”ルーブルガス”、ルーブルが新たな資源国基軸通貨として台頭する
世界は大きく変わり始めた。西洋支配の没落
「ダボス会議のグレートリセットは、ロシアンリセットによって打ち砕かれた」
今回訳したペペ・エスコバル氏の記事の結論です。3月、ロシアは金本位制をスタートさせました。これまでのドル支配が終わり金融システムが大きく変わり始めています。ロシアからの天然ガスなどの燃料供給に依存していたヨーロッパ諸国はルーブルで支払いするしかなくなりました。さてどうなることやら。インフレと食糧不足が早くも現実味を帯びてきました。ロシアを認めない日本や欧米諸国は、その傲慢さによって墓穴を掘ることになりそうです。こんなのに付き合いされたくはありませんが。
私は金融については語れるほどのものは何もないので、金融制度というものが、一体どういうものだったのか、マドモアゼル・愛さんの「金本位制で何がどう変わるか」をお勧めします。
それにしてもテレビなどのウクライナ報道には頭に来ます。ちょっと想像してみてください。警察がナチスだとしたら、どうしますか? ウクライナではアゾフといったネオナチ集団が警察であり、軍隊です。ゼレンスキーはナチス・ウクライナ本部の報道官です。ですから、日本のウクライナ報道は正式の「警察発表」であることには間違いありません。しかし、メディアは恥を知れというしかありません。
ウクライナで女性が処罰される(https://t.me/wakeupjapancomeon/1316)
このような動画は調べれば、いくらでも出てきます。
[ペペ・エスコバル]
The Cradle誌のコラムニスト、Asia Times誌の編集長、ユーラシアを中心とした独立系地政学アナリスト。1980年代半ばから、ロンドン、パリ、ミラノ、ロサンゼルス、シンガポール、バンコクに在住し、海外特派員として活躍。著書は多数あり、最新作は『Raging Twenties』
”ルーブルガス”:世界の新しい資源ベースの基軸通貨
‘Rublegas:’ the world’s new resource-based reserve currency
Rublegas is the commodity currency du jour and it isn’t nearly as complicated as NATO pretends.
If Europe wants gas, all it needs to do is send its Euros to a Russian account inside Russia.
By Pepe Escobar
April 01 2022
ルーブルガスは、今日の商品通貨であり、NATOが言うほど複雑ではない。もしヨーロッパがガスを欲しければ、ロシア国内の口座にユーロを送金すればよいのである。
ペペ・エスコバル
サダム、カダフィ、イラン、ベネズエラ…… みんなやろうとしたができなかった。しかし、ロシアはまったく別次元だ。
モスクワが適用(作動させた)した、ゲームを変える、ガスとルーブルの交換 gas-for-rubles、地政学的柔術(jujitsuと表記されています)の美しさは、非常にシンプルである。
ロシアのプーチン大統領は、エネルギー製品の新しい支払条件に関する大統領令を発表したが、予想通り、西側諸国は誤解していた。ロシア政府が要求しているのは、ルーブルでのガス代金のストレートな支払いではない。モスクワが求めているのは、ロシアのガスプロム銀行で、その通貨で支払われることであり、西側資本の銀行機関にあるガスプロムの口座で支払われることではない。
これこそ、less-is-more(控えめ[小規模・ほどほど]にすることでむしろ大きな効果を挙げるアプローチ)の真骨頂である。ガスプロムバンクは、顧客からモスクワ証券取引所に預かった外貨(ドルまたはユーロ)を売却し、ガスプロムバンク内のルーブル建ての別の口座に入金する。
これが実際に何を意味するかというと、外貨を人質に取られたり、凍結されたりしやすい外国の銀行に蓄えるのではなく、直接ロシアに送金することが重要なのだ。
今後、これらの取引はすべてロシアの管轄区域に移されるべきであり、その結果、支払いが中断されたり、完全にブロックされたりするリスクを排除することができる。
ワシントンの利益のために自国の経済を破壊することに積極的に取り組んでいる従属的な欧州連合(EU)の組織が、ユーロをルーブルに交換するという複雑な問題を理解する知性がないのも無理はない。
ガスプロムは今週金曜日、西側と日本の取引先に正式な通知を送り、事態を容易にした。
プーチン自身は、ドイツのオラフ・ショルツ首相に文書でその仕組みを説明することを余儀なくされた。
もう一度言うが、非常にシンプルだ。ロシアのガスプロムバンクに口座を開設する。ドルやユーロなどの外貨で支払い、その時の為替レートでルーブルに換算し、ガスプロムの別の口座に振り込む。
こうして、ガスプロムに支払われることが100%保証される。
これは、米国が欧州にあるガスプロムの口座にロシアのガス代金を支払うよう強制し、それが即座に凍結されるのと対照的だ。この口座は、ロシアのウクライナでの軍事作戦である”Z作戦”が終了して初めて封鎖が解除される。
しかし、アメリカ人は戦争を無期限に続けさせ、モスクワを1980年代のアフガニスタンのように”泥沼化”させたいのだ。そして、キエフではないどこか緑のスクリーンの前にいるウクライナのコメディアンには、いかなる停戦や和平交渉も受け入れることを厳しく禁じている。
そのため、ヨーロッパのガスプロムの口座は凍結され続けるだろう。
ショルツはまだ、この当たり前のことを理解しようとしていた。ロシアがガス供給を停止した場合、ガスプロムの子会社であるガスプロム・ゲルマニアとウィンガスを国有化するという案が浮上し、経済界の手先が大騒ぎになった。
話にならない。まるでベルリンの役人が、ガスプロムの子会社がドイツ中のセントラルヒーティングのオフィスで天然ガスを生産していると信じているようなものだ。
ガスがルーブルで買える new rubles-for-gas mechanism というのは、既存の契約に違反するものではない。しかし、プーチンが警告したように、既存の契約は本当に停止されるかもしれない。
「もし、そのような(ルーブル)支払いが行われない場合、買い手が約束を守らなかったとみなし、それに伴うすべての影響を与えることになる」
クレムリンのドミトリ・ペスコフ報道官は、現在の差し迫った状況下で、このメカニズムは元に戻らないと断固として主張した。しかし、だからといって、ガスの流れが即座に遮断されるわけでもない。4月後半から5月前半にかけて、”アンフレンドリー The Unfriendlies ”(主にアメリカ、カナダ、日本、EUを含む敵対国のリスト)からのルーブルでの支払いが予定されている。
グローバル・サウス※(アフリカ、ラテンアメリカ、中東を含む発展途上アジア)の圧倒的多数にとって、包括的なビッグピクチャーは極めて明確だ。大西洋主義の寡頭制は、ヨーロッパの人々の幸福に不可欠なロシアのガスの購入を拒否する一方で、同じ人々に対して有害なインフレ率の武器化に全面的に関与している。
ルーブルガスを超えて
このガスとルーブルの交換 gas-for-rubles メカニズム(ルーブルガス)は、他の多くのメカニズムとともに、代替的な金融・通貨システムを構築するための最初の具体的な基礎的要素に過ぎないのである。ルーブル・ルピーの取引、サウジのペトロユアン、イランとロシアのSWIFTバイパス・メカニズム、そして最も重要な中国・ユーラシア経済連合(EAEU)の包括的金融・通貨システムの設計(最初のドラフトが数日中に発表される予定)などがそうである。
そして、これらすべては、ルーブルが新たな資源国基軸通貨として見事に台頭することに直結している。
予想通りの否定的な初期段階を経て、EUは(実際にはドイツは)現実を直視しなければならない。EUは、ロシアのガス(40%)と石油(25%)の安定供給に依存している。制裁のヒステリーは、すでに公認の反動をもたらしている。
天然ガスは、ドイツの化学および製薬産業が必要とする量の50%を占めている。アルジェリア、ノルウェー、カタール、トルクメニスタンなどからの代替は不可能である。ドイツはEUの産業大国だ。ドイツ、そしてヨーロッパの産業基盤を維持することができるのはロシアのガスだけであり、長期契約の場合は非常に手頃な価格だ。
この体制を崩すと、EU内外に恐ろしいほどの混乱が生じる。
アンドレイ・マルティヤノフ Andrei Martyanov は、次のように要約している。
「世界を定義するものは2つだけだ。実際の物理的な経済と、その最初の派生物である軍事力だ。それ以外はすべて派生物だが、派生物だけでは生きていけない」
アメリカのターボ資本主義のカジノは、自分たちの派生的な"物語 narrative “を信じている。それは実体経済とは何の関係もない。EUはいずれ現実によって、否定から受容へと移行することを余儀なくされるだろう。
一方、グローバル・サウスは、新しいパラダイムに素早く適応していくだろう。ダボス会議のグレートリセットは、ロシアンリセットによって打ち砕かれたのである。
この記事で示された見解は、必ずしもThe Cradleの見解を反映したものではありません。
※Global South:グローバル・サウス:アフリカ、ラテンアメリカ、中東を含む発展途上アジアは、北半球との社会経済的・政治的分断の半分と見なされている。2015年、アンドレア・ホリントン、オリバー・タッペ、ティジョ・サルベルダ、トビアス・シュヴァルツ『グローバル・サウスの概念』
グローバル・サウスとはどこの国で、何を指すのか? 街行く人に尋ねても、おそらく多くの人はかすかな見当もつかないだろう。日常会話やマスメディアでは、グローバル・サウスは一般的な言葉にはなっていない。しかし、学術界や(グローバル)政策界では、この言葉はもっと盛んに使われている。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。