究極の食事法はあるのかな?

究極の(正しい?)食事法ってあるのでしょうか? 
あるとしたらそれは何でしょうか?

世の中には健康に良いとされるいろいろな食事法があります。マクロビオティック、菜食主義、ナチュラルハイジーン、炭水化物抜きダイエット、、、。星の数ほど。
夜、家族がテレビをつけているので何気なく見ているとやたらタレントがこれ美味しいって食べてるシーンが多いような感じがします。その合間に「専門家」という人が出てきて〇〇のこういった成分が体のどこどこに効いていいとかうんちくを垂れています。はぁそうなんだって聞き流していますが、権威付けに必要なのでしょう。こういう番組を見ていつも思うのはあまりに分析的だなということです。知識だけ増えて果たして自分の健康につながるのでしょうか?

それぞれの健康法は学べることも多く、なるほどねって感心もします。ちょっとへんだなって疑問を抱くこともあります。信じやすいたちなので面白いと思ったら本やネットで情報を集めてこれまでいろいろ自分なりに試してきました。マクロビとかファスティングとか。といっても厳密にきっちり守ってやってきたわけではなく、なんちゃって〇〇ですけど。

実際のところ、やるとなると毎日続けるのが難しかったり、好みに合わなかったり、家族が嫌がったり(掃除・洗濯・料理なんでもします)で賛同を得られなくて痛い目にあったりしました。いいハズなのにって独りよがりに陥ったりもしました。
ある食事法を実践して劇的に症状が改善した救われたという人がいらっしゃる一方、何年も実践している人が健康そうには見えなかったり、続けていると弊害が出てきたりといったことも耳にします。

当然のことながら、その食事法がいいと言って紹介して教えている方々は、それが「正しい」と信じて広めているわけです。そこに賛同者が何千何万という規模で一種のコミュニティーみたいな感じでいらっしゃいます。まるで一種の宗教のような感じがしないではありません。別に宗教が悪いと言いたいわけではありません。どの世界でも似たようなものだと思うのです。
人気を集めることのできる「教祖様」がいて「信徒」がいて。それが理念だろうが経済的なものであろうと一つの集団を作ります。政党もそうですね。会社だってそうかも知れません。人はそれぞれその人が正しいとかいいとか思うことをしているだけなので、そこにいいも悪いもありません。いいとか悪いとか正しさにこだわり始めると不毛な論争や対立に終わってしまいそうです。ちょっと話がずれてしまいました。

ナチュラルハイジーンを試してみた

実はここ半年くらい「ナチュラルハイジーン」という食事法に興味を持ったので、自分の体で試すのが一番と思い試してきました。そこで気づいたことや思ったことを書き綴っていこうと思います。

和食

水からミネラルを?

最初に「水」のことです。
「ナチュラルハイジーン」では体も地球も70%は水なので水分が少なくとも70%を占める食事をしなければならないといいます。
さてこの水なんですが、ミネラルウォーターというとあたかもミネラルを多く含んでいる水のほうが体にもいいという印象を与えます。ところが人間は水からはミネラルを吸収できないんですね。逆に水の中のミネラル分は腎臓への負担にもなって動脈硬化、腎蔵結石、尿路結石、胆石、関節の石灰化を引き起こすそうです。

人間は植物を通してしかミネラルを吸収できないのです。
『水の駅』より。PDFファイルの右下にあります。

よく「水にはミネラルと呼ばれる成分が多く含まれており、これは私たちの健康に欠かすことのできない大切な栄養素です」といったような説明を読んだことがあると思います。どこかで見た覚えのある人は多いはずです。これはの「これ」はミネラルを指していますから間違ってはいません。紛らわしいです。水からミネラルは取れるって思っちゃいます。

一般的に日本の水は軟水と言われていてミネラル分が少なく、ヨーロッパの水は硬水と言われていてミネラル分が多いです。僕は少々値段が高めで味がまずくてもミネラル分の多いヨーロッパの水のほうがいいのだろうと以前は思ってました。間違ってました。

ミネラルウォーターという名称、誤解をうみます。というかうまく騙されていたのか。水のミネラルは味にとっては大切だけど吸収はできません。できませんが体は電気信号で情報を伝達しているので、そこでミネラルが必須なのかもしれません。
なんとなく信じていた常識って他にもいっぱい勘違いがありそうです。
また、ミネラル分がゼロの蒸留水がいいという学者さんもいます。蒸留水を使って治療していたお医者さんもいます。反対に悪いという学者さんもいます。「蒸留水 健康」で検索するといっぱい情報が出てきます。

科学というのは厄介です。科学的という言葉を公正なとか正しいということの代名詞かのように思っている人が多いですが、本当にそうでしょうか? 疑問です。
この世の中、水ひとつとっても賛否両論あってわからないことだらけです。
今のところ、水分を摂るには野菜や果物から摂るのが理にかなっているような気がします。

朝食は自然のリズムに反している?

食事法で大切なことは
①いつ食べるのか?
②何を食べるのか?
です。最初に①いつ食べるのか?ですが、ご存知だと思いますが、人間の体にはリズムというものがあります。

・要らなくなったものや毒素を排泄する:4時~12時
・食べ物を取り入れて消化する:12時~20時
・栄養を吸収して利用(代謝)する:20時~4時

朝食を摂るのが一般的ですが、この時間は排泄の時間なのです。

一日三食の方は毎日排泄の時間に食べたものの消化を体にさせているということになります。僕は朝食は食べなくてお昼ごろに果物だけ食べているので構いませんが、三食してる方は自然の法則に反してるということになるのかな?

朝ごはんを食べないと力が出ないという方もいます。

ですが個人差はありますが食物が胃に入って十二指腸に送られるまでに約3時間。十二指腸から小腸に送られ大腸の入り口まで約7~9時間。大腸に約25~30時間、直腸に停滞しているのは約30時間といわれています。朝食べたご飯が消化吸収されエネルギーになるのに10時間くらい必要です。とてもその日の午後には間に合いません。逆に朝食は体に負担をかけていることになっているのではないでしょうか?

焼き魚

食べる組み合わせの奇々怪々

次に②何を食べるのか?です。
ナチュラルハイジーンでは炭水化物とタンパク質を同時に取るのは食べ合わせとしては間違っていると言います。
ええっ、ほんまかいな。

ご飯とお魚、ご飯とお肉、これが間違ってるの? 驚きました。もしかしてほとんど世界中の人が間違った食事法をしているのでしょうか?
炭水化物とタンパク質を同時に取ると胃は消化に手間取って炭水化物は発酵しタンパク質は腐るというのです。人間の体は二つ以上の凝縮食品(果物や野菜以外の食品つまり炭水化物やタンパク質)を、胃の中で同時に消化するようには作られていないのだそうです。
ちなみに胃の中での滞留時間は

・炭水化物(米・パン・麺など):約2〜4時間
・タンパク質(肉・魚・卵など):約4〜6時間
・果物:約20〜30分
・野菜:1〜2時間
・脂質(乳製品など):約7〜8時間
意外に時間がかかります。

しかも消化に使うエネルギーはフルマラソンで消費するエネルギー量に相当するそうです。毎日知らずにフルマラソンを体の内部でしているとは。
消化に使われるエネルギーは少ないにこしたことはありません。その分、体の疲労回復や免疫力の向上に振り分けられるのですから。

ですがこの「人間の体は二つ以上の凝縮食品(果物や野菜以外の食品つまり炭水化物やタンパク質)を、胃の中で同時に消化するようには作られていない」ことの科学的な根拠がどうもはっきりしません。巷で言われている「いろいろなものを満遍なく食べる」の真逆です。

たしかに食べ合わせの悪い食べ物というのは昔から日本でも言われているものがあります。
例えば「うなぎとうめぼし」とか「天ぷらとスイカ」とかあります。調べてみると意外にも結構あって「トマトときゅうり」とか「ネギとわかめ」というのもあります。これ野菜サラダでも味噌汁でもごく普通の組み合わせです。これだめだったんですか?
これはお腹を壊すということではなく栄養の吸収にとって相殺してしまう組み合わせです。いちいち気にしてられないですよね。知識が増えれば増えるほど不自由さが増してしまうようです。

ナチュラルハイジーンでは二つ以上の凝縮食品として同じタンパク質でも肉と魚は同時に食べないほうがいいといいます。タンパク質はひとつひとつが異なった性質でしかも非常に複雑な構造をしているので同時に二種以上のタンパク質食品の消化に必要な調整が行えないといいます。
そうかも知れません。そうでないかもしれません。あるいは誤差の範囲内で無視できるものなのかもしれません。これも根拠がはっきりしません。

とにかくナチュラルハイジーンでは水分を多く含んだ野菜を軸に野菜と肉類、野菜と炭水化物という組み合わせを推奨しています。つまり主食がご飯(お米)ではなく野菜ならいいということです。同じタンパク質でも豆腐や納豆といった植物性の大豆製品は問題ないといいます。ちょっと安心しました。

ですが何が本当に正しい組み合わせなのか教えてほしいものです。日常生活で正しい食べ合わせがどれほどの意味があるのかも。例えば悪い食べ合わせとして「ラーメンとお米」というのもあります。僕はラーメンが特別に好きではありませんがラーメンのあとにご飯を食べたくなる気持ちはわかります。焼き肉を食べたときはご飯が無性に食べたくなります。ですがこれは胃にとっては良くないと。

あれがいいこれがいいって、よくテレビでやってたからといいますが、細かく分解して専門的になればなるほど本質とか肝心なことから離れていきそうです。まさに木を見て森を見ずの典型ではないでしょうか?

りんご

ナチュラルハイジーンでは果物はいくら食べても構わないそうです。ただし条件があります。他のものと一緒に食べてはいけないというのです。さらに食べるタイミングが大切で午前中に果物だけ食べること。果物はいくらでも食べていいそうです。

つまり食後のデザートとして果物を食べたりヨーグルトと一緒に食べるのはよろしくないということです。果物を食後にデザートとして食べるのは間違っていたなんて。
他のものと一緒に食べてはいけないといっても果物は消化が30分くらいで早いですから現実生活の中ではさほど困らないかもしれません。バナナで45分~1時間位だそうです。

ナチュラルハイジーンでは果物の種類は問いません。
ところが食べ合わせを調べていたら「バナナとみかん」の組み合わせは消化に悪いというのです。ミカンの酸味や成分がバナナの消化酵素を壊しその働きを妨げてしまうから。じゃ何がいいかというとバナナは小豆とか納豆などと一緒に摂ると便秘解消や予防に効果があるのだそうです。普通はそういう組み合わせで食べることはないですけど。

よく〇〇の成分は〇〇の成分と助け合うから〇〇と〇〇の組み合わせがいいって聞きます。これってナチュラルハイジーンの考え方と正反対です。果物と炭水化物とタンパク質ごっちゃ混ぜになってしまうから。とはいうものの成分にだけ焦点を当てるとありえない組み合わせでもありえます。

たしかに栄養素や成分だけ取り出せば、この成分とこの成分は相乗効果があるからこの食材とこの食材を一緒に食べれば健康に良いと言えそうです。世の中に主流の考え方はこの考え方がベースになっています。当たり前過ぎて疑問にも思いません。

骨はカルシュウムだからカルシュウムを摂ればいい?

ですがいつも疑問に思うのです。骨はカルシュウムでできているからカルシュウムを多く含んだ食材がいいとか、筋肉は主にタンパク質からできているからタンパク質がいいとか。アフリカの象とかキリンは草しか食べませんがどうしてあんなしっかりした骨と筋肉なのでしょうか? 

この謎をマクロビでは原子転換という概念を使って説明しています。ここではこれについては触れませんが、わたしたちが何気なく信じ込んでいるカルシュウムを多く含んだものを食べれば骨のカルシュウムになるといった「常識」はあまりに素朴だと思うのです。

カロリー計算に根拠はない!

例えばカロリー計算というものがあります。どうやって食品の成分のカロリーを決めているか知っていますか? 
燃やして決めているということは知っていました。調べてみるとわかりやすい記事がありました。
※「カロリーの測定方法は爆発的? どうやって数値を出すのか調べてみた

カロリーの測定方法はの4種類あってそのうちのひとつが
『食べ物に含まれているカロリーを調べる方法。食物を空気中で燃やして得られた熱量と、同量の食物を摂取して出た排泄物を燃やして得られた熱量の差から、食物から吸収した熱量を推定。さらに消化吸収率などを考慮した「アトウォーター係数」(アトウォーター博士が1896年に500人もの人間を農業試験場に監禁して調べた成果)で補正して求める。』とあります。
実際に燃やして測定するとは驚きです。

たしかに「食事制限などで摂取カロリーを減らしても脂肪は燃焼されません」という形で燃焼という言葉をよく使います。ですが人間の体の中で燃焼しているのですか? 
生化学的な反応として「燃焼」なのかもしれませんが、こんなのでカロリーが決められて、それに右往左往されているなんて滑稽です。栄養学の基礎からしておかしいのじゃないかと思います。
現代科学には似たような例が多いですね。調べてみると誰も証明していなかったという。
また話がずれてしまいました。

ナチュラルハイジーンをやってみた感想

最初の質問
「究極の(正しい?)食事法ってあるのでしょうか?」に戻ります。
あり過ぎて混乱しているのかもしれません。本当はないから面白いのかもしれません。すべての人があるひとつの食事法を守っているというのも不気味です。時代によって民族によって気候や風土によって体調によって人それぞれ変化して当然です。

僕なりの結論を出すとしたら、
「究極の食事法は食事は自分で作る」です。
人まかせにしない。工業製品や出来合いのものになるべく頼らない。自分で工夫して生の食材に触れ料理し、その食材に思いを馳せ、想像し、創造することだと思います。

テレビなどでは毎日のように健康番組をやっています。肉がいい、あれがいいこれがいいって。この食べ物のこの成分が体にいいって。

ではなぜガンも心臓疾患も糖尿病も減らないのでしょうか?
実際は増える一方です。
栄養価が高いから体にいいというのは本当なのでしょうか?
栄養価の高いものを食べている現代人はなぜ病気が増えるのでしょうか?

本当は真逆なのかもしれません。
メディアが言ってるから「専門家」が言ってるから正しいのでしょうか?
原発事故やコロナ騒ぎを経験して、メディアや「専門家」が信用できるわけではないことに気付いてもいい頃だと思います。 

いずれにしても、どんなにその食事法が正しくて良かったとしても、厳格にやり過ぎてしまうと弊害が出てきてしまうような気がします。こういっては失礼かもしれませんが、適当にそれぞれのいいところを緩くやっていくのが長続きするのだと思っています。

ナチュラルハイジーンですが僕は『フィット・フォー・ライフ』という本を読みました。炭水化物とタンパク質を一緒に摂らないというのは流石に難しいですが、基本は昼頃りんごとかバナナとか柑橘系の果物だけにして、夜は普通に食べています。一日二食です。
果物を食べるようになって水はあまり飲まなくなりました。体の調子は今のところいいです。疲労回復力がアップしました。ただ調子がいいのでお酒をつい飲みすぎてしまいます。以前よりお酒が強くなりました。お通じもいいです。

記事の中で「ナチュラルハイジーン」という言葉は何度も出てきますが、批判しているわけではありません。体にあった自然に近い食事法だと思います。ちなみに本の内容はとても面白かったです。

ハーヴィー・ダイアモンド(著), マリリン・ダイアモンド(著), 松田 麻美子(翻訳)

最後までお読みいただきありがとうございました。

Posted by kiyo.I