親に仕返しをしたくなる。原因は別のところに
親があなたに言ったことは、
あなたに対してではなかったかもしれない
親があなたに言ったことは、あなたに向けてではなかったとしたらどうでしょうか?
親があなたをなじったとき親はどんな気持ちでいたか想像したことがありますか?親もまた苦しかったのではないでしょうか?
親があなたに心無い言葉の暴力をふるったとき、それは、あなたに対してではなかったのです。
???ですか? 普通はそんなふうには思いませんね。
親があなたに言ったことは、親自身に向けて言っていたのです。あなたに向けてではなかったのです。そう思ってみてください。その言葉の内容通りに親は親自らを責めていたのです。親もまた苦しかったのではないでしょうか?
仮に両親に「失敗作」とか「人間のクズ」とか言われたとしても、それは、親の自画像なんです。親本人が親自身のことを内心そう感じていたのです。そう思いたくないし、認めたくないので、そのイライラをあなたにぶつけていたのです。その言葉を言われたとき、辛い思いをしたでしょうが、親もまたどうしようもない憤りを感じていたのです。
だからといって、許せない気持ちは変わらないかもしれません。ですが、いつまでも
子供の時から何度も何度も繰り返し親から暴言と暴力を振るわれ
あるいは、心の深いところで、親に言われた通りに振る舞うことで、親の心の中にある怒り、憤り、闇の部分を一身に引き受け、なんとか両親を助けたかったのかもしれません。
しかし、そうすることで自分はいじめられても仕方ないという思いを心の中に埋め込んでしまったのです。
実際に、いじめや虐待があった時、実はその前に自分で自分を虐待しているのです。自分が犠牲になる必要をどこかで感じているのです。そのように自らを扱っているのです。
そんなわけがない、信じられないですか? それとも分かるような気がしますか?
あなたが自分に対してしていないことを誰もあなたにすることはできません。
これはとても重要な真実です。
普通は親から嫌なことをされたから、その反応として反感を抱いたり仕返しをしていると思っています。でも本当は逆なのです。こうなってしまうのはその前にどこかで自分の何かが悪いと誤解し自分のことを責めていたのです。人間は内面で起きていることを外側に映し出します。あなたが自分に対して責めているから親があなたを攻撃するという形でそれを見せてくれているのです。このことに納得がいくと、解決への道が開けてきます。
以下の文はカウンセリング.COMで回答させていただいたときのものに手を加えたものです。
仕返し=復讐は決してうまくいきません
身近な人からひどい扱いを受けると、わたしたちは、仕返しに復讐しようとします。自分を被害者にすることで、親に仕返しができるのだったら、あえて悪い事でもしようとします。
ところが、親はわかってくれません。あなたはあなたで自分のしていることに嫌気がさして、傷つけている相手は結局は自分だということに気が付くのです。
復讐は絶対に成功しません。できたとしても、こんどは罪悪感を持ってしまいます。
今、できる事があります。
親に分かってもらおうとするとき、感情的になってしまい親を責めてしまいます。あなたが泣きながら胸の内を話したように。
しかし、そうすると親は身構えて防御しようとします。
親もまたその親から同じような扱いを受けていたはずですから、あなたが感じた辛さと同じような辛さを思い出して、はねかえしたくなります。
責めてしまうとシャットアウトされてうまくいきません。非難するのが目的ではなく、わかりあいたいのだという事を最初に明確にしておくことが大切です。
こういう言い方をしてみてはどうでしょうか?
「あのときは、ほんとうに痛くて、悲しくて、なぜこんなに叩かれなくてはいけないのかもわからなくて。お父さん(お母さん)も子供の頃、同じような気持ちになったことはないの?」と、父(母)の中にある同じような体験を引き出してください。
そうすると、そこにコミュニケーションのための架け橋ができます。そこに恨みつらみをのせないように話してください。
親もあなたと同じような体験をしているはずです。ですから、すぐに心を開くことは難しいことも理解してください。
話せなければ、手紙でもいいかもしれません。伝えたあとは手放してください。すぐにいい反応が返ってくるとは限りません。でも気持ちは伝わっているはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。