自分には価値がないという誤解②比べない

こんな自分は嫌だと感じてしまう背景に、自分には「価値がない」という誤解があります。この思いは意識下に強烈に埋め込まれていて、この誤解が辛い思いや様々な「ドラマ」をつくります。

｢価値がない」から

｢価値がない」から、自分を良く見せようとします。
｢価値がない」から、我慢します。
｢価値がない」から、相手に従います。言いなりになることもあります。
｢価値がない」から、自信がないといって、ぼやきます。
｢価値がない」から、悩みます。
一体全体、この「価値がない」という思いはどうやってできてしまったのでしょうか？
「価値がない」という思い込みは最悪の間違った思い込みです。

これを人の成長段階としての役割、｢依存」｢自立」｢犠牲」という観点から見てみましょう。

黄色い壁。一人歩いている人

 ｢依存」

たいてい人の成長は「依存」からスタートします。
子が親を頼るように最初は誰かに「依存」します。何かを習い始めるときもそうです。最初の頃は誰かに従うしかありません。しかし同時に「依存」しているということは傷つきやすい立場にいるということです。
親や相手が機嫌が悪いとしましょう。それは相手の事情です。ですが、子ども心に自分が悪いのでは？と思ってしまいます。｢依存」している時はストレートに相手の感情を飲み込んでしまいます。自分に原因がなかったとしても悩んでしまいます。悩みから逃れたくて、すべてを人のせいにすることもあります。
ところが誰かのせいにしても解決することは決してありません。
「依存」は、誰かほかの人に自分を救ってもらおうとすることです。
相手の人が自分の欲求を満たしてくれて、幸せにしてくれるはずだと思っています。ですから、相手の人がどれだけ自分の欲求を満たしてくれるかで、その人を判断してしまいます。｢依存」していると感情を武器にしたり、まわりの人を自分の都合でコントロールしようとします。悲しそうにしたり、つまらなそうな顔をして、世話をしてもらったり、愛してもらおうとします。恋愛関係でよくやりがちなうまくいかないパターンです。
でも、そういう行動を取れば取るほど、まわりから見れば「お荷物」に感じ、まわりの人は離れていきます。そして魅力的でなくなった自分を発見します。自分をつまらないと感じます。自分には「価値がないのかも？」と誤解します。

 ｢自立」

「自立」は、依存期に傷ついた思いや嫉妬の辛さ、犠牲した報われない気持ちなどのありとあらゆる辛い気持ちを振り払いたくなります。二度とそういう気持ちを味わいたくないので、昔の自分や時には人間関係まで切り捨ててしまうこともあります。
感情も辛い感情を感じたくないので切り離します。当然の結果、感情を感じることができなくなります。働きすぎたり、自分にも他人にも厳しくなります。
勝ちたいという動機があるので、まわりの人と競争します。その結果、孤独感におちいります。孤独感を埋め合わせるために、誰かに依存したくなります。そうするとまた、解決していなかった昔の辛い思いがよみがえります。それが嫌でいっそう頑張ります。
行き着く先は燃え尽きてしまったり、義務と役割の人生です。
「自立」している人の口癖は「どうでもいい」です。ここでも「価値を感じること」が出来なくなってしまいます。

 ｢犠牲」

「犠牲」は、人には与えるけれども、受け取ることができません。
自分には価値がないと思っているので、価値を証明しようとして、頑張ります。ところが、「価値がない」がベースにあるので、したことの成果を受け取る資格が自分にはないと思ってしまい、受けとることができません。やってもやっても受け取れないので、すべてが重労働に感じてしまい疲れ果てます。
「犠牲」している時は、相手と自分との境界線があいまいになります。自分を相手の「奴隷」のように考えてしまいます。自分が相手より上だと考えると、相手の面倒をみなければならないと感じ、自分が下だと考えると、相手から認められようとして、自分の人生を捨て我慢しなくてはならないと感じます。どちらにしても対等な関係を持てないので、相手との親密感を感じることができません。
「犠牲」すればするほど自分の価値を無くしていきます。笑顔いっぱい

なにかしなくては価値を証明できない？

わたしたちは価値があることを証明するためには、何かをしなくてはならないと思ってしまいます。業績として残す、お金を稼ぐ、地位を確立する、つまりモノとして残さなければ証明できないのだと考えてしまっています。

果たしてそうなのでしょうか？

そうだとすれば、何かを成し遂げるまでは価値を感じることができないことになります。自分には「価値がない」ことについて考えることは、抜け出る事が出来ない迷路で迷子になってしまうようなものなのです。

実はこのテーマについて考えていたら、自分自身「無価値感」にはまってしまいました。どうやってここから抜け出せるのか分からなくなってしまいました。ですから正直なところ、なにが「正解」なのかよくわかりません。

いま、伝えたいことは、証明などもともとする必要はないのではないか？　ということです。
あなたがどういう人でありたいのか？
どのような存在としていたいのか？
それで十分ではないでしょうか？
まわりの人の評価で自分を決めようとするからおかしなことになってしまうのです。

「依存」も「自立」も「犠牲」も真実ではありません。自分を別の者として見せる「役割」として身に着けてしまったのです。
どうありたいか？　それがすべてではないでしょうか。

どういう人でありたいですか？　

あなたは、どうありたいですか？
どういう存在でいたいですか？
まわりの雑音をシャットアウトしてください。
比べないでください。
あなたの中の内なる声を聴いてください。
耳を澄ませて。その声に従っていけばいくほど「価値がない」自分から離れることができます。
「価値がない」思い自体忘れ去ってしまうことでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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Posted by kiyo.I