まわりの人はあなたを映す鏡 では嫌いな人とは?

自分の周りにいる人は自分自身を映し出す鏡です。自分が自分自身についてどう判断しているのかを映し出します。
では、嫌いな人というのは自分にとっては何でしょうか?

嫌いな人も好きな人も自分自身の鏡

それは、嫌いな人に見えるその嫌いだと思う部分を実は自分も持っているということです。自分の中にあるその部分をなぜか嫌っているのです。自分の中にあるなんて認めたくないので、身近な誰かにそれを映し出します。そして自分とは何の関係もないと思っています。好きな人も同様です。好きな人の中に見えるものはあなたも既に持っています。こちらを伸ばしていきたいですね。

周りの人が皆、好感が持てて好きな人ばかりだといいのですが、この人はどうも嫌いだなとか、苦手だなと思う人はまわりに一人や二人いるものです。
そのうえ、職場や学校、クラブ、サークルなどでどうしても顔を合わせなければならないことがあります。

そんな時、どうしていますか?
避けて近づかないようにしている?
逃げる?
平気な顔をしてなんでもないふりをする?
ふりをしてごまかせているうちはいいかもしれませんが、それができない相手もいます。

そうなるとやっかいです。職場や学校に行くのが憂鬱になるかもしれません。仮に場所を変えて別の所に移ったとしても安心したのもつかの間、そこにまたしても似たような人がいたりします。結局、嫌いな人が問題ではなく、自分の問題だという事が分かります。

わたしは、権威ある人がなぜだか嫌いでした。理由もなく嫌いで、よくつっかかっていました。なんでそうなるのか分かりませんでした。今は分かります。劣等感の裏返しで優越感を持ちたかったのもありますし、傲慢ですが、自分がボスになりたい気持ちも隠れていたことに気が付きました。身の程知らずですが、潜在意識には意外な気持ちが隠れています。

「嫌いな人」は、あなたにとって障害となっている問題を見せてくれます。そこにはあなたが大きく成長できるヒントがあります。嫌な気持ちばかり気にしてしまうと、せっかくのチャンスが見えてきません。気付かなかったものを気付かせてくれて成長させてもらえるのですから、ありがたい事です。

自分の中に嫌いな人と似ているところがあるとしたら? それを認めるのは耐えがたいことかもしれません。ところが、勇気を出して認め始めると「嫌いな人」が次第に気にならなくなってきます。

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次の「ものがたり」はそんな悩みを解消する一つの例です。こんなやり方もあるという感じで役に立てばうれしいです。

水面に映る倒立した人 90°回転

嫌いな人と似ているところが自分の中にある?

A さんは、とても嫌っている人がいます。
その人のしていること、しゃべっている言葉、何故か、すべてが気になって仕方ありません。次第に、気に障るようになってきました。だんだんと、嫌な思いが増してきて、その人が目に入るだけでも気分が悪くなるほどになってきました。

その気持ちを表には出せないし、ずーっと内に秘めていました。

ある日、親しい友達とのなにげない会話の中で、友達に嫌いなその人と「似てるところがあるよね」と言われました。

えーっ。聞いた瞬間、むかっとして、怒りがこみあげてきました。でも、顔には出せません。その友達と嫌いな人とは仲がいいのです。

そのことがあってから、友達ともギクシャクする様になって、その後、その友達さえも遠ざけるようになりました。

そういえば、以前にもそんなことがありました。あの時も嫌になってやめて今のところに移ってきたのです。やっと場所が変わってホッとしていたら、また同じような人がいました。

そんなことがあってから、今度は、親から同じようなことを指摘されました。このときばかりは我慢がならず怒鳴ってしまいました。

A さんは自分が同じようなことを繰り返していることに気が付きます。場所を変えても、また同じような人が現れる。これって何だろう?

友達に言われた、「似てるところがあるよね」この一言が心に突き刺さりました。親にも言われたし、この言葉にすごく反応する自分がいます。気になって仕方ありません。何とかしなくては、、、

悶々とした日々が過ぎていきます。そんな時、本屋さんで目に飛び込んできた本がありました。何? これ
夢中で立ち読みします。まるで、自分のことが書いてあるようでした。買ってその日のうちに読んでしまいました。

書いてあることを参考にして、自分に当てはめてみます。やってみたことは、
「もし、似ているとしたら?」と想像してみることでした。似てると思うだけで嫌になってしまう気持ちは置いておいて、ゲームのつもりで、仮に、そう思ってみます。あの、嫌いな人に似ている? 絶対に、想像したくもないことです。

でも、ず~っと、引きずるのはもうやめたい。その一心でやってみました。こんな嫌な思いを繰り返すのはうんざりです。そうすると、驚いたことに、A さんは嫌っているその人と同じようなところがあることを見つけてしまいました。

え~っ! わたしが?! 同じ?! 自分の中に、嫌っているその人と似たものがあった!? 認めたくはありません。自分の中に嫌いな人と似ている部分があることを見つけてしまった衝撃は、言いようのないショックでした。

水面をのぞき込む

そういえば、あの何気ない仕草、あのしゃべり方、あの笑い方、自分にとって気にさわってしかたありませんでした。
見ただけで、声を聞いただけで、その人をいやな人間だと責めていますが、同時に、実は、自分自身を責めていたことに気が付きました。
そこには境目がありません。

嫌いな人を責めているだけではなくて、自分自身も同じように責めていたんだ。それに気づいたら、なんだか可笑しくなってきました。
どうも、自分と嫌っている人とは表現の仕方が違うだけで、手のひらの表と裏のような関係かもしれません。
もっとも、手のひらは表と裏で決してケンカしませんが。

A さんは嫌いなところが自分の中にあるのを認めていませんでした。
その認めたくないところを、嫌いな人が見せてくれていたことに気付きました。
嫌いだと思った相手はその人ではなく、自分の中にいたのです。
それに、相手を変えることはできません。でも、自分のことだったら変えることはできるかもしれません。

このことに気が付いた A さんはなにか肩の荷が下りたような、解放されたような、平和な気持ちが心の中で広がった気がしました。
しかも、自分でも驚いたのは、嫌いだった人も以前ほど気にならなくなっていることでした。

A さんは今、自分の中の嫌だと感じていた部分を好きになってみたとしたら何が起きるのだろうかと興味が湧いてきました。

Posted by kiyo.I