次があると思えば気が楽。執着もしない
真夏の暑い日、のどが渇いてペットボトルに水が半分しか残ってなくて他に飲み物を手に入れられないとしたら「これしかない」と思いますか、それとも「これだけある」と思いますか?
これは状況が少し過酷かもしれませんが、似たようなことは日常よく体験します。
これしかないという思いは対象がモノとは限りません。人だったらどうでしょうか? とりわけ恋愛関係ではこの人を逃してしまうと後がないと思ったりしたことはありませんか? 次はないと思うと余計に執着してしまいます。迷います。
出来たところ、できなかったところ、どちらが気になりますか?
「これしかない」と思ったとき、心の中にどんな思いが浮かんでくるでしょうか?
「ない」ことを意識すれば、誰かに「その水、ちょうだい」と言われたら躊躇するかもしれません。
「これしかないのに、あげられないよ」って言葉が出てきそうです。
「ない」ことにばかり目を向けていると、残った半分にしがみついて手放せないばかりか、気持ちまで縮こまってしまいそうです。
反対に「ある」と思うと、必要な人にあげることができるだろうし、気持ちに余裕が生まれて心もオープンになれそうです。そのうえ、なにかアイデアが生まれて、残った半分で何ができるだろうとか、ワクワクした気分になれそうです。
「ある」という選択と「ない」という選択の違いで、心が向かう方向は正反対です。
テストで80点取った時、80点も取れたと思いますか? それとも、80点しか取れなかったと思いますか?
80点しか取れなかったと思った人は、20点に目がいって、取れなかった20点を気にします。私自身そうでした。
「よし、じゃぁ、次は満点を取ろう」というモチベーションが生まれるかもしれません。だから、これはこれでいいのかもしれません。
ですが、いつも100点取れる人はいません。98点取れても、取れなかった2点が気になってしまいます。せっかく98点も取れたのに、満足感や達成感はありません。完璧主義の人が陥る罠です。
出来ないところに目がいくので、他人を見たとき、どうしても人の粗探しのほうに目がいきやすいです。自分に対しても厳しいので、いつも何かに追われたり、問い詰められているような気分になりやすいです。そして疲れ果てて頑張りすぎ、ついには燃え尽きます。
10点しか取れなかったとしても、10点取れたと思った方が幸せかもしれませんね。少なくとも、自分を「ダメな人間だ」といって責めなくてすみます。
現代の社会はネガティブな報道が多いので、知らないうちにネガティブな要素が刷り込まれてしまいます。よけい意識してポジティブな視点を持つことが大切かも知れません。
あると思えば執着しない
あなたは「ない」ほうを選びますか? それとも「ある」ほうを選びますか?
「できた」ところを評価しますか?「できなかった」ところを評価しますか?
「足りない」「できない」ことを責めますか?
「足りない」「できない」ことは目標を達成するための単なる通過点にすぎません。
なんでもない選択のような気がしますが、心の姿勢、世の中の見方が180度、変わります。
これが恋愛対象の人だったらどうでしょうか? 次があると思えば気が楽です。付き合っている人に執着して判断に迷うことも少なくなります。次はもっと素晴らしい人と出会えると思えると手放すことが楽しくなるかもしれません。ですが執着すればするほどそうは思えません。失う怖さというのは強烈です。とはいえ、コップは空にしないと新しく注ぐことができないように、一度失わないと次は入ってきません。
どちらを選択するのか? その選択肢はいつもあなたのなかにあります。
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