浮気した罪悪感。裏切った気持ちが消えない

ランドスケープ

浮気といっても様々です。した側、された側、傷つき、悩み、離婚で終わることも少なくありません。どう解決すればよいのでしょうか? 

罪悪感がぬぐえないのは、認めて欲しいという誰にでもある欲求が原因になっていることがあります。認められたいという誰にでもある要求が問題を引き起こしているとは普通は思えません。この場合、良く見せたい、認めて欲しいという欲求があることに気付き、あるんだということを認めることで解決に向かいます。

ところが妻や夫を裏切ったという罪悪感はなかなか消せそうにありません。

ふたりでお茶を

罪悪感がぬぐえないのはどうして?

わたしたちは、いくつも何度も懲りずに間違いを犯します。それが普通かもしれません。

ところが、その間違いが許しがたく、訂正のしようがないように思えたとき「罪」であるかのように感じてしまいます。そして「罪」だという考えが頭の中にこびりついてしまいます。こびりついてしまうと、気になって仕方なくなり、そうではない、やっぱりそうだ、別の解釈があるはずだ、という具合に何度も「罪」という意識に戻ってしまいます。

ですが単に「間違い」で「誤り」だったのです。間違いなら間違いを正して次から対処することができます。罪だと思った瞬間、永遠に続く罰ゲームになってしまいます。

許されるはずがない。そんなことありません

妻を裏切ってしまった。旦那を裏切ってしまった。人を裏切ってしまったという後悔はなかなか消せないと思っていませんか? それほどまでに強力な後悔の念だと思います。

パートナーに限らず人を裏切った自分が許せないという気持ちは消しがたいように思えます。ですが見方を変えれば、自分自身を罪悪感という罠に縛り付けておくには最適だと思いませんか?

これはとてもよくできた巧妙なエゴのワナなんです。
裏切ったのだから許されるはずがない。
そこから後悔の気持ちがとめどなく湧き出してきます。手を変え品を変え裏切ったお前が悪いのだと懺悔を迫ります。しかしいくら懺悔しても後悔しても反省しても終わりはありません。裏切った罪は消せないという観念が罪悪感を持って当然という心理を正当化します。そしていつまでも罪悪感という罠から抜け出せなくなります。

何をしてもどんなに努力をしても罪悪感は許してはくれません。これはとてもよくできた、あなたを罪悪感という牢に閉じ込めるワナです。 
抜け出せると思わせて抜け出せません。どんなに反省しても初めから出口なんかないワナです。
罪悪感にまともに付き合い騙されているのはあなたの方なんです。裏切られているのはあなたです。

つまり裏切るといつか必ず裏切られます。終わりのないゲームになってしまいます。

ならば終わりにしませんか?

終わりにするために効果的な方法は「許しです」と普通はいいます。
「抜け出すために、許してください。自分を許し、人の過ちも赦してください」と。
出来る人はそうして下さい。

罪悪感の強い人というのは、真面目過ぎるんです。追求しすぎるのだと思います。償うことを要求される側、つまり内面の自分自身は、わかりすぎるくらい分かっているはずです。
そっとしておくことも時には必要です。だからといってごまかす訳ではありません。あたたかく見守ることが自分自身を本当に助けることになりませんか?

間違いを見逃してください

許してくださいと言っても、ではどうすればいいの?って言われそうです。
間違いを見逃してください。

例えば子供を前にしていちいち間違いを指摘しますか?
それはただのいじめです。 
初心者の方や不慣れな人を前にしてネチネチと間違いをあげつらいますか?
それもいじめです。
罪悪感の強い人は自分自身をいじめているのだと思います。
 
間違いは見逃してあげてください。

言われなくても間違った当人が一番よく分かっています。自分に対してもそうしてください。間違いを見逃せば責めなくてすみます。人に罪悪感を感じさせたり自分に罪悪感を感じなくてすみます。正しさを押し付けるよりも見逃す方が双方ともに成長できます。

タンポポの綿毛

以下の文はカウンセリング.COMでの質問と回答させていただいたときのものに手を加えたものです。

過去の浮気の罪悪感から死を考え続けています。
40代妻子ありの男です。
今から16年前(すでに結婚していました)、仕事上の飲み会の帰り、タクシーを待つ間ちょっと我が家でお茶しませんか?とある女性から言われ、目の前にあったその女性宅にお邪魔しました。
お茶をいただき、しばらくしてから自分は寝てしまっていました。そこへその女性が覆いかぶさるようにして「ずっと好きだった」というようなことを言われそのまま関係をもってしまいました。
自業自得なのに死にたくなりました。
その6年後、まったく別の女性と共に仕事をするようになったのですが、出会った初日から私の携帯に頻繁に「助けて欲しい」「大好きです」というメールや電話が約1年間来ました。
友だちとしての距離をおいてきたつもりでした。1年経過し、仕事上のつきあいも異動によって解消される事が決まった時、お別れの気持ちで手作りケーキを作ったので食べて欲しいから家に寄って欲しいと言われました。
理由をつけて断ってきたのですが、電話がかかってきて、来ないと死ぬと言われ、タクシーで寄ってしまいました。帰ろうとした際、「お願いだから明るくなるまで家にいて欲しい」と言われ、またそのまま寝てしまいました。
女性が迫ってきてそのまま関係をもってしまいました。酔って女性の家に言われるまま入っていくということで下心があったのではないかと思われると思いますが、本心でそんなつもりはなかったです。
女性の裸に興奮してしまいました。その後、ゴムがないからできないよと相手にあきらめてもらうように話したところどこからか避妊具を持ってきて差し出されて負けてしまいました。
二人ともまったく同じパターンでした。あまりにも馬鹿で弱く、浮かれて相手の言いなりになっていた自分に吐き気がします。この2回のことが忘れられず急に思い出しては苦しくなり涙が出ます。
妻からは時々「どうしたの」と心配され、それが余計に苦しく申し訳ない気持ちです。妻と子どもを心から愛しています。
でもこんな自分が夫、父親である資格がないと感じ、日中もこの罪悪感ばかり考えています。死んで逃げ出したい。償いたい。でも今までどおりの家庭を壊したくないというのが本音です。
自分がどうあるべきか、アドバイスをお願いします。

浮気した罪悪感で「得ているもの」は何ですか?

償いたいとのことですが、償うということは告白するということでしょうか?
告白すると、自分の気持ちはいったん楽になります。その結果、家庭を壊すことになるかもしれないので告白できません。

そうなると、もはや打つ手なし。袋小路に迷い込んだ感じですね。

もしかして、ご自分を袋小路に追い込むのが好きなのかもしれませんね。自分を追い込むことで、パワーを発揮する。浮気の件以外でそんなことはありませんか? 例えば、仕事のやり方とか?

人は罪悪感が好きです。私もそうでした。罪悪感を使って自分を責め続けていると、何か反省しているような気がして、十分に償っているような気になります。ところが、いくら考えても堂々巡り。

案外気が付かないことですが、自分の考え方や思い方が引き起こした問題ですから、同じ自分の考え方や思い方では解決できません。そんな時は休息を取ったり視点を変えること、直感でなんとなく浮かんでくることが役に立ちます。

変な質問だと思われるかもしれませんが、考えを外して答えてみてください。あてずっぽうの方がいいのです。

だれの注目を引こうとしたのですか?
自分を責めることで、得ているものは何ですか?

浮かんできたものを、たとえ理解できなかったとしても、書き留めてください。

いくつも出てくるかもしれません。

出てきた答えに対して、こんなことありえないと思ったとしても、そうかもしれないと思ってください。

そこにヒントがあります。

問題から離れてください

この問題から距離を置くことが解決につながることもあります。ずっとこのことで悩んできたのですから休養が必要です。離れてみて初めて分かることがあります。

たとえ話ですが、
象さんを5cmの距離からスキャンをかけるようにくまなく観察したとします。
ある人は、鼻の方を見なさいと言います。別の人は、足の方を見なさいと言います。3人目の人は、しっぽの方を見なさいって。
皮膚については相当詳しくなるでしょう。でも、肝心な、それが何なのかという正体は分からずじまいです。5メートル離れれば、子どもでもわかるというのに。

対象である問題にあまりに近づきすぎると、逆に分からなくなります。

ですから、この問題から離れてください。一切、考えないことです。これも一つの解決方法です。

もう十分すぎるほど罰してきたのではないですか? 
どこまで罰すれば気が済みますか? 
倒れるまで? 消えてしまうまで? 
それは、奥さまと子どもさんが望んでいることですか?
終わりにしませんか。

罪悪感に出口はありません。罰することを考えるより、幸せになることを選んでください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Posted by kiyo.I