父や母のせいにしても辛さはなくならない。
父や母のせいですか?
あんな親のせいで、
父が乱暴だったから、
酒癖が悪かったから、
母が口うるさかったから、
貶され続けたから、
親の言いなりになって従ってきたばっかりに、
・・・親を責める言葉はとめどなく溢れてくることがあります。たしかに辛い思いをすればするほど、ひどい仕打ちを受ければ受けるほど親のせいにしたくなります。
当然かもしれません。
ですが、親のせいだとして、そこからあなたが本当に生きたい人生を選ぶことができるでしょうか?
どうしたいのでしょうか?
親に仕返しをする復讐の人生にしたいですか?
誰かのせいにすると問題が起きてしまいます
上手くいかないことがあると、誰かのせいにしていたりしませんか?
誰かや何かのせいにして、その問題は解決したことがありましたか?
そのままにしておくと、忘れたころにまた同じような問題が起きてしまいませんでしたか?
誰かのせいにして上手くいったためしはありましたか?
永遠に人のせいですから、自分は安全かもしれません。文句を言いたくなって、その毒気に自分もやられます。世の中を批判的な目で見てしまいます。文句を言っていれば自分は責任を取らなくてすみます。
誰かのせいという気持ちをたぐっていくと、たどり着くのは「父や母、両親のせい」ではないでしょうか?
ちゃんと育ててくれてさえいれば・・・、
あの時あんなことをされなければ・・・、
言われるとおりにしたばっかりに・・・、
あんな親でなければ・・・
こんなことにはならなかったのに。
父や母のせいにして、あなたの辛さが軽くなりましたか?
誰かのせいにするという事はその奥に、親への恨みつらみ、復讐の気持ちが隠されています。
そのままにしておくと、必ず人間関係や仕事で問題が起きてしまいます。
たしかに理想的な親というものはなかなかいません。それは自分が親になったらすぐにわかります。思い知ることになります。
両親の立場に立って考えたこと、ありますか?
両親というのは子どもを十分な愛情をもって育てるべきだと考えたことはありませんでしたか?
もし両親にそれができていれば、きっとそうしたことでしょう。
でもできなかったのです。
両親もまたその両親からあなたを愛情をもって育てるだけのものをもらえてなかったのかも知れません。
自分は「被害者」という気持ちを手放してください
誰かのせいにするという事は、言いかえれば自分が「被害者」になるという事です。そして簡単に「加害者」にもなります。
あんなひどい扱いを受けたから、
あんなことを言われたから、されたから、、、
人のせいにするのは当然かもしれません。
ところが「被害者」の立場でいると、自分の人生を生きることができません。
いつまでも恨みつらみの気持ちや辛い気持ちがなくなりません。
誰かを責めたり自分を責めたり、その度に嫌な気持ちをずっと抱えることになります。
そうではありませんでしたか?
病気になったりケガをしたりひどい目にあって自分を傷つけてまで仕返しをしたいですか?
今度は加害者になって、されたことをやり返す復讐の人生にしたいですか?
その「アリ地獄」から抜け出すには、「被害者」の立場を捨てて、自らに責任を持つことです。された側であることは事実ですが、自分の身に起きたことは自分で責任を持つことが大切です。責任を持つことで初めて問題に対処することができます。もしかしたら、深い心理的な側面から見れば、被害者になることを選択していたのかもしれないのですから。
被害者でいると辛さが増す
手始めにこんなやり方はどうでしょうか? ゲーム感覚でやってみてください。
実は「被害者でいることを選択したのは自分かも知れない」と想像してみてください。
「まねいた」「引き寄せた」というのとはちょっと違います。辛いことを自分で選ぶなんてことは絶対にあり得ないと感じるかもしれませんが
「そうしたかったのかもしれない」って仮に思ってください。
騙されたと思って試してみてください。それができれば、別の見方にハッと気付くことがあります。何かが自分の中で変わっていくのが実感できるかもしれません。
以下の文はカウンセリング.COMで回答させていただいたときのものに手を加えたものです。
「誰かのせい」にしていると文句を言いたくなる
思ったようにいかないと誰かのせいにしたくなります。
あのとき、ちゃんとしてくれていればこんな事にならなかったのに。わたしがこんな目にあうのも両親のせいだと思いたくなります。
親は子にとって身の回りのことから色々なことをやってくれるものだという思い込みが今だにあると、うまくいかないとき文句となって親を責めます。
責めてもどうにもならないとき、次に、自分を責め始めます。気分が悪くなり、なにもかもどうでもよくなってきます。
誰かのせいにして「被害者」の立場をとってしまうと、わざわざ傷つくことを選択しているようなものです。
被害者意識を持つということは、そこに復讐したい気持ちが隠れています。仕返ししたいという気持ちです。たとえそれができたとしても復讐は決してうまくいきません。
親の言いなりに嫌々ながらしてきたとしても、あなたも同意していたのですから責任のいったんはあります。
誰かのせいにしてしまうと文句を言いたくなります。自分の人生に自分が責任を持つと決めると文句は出ません。
こうあるべきだったのにというこだわりを手放してください。復讐したい気持ちに気付いて手放してください。手放すと、あなたも両親もともに責めることから自由になります。辛いとしか思えなかった過去からも解放されます。
最後までお読みいただきありがとうございました。