chriskit④ vishay VSR抵抗をチップ抵抗に替えた

普通はひとつ1000円以上する抵抗を100円位のものに替えることはしませんね。良くする⇨高額という図式が出来上がっていました。思い込みは選択肢を狭めます。

vishay VSR抵抗はいいけれど、、、

不思議なことにvishay VSR抵抗に替えてからあまり音楽を聴かなくなっていました。満足がいく状態になった安心感からなのかよくわかりませんが、なぜか聴きたい気が失せてしまっていたのです。自分でもなんか変だなって思っていたのですが、、、別のことでいろいろと忙しかったので気にとめていませんでした。でも音楽を聴いていると何かなんとも言いようのないモヤモヤ感、違和感を感じていました。

vishay VSR抵抗 1.5kΩ
vishay VSR 1.5kΩ

昨年(2017年)暮れオーディオ関連の情報を久々にチェックしました。vishay VSR抵抗についての記事を探していた時です。あるブログで「噂の高級抵抗が負けちゃった…」という文言を目にしました。噂の高級抵抗とは vishay VAR。これは一体どういうこと?
vishayの抵抗については絶賛する記事しか見たことがありませんでした。私自身もそう思っていましたし、値段は高いけれどそれに見合う以上の違いがあるという内容がほとんどだったのでビックリしました。その記事は『通電してみんべ』というブログの「高音質アッテネータ①抵抗の音」です。
以下関係のある部分だけ引用させて頂きます。

3:Vishay VAR (1kΩのみ確認)
   ちまたでは世の中で最も音が良いと言われる抵抗です。
   進工業RGでは感じる気がする上下方向の音までは聞き取れず。
   全体に横並びに音が定位する感じがします。3次元に足りず2.5次元。
   ストリングスの向こう側のフルートとかオーボエが若干前の方に寄ります。
6:Vishay VSR
   進工業RRシリーズとの比較では、ぐっと空間性が劣る感じを受けます。
   ストリングスが雛壇に居るんじゃなくて全部合わさって壁の様です。(爆)
   中域が引っ込んでのっぺりとした艶が乗る? 素子の方向性があるかも?
   高域がシャラシャラ鳴る癖がある? そんな感じです。
・・・
まあ理由はともあれ進工業のRGが、Vishay VARよりも音が良い・・・

読んだあと、あのモヤモヤ感はこれだったのかなって思いました。透明感があってメリハリがあって鮮やかに音が聞こえてくる反面、平面的なのです。奥行き感や立体感があまりありません。振り返ってみると派手に音が聞こえてくるので聴き始めは、あぁ~いい音って感じます。でもいいんだけれどなぜか次第につまらなくなってしまい、、、。
これには私の聴き方、評価の仕方にも問題があったことに気が付きました。普段聞き慣れているCDをかけて楽器の音や人の声がどう聞こえてくるかに注目していましたが、つい音色の方に注意がいってしまい遠近感とかはこんなものだと思いあまり気にしていませんでした。ピアノやバイオリンや他の楽器がどんな音で鳴るんだろうってことに関心がいってしまって、気になるところがひとつでもあると、こんな音だったっけ? 以前はもっといい音がしてけどって感じで次第に楽しめなくなっていました。だんだん聴く気が失せてしまっていたのです。メリハリを追求しているうちになにかもっと大切なことを見失ってしまっていたのかもしれません。

VSRをチップ抵抗に替えてみた

そうはいうものの試してみなければわかりません。私が使っているクリスキットでどうなるかやってみないとわかりません。チップ抵抗なんて使ったこともなければ使うこと自体考えもしませんでしたから。
『通電してみんべ』というブログにはコンデンサの記事もあり、品種とは別に組み合わせるコンデンサの容量によって出てくる音の傾向が違ってくるそうです。容量の違う系統を使うとぶつかり合ってよろしくないということが書かれていました。それは「ヘッドフォンアンプ⑨コンデンサを極める」ですが、これにも驚きました。初耳でした。そんな事があるなんて想像したこともありませんでしたから。これまでは評判のいいコンデンサを入れ替えてみるくらいのことしかしていなかったので、同じ容量のものかなければ近いもので済ませていました。抵抗を替えて試してみる機会にこれまでに変更したコンデンサの容量の組み合わせも再検討してみることにしました。
まずは注文です。マルツオンラインで一括して注文することにしました。ここは他と比べて少し割高です。品揃えならDigiKeyがありますが、英語でやり取りするのも面倒です。値段はもっと安いところで秋月電子とかいろいろありますが、欲しいものが一つの店で揃いません。分散して注文するのも面倒なので必要なものが揃うマルツオンラインにしました。
最初に注文したのは以下のものです。
抵抗
RG1608P-6191-B-T5
RG1608P-152-B-T5
RG1608P-3741-B-T5
RG1608P-4991-B-T5
コンデンサ
GRM1885C2A680JA01J
C2012C0G2A272J125AA
(FG16X7S2A335KRT06)
(FK18C0G1H101J)
(FK20C0G1H104J)

チップ抵抗とチップコンデンサのはんだ付けにうんざり。

実際の作業は大変でした。チップ抵抗の大きさはゴマ粒くらいの大きさです。老眼と近眼の入った目では辛いです。しかも拡大鏡なしで。パワーアンプの入力からすぐのところに33kΩの抵抗がありますが、これを6kΩ強の抵抗で直列につなごうと無謀なことをしてしまいました。1つ目はうまくいったのですが2つ目で何度も失敗しました。トータルで2時間位かかったかもしれません。最後は諦めました。すごく時間がかかり泣きたくなりました。馬鹿だなと思いながら情けなくなりました。チップ抵抗は軽いのではんだこての先にひっついてしまいます。それで仕方ないので2つ目はちょっとごまかしました。パワーアンプを先にやって音出ししながらプリアンプにかかったのですがメチャクチャ嫌になるほど時間がかかりました。
パワーアンプで変更したのは回路図の番号でR-6,7,9,10、プリアンプはR-8,13,VR-8。一部のコンデンサには68pFと2700pFを追加。コンデンサは一箇所だけ系列外の物があったので取り外し赤系統で統一しました(「コンデンサを極める」の記事参照)。

クリスキット基盤裏 チップ抵抗に替えた
チップ抵抗 rg1608p-6191-b-t5 6.19kΩ×5

それにしても汚いですね。はんだ付けの後はいつもアルコールできれいにしているつもりでもこれではいただけません。
結果どうなったかというと、vishay VSR抵抗と音色はあまり変わりませんでした。高域の派手さが落ち着き少し立体感が出てきたような感じがします。VSR抵抗の平面で音が鳴る傾向とは違っています。でももう少し立体感というか空間の表現が欲しいところです。
それで次に『通電してみんべ』というブログにトランジスタの音質を比較する記事があったので、それを参考にしてトランジスタを変更してみることにしました。それは改めて記事にします。

Posted by kiyo.I