古代の神話の意味─ディスコース・オン・エイリアンスカイno.0[古代の歴史と神話お勉強シリーズ]

サンダーボルトプロジェクトのチーフサイエンスアドバイザーでオーストラリアの物理学者ウォレス・ソーンヒル氏は『Venus and Forgotten History』という動画の中で、
小さな光の粒である惑星が、なぜ終末論的な雷を振り回す神として崇められたのか。
金星は世界的に見て、なぜ女性で髪の毛が長いと言われていたのか?
なぜ火星は世界的に”剣を持った赤い軍神”と呼ばれていたのか?
リングのある惑星である土星が、なぜ世界的に”最初の太陽””最高の太陽”として記憶されたのか

と疑問を述べています。

神話の中でも占星術の中でも、いろいろな説はありますが、金星は女神、火星は軍神とされています。そこには様々な物語があり、伝統的にそう解釈されてきたと説明されています。そういう説明を聞いたり読んだりすれば、そういうものかと思います。そうなっているのねと。
しかし、先ほど挙げたソーンヒル氏の「なぜ」に答えられる人はいるのでしょうか?

そんなこと、わかりっこないのかもしれません。そうすると無数にある「そうなっているのね」の内容を暗記するか自分なりに解釈するか……まるで暗記教育そのもの……継ぎ足していくのか……フランケンシュタイン状態…..になってしまいそうです。私たちが知識と言っているものは、情報のお化けかもしれません。全体を見れる見晴らし台が無いのです。
最初の「なぜ」の答えがないまま、積みあがった情報の束。その重さが学問なのかもしれません。願わくばその下敷きにならないことを願うばかりです。
科学や学問はこれらを既成の事実として積み上げられています。原因は分からずじまいです。原因を知らずして結果を解釈しているのですから、変な話です。電気宇宙は「原因の世界」を紐解いていきます。

『ディスコース・オン・エイリアンスカイ』シリーズ

『古代の歴史と神話お勉強シリーズ』として「異世界の空のシンボル」を始めましたが、この「ディスコース・オン・エイリアンスカイ」シリーズは「異世界の空のシンボル」の内容をより細部にわたって検討していくシリーズのようです。

コメント欄からサンダーボルツ・プロジェクトの公式コメントを拾ってみると、
神話の原型はすべて紀元前2000年以前に生まれたと考えられます。 そして、新興の文明自体が、何よりも、かつての神々と驚異の時代の顕著な出来事を集団で記憶し、再現するものでした。
言語や神話の解釈が非常に多様であることから、変容する極座標系についての文化的経験が独立していることがよくわかります。例えば、古代の天空崇拝者は極座標系に何を見ていたのでしょうか? 戦士の英雄の直立した姿、世界の山、生命の植物の茎、世界樹の幹、湧き上がる水や深淵の泉、下から吹くエーテルの風や生命の息吹、”天”の球体を掲げる宇宙の巨人、母なる女神を孕む男根の柱、天を旋回させる軸の剣、宇宙の係留柱や結合柱など、実に様々です。
一方で、このような重要なテーマは、文化的伝統に原型的な影響を与えているため、他の方法では見落とされる可能性のある言語的なつながりの痕跡を探すための論理的な場所でもあります。

世界的な証言(言葉、写真、集団的な再現)が異常に詳細なレベルで収束することは、人類の歴史や惑星の歴史を理解しようとする科学者にとって羨望の的となるはずです。逸話であっても、異常なまでに詳細な事柄について偶然の収束を示すとき有用なデータとなります。優れた探偵は、この原理を常に利用しています。ひとつの事例を1000倍にすれば、その意味が分かるかもしれません。
世界的な合意を認識しないことは、この問題で人が犯しうる最大の過ちです。


動画は5分~15分程度のものですが、2021年4月現在までのところ#45まで続いています。

Discourses on an Alien Sky—Preface | The Meaning of Ancient Myths』の全訳です。
ディスコース Discourse は言説と訳されることが多いですが、もともとはフランス語の”ディスクール”の訳語だそうです。このニュアンスを表現する日本語がありません。「異質な空をめぐるディスクール」と訳せそうですが、散々迷った末、そのまま片仮名表記にすることにしました。
デイブ・タルボット氏によるこのビデオシリーズの主題は、今はもはや存在しない、そびえ立つ天空の古代の体験です。形態のひとつのスナップショットから、一様な雲や塵の多いプラズマの海から、これらの天体が初めて出現した時まで遡ることができます。そして、外見上の安定から大地を揺るがす大惨事までの段階を経て、形態の進化を追うことができます。

序章|古代の神話の意味

あなたは今、異質な空 alien sky の劇場に足を踏み入れました。
もし、言葉や映像に違和感を感じたら、それには理由があります。

異星の空alien skyの劇場

かつて、私たちの世界は大きく変わっていました。
これを体験することで、あなたは傷つくことはなく、何も恐れることはありません。

古代神話の意味。それらは証拠として見なせるのか?

古代の神話やシンボルが、過去の宇宙の出来事を示す本当の証拠になるとは思えません。神話のような話を信じろと言われても、世界に共通するパターンには説明が必要です。もちろん、すべての神話には人間の想像力や解釈が含まれているので、いつしか神話という言葉には”作り話で、真実ではない”という意味が込められるようになったのです。
私たちの役割は、自然の経験の中にある挑発的な出来事を見極めることですが、それは全く別の問題であり、だからといって、私たちに伝えられた形の物語を信じる必要はありません。

自然の経験の中にある挑発

根底にある出来事を見つけるために、私たちは異文化の、時には地球規模の人間の記憶の共通点を描写する作業をしています。特に、共通の体験がなければできないようなユニークなディテールに収束していきます。

自然の経験の中にある挑発2

人間の想像上のドラゴンは、そのようには存在しませんでした。しかし、なぜ私たちは、世界的な類似性を説明するために必要な異常な出来事を無視するのでしょうか?

恐ろしいカオスの怪物
恐ろしいカオスの怪物 ドラゴン

そこで、物語を調べてみると、恐ろしいカオスの怪物についての記述が無数にあり、その多くは蛇や竜のような形で描かれています。このテーマが最初に記録された表現にまでさかのぼると、驚くべきことに、この神話的な生き物はもともと宇宙的なものであったことがわかります。

神話的な生き物はもともと宇宙的なもの

後世になってからは、地域限定の物語 storytelling を引用することによって、地理的にローカライズされるようになりました。これは、グローバルテーマ、アーキタイプの説明の始まりです。
視野を広げると、おそらく5,000年前に人間の想像力に作用した異常な自然現象が、爆発的な物語を生み出したことが明らかになります。

爆発的な物語を生み出した

もちろん、世界の神話は、その神話が古代から伝わってきたという解釈の上では、真実ではありえません。天空に燃えるような蛇がいるわけでも、天の中心に達する地上の山があるわけでも、天空に動かない太陽のような生き物がいるわけでもありません。

天の中心に達する地上の山はない
動かない太陽のように見える天空の生物はいない

しかし、このような神話は世界的なものです。母なる女神ヴィーナス、先祖から伝わる戦士マーズ。
確かにこれらは神話ですが、女神としてのヴィーナスと戦士としてのマーズは世界的な原型です。そこに課題があるのです。偶然を信じないでください。

母なる女神ヴィーナス、戦士マーズ

火星は男性的には見えず、金星は女性的には見えません。しかし、これらの惑星の関連性は世界的なものであり、何か説明があるはずです。

火星は男性的には見えず、金星は女性的には見えない

神話的なテーマは、今日の自然の中での体験からは生まれませんでした。しかし、かつての時代の挑発的出来事についてはどうでしょうか?
私たちが今日経験する自然現象は、世界の神話の詳細なタペストリーにインスピレーションを与えることはできないでしょう。

古代の挑発的出来事

だからこそ、繰り返し出てくるテーマを意識的に取り上げることが重要なのです。それはグローバルな物語の経験に基づいた下部構造を見抜くことを意味します。世界的なテーマを生み出すためには、どのような具体的な経験が必要なのか、常に問いかけなければなりません。

神話の本
インド、エジプト、中国、日本
本、アーキタイプ・シンボリズム

異なる言葉、異なるシンボル、異なる聖なる慣習で記録されたテーマは、すべてひとつの現象的な経験を指し示しています。

ひとつの現象的な経験

作り話では神話の原型の一貫性を得ることはできません。狂言では、現在の太陽の前にかつて中央の太陽 central sun があったという世界的なストーリーは生まれません。しかし、その考え方は世界共通です。

シュメール、中央の太陽があった
神話、中央の太陽があった

証拠を束ねる力を把握するためには、優秀な刑事のように、この調査を追いかけなければなりません。すべての神話の原型は互いに不可分につながっており、他のテーマから独立したグローバルなテーマはありません。何百もの異文化のテーマが、世界の神話のタペストリーの一部となっています。

エジプト、神話の原型
神話の原型

もちろん、物語の表面には特定の場所に制限された矛盾が散らばっていますが、全体的に統一された明らかな下部構造があります。この人間の記憶の下部構造が、世界的に共有された経験を確信させてくれるのです。

人間の記憶の下部構造

唯一の前提条件は、古代の目撃者の声を聞き、共通のパターン、つまり人間の記憶の統一された下部構造を認識するのに十分なほどの声を聞くことです。そして、それが私たちの古代文化の研究です。世界中で語られている一つの物語は、完全にまとまっており、千差万別の方法で私たちの周りに響き続けている深遠な人間の経験に私たちの注意を向けています。

古代の目撃者の声を聞く
天の車輪、古代の目撃者の声を聞く
天の車輪

人類(人間性)は、人間の経験と天界の挑発的出来事を白日の下にさらすことによってのみ助けられます。
──おわり

最後までお読みいただきありがとうございました。

Posted by kiyo.I