アイマスク、目に付随する顕著な鼻の特徴(図18)、複雑なX字型(セパラトリックス)のパターンから構成されています(本稿ではパターンは示していません)。
電流が増加すると、不安定性は非線形でカオスな領域に入ります。その結果、ピンチ領域が急速に内側に移動して、トロイドのスタックを形成します。これらは、縦に走る中央の棒でつながっています。極端な圧力によってトロイドが平らになり、1本の棒状の梯子状の円盤ができあがります。
次の段階では、円盤が反り返って平らになり、最終的には円盤の端が丸くなって、カップのような、そしてマッシュルームのような不安定な形になります。最上部の陽極カップが収束して折りたたまれ、柱の最上部に電球ができ、それを囲むように様々な段階のカップが折りたたまれます。
一般的には、チューブ状、フラット状、ディスク状、コーン状、ディストーション(ひずんだ)状、カップ状など、様々なタイプのトロイダルが混在しています。時には中央に一本の筒状の、あるいは平べったい、あるいは歪んだトロイドが残り、最下段の陰極にはシートプラズマと思われる末端に向かって下降したカップがあります。一本のロッド(棒、さお)は、いずれの場合もスタックの中央に、上から下に向かって存在しています。
スタックの陽極側の端が最も興味深く、様々なカップの形を作り、その端に稲妻のような放電をさせますが、陰極側の端からも放電が観察され、時にはトロイドの間やトロイドからかなりの距離の外側にも放電が見られます。これは、導体の端にある三叉のボルトと同様に、高電圧放電の痕跡です(図41)。
収束する磁場に沿ってプラズマが流れると、はっきりとしたY字型になります(図38)。強烈なオーロラ(図4)のように流入したプラズマは、円形のリングと放射状の光線(図4と43)の頭部と、オーロラの長さに沿った一本または二本の螺旋状の放電チャネルが特徴的です。
頭部の下のプラズマ柱には、先に示した不安定な形状の他に、水平やらせん状のフィラメント、ダイヤモンドやセパラトリックスなどのパターン、四角い渦のパターンなど、さまざまなパターンが見られます。
散発的な電流パルスによって発生した衝撃波が前述のようなプラズマの形態に衝突すると、流体力学的な不安定性によって、これらの形態は顕著に変化します(図11)。腕は翼になり、カップは同じ不安定なパターンで変化します。これらの不安定さは、最終的には図43のような三重のパターンに成長します。
実験的には、プラズマは少なくとも14桁のスケールであり[9]、少なくとも27桁のスケールであると仮定されています[34]。(つまり、マイクロアンペアの電流に関連する不安定性と成長率は、スケールを変えれば、太陽系内で原位置で測定された複数のマルチメガアンペアの電流に見られるものと同じです)
ペトログリフとの関連では、岩に刻まれたMHD不安定性の相対的な時間スケールが、既知の実験シーケンスに従っていることを示しており、ペトログリフのパターンの時間運動シーケンスを生成し、プラズマ不安定性の時間運動記録と並べることができます。しかし、この方法では絶対的な時間を把握することはできません。
外側のカスプ領域では50,000kmを超えるような大規模なオーロラにスケールアップすると、相対的な時系列が展開されます。例えば、図28の右下の画像に写っているニュアンスを説明することができます。強烈な放電X線写真に記録されている、軸の内側への上昇と、彫り込まれた線の外縁の上方への折り返し、そしてエッジカーリングへの移行という現象は、先史時代の人間が空で同じ出来事を目撃しない限り、知ることはできなかったでしょう。プラズマの大きさにスケールアップすると、図28に示した各パターンは、数ヶ月から10年の間に繰り返し発生した可能性があります。
既知のプラズマと衝撃波の不安定性のタイプを、実験用のプラズマの大きさから宇宙用の大きさにスケールアップすると、少なくとも数世紀は続く強烈なオーロラ現象を示唆しています。
新しい同心円、特に内側のパターンを持つもの(図示せず)と巻き戻しのスパイラルは、強力な入射プラズマフラックス(プラズマ流束)の最終的な停止に関する情報を提供します。一方、古代の同心円や螺旋は、花崗岩に8cmの深さで切り刻まれた跡があり、数千年とは言わないまでも、少なくとも数世紀の間、激しいオーロラ現象が日常的に起こっていたことを示唆しています。このパターンは、典型的な静止状態(不活発な)のオーロラの長期的な期間の典型です。
ペトログリフの解析と超高エネルギー密度プラズマとの比較に用いた手法は、世界中から集めた数万点のペトログリフをデジタルデータベース化したものです。可能な限り、次の情報をデータベースに入れました。物理的特性の性質、使用された岩の種類、向き、最も可能性の高い視野、経度、緯度、高度、関連する他のペトログリフに関する情報です。ここでも可能な限り、ペトログリフの位置と向きを3D地形図にプロットし、好ましい視野、つまりオーロラの高さと位置を探りました。この分析は現在進行中ですが、初期の結果では、世界中でペトログリフが盛んに記録された三つの時代を示唆しています。何千年、何百年経ったかは不明です。
ニューメキシコ州やオーストラリアでは、たき火の炭素が付着した水平方向のペトログリフが発見されており[51]、これらのエポックが紀元前10000年から紀元前2000年の間に起こったことを示唆しています。これは、本稿のペトログリフと同じパターンを持つ絵文字について、RoweとSteelmanが最近行ったプラズマ抽出法による年代測定とよく一致します[68]。
ペトログリフの二つの重要なクラス、スパイラルと同心円状の蹄鉄については、本稿では触れません。これにより、図4に示すようにビルケランド電流がマッピングされ、電気的パラメータの定量的な情報が得られます。太陽風と磁気圏の相互作用を含むこれらの研究は、TRISTAN [8]、[24]、[69]で行われており、別の場所で紹介される予定です。
謝辞 ACKNOWLEDGMENT
この論文にデータを提供してくださった方々に感謝します。特に :
A. Acheson, M. Acheson, K. Anderson, M. Armstrong, H. Arp (MPI, Garching), A. Bodin (LANL), E. J. Bond, D. Cardona, E. Cochrane, F. Costanzo, L. Crumpler (NASA), Z. Dahlen, H. Davis (LANL), A. de Grazia, A. J. Dessler (U. Ariz.), T. E. Eastman (NASA Goddard), J. Goodman, P. Hedlund, G. Heiken (Geo, LANL), H. Johnson, K. Kintner (LANL), J. Lawson (NAVAIR, NAWCWD), B. G. Low, A. S. McEwen, M. Medrano (PNM), F. Minshall (USNPS), M. Minshall, M. Mitchell, K. Moss, J. Nelson (BLM), A. Neuber, S. Parsons, C. M. Pedersen, G. G. Peratt (U. Ariz.), M. G. Peratt (USC), G. Pfeufer (LANL), C. J. Ransom, M. W. Rowe (Texas A&M), T. Scheber (LANL), G. Schwartz (U. Ariz.), A. Scott, D. E. Scott (U. Mass), D. Scudder (LANL), J. Shlacter (LANL), P. Shoaf (NAVAIR, NAWCWD), R. M. Smith (JPL), C. Snell (LANL), D. Talbott, T. Thomsen, W. Thornhill, H. Tresman, I. Tresman, M. A. van der Sluijs, T. Van Flandern (NRL), T. Voss, W. S-Y. Wang (U. Hong Kong), R. Webb, B. Whitley (Ariz. Petro. Steward), P. Whitley (Ariz. Petro. Steward), and E. Younkin (Maturango Museum).
また、南オーストラリア州ジョージタウンの J. McGovern、本稿への継続的な支援、提案、編集をしてくれたA. B. Mainwaring, S. Mainwaring, J. A. Sabloffにも感謝の意を表したい。また、ナバホ族、ニューメキシコ州北部のコチティ、サンファン、サンタクララ、ジェメス、サントドミンゴ、サンイルデフォンソの各プエブロの方々にもご協力いただきました。
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アンソニー・ペラット 略歴
Anthony L. Peratt(S’60-M’63-SM’85-F’99)は、1964年にカリフォルニア州立ポリテクニック大学ポモナ校でB.S.E.E.学位を、1967年と1971年に南カリフォルニア大学(USC)ロサンゼルス校で電気工学のM.S.E.E.学位とPh.D.学位を、それぞれ取得した。
1972年から1979年まで、ローレンス・リバモア国立研究所(カリフォルニア州リバモア)のスタッフとして活躍。また、1975年から1977年にかけては、ドイツのガルヒングにあるマックス・プランク研究所の客員物理学者として活躍した。
1981年から現在に至るまで、ロスアラモス国立研究所(米国ニューメキシコ州ロスアラモス)に所属している。1985年、王立工科大学アルフェン研究所(スウェーデン・ストックホルム)に客員研究員として滞在。
1995年から1999年までは、米国エネルギー省の実験プログラム担当副研究所長の物理学部門応用理論物理学課に所属し、科学顧問を務めた。
プラズマ宇宙の物理(Berlin,Germany : Springer-Verlag, 1992)の著者であり、プラズマ天体物理学と宇宙論(Norwell, MA: Kluwer, 1995)や宇宙・天体プラズマの最新トピックス (Norwell, MA: Kluwer, 1997)の編集者でもある。
1987年から1989年のIEEE International Confernce on Plasma Scienceでは、宇宙プラズマのセッションオーガナイザーを務めた。
研究テーマは、高エネルギー密度プラズマや高強度粒子ビーム、慣性核融合、爆発的駆動力を持つパルス発電機、レーザー、高出力マイクロ波源、粒子、高エネルギー密度現象、宇宙推進やハイパフォーマンス・コンピューティングの新しいコンセプト、プラズマ宇宙論、宇宙論など、数値的・実験的な貢献である。
1986年、1989年、1990年、1992年、2000年、2003年には、IEEE トランザクション オン プラズマ サイエンスの「特集:宇宙プラズマ」のゲストエディターを務めている。
1989年、1991年、1993年、1995-1998年、2003年のIEEE 宇宙プラズマに関する国際ワークショップのオーガナイザーを務めた。
1989年よりIEEE トランザクション オン プラズマ サイエンスのアソシエイト・エディターを務める。
1987年から1989年、1995年から1997年にはIEEE 原子力・プラズマ学会(NPSS)実行委員会(ExCom)のを選出されたメンバーを務めた。
1994年、ニューメキシコ州サンタフェで開催されたIEEE プラズマ科学に関する国際会議の総合司会を務める。1997年には、IEEE NPSS ExCom副会長とIEEE NPSS 運営委員会のメンバーに選出された。
1987年と1999年に米国エネルギー省特別業績賞を受賞、1993年にIEEE特別講師賞を受賞、1995年にはノルウェー科学文学アカデミー、オスロ大学物理学部、ノルスクハイドロ社のクリスティアン・ビルケランド講師を務めた。
アメリカ物理学会、アメリカ天文学会、イータ・カッパ・ニューEta Kappa Nuのメンバーでもある。
(ペラット:大電流・Zピンチオーロラ発生の特徴)
──おわり
図の説明(まとめたもの)
図1.スターフィッシュ(ヒトデ)熱核爆発 1962年7月9日、ジョンストン島上空400km。 #ヒトデだけど? でいい?
この写真は、開始時刻の3分後にロスアラモス社のKC-135機から撮影されたものです。
このプラズマ粒子からは、すでに人工的な筋状のオーロラが形成され、地球の磁場に沿って広がっている。
一番上、左端の明るい背景天体(マーク)はアンタレス星、右端の天体は-ケンタウルス星です。
バーストポイントburst pointは、最も低いプラズマ・ストライエーションから3分の2の高さにある。
#burst point 爆発地点? striation:筋がついている状態、溝があること 平行痕、条痕、筋状痕 線条
図2. 高緯度での大気の出入りを示すビルケランド電流のイメージ図。
かつては激しい論争の対象となったこの電流は、現在の人工衛星では日常的に測定されており、その総量は数百万アンペア(メガアンペア)にも及ぶ。
ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所 S.G.スミス氏提供
図3. 左)バイキング衛星が紫外線によって得た地球のオーロラの様子。
オーロラ発光は、ほぼ中央に位置する地磁気極を完全に取り囲み、右下に位置する真夜中付近が最も明るくなる。
このオーロラリングの直径は約5000km。
右)地球の磁気圏でろ過された太陽風のプラズマが地球上のオーロラの原因となっている。
北半球と南半球の極緯度に位置する2つのオーロラアークで発生するこの壮大な現象は、プラズマ電子が地球の磁場に沿ってシート状に流れ落ちることで起こる。
この電子のシート、つまり電流がフィラメント化して、高速で波打つ光のカーテンとなるのがオーロラである。これは、電子が大気上層部の分子と相互作用して励起するためである。
図4. 強烈なオーロラファンネルの描写。
図は、2枚の同心円状のシートに、下降するビルケランド電流と上昇するビルケランド電流を収めたものです。
左)斜め上から見たところ。 #左)斜め上から見た図。
右)側面図。中央下にかろうじて見えるのがZ-pinchの不安定性。
図5. 導電性プラズマ柱の円錐形の流入部。
流れは上から下に向かっており、柱の本体には縞模様があり、中央上部にはプラズマ現象の始まりがある。
この実験写真は、5MV、3MAのプラズマに関するものです。
図6. 実験室と宇宙での螺旋状の不安定さ。
左)1.3-MAプラズマカラム。
中)2MAを伝導するセンチメーター長のプラズマカラム。フレーミングカメラの画像、5ns(50億分の1秒)。
右)地球上の約100km上空で注入された10km、150mAの電子流。
図7. プラズマピンチで作られた外側のスフェロイド。
左上)実験、初期の頃。 #左上)実験、初期の頃の様子
左下)後の時間。
右)MHDスーパーコンピュータによるChandraskhar-Fermi方程式のグラフィカルな解法。
図8. マルチメガアンペアのプラズマカラムplasma columnで生成されたスフェロイドのスタック内の内側のトロイド。
(a) 基本的な幾何学模様
(b) センチサイズの1.3MAピンチ。
(c) センチサイズの6-MAピンチ。
(d) 光学的に高密度な(最も明るい)プラズマを示したセンチメーターサイズの6-MAピンチ。
図9. 左)マルチメガアンペアの導電性プラズマトロイドのスタックが平らになる様子をシミュレーションした図。
この電流により、トロイドは中央部では平らになり、両端部では図のように反り返って折りたたまれるようになる。
右)直径4cmのL6-MA pinched plasmaのX線写真。 #a l6-MA pinched plasma 16?
上) 6.5秒後のプラズマの正弦波ピンチ摂動。
下)9.5秒後に最初の波紋から扁平なトロイドが形成される様子。
一番下の数字の段は、切り落とされているように見えますが、自然な形です。
(ロスアラモスのプラズマ物理学、P-24)
図10. 非線形性の高い不安定な段階にあるマルチメガアンペアのトロイドスタックのX線撮影によるタイムシーケンス。
このシーケンスは、外表面のピンチリップルが四角く折り畳まれ、反り返ったトロイドに崩壊した以前の非線形段階から始まります。
厳選されたレーザーシャドグラフshadographsとシュリーレン写真から得られた数値。
#shadowgraph:影像? 影絵
時間は左から右へ、上から下へと進みます。
図11. マッハ1.2のパルスで衝撃を受けた電離層の時間変化。
左から右へ、上から下へと時間が進んでいきます。
#左から右へ、上から下へと時間が増えていきます。
(RAGE計算、R.Weaver、ロスアラモス国立研究所)
図12. Heteromacの構成 [40]。
図13. ペトログリフ・パネル、アメリカ・アリゾナ州
図14. “スクワッター"と名付けられたペトログリフの擬人化されたスタイル。
ここに掲載されているのは、中央部の両側にふたつのドットがあるより希少な"ダブルドット"と呼ばれるスクワッターのイラストです。
左から右へ、上から下へ:北アリゾナ、アルメニア、ギアナ、ニューメキシコ、スペイン、アリゾナ州ツーソン、チロリアン・アルプス、イタリア、アラブ首長国連邦、ベネズエラ。
図15. ヘテロマック・スタイルのペトログリフ(一部抜粋)
#「この媒体の基本的な構成要素は、ほぼ閉じたらせん状のフィラメント状磁気プラズマ構成 (ヘテロマックと呼ぶ) であることが確認されています。ヘテロマックは、長距離の自己持続性フィラメント形成を介して結合され、したがって、散逸を伴う動的浸透ネットワークを形成します。」
図16. プラズマカラムのピンチ不安定特性。
#不安定な性質、不安定度[定率]、変わりやすさ、感情の起伏 特徴、特性、特質、特色、持ち味
左)初期のプラズマ光写真。
中)Chandasekhar-Fermi方程式のグラフィカルな解法。
右)ペトログリフ。
そのパターンは世界各地で見られる。
図17. 大電流プラズマカラムで生成された9個のプラスモイドのスタックの概念的な形状。
左)ピンチされたプラズマ柱に沿ってトロイドを積み重ねた場合の実験データと概念図。
右)トロイドを積み上げたペトログリフ。
2列目のドットの数は9個で、これは一般的にプラズマピンチで生成されるトロイドの数と同じです。
図18. アイマスク、ノーズマスク
左)Chandrasekhar-Fermi方程式のグラフィカルな解法の一部からのアイソフォト(等輝度線)
右)アイマスクと目立つ鼻のペトログリフ。
図19. 地球上の様々な場所で採取されたフェイスマスク。
左上の図は、Chandrasekhar-Fermi方程式のグラフィカルな解法の一部です。
図20. クリスクロス(十字交差)を合体させるセパラトリックスseparatrixの磁場。
#separatrix:区分線、《数学》分割記号
#セパラトリックス:http://a-phys.eng.osaka-cu.ac.jp/suri-g/phys8.html
左)Chandrasekhar-Fermi方程式のグラフィカルな解法の一部分。
右)ペトログリフのクリスクロスの分類。
図21. 地球上の様々な場所で採取されたセパラトリックス・パターン。
左上の図は、Chandrasekhar-Fermi方程式のグラフ解の一部です。
図22. (a), (b) マルチメガアンペア電流を流すプラズマトロイドのスタックの概念的な幾何学。
#geometry:《数学》幾何学(書)、配置、配列、〔表面の〕形状
電流は左から右に向かって増加しているため(b)のようにトロイドは中央では平らになり、両端では反りや折れが生じている。
(c) 初期のプラズマ正弦波ピンチ摂動。
(d) TPSO 136 2 後期の16MA電流によるプラズマラダー。
対応するペトログリフのアナロジーを右端に示す。
Fig.23. キャタピラーカテゴリーのペトログリフのコレクション
図24. 左)プラズマの不安定性を示すレーザーシャドウグラムshadowgram。
#shadowgram: ? -gram 連結、書かれた物
(a) 扁平なトロイドのスタック(積層)
(b) 後の時間のシャドウグラム。平らになったトロイドの先端が丸まって渦を形成し始めている。
右)ラダーカテゴリーのペトログリフのコレクション。
図25. ラダーカテゴリーのペトログリフのコレクション(続き)。
図26. 左)隣接するトロイドから強い圧力を受け始めたトロイドのスタックの形態と放射特性。
右)ピペットのペトログリフ。
図27. 左)大電流を流すトロイダル・スタックの概念的な形状と実験的なレーザー影像。
#ここでは shadowgraph:影絵(芝居)
図28. 左)レーザーで裏面照射したプラズマピンチ。この写真は、底部の平らになったトロイドのエッジのカールを浮き立たせるために、デジタル的に層状化されている。
陰極は一番上にあります。
右)不安定性の梯子状の段階からトロイド渦への移行を示すペトログリフのサンプル集。
(左から右へ、上から下へ)
ここに掲載されている例は、世界のいくつかの地域から集められたものです。
図29. 左)サブおよびマルチメガアンペアのピンチド・プラズマカラムにおける渦の形成。
#sub and multimegaampere pinched plasma columns
右)ペトログリフ。
図30. 最も頻繁に描かれるペトログリフの共通点、スクワッター・ヒューマンまたはアントロモルフ。 # squatter human or anthromorph
図31. 左)プラズマカラムのパルス照射部のプラズマ不安定性プロファイル。レーザーシャドウグラム。
#Laser shadowgrams. レーザー影絵。影像?
(右) プラズマカラム内の極端なプラズマ電流に対する実験およびシミュレーションで得られたジオメトリー。 #幾何学的配置(配列、形状?)
プラズマが密集しているところ、つまり下の図の端や中央のトロイドの断面に沿って、照明illuminationが最も強く当たっています。
#プラズマが密集しているところでは、照明が最も強くなります。つまり、下の図の端と中央のトロイドの断面に沿っている。
図32. 左)大電流放電の構成図と断面図。
右)ペトログリフ。
右下のアラブ首長国連邦のものを除き、すべてアメリカ西部のもの。
図33.左)プラズマ柱に対して斜めに見た大電流放電の構成図と断面図。
時には、2つ以上のトロイドが視線方向line-of-sightの発光emissionで見られることもあります。
#line-of-sight:《天文》視線◆観測者と天体とを結ぶ直線。〔目の〕視線 無線通信の〕見通し線◆送信・受信アンテナを結ぶ何によっても遮られない直線、またはそのような直線で結ばれている良好な通信状態。
#emission:放出、排出、放射、発射、排気、発光
右)ペトログリフ。
図34. (下) プラズマピンチの不安定性。
数キロアンペア、メガアンペアの電流がプラズマコラムに流れると、平らになったトロイドは、平らになったり、ゆがんだりします。
上)反りの現象を代表するペトログリフ、例えば “スクワッター"の男性の"腹"に見られる。
図35. 左)プラズマ柱に対して斜めに見た大電流放電の様子。
(右)カップの最上部の終端をはっきりと描いている。 #描いた図。
図36. 左)明るいプラズマの不安定性、上から下に向かって輝度が上がっていく。
右)ペトログリフ。三叉基部を含む全身を示すものもある。
図37. ココペリ。プラズマ放電と世界的な解釈?による岩石上の例。
#interpretations:解釈、解明 解説、説明
図38. 上)電流を流すプラズマ柱の円錐形の流入部。
#Conical:円すい[コーン](形[状・型])の inflow:流入(すること)流入物[量]
流れは上から下に向かっています。
すでに3つの重要な特徴が観測されています。流入口の上部にある2本の腕のような形。円柱columnの胴体部分にある筋状の模様。そして、中央上部のプラズマの始まりです。
この実験写真は、5-MV 3-MAのプラズマに関するものです。
下)ペトログリフ。
図39. 実験データとペトログリフ。
左)プラズマピンチの不安定性。
右)頂部支柱と人の姿のような頭の上には、鳥に関連するペトログリフが描かれている。
#棒(くい、支柱、柱)の上
下部のプラズマピンチの写真は、わかりやすくするためにデジタル処理で層(状)に(階層化)しています。
陰極は一番上にあります。
図40. 図39(左)に示した不安定柱の上部の終端カップの実験プラズマ写真。
この形は、作家artistが属していた文化によって、アヒルや船、あるいは動物の体などと解釈されます。
この図の右から3分の2の位置に小さな摂動が現れます。
その後、この特徴は、螺旋状または稲妻状の放電構造に成長していきます。
図41. 2本のフィラメント状の電流が形成された放電の例。それぞれのフィラメントは、フィラメント内に運ばれた電流の伝導を可能にするために、底部で3つに分かれている。
図42. 上)超音速衝撃波の実験データ。
下)アメリカ西部のビッグホーンシープbig-horn-sheepと推定されるペトログリフから採取した角のプロファイルのコレクション。
図43. 左)通常の磁気嵐の際にオーロラプラズマで発生する可能性のある、非線形性の高いプラズマ列にできるキノコと、それに伴う衝撃波の実験写真。
右)ペトログリフ。
図44. (上)周囲の媒体の10倍の密度を持つ薄い層の初期不安定構造。
マッハ数1.2の波を中心部の層に衝突させることで、数値計算に摂動を与えています。
#Mach number:《物理》マッハ数◆音速に対する物体移動速度比。マッハ1=約1200Km/時
下)よく記録されるペトログリフのサンプルの一つ。
図45. フィラメントホールfilament holeの位置を示したスチール製の証人プレートwitness plate
穴(ホール)の位置はデジタル処理で強調されています。
ほぼ円筒形のビームには、円周上に56個の穴の周期性がありますが、すべての穴が証人プレートwitness plate上で識別できるわけではありません。
磁界の強さに応じてリングの真価Truenessが問われます。
#Trueness:真実、忠実、正確さ
また、プレート上には、メインリング内のマイクロサークルの穴(例えば、8:30には、メインホールリングの直径の約1/5)と、メインサークル外のビームシースのエッチングも記録されている。
図46.ペトログリフとピクトグラフ(灰色)とストーンヘンジの復元画像(白色)を重ね合わせたもの。
左上)ワシントン州のコロンビア川にある4 O’Clock Rapidsのペトログリフ。
#急流:ロック クリークからアーリントン、ロック クリーク、フォー オクロック、ブラ ロック、オウィヒー ラピッズまでのコロンビア川。
右上)J.D.バーの絵文字、コロンビア川。
左下)アリゾナ州北部のペトログリフ。
4 O’Clock Rapidsのペトログリフは直径約60cm、「ストーンヘンジ」は直径約100m。
図47. 左上)ウィンジャナ絵文字(オーストラリア)。
右上)アリゾナ州北部のペトログリフ。
下)オーストラリアとアリゾナの図のオーバーレイ。灰白色の"エンボス"図形が北アリゾナのペトログリフで、オーストラリアのピクトグラフは"フラット"な黒のオーバーレイである。
ウィンジャナの"楕円"は、北アリゾナのペトログリフの外側の同心円にフィットしています。
図48. 左上)"Site-34-rings"、コロンビア川の4 O’Clock Rapidsペトログリフの画像とイメージオブジェクトの重み付けによって決定された円の平均的な半径。
#weighting:おもみ‐づけ【重み付け】《「おもみつけ」とも》評価する項目ごとに、それぞれの重要度に応じて5・3・1などの重みを付け、集計して総合評価を出す方法。
この4 O’Clock Rapids(Loring Site 34)のリングは、他の3つの画像に重ねられている。
右上)J.DAY BARの絵文字。
左下)アリゾナ州北部のペトログリフ。
右下) ストーンヘンジの再構成画像(白点)。
最後までお読みいただきありがとうございます。