プラズマ宇宙論⑧ ── 放電加工

普段見慣れている月。その南半球には、ティコ・クレーターと呼ばれる蜘蛛の足のように光って見えるクレーターがあります。

月

クレメンタイン・スター・トラッカーが撮影した月の近傍のモザイク。画像は1994年3月15日に撮影された。このビューでは、北が上。画像下付近の明るいクレーターはティコである。

ウィキから引用すると、

ティコ (Tycho) は、月面の南部に位置するクレーターである。非常に大きく(直径85キロ)、目立つので、双眼鏡程度でも見ることができる。デンマークの天文学者・ティコ・ブラーエにちなんで命名された。
アポロ17号により回収されたサンプルから1億800万年前にできたと推定されている比較的新しいクレーターである。はっきりした外観をしていて、古いクレーターに潰されている様子もない。内部は高いアルベド(反射率)を持ち、太陽が当たると明るく輝いて、1500kmにも及ぶ光条(放射状の光の筋)を放つ。地球からの反射光だけでもこの光条を見ることができる。

また「月探査情報ステーション」というサイトによると、

ティコ(Tycho)クレーターやコペルニクス(Copernicus)クレーターなど、月面のクレーターの中には、クレーターのまわりに放射状に広がる、白い模様が見られることがあります。これは「光条」(英語ではレイ: ray)と呼ばれています。
いかにも、何かがぶつかって飛び散ったような模様になっていますが、やはりこの光条は、クレーターができたときに、飛び散った物質によってできたと考えられています。

このクレーターができるとき、どんなことが起っているのでしょうか? もう少し詳しくみていくことにします。
月面に天体がぶつかって、クレーターができます。このとき、月面にあった物質は吹き飛ばされて、遠くへ飛ばされます。
当然、重い破片ほどクレーターの近くに落ち、軽いものほど遠くへと飛ばされていきます。飛ばされる飛散物のことをイジェクタ(ejecta)といいますが、このイジェクタは遠くへ飛ぶものほど高速で飛んでいきますので、まるでカーテンのようになってクレーターから四方八方へ飛んでいきます。
このとき、浅いところにあったものほど遠くへ飛ばされていきます。これは、飛び出すときに、深いところのものほど急角度で飛ばされるためです。浅いところにあった物質は低い角度で飛び出していき、その分遠くまで飛ばされます。

光条が白っぽくみえる原因としては、クレーターができた時期が比較的新しくて、そのために光を強く反射して見えているためではないかと思われます。
光条は、例えば他のクレーターからの破片が上に積もったり、宇宙線による風化作用などを受けて、次第に暗くなってきて、消えていきます。つまり、光条がみえるクレーターというのは、かなり新しい時代(といっても、数千万年前とか数億年前)にできたものと考えられるのです。
また、光条を作っている物質自体が明るいために、光条が白く輝いてみえるのだという説もあります。

このようにいろいろな説があり、光条がどのようなものでできているのか、またなぜ明るいのか、具体的なことはよくわかっていないのが現状です。

つまり、早い話がわかっていないのです。
しかし、電気的な仮説は、単なる機械的手段では説明できない多くの謎を解決します。

40年以上前のイギリスの雑誌『スペースフライト』(1965年1月7日号)には、アマチュア天文家ブライアン・J・フォードの研究が掲載され、月のクレーターのほとんどは宇宙放電によって刻まれたものだと示唆した
フォードは実験室で火花加工装置を使い、中央に峰のあるクレーター、大きなクレーターの高い縁にある小さなクレーター、クレーターの連鎖など、最も不可解な月の特徴を再現した
彼はまた、月の大きなクレーターと小さなクレーターの比率が、電気アーク放電で見られる比率と一致することを観察した。

問題は、ここでも主流の宇宙論がこのような、誰が見ても納得できるような実験と論拠を無視することです。
さらに詳しい内容は以下の記事を読んでいただけたらと思います。

EDM ── 放電加工

Electrical Discharge Machining

惑星の傷跡

稲妻効果

惑星表面の電気的傷跡を示す証拠は説得力があるが、主流の宇宙論では無視されている。これらの傷跡は、破滅的な出来事によっても、今日、目撃されているような、ありふれた放電加工によっても生じる可能性がある。しかし、コンセンサス・サークルでは一貫したテーマが展開されている。このような証拠が発見されるたびに、それは驚くべきものであると説明され、そして従来の ── そして非常にしばしば矛盾する ── メカニズムの数々を使って説明される。
政治が絡むと、単純さの法則(ある事象を説明または理論化するときには最少の仮説を立てるべきだとするもの)は通用しなくなる。こうして、よりシンプルで検証可能な電気的仮説は見て見ぬふりをされ、少なくとも当分の間は先入観の慣性が支配する。

どんなふうに?

過去の大惨事は、従来の説明を覆す地表の特徴の多くを説明することができる。太陽フレアに起因する激動と不安定な時期、そして惑星の軌道と運動が乱された時期、それらのプラズマシースと磁気圏は相互作用しただろう。どのような電気的な差異も、自然に平衡状態を確立しようとした。

まず始めに、電気的な大気現象(オーロラや稲妻)が強まり、やがて激しい放電、すなわち巨大な火花が起こっただろう。それゆえ、"神々の雷鳴 Thunderbolts of The Gods“が起こった。事態は、控えめに言っても少し荒々しくなった。もちろん、電気力には引力と斥力があるため、重要な惑星が実際に衝突したとは考えにくい。

(このような考え方は、今日の一般的な科学やコンセンサス・サイエンスにとっては受け入れ難いものである。もちろん、そのモデルは初期の宗教思想に由来しており、惑星の軌道は神によって定められた後、完璧で不変であると考えられていた。この点では、ビッグバン創造論者のモデルに似ている)

さらに、電気現象は少なくとも14桁のスケールに拡張可能である。実験室ではミリメートル単位で測定される効果も、宇宙空間や惑星表面では膨大な距離を測定することができる。今日、私たちはこのような現象をはるかに激しくない規模で見ており、それらは放電加工(EDM:Electrical Discharge Machining)と呼ばれている。実際、この理論は有り余るほどの豊富さに難儀しており、多くの謎めいた惑星表面の特徴が実験室で作り出され、また作り出されてきた。

エウロパのリル(裂溝)

エウロパのリル(裂溝)

稲妻リル(裂溝)

雷によってできたグラウンドの溝

証拠

下にある写真とよく似た傷跡が、さまざまな惑星に見られる。それらは従来の説明を覆す傾向がある。例えば

溶接のような"傷跡

溶接のような"傷跡

惑星の傷跡

惑星の傷跡

⦿ なぜほとんどのクレーターはほぼ完全に丸いのか? 衝突クレーターがこのような対称性を持つことは非常に稀である。
⦿ 例えば、月のクレーターを見てみると、なぜ衝突の大部分は、宇宙空間を移動する発射物から予想されるようなランダムな角度ではなく、90度(真上)から放射された何かによって作られたように見えるのだろうか?
⦿ なぜ大部分のクレーターは大きさに関係なくほぼ同じ深さなのか?
⦿ クレーターの中には内側の螺旋パターンを示すものがある。衝突クレーターはこのようなことはしない。
⦿ クレーターの列(連鎖)はしばしば直線状に現れる。特に真上からの衝突の場合、このようなことが起こる可能性はゼロに近い。二項目を参照。
⦿ なぜ多くのチャネル(溝、畝)がどこからともなく始まり、どこからともなく終わるのか?
⦿ これらのチャネルは、大部分は平らな床で、急勾配の壁で終わる傾向がある。
⦿ どうしてこれほど多くのチャネルが、既存のチャネルを無視して十字模様になるのか? 液体はこのようなことはしない。マグマもそうだ。
⦿ チャネルはしばしば丘の上に走る。繰り返すが、液体はこのようなことはしない。
⦿ 多くの惑星のリル(裂溝)は、ほとんど直線か波のようなパターンで何千マイルも続いている。これをどう説明するのか?
⦿ デブリの欠落。いくつかの特徴が伝統的な方法で作られたと仮定すると、取り除かれた物質はどこに行ったのだろうか?

これらの電気的特徴のほとんどは実験室で再現可能である(EUの地質学のページも参照)。

他の火山活動の証拠がほとんどない場合でも、これらの特徴が溶岩流や崩壊した溶岩洞(火山噴火に伴う溶岩流により生成される洞窟)として説明されることがある。また、風や水が引き合いに出されることもあるが、通常、当該惑星は乾燥しているか、少なくとも何百万年も乾燥しているはずである。

また、多くの隕石がクレーターを作ることなく地球に衝突していることや、衝突の証拠のないクレーターが数多く見つかっていることも興味深い!

フルガマイト

※フルガマイト(稲妻の水ぶくれ)は、放電が周囲から物質を引き寄せ、回転する電気渦の中心で圧縮し、土塁のような地層を残すことで発生する。
フルガマイトFulgamitesはフルグライトfulgurite(閃電岩あるいは雷管石は、珪砂に落雷したあとにできる、ニンジンに似た形状の天然のガラス管)ではない

火星、オリンポス・モンズ

火星、オリンポス・モンズ

フルガマイトは稲妻水泡の一種。上の写真に写っている火星のオリンポス・モンズ(オリンパス山)は、太陽系最大の火山と呼ばれることが多いが、そう分類されることには抵抗がある。高さはエベレストの三つ分より高く、幅は非常に広い。問題は、パンケーキのように平らで、その端が急に終わることだ。

地球上の稲妻は通常、同じイオン化した経路をたどる何本ものストロークの連続からなる。放電の後には、フルガマイトの上部に重なり合ったピットを掘るような、より小さなストロークが続くことが多い。

このパターンは、オリンポス・モンズの山頂にある六つの重なり合った円形クレーターとしてはっきりと見られる。

クレーターのチェーン(連鎖)

クレーターチェーン

クレーターチェーン

衝突した天体が分裂して整然と並んだクレーターを形成する可能性は非常に低い。私たちが目にするような頻度で起こる可能性は、事実上ゼロに等しい。上の写真のクレーターチェーン(連なり)は、木星の衛星ガニメデで見られる多くのクレーターのひとつである。

クレーターチェーンは、陰極の表面を電気アークが通過することによって生じる。電流のわずかな変化で、アークはクレーターから次のクレーターに飛び移るのではなく、溝を切ることがある。電気アークは表面から物質を持ち上げるので、掘削跡は比較的きれいに残る。"崩壊した溶岩洞"という説明は、この重要な点で失敗している。"欠落した破片"は、電気侵食を機械的プロセスと区別するひとつの特徴に過ぎない。これらのプロセスは実験室で再現されている。

フルグライト

フルグライト

フルグライト

これらの特異な地層は、火星のアレニウス領域、南半球にある約36,000平方キロメートルの地形に現れている。惑星科学者たちは、このありえない地層に戸惑いを示し、その理由を推測することしかできない。奇妙な"虫のような"地形は、地表の下にある"人工的なチューブ"についての憶測さえ呼んでいる。

これらのガラス化した隆起やフルグライトの存在は、エレクトリック・ユニバースの重要な予測である。稲妻の横方向のコロナフィラメントは、一次放電の方向に対して常に垂直であり、一次チャネル内にこのような特徴的な波紋を形成し、融合させることができる。

宇宙人仮説の信奉者の中には、彼らの見解を支持する強力な証拠としてフルグライトを挙げる者もいるが、やはりEU説の方がよりむだがない。

六角形のクレーター

六角形のクレーター

六角形のクレーター

なぜ惑星表面には六角形のクレーターが多いのだろうか?
衝突によって本当にこのような形になるのだろうか?
最近、土星の極に見られる六角形のパターンは、コンセンサス・サイエンスにとって大きな驚きとなった。同じ極で驚きの温暖化を引き起こした力と同様に、これらは電気的な性質を持っていることはほぼ間違いない。

不規則な多角形の大部分を作り出しているのは、ほぼ間違いなく電磁気的な力である。

テティス

テティス(土星の衛星。Saturn IIIとも呼ばれる)

テティス(土星の衛星。Saturn IIIとも呼ばれる)

土星の衛星テティスにあるこのありそうにないくらい巨大なクレーターも六角形の形をしている。月の直径は1,000kmしかないのに、この六角形のクレーターは450kmもある! これほど巨大なクレーターを作ることができる衝撃が、月を粉々にしないわけがない。

フォボス

フォボス

フォボス

火星の衛星フォボスは、多数のクレーターの連鎖から奇妙で巨大なクレーターまで、議論されている特異な特徴の多くを示している。

繰り返しになるが、このような巨大なクレーターを作ることができる衝撃が、どうして月を砕くことができなかったのだろうか?
電気的仮説は、単なる機械的手段では説明できない多くの謎を解決する。

イアペトスの尾根

イアペトス(土星の第8衛星)

イアペトス(土星の第8衛星)

2007年、カッシーニ探査機は、土星で三番目に大きな月であるイアペトスの4分の3を囲む巨大な赤道尾根の驚くべき特徴を数多く発見した。この尾根は、地球で発見された数種類の"コンクリーション(球状の団塊)“、特にユタ州の砂漠で発見されたモキマーブルを彷彿とさせ、やはり電気的起源を示唆している。以下の火星のブルーベリーも参照。

グランド・ステアケース・エスカランテ国定公園、モキ大理石

グランド・ステアケース・エスカランテ国定公園、モキ大理石

※Moqui Marbles(モキマーブル)とは、Navajo Sandstone(ナバホ・サンドストーン)という砂岩から出来た黒いボール状の酸化鉄の石。 形成過程には多くの説がある神秘的な石

イアペトスは直径1,436kmの小さな月だが、非常に大きなクレーターもいくつかあり、そのうちのひとつには、中央にはっきりと異なる隆起が見られる。

リル(裂溝)

リル(裂溝)

リル(裂溝)

木星のもうひとつの衛星、エウロパは、主流派には謎のままだが、さらに興味深い特徴を示している。表面の高解像度の写真から、網目状の溝やチャネルが、当初言及されていた表面の"裂け目"であるはずがないことがわかる。科学者たちは、木星が太陽系の"真空掃除機"と考えられていることを考えると、エウロパにクレーターがないことにも驚いている。隕石は衝突コースに引き込まれるはずだ。

多くの大きなチャネルは裂け目には見えないだけでなく、滑らかに切断されており、チャネルを形成した力は以前のチャネルの存在を無視し、しばしば1000km以上にわたって一定のチャネル幅を作り出している。

これらは電気的な視点と一致する。表面を流れる放電は、狭いフィラメントに"挟み込む pinch“磁場を持ち、同じ場所で起こるフィラメントを平行配列に描画する傾向がある。

火星のブルーベリー

火星のブルーベリー

火星のブルーベリー

マフィンの中のブルーベリーのように見える。 出典:NASA/JPL-カリフォルニア工科大学/コーネル大学

出典:NASA/JPL-カリフォルニア工科大学/コーネル大学

火星探査機オポチュニティが火星表面の小さなクレーターに着陸したとき、太陽系の最近の歴史に関する我々の考えを変える可能性のある特徴を大量に撮影した。クレーターの周囲に散らばっていたのは、ブルーベリー大の球体だった。その青みがかった灰色は、火星表面の赤みがかった色とは際立っており、その名が付けられた。それらは"ヘマタイト・コンクリーション(赤鉄鉱の凝結物)“と特定され、周囲の土壌の主成分である鉄分を多く含む鉱物である。プラズマ物理学者であるヴェマサット研究所のCJ・ランサムは、実験室内でこれを再現することに成功した。

もし、このコンクリーションが放電によってのみ再現されるのであれば、その可能性は高いと思われるが、惑星地質学の根本的な再評価の基礎となるかもしれない。

ティコ・クレーター

ティコ・クレーター

月の南半球にある著名なティコ・クレーターは、上記の特徴のいくつかを示している。興味深いのは、1903年という早い時期にその推定原因が認識されていたことである。W.H.ピッカリングは著書『The Moon』の中で、ティコの"光線(クレーターの光条)“の細い経路は電気的効果で説明できると示唆し、オーロラ現象で見られるストリーマと直接比較した。

また、40年以上前のイギリスの雑誌『スペースフライト』(1965年1月7日号)には、アマチュア天文家ブライアン・J・フォードの研究が掲載され、月のクレーターのほとんどは宇宙放電によって刻まれたものだと示唆した。フォードは実験室で火花加工装置を使い、中央に峰のあるクレーター、大きなクレーターの高い縁にある小さなクレーター、クレーターの連鎖など、最も不可解な月の特徴を再現した。彼はまた、月の大きなクレーターと小さなクレーターの比率が、電気アーク放電で見られる比率と一致することを観察した。

しかし、宇宙における電気活動の証拠は、天文学者や地質学者の教育課程に含まれていないため、無視されてきた。重力宇宙論は、彼らの欠陥のある前提を提供している。

火星のスパイダー Spiders(くも)

火星のスパイダー

火星のスパイダー

火星の南極に複雑な樹枝じゅし状ネットワークが発見されたことで、NASAの科学者たちは答えを求めて躍起になっている。しかし、またしても、それらは従来の教科書的な説明を覆すものだった。重力に"逆らって"働き、中心から放射状に枝分かれし(これは排水機能を除外する)、地形に関係なく同じ形を形成するからである。多くの場合、ひとつの渓谷が上り坂と下り坂の両方に移動しているのが見られ、多くのパターンが一貫した傾斜で発生する。

常識的には、電気的仮説の成功が叫ばれているが、惑星科学者たちは、四角い釘を丸い穴に打ち込み続けている! これらのネットワークは、古典的な放電の一貫した形、リヒテンベルグ図形を示している。

さらに問題がある。これらのスパイダー(放射軸)の多くは季節ごとに現れたり消えたりしているようなのだ。有名なSF作家であるアーサー・C・クラークとの共同研究によって開発された最近の研究では、これらの出没は惑星科学の最も深い謎のひとつであり、生物学的な原因さえ推測されている。NASAのEDM(放電加工)に対する無知は、NASAに資金を提供している国民に対する継続的な迷惑(害、ひどい仕打ち)である。

火星のダストデビル(塵の悪魔)

火星のダストデビル

火星のダストデビル

上の写真は火星の表面をエッチングするダストデビル。稲妻をはじめ、近隣の惑星で起こるさまざまな電気現象は、失礼ながら主流科学に大きな衝撃を与えた。

電気気象のページで述べたように、EUの観点からは、電離層から通常の稲妻によって地表に到達する中間的な電気経路を提供するのに十分な水分が大気中に存在しないため、電気渦 electrical vortex が発生すると予想されている。火星のダストデビルを駆動する放電は、最近発見されたジェットやスプライト現象と共通点が多い。

目に見える光は、もうひとつの兆候である。電気的な相互作用は、またしても最も単純で可能性の高い説明であり、似たような"光"が月の表面を横切って移動しているのも目撃されている。

リルとスピル(放水路、溢流)、樹枝状パターン。まとめ

リル

リル

リル(ドイツ語で"溝"の意)という用語は、月や他の惑星の表面にあるチャネルのような細長い窪みを表すのに一般的に使われている。これらは一般的に、水や溶岩流によってできたと考えられているが、その証拠がない場合もある。もちろん、これらのチャネルは電気的な現象によって作られることもある。確かに、リヒテンベルク図形と液体のチャネルには多くの類似点があるため、区別するのは難しいかもしれない。

最近の火星探査ミッションで、フェニックス着陸機に搭載された機器は、多くのリル周辺の土壌が非導電性であることを発見した。……水がないことを示している。

火星のどこかに水や氷が堆積している可能性はまだあるが、それらは火星の表面を劇的に変化させた大災害の間に形成された可能性が高い。現在では、巨大で壮大な稲妻(神々のサンダーボルトとしても知られている)の形をしたプラズマ放電が、曲がりくねったリル、平らな床のクレーター、峡谷の"線路"パターン(上の画像のように)、交差する小峡谷、巨大なメサ(周囲が急な崖になった台地)、そしてそれに付随する多くのリヒテンベルクの"ひげ"や上述の様々な地層を作り出した可能性が高まっている。

枝分かれしたリルは一般に樹枝状パターンと呼ばれる。時には、電気と液体の流れ、水や溶岩が同時に、あるいは時間をかけて組み合わさってできたものかもしれない。前述した火星のスパイダーは、電気的な方法によって作り出された樹枝状パターンである。

イオの電気ジェットが火山の推測を覆す

イオの噴煙(煙・雲の柱)

イオの噴煙(煙・雲の柱)

木星の衛星イオの噴煙は、高さ数百キロメートルに及ぶものもあり、実験室での放電に似た特徴を示している。

ガリレオ宇宙船が撮影したこの写真は、木星に最も近い月の表面から噴出するプラズマの噴煙を示す多くの画像のうちのひとつである。これらの噴煙が放電によるものであることを最初に示唆したのは、コーネル大学の天体物理学者トーマス・ゴールドで、彼の論文「イオでの噴出の電気的起源」は、1979年11月30日付のサイエンス誌に掲載された。1987年、ゴールドの解釈は、プラズマ物理学者のアレックス・デスラーとアンソニー・ペラットによって天体物理学と宇宙科学誌に掲載された論文で支持された。デスラーとペラットは、フィラメント状の半暗部(黒点の黒い部分をドーナツ状に囲んでいる薄暗い部分)と噴出物が輪郭がはっきりしたリング状に収束する現象は、いずれも火山とは異なる特徴的なプラズマ放電効果であると認めた。

さらに、噴煙は地球上の溶岩よりも高温であることが判明しており、さらに驚くべきことに、"火山"とされるものは数年で数十キロも移動している。これらはすべて、電気モデルの予測可能な特徴である。実際、イオと木星は、数兆ワットの電力を発生する少なくとも5,000,000アンペアの電流を含む"フラックスチューブ(磁束管、プラズマ中で磁力線が集まって束になっている円柱状の領域)“によって接続されていることが知られている!

実験室で

プラズマ実験は本物のクレーターと一致する:

実験によるプラズマクレーターが実際のクレーターと一致

このシリーズでは、電気クレーターのアイデアの歴史と、それを裏付ける関連実験を簡単に取り上げたい。そして、それぞれのタイプのクレーターが具体的にどのように形成されるのかを、実験的証拠と実際の例を並べて検証してみたいと思う。このエピソードでは、その歴史を取り上げる。

イオの火山は本当の火山ではなく、電気的な現象によるものだという考え方は、多くの人が知っているだろう。このメカニズムは具体的にどのように働き、なぜそのような形が生まれるのだろうか? これを理解するためには、ロスアラモス国立研究所に勤務していたアンソニー・ペラットと、ライス大学で宇宙科学部門を創設したアレクサンダー・デスラーが発表した論文を調べる必要がある。

── つづく
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by kiyo.I