面と向かって言えない。母への嫌悪感を解消する
なんでわかってくれないの
誰でも身近な人に対して、不平不満のひとつやふたつ持っています。
どうしてあの人はいつもこうなんだろうとか、どうして私のことを理解しようとしてくれないのだろうとか言いたくなるときがあります。コミュニケーションが取れていないと次第に嫌悪感まで抱くようになってしまいます。
不平不満があるということは
不平不満という形で文句が出るときは、相手がわかってくれないという憤りがあります。同時に自分にはこの状態を変えることができないという無力感が心の中にあります。何も変えることができないので、それが文句となってしまうのです。誰もが人の文句は聞きたくないので、文句には文句で応えてしまい言い争いになってしまいがちです。
不平不満は自分にはこの状態を変えることができないという無力感を表しています。言えば言うほど自分が小さくなっていく感じがしてしまいます。そうなるとますます自分のことまで嫌になってしまいます。
不平不満をため込んでいると必ず問題が起きてしまいます。とはいうものの、なかなか面と向かっては言えません。言ってしまったが最後、ハチの巣をつついたような騒ぎになってしまうのが怖いのです。
収拾がつかなくなって、言った方も言われた方も気分を害してしまいます。言わずに我慢していても、たまり溜まった不満が爆発するのは時間の問題です。言っても言わなくても表情や仕草に表れます。隠せません。
関係を改善するチャンス
どちらにしても、いずれは人間関係を壊してしまいます。特に家族の中で妻が夫に、夫が妻に、親が子に、子が親にそれぞれ言いたいことがあっても言えないでいると深刻な事態が発生するかもしれません。
不平不満があるということは、お互いに置かれている状況を変えることを求められているという事です。だとしたらそれは変えることができるのでしょうか?
「正しさ」よりもわかりあえる方がいい
不平不満や文句は「正しさ」を相手に押し付けているという事です。
「あのとき言われたことで傷ついた」って言われれば「え、そんなこと言った覚えがない」とか「そんなつもりで言ったんじゃない」って応酬するかもしれません。
つまり、お互いに自分の方が正しいって主張しているのです。お互いに自分は間違ってないって言い合っているのです。そのことに気付いてください。
たしかにお互いの立場でそう感じたのは事実です。そんなことはない、私はこう思っているって、お互いの立場を主張して譲れないのです。お互いの間の溝を埋めることよりも「正しさ」のほうが大事になっているのです。
誰もが自分は間違っていないって思いたいです。ですから言い争いというのは、私は間違ってなどいないという同じことをめぐって対立しています。傍目から見れば滑稽かもしれません。同じことを言いたいためにケンカしているのですから。
相手に「正しさ」を認めさせようとすることと、溝を埋めるためにお互いにコミュニケーションすることとどちらが大切でしょうか?
答えはおのずと明らかですね。不平不満をぶつけたり、ため込むより、お互いの関係をより良くするために冒険してみてはどうでしょうか?
お互いに自分はどういう「正しさ」を持っているのか、こだわりがあるのか伝えあうのもいいと思います。お互いに譲れない「正しさ」をオープンにすることが相手を理解するきっかけになります。
それは関係を修復するだけでなくマンネリ化した二人の関係を生き生きとした関係に変えるチャンスにもなります。
以下の文はカウンセリング.COMで回答させていただいたときのものに手を加えたものです。
分かって欲しいときは、逆に母への理解が足りないのかもしれません
何を言ってもわかってもらえないことが続くと次第に話すことさえ嫌になってしまいます。お母さんはいくら言ってもわかってくれないという気持ちと、お母さんを愛する気持ちの折り合いがつかなくなります。ときには涙が出ます。
相手がわかってくれないと文句を言っている時は、実はあなたが母を理解しようとしていないのかもしれないと思ってみてください。
つまり、あなたが望むやり方で理解してくれていないと文句を言っているのです。そんなことありませんか? 心当たりありませんか?
親と子というのはすぐに感情的になりやすいです。二人が対立している時、感じている気持ちは同じです。正反対に見えたとしても、わだかまりの気持ちは実は同じです。どちらも相手が自分のことを理解してくれていないと思っています。細かいことはいいから、私の言うとおりにしてと相手をコントロールしています。コントロールされるのは嫌ですから、そのことを巡って争いが起きます。
試しに「お母さんを目の前にすると、わたしはいつもお母さんは分かってくれない、理解してくれないと感じています。お母さんも私のことをそう思っているでしょう?」という風に切り出してみてください。感じている感情や気持ちを素直に伝えます。
そうすると、相手も同じように思っていたことがわかります。同じ気持ちをお互いにぶつけあっていたことがわかります。
同じ気持ちでいたことがわかれば、争いの滑稽さが理解できて、そこから二人のコミュニケーションがスタートできます。