性的トラウマ。昔の記憶が急によみがえり苦しくなる
以下の文はカウンセリング.COMで回答させていただいたときのものに手を加えたものです。
お世話になります。私は20代後半の既婚女性で、子宮内膜症という病気で不妊治療をしております。
結婚は3年目で、不妊治療を始めて1年が経過しました。生理時に強い生理痛と、38度をこえる発熱で、毎月しんどいです。
痛みはだんだんひどくなっている気がします。
症状が苦しく、また正社員で仕事をしておりまして、そちらもうまくいかないことが重なってきていて、気分が落ち込んだりしていたのですが、最近急に小さい時の記憶が蘇ってきて動揺しています。あまり言いたくないのですが、私は幼稚園年長くらいから小学校3年生まで、同じマンションに住んでいたお兄さんから性的暴行を受けていました。内容は言えませんが、いたずらとかからかいとかそんな簡単なものではありませんでした。
母に一度言ってみましたが、上手く説明できなくて取り合ってもらえませんでした。このことが急に思い出されてから、いままでの色々な記憶も思い出すようになってさらに気分が落ち込んでいます。
今までの事を書くと、
・小さい頃から友達が少なく、1人でいました。集団行動、グループワークが苦手です。
父親は虐めを疑ったらしいのですが、そんなことはありませんでした。
・母が感情のコントロールが苦手な人で、気を使わないといけなくてしんどかったです。母は兄の方が好きなようです。よく比べられました。端から見ていても、接する態度が違うと夫から言われたことがあります。性格がちょっと幼いところもあって、言って欲しくないことを人に言いふらした時に「やめて」と言ったら「〇〇ちゃん、怒られてかわいそう」と泣く真似をしたりしました。
あ、母の一人称は「私」ではなくて、名前にちゃん付けです。
・両親は喧嘩が多かったです。その間私はトイレにこもって泣いたりしました。
・小学4年に上がる時に引っ越しをしました。
・小学校高学年くらいから早く家を出て自立したかったです。
・中学と高校は割と平穏でした。他人の笑い声が怖かったくらいです。
・大学に入って1人暮らしを始めました。自分の殻を破るべく、販売のアルバイトをしたり、NPO法人に入ってボランティアをしたりしました。しかし、やっぱりチームワークとかが上手くできなくて、「社会にでてもやっていけないよ」と言われたりしました。
・大学2回生の時に強姦にあいました。
・将来に対する不安、特にお金の不安があって風俗をやっていました。
・ナンパされたらついて行ってました。
・中絶を2回しました。
・中絶前後からリストカットをし始めました。そうしないとダメな気がしていました。
・だんだんと大学に行かなくなり、心身ともにしんどくて精神科に行ったら「抑うつ社会不安障害」と診断され、半年から1年くらいアパートの部屋に引きこもっていました。
・お薬のおかげか回復しまして、留年しましたが大学を卒業することができました。
・回復時に2人とも水子供養をしています。
・卒業後は、就職しご縁もありまして結婚し、今に至ります。今は、1人でいる時はやる気が起きなかったり、急に悲しくなってきて泣いたりしています。
このまま放置すると、また鬱とかになりそうなので、カウンセリングを受けたいなと思うのですが、なんとなく不安があります。
以前の精神疾患の時にカウンセリングを受けましたが、その間じゅうずっと泣いていて話になりませんでした。自分のことは話しづらいです。特に思っていることを話そうとする時、泣いてしまう傾向があります。
カウンセリングを受ける時に、どこまで話すべきでしょうか。全て話して、引かれたり軽蔑されたりしないでしょうか。
カウンセリングを受けるとしたらどんな治療法になるのでしょうか。
女性であることを悔いていませんか?
昔のことが思い出され、その時の感情が浮上してくるのは、次の段階に進むために必要なプロセスだと思ってみてください。
昔の記憶が急によみがえるのは、いま、このことを解決する時ですよ、解決することで望んだ方向に進めますよというサインです。ところが、その時に味わった感情があまりにも辛くて苦しいので、サインを無視してしまい、変わるチャンスを見逃してしまいます。
幼少の頃から大人になるまでたくさん辛い経験をされています。思い出す度に辛かった思いがよみがえってくるのだと思います。なんであのときあんなことをしたんだろう?とか、あんなことをされたんだろう?とかいって、何度も後悔したり、自身を責めたのではないでしょうか?
想像してみてください。
大人になった現在のあなたは暴行を受けた幼かった時のあなたを責めることができるでしょうか?
幼いあなたを前にしてなぜ逃げなかったのと言って叱りますか?
同じように、強姦、風俗、中絶を体験した時のあなたを前にして責めることができるでしょうか?
責めるのではなく、慰め、守ろうとするのではないでしょうか?
今からでも、イメージの中でそれができます。その時の自分をイメージして、いたわり、慰め、力づけてください。
過去を振り返れば、悔いることはいっぱいあります。でも、その時のあなたは精一杯やっていたのです。そのときはそのようにしかならなかったのです。それしか思いつかなかったのです。それを責めることができるでしょうか?
昔あった辛い出来事で、自分を責めてしまいがちです。相手に対する憎しみや恨みつらみの気持ちが湧いてくるのは当然です。
ですが、憎しみや恨みつらみの気持ちでいちばん傷ついているのは自分です。相手のした行為を許せないのは当然ですが、許せない思いを抱いたままでは二重に犠牲になるのはあなた本人かもしれません。なぜならそこで人生が止まってしまうからです。
思い出してください。その時出来る精一杯のことはしたのですから
難しいことに思えますが、許すことと手放すことで自分自身を癒やすことができます。
思い出してください。その時はそのようにしかならなかったのです。その時出来る精一杯のことはしたのです。ですから自分自身を責めないでください。罪悪感を感じたり自身を責めることは何の解決にもなりません。自分をますます苦しめることになります。
意識をそこに当てないでください。それはそこから抜け出せなくなる自分自身にかける罠です。できる限りのことをしたあなたを褒めてください。
誰も責めなければ、問題から解放されます
だれも悪者にしないでください。あなた自身と傷つけた人さえも。自分自身は分かるけれど傷つけた人までも悪者にしないというのはどういう意味なのか疑問がわくと思います。当然です。ですが試しにそう思ってみてください。
『わたしは誰も、ひとりも悪者にはしない』って。すると意識の中で何かが変わりませんか? 人も自分も責めなければ、抱えてきた問題、トラウマから自由になれる気がしてきませんか?
最後までお読みいただきありがとうございました。