WEFと戦うオランダの農家

オランダで何が起きているのか?
農地が奪われることに対して、トラクターを繰り出した農民の抗議運動が伝えられていましたが、詳しいことは知りませんでした。”The Grayzone”というサイトに「オランダの農家は、自分たちを忘却の彼方へと追いやるテクノクラート勢力と戦っている」という記事がありましたので、これを紹介します。

同じサイトの8月の「ノーファーム、ノーフード:オランダの農家は、億万長者の”グリーン”エリートの食糧システム・リセット計画に立ち向かう」という記事から引用します。

消防士や漁師も農民の抗議に加わり、フェリーの運航を停止せざるを得なくなった。農民がトラクターで道路や高速道路を封鎖すると、レッカー車の運転手は撤去の命令を拒否して連帯感を示した。支配的な体制に対する軽蔑の念を露わにし、農民たちは政府の建物にさえ糞尿を投棄しているのだ。

抗議行動に対する国家の弾圧も同様に激しさを増している。オランダ警察は、あるデモで16歳の農民を射撃し、別のデモではトラクターに発砲している。オランダの治安部隊は実弾射撃以外でも、デモ参加者に催涙ガスを浴びせ、犬を群衆に放ち、警棒でデモ参加者を殴打するなどの乱暴な行為を行っている。

信じられないような事態が進行しています。まるで農地の強制収用です。これはオランダに限らず、世界中で、この日本でも、食料の自給をやめさせ、食糧危機を意図的に作り出す政策が意図的に行われているように見えます。

https://twitter.com/TheSovParty/status/1603450177137917978

オランダの農家は、グローバリストの支配者に捕らえられている。彼らは、狂った疑似グリーンアジェンダのコントロールグリッドに従うために、3000のオランダの農場を不法に閉鎖しようとしている。ウェールズもまた、この戦いに直面している。

農家はすべてを支配下に置いている。
その調子だ!

【生配信】オランダ農家一揆 グローバリストから国を守る農家の戦い

オランダの農家は、自分たちを忘却の彼方へと追いやるテクノクラート勢力と戦っている

Dutch farmers battle technocratic forces driving them into oblivion
NASH LANDESMAN·DECEMBER 8, 2022
ナッシュ・ランデスマン──2022年12月8日

オランダの農民の戦い

オランダの農民は、世界の食糧供給を支配しようとする多国籍企業、ダボス会議加盟の政党、NGOのカルテルと公然と闘っている。
「彼らは土地から文化を一掃しようとしている」とある農家は嘆く。

オランダのヘレンフェーン HEERENVEEN には、古風な町や都市が、完璧に手入れされた緑の農地と平行して点在している。道路や鉄道のインフラはほぼ完璧である。何週間探しても、道にできた穴が見つからない。世界で最も物価の高い国のひとつであり、地球上で最も美味しいステーキ、チーズ、ヨーグルト、牛乳を生産している。土地は肥沃で、価値があり、北大西洋沿岸に簡単にアクセスできる戦略的な位置にある。このような理由から、選挙で選ばれたわけでもない、ほとんど無名の人物が、民間団体や多国籍団体の役員を務める委員会の軍団が、地球を最大の敵である人間自身から救うという理由で、そのすべてを押収しようと主張している。
その標的は、オランダの農民である。
ある農家は”The Grayzone”に「彼らは規制で我々をゆっくりと殺している」と語った。それは[千の紙切れによる死(遅いプロセス、長引く死?)death by a thousand paper-cuts]であり、現代のテクノクラートによる「戦争術 The Art of War(兵法)」である。

まず、背景を説明しよう。オランダは、インディアナ州とほぼ同じ面積で、アメリカに次いで世界で最も多くの食料を輸出している国である。世界中の農家がオランダの技術を学びにやってくる。
オランダは、第二次世界大戦中、ナチスの飢饉に対処するために生まれた”マンショルト理論”と呼ばれる食糧安全保障と自給自足の考え方を取り入れている。オランダの農業は、同じような悲劇を避けるために、ハーバーボッシュ法という窒素を注入して収穫効率を高める方法を取り入れている。1900年代初頭にノーベル賞を受賞した2人の化学者、ハーバー=ボッシュによる発明は、今日の世界人口の半分の存続を担っている(マルサス主義者のサークルでは”人口爆発の起爆剤”として知られている)。それは、より少ない土地でより多くの食料を栽培する能力のおかげだ。

しかし現在、世界銀行の”気候スマート農業”プログラム、国連の”保護区構想”、欧州委員会、資金力のあるNGOの軍勢などの国際機関が、オランダの農家をターゲットにした完全に包括的なプラットフォームを実行しており、有機肥料と人工肥料の使用を制限し、生産者から土地を取り上げる口実として”生物多様性の保護”を主張している。

オランダの農民たちは、ハーグにトラクターを走らせ、道路に火のついたゴミを投げつけ、政府の建物に糞尿をまき散らし抗議している。

オランダ政府は、今年初めにスリランカで行われたのと同じ過激な実験、つまり現代の生存の基礎である窒素系肥料を排除する実験を実施していることを改めて強調しておきたい。東南アジアの国では、この実験が飢饉を引き起こし、政府を崩壊させた。スリランカの”災害”は、”何かを無に置き換える”という単純な前提のもとで起きた。そして、地政学的な場面からロシアのガスを排除することである。2019年にスリランカのコロンボで署名されたコロンボ宣言は、食料安全保障と主権の終わりを祝い、その代わりに、現在オランダに押し付けられている輸入依存と農業破壊のモデルを提供した。

「彼らは、この土地から文化を一掃している」と、身長180センチのオランダ人で、ウェーブのかかった短い黒髪の50代の女性シエタ・ヴァン・キンペマは言う。彼女は欧州牛乳委員会(ヨーロピアン・ミルク ボード)の会長であり、オランダの農民の事実上の政治組織である農民防衛軍(FDF)のリーダーである。

オランダの農民の戦い

「私たちの政府は、法律や、法令によって私たちを取り返しのつかない窮地に追い込んでいます」と彼女は言う。
「もし、人々が食卓に食べ物を置くことができなければ、暴動が起こるでしょう。不安定な社会になってしまいます。これには何のメリットもありません」
彼女のグループ、農民の防衛軍 Farmer’s Defense Force は、自警団的なポピュリストの英雄と評されることもあれば、抗議行動を引き起こしたトラブルメーカーと評されることもある。FDF(農民の防衛軍)は、環境活動家”ミート・ザ・ヴィクティムズ Meat the Victims※”が2019年にオランダの小さな町の養豚場を強引に占拠したことに端を発する。

Meat The Victimsは、動物搾取を廃止するために不当な法律に共に背くことを望む市民のコミュニティの新世代の一員である。
「人は不当な法律に背く道徳的責任を負っている」 ~マーティン・ルーサー・キングJr. 
※ヴィーガン活動家がオランダの養豚場を占拠し、農民の群れと対立したため、警察が介入
Meat the Victims:Police step in as vegan activists occupy Dutch PIG FARM, square off with crowds of farmers (VIDEOS) 

警察は行動を起こす代わりに交渉人を送り込み、厳しく辛い経験を長引かせた。FDFはその後、農家が特別なWhatsAppグループに呼びかけて他の人を集め、救助に向かわせることができる”バットシグナル Bat Signal ”を創設した。

メンバーは食糧生産以外の時間は、ブリュッセルで戦ったり、ハーグで衝突したりすることもある。
「政府は農業生産を減らすために250億ユーロを費やしています」とシエタさんは言い、公式の方針を裏づける。大量に削除された欧州委員会の文書によると、その目的は過剰な規制による”農場の閉鎖”であり、必要であれば強制的な買い取りを展開することである。

公式の正当化の理由は議論の対象にはならない。オランダは建国以来、堤防、壁、土手、運河を建設し、海から文明を築いてきた(オランダの半分は海面下にあるため)”洪水防止”の名の下に作られた、最も侮辱的な規制(無礼な取り締まり)をいくつか見てみよう。
オランダ環境評価庁はグリーン・マニフェストの中で「特に洪水対策には、より根本的な政策が必要である…… 主に、地球という次元に重点を置いている……より持続可能で未来志向のオランダ」と説いている。それに伴い、一部のコンピューターモデルでは、前世紀に2cm上昇した海面が、次の世紀には20m上昇すると”80%の確率で”予測している。

農業による窒素の流出でオランダの水道水が飲めなくなるから、農業をなくさなければならない、というのがその理由である。実は、オランダの水道水は、ヨーロッパ水大賞で、オーストリアに次いで大陸で2番目に良いという評価を得ている。オランダの水道水はとてもきれいで、エビアンをトイレの汚泥のような味にしてしまうほどだ。本当の問題点は、オランダの農業は、その50%が個人経営で、しかも一等地を占拠していることだ。

オランダの環境報告書はさらに、多くの人が推測してきたことを正当化しているようだ。
「外国人移民の流入は(米国の戦争が少なからず原因となって)拡大の必要性を生んでいる」とし、現在から2040年の間に30万ヘクタールの農地をなくすことを求めている。これは皮肉ではなく、”農地の自然保護地区化”によって開始される。さらに、金持ちにはセカンドハウスが必要だ。
「高収入の家庭は、緑の多い地域に住むことを選ぶと思われるからだ。オランダの家庭は、庭付きの一戸建てを好む傾向が顕著である。オランダの理想の住まいのコンセプトは、おそらく”ゲーテッドコミュニティgated community※”の方向にシフトし、セカンドハウスの所有が増えるだろう」

※ゲーテッドコミュニティとは、ゲート(門)を設け周囲を塀で囲むなどして、住民以外の敷地内への出入りを制限することで通過交通の流入を防ぎ、防犯性を向上させたまちづくりの手法。

驚くなかれ、政府から補助金を受け、オランダ自然記念物保存協会と協力する住宅開発業者は、すでに農民から奪い取った土地に”保護区”として住宅を建て始めているのである。

オランダでは約80万人が農業に従事している。
「半分に減らしたら、もう続けるのは無理でしょう」とシエタさんは説明する。
「大手の酪農家は、ある程度の量の牛乳がないと、コスト的に成り立ちません…… 世界で唯一、自分の言っていることを理解していない窒素担当大臣がいる国だと思います。彼女(窒素担当大臣)は『自分が何を言っているのか本当にわからない』と認めています。彼女がやっていることは産業全体を破壊しているのですから、私は、家に帰れと言いたいのです」

その一方、多くの農民は、自分たちの生活に対する攻撃の背後にあると思われる勢力について合意に達している。

民主党66のような左翼政党」は「牛の数を半分に減らす」と公言しているが「クラウス・シュワブと非常に近い存在です」とシエタさんが言った。
「彼らはダボス会議に出ても、否定しません。WEF(世界経済フォーラム/ダボス会議)が、民主的な方法で決定されていない法案を推進しているのは事実です。それについてコメントすると、会議で私がしたように、公務員は本当に攻撃的になります。オランダは、国会で議論されたことのない法案を押し付けています」
大気の85%が窒素で構成されていることに言及すると、"気候変動否定論者"として叩かれる。

「民主主義 democracy のDは 命令(指図)dictation になった。恥を知らないのです」とシエタさんは言う。
「政府は人工肉、実験用肉に莫大な補助金を出し、それを”未来の食べ物”と呼んでいる。でも、私は昆虫を食べるつもりはありません。私は牛肉と鶏肉を食べるつもりです」
シエタさんによれば、結論はこうだ。
「彼らはたわ言を言い、私たちは食卓に食べ物を並べる…… 彼らが欲しいのはイノベーション(革新)ではなく、買収なのです」

実際、オランダの世界的な農業革新の拠点であるワーヘニンゲン大学は、農業界のスタンフォード/シリコンバレーと呼ばれているが、農家を助ける技術の開発をやめてしまった。その代わりに、人間が食べるための虫の生産に力を注いでいる。世界経済フォーラムは、ニコール・キッドマンなどのハリウッドスターがコオロギをムシャムシャ食べる広告を出し、オーストラリア訛りのセレブリティの輝きで、悲観的で深く憂慮すべき未来を表現している。

ニコール・キッドマン、虫を食べる|秘密の才能劇場|虚栄の市
お気に入りの人間(手下、子分)はすでに虫を食べる訓練を受けている。
まあ、彼らはうんこを食べるので、彼らにとっては虫はステップアップなのでしょう。
でも、私たち人間にとっては、パスです。

「農民たちは、世界経済フォーラムやビル・ゲイツなどを相手にして、起きていることを見てきました…… だから、彼らはとても積極的なのです」とシエタさんは付け加える。
「自分たちが戦っているのは、食を支配しようとする多国籍企業の強力なロビー活動だということを、農民たちは知っています。戦後、私たちは二度と飢餓を起こしてはならないと考え、できるだけ多くの食料を生産し、そのために窒素や肥料を使用することにしました。しかし今、彼らはヒトラーが望んだことと非常によく似た議題を押し進めています。食料を支配すれば、すべてを支配することになります」

オランダ政府は、国際機関とつながりのある民間資本やNGOの企業連合と組んで、250億ドル以上を動員してオランダの農民を締め出している。その中でも特に農家の心情を恐怖に陥れているのが、執拗な(無慈悲な)違法行為による金もうけ(ゆすりたかり)のエコロビー”環境のための動員 Mobilization for the Environment”、通称”MOB”である。

「MOBがあります。裁判になれば法律のせいで負けます。地方(田舎)はMOBと戦うことになります。MOBは地方と戦っています」とシエタさんは言う。
「すべては2019年5月に、裁判所が私たちの窒素のためのプログラムが良くないと判断したことから始まりました。彼らは私たちをスリランカのようにモルモット(実験台)にしました」

MOBは、オランダの地方政府が農家の生き残りを助けるために提供しているであろう、あらゆる自由裁量の余地を嗅ぎつけ、その存在を抹殺するまで、より多くのルール、より不快な制約、より厳重な取り締まりを課すように政府を訴えるという強大な力を持っている

オランダの主要メディアは、MOBのリーダーであるヨハン・フォレンブロークを “見方によっては、オランダで最も嫌われている男"と呼んだ。また、最近の窒素の否定における同グループの優位性については、
「もちろん、MOBが主導権を握っているわけではなく、最終的には内閣が決定しなければならない。しかし、MOBやその他多くの自然保護団体は、訴訟という重要な圧力手段を持っている。近年、彼らは何百件もの訴訟を起こし、その正しさが裁判官に証明されることが非常に多い」

MOBの任務は、ある農場の放牧申請を却下するために訴訟を起こすといった些細なものから、2019年に国全体の窒素プログラムを見直すといった、新しく大きな国の法的先例を作るという壮大なものまである。政府は彼らを恐れている。農家はそれを止めることができない。そしてこれが、フォレンブロークが引退後に過ごすとされる方法だ。もちろん、彼はそもそも条約を書いた人たちの代理人である可能性が高い。

オランダの農家が1日に5軒も壊滅していることに拍手を送りつつ、もっとやるべきことがあるとも主張する。フォレンブロークは死の脅迫を受け、ほとんどの時間をフランスで暮らしていると報道されている。オランダの王族、オレンジ・ナッソー勲章(オランダで最も権威ある勲章、民事および軍事的騎士団)は、農業に対する取り組みから、フォレンブロークを騎士に任命したこともある。
彼は弁護士ではない。活動家でもない。彼は企業の化学技術者でありながら、なぜか条約の専門家で、30年以上前の1991年のリオ地球サミットで書かれた書かれた世界規模の条約に従って、自国の法律をどう上書きするかについてEU諸国の相談役を務めている。環境保護主義者を装った専門家が、ご都合主義的な搾取や地政学的な目標、長期計画を達成するために、曖昧に書かれた条約を施行したり拡張したりするのである。しかし、オランダでは、MOBは反農業の先例を作り、それを定着させた実績がある。

フォレンブロークが述べたように、
「一度締結した条約を破棄して、再度交渉することはできない…… 家畜の数を単純に激減させ、多くの農家がやめなければならない…… 他に方法はない」

MOBは、オランダの数千の農業許可を裁判で取り消した張本人である。MOBの冗長なミッションステートメント/パブリックマニフェストの一部(オランダ語からの翻訳)によると、

「オランダ人であることを恥じる。特に豊かな国の人たちは、自分たちが未来を植民地化してしまったという不穏な真実に目を開かなければならない時が来ている。オランダは、環境の持続可能性という点で、発展途上国になってしまった。ヨーロッパのけ者だ」

MOBが農民を環境問題の元凶として取り上げたのも、そのためである。1990年代初頭にMOBが設立されて以来、30年にわたり同じ警鐘を鳴らし続けている。しかし、なぜかオランダは続いている。

オランダの農民の戦い

オランダの4人の農民

ヨハン/ポーラ:「彼らは私たちに未来へ進む余地を残していない」

環境保護の観点からは、地球上でオランダほど環境的に脅威のない国はないだろう。

ドイツとの国境に近いオランダのエメンという町で、ヨハンと妻のポーラは5代続く酪農家として必死に生きている。
「牛乳は私の血管の中に流れているんだ」
ヨハンは腰に手を当て、粗末な家の裏手で手巻きタバコを吸いながら言った。
「家とは牛のいるところだ」
しかし、ヨハンの素朴な知恵とミニマムな生き方は根絶されつつある。彼の妻、ポーラは相づちを打ち
「規則や規制を増やして、私たちを殺そうとしているわ。彼らは、私たちに未来へ進む余地をなくしてしまったの」

一家は、気候規制が緩いとされるアイルランドへの移住を計画している。農業学校に通う彼らの子どもたちは、予定通り家業の農場を受け継ぐことができない。オランダの新しい法律では、一度農業をやめると、本人も親族も二度とオランダで農業をすることが禁止される。

一家の土地はいわゆる”保護地域”に含まれ、EU/世界銀行のGEF(地球環境ファシリティ)ナチュラ2000条約に基づき、牛の搾乳や農業活動が違法となるため、買い取りの申し出がないのだそうだ。また、トウモロコシが収穫できなくなる晩秋まで、トウモロコシを植えることも禁じられている。

農家がお金を払えば、ある程度の余裕を持つことができるプッシュ・プル・ダイナミックもある。カーボンオフセットやリン酸塩オフセットの権利を購入し、富裕層が新しいグリーン経済で繁栄するチャンスを得ることができるのだ。
しかし「彼らが許容するたびに、それを取り返すの」とポーラは言う。オランダ政府が最近、農家に対して、糞便と尿を分離する(つまりアンモニアを減らす)ために10万ドルもする特殊な機械式牛舎の床を作るよう奨励していることを指摘する。

この機械式床は、農家が巨額の融資を受けて建設したため、一時的に持ちこたえた。しかし、やがて訴訟好きの”MOB”がやってきて、これでは不十分だと主張してきたとヨハンは言う。
「MOBは裁判に勝ったんだ。MOBに十分な金を払えば、彼らは手を引くだろう。だから、マフィア mob(ギャング、マフィア)と呼ばれるんだよ」と笑う。

彼の家族の土地は、保護水域から30メートル以内にあるため、すでに政府によって奪われている。
「やがて40メートル、400メートル」
ポーラは言う。
「いずれは全部取られるわ」

オランダの農民の戦い
ネリー:「自殺者が続出しているわ。みんな病気になって、うつ病になるのよ」

ホーヘフェーンのフリージアンタウンに、73歳の馬主兼酪農家のネリーさんが住んでいる。ネリーさんは、乳がんと過剰な規制の両方に嫌気がさしているという。ネリーさんは、官僚が週に5回も農場を訪れ、彼女の萎縮する経営がますます非現実的な基準に従うよう、定期的に”管理チェック”を受けている。
「ありとあらゆるものをチェックされるわ。耳標(家畜の個体識別番号が記されている)、糞尿、牛、庭。今は石と石の間の草を刈るのにも許可が必要だわ、酪農とは関係ないのにまったくおかしな話よ」

彼女の牧場は、単に仕事をするために数え切れないほどの新しい許可証を必要とし、その行動はすべて追跡される。
「牛には耳標をつけ、馬には皮下にトランスポンダーをつけて、システムに登録しているわ。政府はすべてのものの所在を把握したいの。だから、馬が調教場に行くときは、コンピューターに登録しなければならないの」と、彼女はノートパソコンのエクセルシートを指しながら言った。
「彼らはルールをどんどん強くしていく。生き残るのはますます難しくなる」ネリーさんはこう推測する。間もなく、
「自分たちの馬に乗るのに許可が必要になるわ。その方向に向かってる」
前庭の岩の間の雑草が手に負えなくなった。ネリーさんはまだ草刈り許可証を受け取っていない。

もちろん、皮肉なものだ。ネリーさんはこう説明する。
「政府は農民を追い出すべき、自然が必要だと言ってるけど、農民を追い出したら大混乱になるわ。私たちは牛の乳を搾るだけでなく、牧草地や森をきちんと管理しているの。すべて農民の手できれいに保たれているのよ」

1ヘクタールあたり1.5頭までしか飼育できないという法律ができたため、ネリーさんの農場はいつもより空っぽになってしまった。4頭から1.5頭までという、ありえないほど少ない頭数だ。大地主に有利な規制のせいで、ネリーさんの牛はすでに3分の1になってしまった。

「55頭のうち17頭を売らなければならず、未経産牛は2頭とみなされるの」と彼女は言う。
「私たちは森の中に住んでいて、表には数ヘクタールしかないので牧草地は使えないけど、土地はたくさんあるわ。手放さないと、搾乳代から持っていかれるの。彼らは見つけ方を知っているわ」

プロジェクトの本質はネリーさんにはわかっている。
「ホランドはクラスで一番になりたいのよ」と彼女は言う。
「私たちがこの無意味なことを始めると、他の国も追随してくる。彼らは今、窒素やリン酸塩について話しているのよ」

簡単に言うと、
「そこに何頭の牛が行くべきかと言うだけ。オーガニックであっても、糞尿を撒くことは許されない。自殺も多い。人々は病気になり、うつ病になってる。人々は、農業が生きがい(生活様式)だということを理解していないの」

ネリーさんの農場は、国連・世界銀行の開発計画では自然が不十分とされ、その”自然回帰”精神は”再野生化”というプログラムに具体化され、その下では肉食動物を傷つけることは違法とされる。そのため先月、オオカミがネリーさんの牛4頭(子牛1頭を含む)を食べ、自慢の子馬1頭の脚を噛んで、ネリーさんはその馬を手放すことを余儀なくされた。狼を撃ったら刑務所行き。この辺りではよくあることだ。

ヨス:「科学的なことは何もないんだ」

それでも、他の農家は反抗的な態度を崩さない。肉牛の牧場で、デニムのオーバーオール姿で、顔も腕もほこりと泥とよごれまみれで「われわれは勝つ」と30代の手足のひょろ長い身長185cmのヨス・ウベルスさんは言い切る。

ヨスさんは悪びれることなく、政府の政策を批判した。
「おぞましいことだ。彼らが課していることは異常だ。論理的なことは何もない」
ウベルスさんの牛は、多くの人よりもいい暮らしをしている。牛は太陽の下で自由に草を食み、ある日突然、すべてが終わる。

ヨスさんは説明する。
「ある種の植物は窒素を嫌うので、窒素はいらない、その植物は痩せた土壌でしか育たないから、痩せた土壌にしろという。そして、農家が原因で土壌が豊かになっていると言ってくる。だから、許可されている以上の効率的な農業をやっていると、大変なことになるんだ」と。

当局の論理は理屈が逆転している。曖昧な植物の成長が食糧生産に優先する。

窒素というガスが地中に戻り、土壌の養分となるという脅威は、完全に架空のものではないにしても、非常に誇張されたものである。ヨスさんは言う。
「窒素は実は循環しているから、馬鹿な話だ。農業では、窒素は土に吸収される。しかし、彼らは生産量しか考慮に入れてない。しかも、その計算には欠陥のあるコンピューターモデルを使っている。科学的なことは何ひとつしてない」

西側諸国では、乱暴で不正確なコヴィッド(コロナ)予測に見られるように、欠陥のあるコンピューターモデルが科学を補完するのではなく、科学の代用品になっている。しかし、これは政治の話だから、賄賂をもらった(自己の利益を追求している)連中は理屈はおろか、オランダ農業の運命にも無頓着である。

「政府の給料で生活している人たちは、何も生産する必要がないんだ」とヨスさんは言う。
「彼らは、存在しない問題に対する理想的な解決策を一日中夢想しているだけだ。現実の問題について尋ねると、それは我々の問題ではないし、解決策もない、と言う。すべて農民のせいだ」と。

農民の危機をさらに深刻にしているのが、増大する大量の肥料不足である。
「ヨーロッパでは1、2カ月で肥料がなくなる」とヨスさんは予測する。
「だから買おうとしても見つからない。農民は店頭にある最後のものを使っている。値段は昔の100倍だ。これでは、需要が非常に高く、在庫が何もなくなるので、危機的状況に陥る。肥料が必要だが、生産がなく、最大の輸入国はロシアなので、輸入もできない。ガスも十分ではない」

さらに、政府は今でも同じロシアのガスを買っているが、最近は仲介業者を通して、スポット市場で莫大な値上げをしているという。

「WEF(世界経済フォーラム)は、世界を根本から変えようとしている」とヨスさんは言う。
「そして、その代表格であるクラウス・シュワブは、最終的には何も所有しないことになると言う。しかし、面白いことに、彼はすべてを所有することになる。彼らが考え出すルールは病的だ。だから、逆さ旗があるだろう、あれは経済的困窮(悲嘆)のサインなんだ。オランダ国民がこれを支持しないことを示すためなんだ」

あいにく、MOB(環境のための動員)の 環境保護の弁護士は、反農業法を日常的に法廷でうまく弁護するノウハウ(と資金)を持っているようだ。

「政府は愚かな法律を作った。だから、MOBの賢い弁護士は、法律があまりよくできていないので、それをどう崩すかを知っている。そして、彼らはこれを定期的に行っている。政府はすでに4回も敗訴し、新しい法律を作らなければならなくなった。だから、彼らはMOBと戦うのが怖くなっている。農作業で何か問題があっても、農民には解決方法を聞きにこない。なぜなら、農民は法律と戦うための高額な弁護士を雇うことができないから、MOBに依頼するんだ。政府が賢くないから、MOBが重要な位置を占めているんだ」

問題は、このような攻撃をいつまで続けられるかだ。
「人々が食べられていれば、うまい話がある限り、彼らを満足させることができる」とヨスさんは言う。
「しかし、もし彼らが空腹になったら、政府はすべてを失うことになる。最初の1週間は何も買えない。2週間目には文句を言い始める。3週間目にはハーグに行き、その人たちを職から引きずりおろす。何十年も前に、私たちは国として、良い農業をしたいと決めた。今、俺たちは完璧な農業を営んでいるけど、彼らはそれを止めようとしている。俺は、この道は再び燃え上がるだろうと思う」

以前設定した気候目標を上回っているにもかかわらず、国はオランダの農家に対してさらに厳しい制限を課している。

OECDも認めているように「規制の代わりとなる多かれ少なかれ拘束力のある環境協定は、オランダの多くの地域で成功している」、欧州委員会も「モニタリングデータは、地下水中の硝酸塩濃度の減少傾向を示している」と同調している。
とはいえ「環境協定の実施には、透明性の仕組みと農家への罰則の脅威をより体系的に伴うべきである」(そして、その要求のリストは何百ページにも及び、自然の範囲をはるかに超えている)。

「農家は、肥料の散布と会計が管理の対象となりうることを受け入れること。土壌中の窒素とリンの定期的な分析を各農場について行うこと。各農地について施肥帳簿をつけること。暦年(暦上での一年)ごとに所轄官庁に提出しなければならない……」

オランダの農家ができることは、何もかもが不十分なようだ。
「(農業が禁止または制限されている)保護区のおかげで、(世界環境条約である)Natura 2000が導入された1991年に比べて、牛の数が100万頭も減っています」とシエタさんは言う。
「すでに70%の排出量を削減した」OECDが確認した顕著な改善は”不十分”である。
「しかし、多くの政治家が酪農の終焉を望んでいます。動物から出るアンモニアが一番良くないと言うのです」

では、食糧生産に代わるものは何だろうか?
さらに、ヨーロッパのエネルギー危機の中で、オランダ、ドイツ、ベルギーの一部を含む”トライステート(隣接3州の)シティ”と呼ばれる新しいタイプの都市”メガシティー”を建設するという、突飛な計画もある。

トライステート・シティのウェブサイトでは、このプロジェクトを「ヨーロッパの新しいスーパーシティ……都市と農村のバランスが保たれた有機的なグリーンネットワーク都市」と名付けている。詳細は乏しいが、プランナーは「このモデルはオランダ政府の窒素政策とは全く関係がない!」と率直に約束している。

ナッシュ・ランデスマン NASH LANDESMAN
Nash Landesmanはフリーランスのジャーナリストで、テレシュア、ピューリッツァー・センター、米半球評議会、デッドスピン、フォーリン・ポリシー・ジャーナル、アーバンダディーなどに寄稿している。
連絡先: NashLandesman1@gmail.com

──おわり  
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
@kiyo18383090


Posted by kiyo.I